連載
【ミートたけし】生まれいづる新たなる狂気の矛先「MTG」
ミートたけし / 川村 竜 / ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー
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ミートたけしの「世界の平和が俺を守る!」ミートたけしYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@meatalk |
第28回:生まれ出ずる新たなる狂気の矛先
私は狂っている。
コレと決めたものに対して尋常ならざる熱量を注ぎ込むその様は,自分で自分が恐ろしくなるほどだ。
格ゲー,とりわけ「ストリートファイターV」にハマり,来る日も来る日もプレイし続けた。勝ち負けがこんなにも自分の感情を爆発させるのだと知った。
コーヒー,そもそもコーヒーが飲めなかった自分が界隈の人々の温かさに胸を打たれ,気がつけば国内でも700軒以上のコーヒー屋さんに足を運び,あまつさえ自分のオリジナルコーヒーの販売も始め,ついには焙煎大会の審査員デビューも飾ってしまった。
本業(もはや本業なのかどうかも怪しくなってきている)の音楽に対してもそうだったと,高校の同級生から言われたことがある。高校生の頃は授業中でも休み時間でも関係なく,音楽理論の参考書を開き,ひたすら勉強をしていたらしい。
集中してしまうと周りをまったく気にかけなくなってしまうのが,自分の長所でもあり短所でもある。
ともかく,音楽と格ゲーとコーヒー。この三つに対しては狂気的に取り組んできた。もうこれ以上,己が狂気的に熱量を注ぐものに
出会うことはないだろう,そう思っていた。
思っていたのに,だ。
人生とは実に愉快で刺激的なものだ。
私の狂気の受け皿となるものが現れたのだ。
「MTG」。
今後,私の口やSNSなどからこの名前を幾度となく見聞きする機会が多くなっていくだろう。決して「Meat Takeshi Gaming」の略などではない。「マジック:ザ・ギャザリング」略してMTG。これが私の新たなる狂気の矛先だ。
![]() 最近ではステージ上もMTGに侵食されている |
![]() エディの統率者カードを喰らうヴェノム。こんなの置かれたら同卓拒否待ったなし |
MTGのハードルの高さとそれをブチ壊す方法
カードゲームというものに一切触れてこなかった自分でも,「MTG」の存在,名前ぐらいは知っていた。
「ポケカ」や「遊戯王」など数々のカードゲームがある中,その歴史の長さから見ても,「MTG」自体の一般層への浸透度は高いと思っている。ただその浸透の質が問題だと感じていて,私自身,ルールの複雑さや,札束で殴り合うようなマネーゲーム的な側面を想像し,やはりそれらにハードルの高さを感じ,マイナスイメージを抱いていたことは,ここで告白しておく。
このハードルを超えるためには,自らの興味に加えて,さらに二次的な要素が必要不可欠だ。友達がやっていた,彼氏彼女がやっていた,配偶者がやっていた。中にはお子さんがやっていたから始めたという親御さんもいた。
MTGの特色ともいえる他ジャンルをテーマにした展開も,非常に効果的にハードルを超えさせる一助となっている。私もたいへんお世話になっている「FINAL FANTASY」とのコラボや,このコラムが掲載される頃には我々世代にブッ刺さる「ミュータント タートルズ」パックも発売される。
