「KINGDOM HEARTS III」がついに発売！ プレイの前に，今までに登場したディズニーのワールドを振り返ってみよう

100エーカーの森（作品：くまのプーさん/他）

　「くまのプーさん」シリーズを原作としたステージは，「100エーカーの森」という絵本の中に存在する。この絵本は，ほとんどのタイトルでページをちぎられたり，それを世界中にばらまかれたり，終いには本ごと盗まれたりと，なかなか悲惨な目に遭うことでもお馴染み。最新作にも登場するが，果たして無事でいてくれるのだろうか……。

　このワールドの特徴は，シリーズ通して敵が一切出てこないことだ。のんびりとプーやその仲間たちと交流して，ミニゲームを楽しむことがメインとなっている。

「KINGDOM HEARTS」では，絵本のページの上を歩いてプーやラビットの家などへ行ける。ただし，“ちぎれたページ”を回収していない部分は真っ白になっていて，読むことができない

ストーリーは原作に忠実で，ラビットの家でプーが穴にハマってしまったり，なくなってしまったイーヨーの尻尾を探したりと，アニメで見たことのあるシーンがたくさん登場する

　「KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories」では，「KINGDOM HEARTS」と似た作りのマップが用意され，新しいミニゲームが追加された。ハイスコアを突き詰めたり，失敗しない限りゲームがエンドレスで続いたり，本格的な遊び場のようなステージとなっている。


　「KINGDOM HEARTS II」では，舞台が「飛び出す絵本」へと変化している。特筆すべきはミニゲームのクオリティが格段に上がっていることだろう。特に，ハチミツの壺にまたがって滑り降り，絵本の中を縦横無尽に移動する「ハチミツスライダー」は，テーマパークにあるジェットコースターのようだ。

ザ・ランド・オブ・ドラゴン（作品：ムーラン）

　「KINGDOM HEARTS II」で最初のディズニーのワールドとなるのが，「ムーラン」を原作とした「ザ・ランド・オブ・ドラゴン」だ。（進行ルートは複数あるので，ゲームの誘導通りに進んだ場合となる）

　フン族討伐のため，ムーランが男装をして父の代わりに討伐隊へ入隊しようとする原作通りの場面から始まり，それにソラたちが協力する。序盤では男装したムーランこと「ピン」を仲間に迎えて戦うのだが，剣をブンブン振り回したり，ズッコケたりと原作序盤のダメダメっぷりが嫌と言うほど再現されている。

マップにはフン族討伐隊が使っていた駐屯地や関所，山道が登場し作品の雰囲気を堪能できる

フン族が奇襲をしてくる雪山では，画面を覆いつくす程のハートレスがなだれ込んで来て原作と同じシーンの迫力を再現している

ワールド終盤では，ピンではなく「ムーラン」が仲間に加わるのだが，同一人物と思えないほどに強くなっている。世界観だけでなく，ムーランの成長もこうして表現されているわけだ

ビーストキャッスル（作品：美女と野獣）

　「美女と野獣」に登場する，魔女に呪われてしまったお城が舞台。ここでは，ルミエールやコグスワース，ポット婦人など，魔女の呪いで家財道具に姿を変えられてしまった使用人たちと協力して，城内を探索していく。

魔女の呪いのせいで悪魔や獣といった醜いオブジェが多いのだが，それに加えてハートレスまで出てくるものだから，城内は非常におどろおどろしい雰囲気へと変貌してしまっている

ビーストは黒コートの男のせいか，正気を失っているようだ。ベルや使用人たちに頼まれ，ソラはビーストを救うために奮闘する

タイムレス・リバー（作品：蒸気船ウィリー/他）

　口笛を吹きながら舵を回すミッキーマウスを，きっと誰しもが1度は見たことがあるだろう。ミッキーマウス最初の短編映画「蒸気船ウィリー」のワンシーンだ。
　ここではその白黒アニメーションの世界が舞台となっており，ソラたちのビジュアルも当時のアニメーションキャラクターっぽく変化している。ドナルド，グーフィーに至っては，昔の作品に出てきたビジュアルそのままで，どうやら本人たちも懐かしいらしい。
　見た目の変化に加えて，音声やBGMがレコードを流しているかのような，ちょっと籠ったアナログ風な音質になっているのも，このワールドの味わいを出している大きなポイントだ。

過去の時代にタイムスリップしているので，現代のピートと，ウィリー号の船長ピートがはち合わせする混乱しそうなシーンも。ちなみに，当時のミッキーも登場し，顔つきが現代とは異なるのが分かる

「ミッキーの消防夫」や「ミッキーのガリバー旅行記」と言った短編作品のワンシーンを描いたマップも登場する。画面が白黒になっていることもあって，バトルの難度がやや上がって苦戦することもこのステージの特徴だろうか