面白いところでは「ブルームバロウ」というシリーズは,可愛らしい動物達が主役であるため,今までMTGにまったく興味のなかった女性層に人気とのこと。自分の周りのインフルエンサー,タレント,声優などの女性陣には,こちらを勧めるようにしている。人気のパックのため,なかなか手に入らないのが痛いところではあるが。
私自身も「スパイダーマン」パックの発売を受けて,よし,これを機にMTGを始めてみようと思った次第だ。
このように,自分の興味のあるシリーズがあり,なおかつ共に遊んだり教えてくれたりする人が周りにいるという条件がそろいさえすれば,あなたはMTG扉を軽やかに開けられる。
だがここで懸念すべき点が一つある。
誤解を恐れずに書かせていただく。
先述の「教えてくれる人」の中には,MTGへの熱意が高すぎるが故に自身で新規ファン層を結果的に排除してしまっている厄介勢というものが存在する。
厄介勢の奥底に迸る愛情に目を向ける
私はこの「厄介勢」という言葉を,ある種のリスペクトを込めて使わせていただいている。そのことはあらかじめお伝えしておこう。
私が今謳歌しているMTGライフには前日譚がある。
「スパイダーマン」のMTGパックが発売される,という情報が入ってきた段階で,その時点でもすでに何種類かのMARVELカードが存在していることを知った。
どうやら統率者カードと呼ばれているらしいその中に,めちゃくちゃカッコいいキャプテン・アメリカのカードを見つけた。調べてみると「晴れる屋」というカードショップで購入できるということだったので,Xにキャップのカードを買いにいく旨をポストし,私は秋葉原に向かった。
この投稿が原因であんな恐ろしい目に遭うなどとはつゆ知らず……。
とりあえずアキバで
— 川村竜 (@ryukawamura) August 14, 2025
キャプテンアメリカのカード探すか
秋葉原の改札を出ると,私は数人の男達に囲まれた。ついに刺される!? 秋葉原が俺の終の場所だったのか!? そんなことが頭をよぎらなくもなかったが,どうやら彼らは互いに面識もなく,それぞれがそれぞれの意思で,今ここにいるということが分かった。
そして彼らは口々に,
「ミートさんがMTGを始めてくれるかもと思ったらうれしくて!」
「ルールがややこしいので説明しようと思って!」
「統率者というルールに使えるカードなので」
「デブ!」
「カードショップを案内しようと思って!」
「まずは初心者体験会っていうのもあって!」
「地獄に堕ちろ!」
「自分もベーシストなんです!」
「お金ください!」
などと自分勝手に話し始めた(一部誇張幻聴有り)。
彼らをいさめながら私は言った。
「気持ちは分かるしうれしいけど,これ,俺じゃなかったらMTGやめるよ?」と。
しかしこのような厄介勢,はっきり言って嫌いじゃない。いや,むしろ好きだと言ってもいいだろう。
前述のとおり,私は彼らをリスペクトしている。
なぜなら「愛情」を感じるからだ。
格ゲーコミュニティ,コーヒーコミュニティからも感じる,狂おしく愛おしいほど強烈な愛情だ。
外部から排他的と思われがちなコミュニティは,その愛情の裏返しでもある。この連載でも何度かこの手の話を書いてきたが,やはりMTG界隈からも同じようなものを感じた。だからこそ魅力を感じ,この身を投じようと思えた。
【ミートたけし】ファン層拡大のヒントはSDGsとMTGにあった!?