ポートロイヤル（作品：パイレーツ・オブ・カリビアン）

　「KINGDOM HEARTS」シリーズに，実写映画を原作とするワールドが登場するなんて誰が予想できただろうか。ここポートロイヤルは，映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」を原作としたワールドで，ほかのワールドとは打って変わって，全体的に実写風のCGで作られている。


　「KINGDOM HEARTS II」では，ソラたちは通常衣装のままでちょっと浮いているような感じもしたが，最新作では海賊風の衣装に変化することが発表されている。

「KINGDOM HEARTS III」

登場キャラクターは顔つきや頭身も俳優にそっくり。ジョニー・デップ様って一目でわかるでしょう？　声も映画と同じ！

敵キャラクターの多くが海賊なのも，このステージの特徴だ。副題にある通り，相手は「呪われた海賊たち」なので，倒すのも一苦労

海軍の高速船「インターセプター号」で海上戦を繰り広げながら，呪いの金貨がある死の島へ向かい，海賊「バルボッサ」の野望を阻止するのだ

プライド・ランド（作品：ライオン・キング）

　ドドドドド……とヌーの大暴走に小ライオンが巻き込まれるシーンから始まる，「ライオン・キング」原作のワールド。原作を知っている人ならば，このシーンだけでもテンションが上がりそうだが，この先も原作に登場するシーンが非常に豊富で，おそらく「KINGDOM HEARTS II」をプレイするだけで「ライオン・キング」のストーリーがほぼわかるぐらいに話の内容が網羅されている。


　今回は動物たちが住んでいる「プライド・ランド」という王国が舞台なので，ソラたちも動物に変身。ソラは子ライオン，ドナルドは鳥，グーフィーはここでもカメになっている。

子ライオンになったソラは，キーブレードを口に咥えて戦うため，使えるアクションが大きく制限される。しかしその分，移動速度が格段に速くなっており，マップも広大な作りになっているので，ほかのワールドでは味わえない疾走感が楽しめる

ライオン・キングの主人公シンバは，「KINGDOM HEARTS」で「しょうかん」キャラクターとして登場していたため，ソラたちとは既に友達関係になっている。久々に再会するシーンも“動物様式”で非常に可愛らしい

人気キャラクター「ティモン」と「プンバァ」も登場し，みんなで“ハクナ・マタタ”を唱えながら行進する場面も。ソラ，ドナルド，グーフィーもノリノリだ

スペース・パラノイド（作品：トロン）

　再び実写映画を原作とするステージが登場。スペース・パラノイドは1982年に公開された「トロン」のワールドだ。

　舞台は，「エンコム社」制作によるコンピュータープログラムの中。「KINGDOM HEARTS」オリジナルの世界にあるコンピューターからアクセスできる場所だが，エンコム社の製品が異なる世界にも進出しているのかと思うと，なかなか面白い。
　ここでは囚われの身だったセキュリティ・プログラムのトロンを仲間に加え，プログラム世界からの脱出を目指すことになる。


　プログラムの世界ということもあって，衣装は蛍光ラインの入った電子回路のようなデザインに変更されている。会話にはコンピューター用語のカタカナが多いので，ソラも思わず「トロンは何を言ってるの？」と言ってしまう始末。ソラに限らずプレイヤーもちょっと混乱するかも。

有名な「ライトサイクル」に乗って疾走するレースシーンもしっかりと用意されている。バイクの形は若干次作の「トロン：レガシー」っぽくなってはいるが，バイクで走りながらハートレスを倒す爽快感のあるアクションが楽しめる

エンチャンテッド・ドミニオン（作品：眠れる森の美女）

　「眠れる森の美女」を原作としたワールドで，オーロラ姫が眠る城と魔女マレフィセントの城が冒険の舞台となっている。すでにオーロラ姫は長い眠りについた後で，国中の人も眠りについてしまい，城の中には一切人の気配がしない。
　3人の妖精からことの経緯を聞いたヴェントゥスは，オーロラ姫の心を取り戻すため，マレフィセントの城へ向かう。

オーロラ姫がいる城は，森から伸びた長い橋を渡った先にあり，外観は「シンデレラ城」など，他作品のお城より一回り大きい。城の内部は装飾がほとんどない簡素なデザインで，その代わりに広々とした部屋や廊下が用意されている

森をしばらく進むと，周囲の雰囲気が一変し，切り立った崖の上にマレフィセントの城が現れる。城の中は荒れ果てた様子で，あちこちにマレフィセントの手下が配置されていたり，魔法を使った仕掛けがあったりするため，簡単に先へは進めない

アクアのストーリーには，オーロラ姫を助けるため，フィリップ王子が登場する。原作同様に細身の剣と，体が隠れるほどのタワーシールドを装備して，マレフィセントの手下を蹴散らしてくれる，まさにイケメンだ