ミートたけしこと川村 竜さんによる連載,「ミートたけしの『世界の平和が俺を守る!』」。第23回は,コーヒー業界におけるSDGsや,「マジック:ザ・ギャザリング」から得た知見を語っていきます。
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好きと好きをつなぐハブを目指して
一つの物事に情熱を注ぎ込むと,今までリンクしなかったものが急につながり始め,大きな流れとなることが多々ある。
今回もMTGに興味を持ち始めた段階で,私のこの新たなる狂気の顕現を決定づけた出会いがあった。
DetonatioN FocusMeの忍野ぺぺさんから「ミートさんがMTG始めるなら」と,晴れる屋の執行役員でありマーケティング本部長でもある福士博之さんをご紹介いただいた。
彼もまた「狂気」に取り憑かれた人間だった。元々,格ゲー勢という福士さんは「おじリーグ」や「格ゲーマー人狼」などで自分のことを知ってくれていたという。
そんな彼からMTGへの熱く煮えたぎるマグマのような思いをぶつけられた私の魂は,同調と呼応の末,大きく震えた。
すぐさま同じ事務所に所属するMARVEL系YouTuberの,がおーさんに連絡をとり,カードゲームのチャンネルを立ち上げることを決めた。実際に晴れる屋 トーナメントセンター 東京を訪問し,店内だけではなく,社内やスタジオ設備なども見学させていただいた。
せっかくだから,初回は晴れる屋さんの店内を回りながらMTGの世界を紹介させていただくような動画を撮りたいと提案した。すると福士氏から「かしこまりました。では朝5:00から開けます」という何ともありがたくも頼もし……は? 朝5:00? やはりこの男,狂気に取り憑かれた側の人間だった。
さっそくスタートしたカードゲームチャンネル。開設のきっかけ説明をはじめとした導入動画を撮り,その後も実際にカード購入,開封,デッキ構築と順を追って撮影していくはずだった。
しかし先ほどの福士氏同様,私も狂気に取り憑かれた男。そんなかったるいペースで撮影してたら,あっという間にジジイになっちまうぜ? なぁ? というわけで,この記事が掲載される頃には「デッキを構築しましょう〜♪」みたいな動画を撮影する予定だが,私はすでに統率者デッキとスタンダードデッキを構築済みだ。
最初の動画を撮影した日から暇さえあれば各地の晴れる屋を訪れた。そちらで初心者講習を何度も受け,「スパイダーマン」カードを集め続けた。各店舗で声をかけてくれたリスナーさんやファンの方々の力を借り,MARVELシリーズのカードのみでデッキを作り上げた(正確にはあまりの勝てなさに土地周りに関してはMARVEL縛りは諦めた)。
つい先日までは顔も知らなかった間柄だったのに,今では週2,3回会っている人もいる。音楽のイベントやコーヒーのイベントにも,MTGから自分を知ってくれた人が多く訪れてくれるようになった。また,音楽,コーヒーファンからも,MTGを始めてくれる方々が現れた。
先日の音楽とコーヒーを融合させた私のライフワーク的なイベントでは,終了後,そのスペースをそのまま使わせていただいて即席のMTG対戦会,講習会が行われた。その光景を見ていると熱く込み上げてくるものがあった。
![]() 音楽とコーヒーのイベントで突如始まる対戦会 |
![]() 未経験者も巻き込む巻き込む! |
この世に生を受け,一度きりしかない人生。
できることなら「自分にしかできないこと」にすべてを捧げたい。
そう願いながら生きてきた私の目の前に今,道が開かれたような気がした。
音楽で人を幸せにできる人もいる。
コーヒーで人を幸せにできる人もいる。
格ゲーで,MTGで人を幸せにできる人もいる。
だがもし,そのすべてで人を幸せにできるのだとしたら?
そんなことを考えただけで居ても立ってもいられなくなる。
好きなものと好きなもので好きな人と好きな人をつなぎ,好きなことを好きなように楽しむ。
好き好き好き好き好き好き好き好き。
好きの連鎖が世界に広がっていく。
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ミートたけしのMTGライフ始まります
当然,始めたばかりの初心者もいいところな私。「にわかが界隈にすり寄ってきやがって!」なんて思う人もいるかもしれない。だがそんな君とも数か月後には,膝を突き合わせて俺のデッキと対戦しているかもしれないぜ?
道とは人が歩んだその後ろにできあがっていくものである。私のMTG道,どうか皆様に見守っていただきたい。
つまり今日も今日とて,世界の平和が俺を守ってるってわけ。というわけで,お店で見かけたらぜひ声をかけてね!
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| ■■ミートたけし / 川村 竜(ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー)■■ ベーシストとして国内外各所でライブやコンサートで演奏活動をしつつ,配信活動も活発に行っているミートたけしこと川村 竜さん。現在は主にYouTubeチャンネル「ミートたけし-MEAT TAKESHI-」とTwitchチャンネル「ミートたけしの『太くてニューゲーム』」で,雑談配信をしたりゲーム配信をしたりと大忙しの様子です。 |
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