連載
【ミートたけし】すべての子供達よ,心のツバサを持て!
ミートたけし / 川村 竜 / ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー
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ミートたけしの「世界の平和が俺を守る!」ミートたけしYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@meatalk |
今年もあと数日で終わる。
この連載が始まったのはつい先日のように思えるが,今回でなんと26回目。光陰矢の如しとはこのことだ。
慌ただしいクリスマスの時期を迎え,今年も12月に入ってからたくさんのクリスマスソングを演奏した。中でも「The Christmas Song」という曲を弾く機会が多い。この曲の歌詞でお気に入りの部分がある。
And so I’m offering this simple phrase
To kids from one to ninety-two
このシンプルな言葉(メリークリスマス)を,1歳から92歳までのすべての子供達に伝えよう。実に素敵だ。人はいくつになっても等しく子供なのだ。93歳以上はなぜ含まれないのか,という疑問は置いておこう。
そんなすべての子供達へ,一年の締めくくりに私が伝えたいのは,「メリークリスマス」でもなければ「良いお年を」でもなく,「心のツバサを持とう」ということだ。
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夢は叶う? 夢を夢にしなければ叶う!
願っていれば夢は叶う? 答えはNOだ。
願っているだけでは絶対に叶わないのが夢だ。
もっと言えば,願うのが夢なのだから叶うわけがない。というひねくれた言い回しも可能だろう。
まずは夢を夢と思わないことが大事だと考えている。可能な限り具体性を持たせてそこにたどり着くために,必要なことを細かく把握し,それを一つ一つこなす。
言葉にすれば簡単なことかもしれないが,世の中に大小さまざまな夢があふれているにもかかわらず,それを叶えられる人間が少ないのはなぜか?
それは心にツバサを持っていないからだ。
心にツバサを持っていないとどうなるか? 心のツバサは我々に「勇気」と「行動力」をもたらす。
皆さんはやってもいないことを,試してもいないことを,「どうせ無理だ」と諦めたことが,今までに何度あるだろうか?
確かに無理かもしれない,無駄かもしれない。だが自らの実体験としての失敗や挫折は,間違いなく己の目標へ昇り詰めるための階段となる。
時間は有限であり,無駄な努力はすべきではない。日ごろからそう提唱している私ではあるが,今回はその真意をしっかりと説明する良い機会かと思う。
今の時代,何か疑問に思ったこと,知りたいと思ったことは,スマホで数秒のうちに調べ,解決できるだろう。「最適解」というものが実に簡単に手に入ってしまう。
ただ,私がここで一つ重要だと思うのが,調べた「最適解」の反対側にあるものに目を向けることだ。最適ではない,つまり選択肢として取るべきではないもの。それは本当に間違っているのだろうか? 間違っていると書いてあるから,間違っているのだろうか?
こういうものに対して自ら実体験として取り組み,「うん,間違ってた♪」と言えることに意味があるのではないだろうか? 「最適解」の反対側を知ることで,よりその「最適解」の真実味が増すのだと思う。
ツバサが授けた人気声優との邂逅
私の人生において最も重要な人物がいる。
声優であり歌手であり,最近では書道アーティストとしても活躍している岩男潤子さんだ。
彼女との出会いは私が15歳の頃。元々アニヲタだった当時の私は,さまざまな作品のエンドロールに「岩男」という,アメコミでいうところのハルクみたいな姿を想起させる声優さんがいることに気付いた。
しかしながらその声は,天から降りる一本の銀の糸のような美しさで,調べてみるとそのお顔もとんでもないかわいこちゃんだった。1990年代から2000年代初頭にかけての,いわゆる“アイドル声優ブーム”の時期,その中枢に存在していた岩男潤子さんに当時中学生だった私は夢中になった。
ベースを始め,ベースを仕事にした頃もヘビーファンだった。とにかくこの人とつながりたい。そんな邪な動機は私の心に黒いツバサを授けた。
イベントやコンサートのたびにマメにファンレターを送り,自分がプロミュージシャンとして生きていることも伝えた。やれることはやった。そう思って数年が経ったある日のこと。一通のお仕事依頼のメールが届く。
「声優の岩男潤子です」
ちょろい。人生というものは実にちょろい。
なんて冗談ぽく書いてはいるが,これは照れ隠しだ。分かれ。
そこからの岩男さんとの活動は調べてもらえばたくさん出てくるので,興味を持ってくださった方はそちらをご覧いただくとして,今回,書き記しておきたいのは別の話である。
「憧れの声優と一緒に仕事をする」
この私の夢を実現させた要因は何だったのか?
ここで一度,箇条書きにしてみよう。
・ファンクラブに入る
・ことあるごとにファンレターを送る
・プロミュージシャンになる
・自分がプロミュージシャンであることを猛烈アピールする
3つめ以降が割と厄介かもしれないが,もしその夢を持っている方がいたなら,それに向けたステップを箇条書きにして頑張ってほしい。
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話を戻すが,この箇条書きを見て,私は筋トレのメニューと同じだなといつも思う。トレーナーにお願いして目標の体重,理想の体型になるため,必要なトレーニングの内容や期間をリストアップしてもらう。
後はその内容に沿って,トレーニングを続けるだけだ。続けるだけなのになぜ私は太っているのだろうか? なぜ世の中の人間が皆ムキムキではないのだろうか? それは続けられないからだ。長々書いてきたが一体私は何が言いたいのか?
つまりはこうだ。
夢を叶えるための方法,手段,それに必要な時間,コストを明確にすること自体は,決して難しくはない。難しいのはそれらを実際に行い,続けることにある。
ここであらためて夢を叶える,夢を夢のままで終わらせないためには,必要なことをこなす「行動力」と,それを続ける「勇気」が必要なのだ。
それこそが「心にツバサを持つ」ということにほかならない。
会いたい人に会ってきた人生
「心のツバサ」を持ち続け,それがもたらしてくれる勇気と行動力のおかげで,自分が会いたいと思った人には大体会えてきた。
そしてこれからも大体会えるのだと思う。
ただその「会いたい」の熱量は並々ならぬものだ。いわゆるストーカーチックな「会いたい」とも違う。そこには尊敬があり,愛がある。自分の矜持を相手に伝え,その呼応を求めているのだ。
一目,拝めれば良いとか,そういう類のものではない。そしてそんな人達との出会いが,我々のツバサをさらに大きなものへと成長させ,より遠くに,より高くに連れて行ってくれる。私はそう信じている。
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音楽,YouTube,ゲーム配信,コーヒー,プリン。
今年も端から見ると何をやっている人なのか分からない日々を生きてきた。しかし,そのどれをも心から楽しみ,時間と労力を注ぎ続けることができた。それもすべて心にツバサを持っているからだ。
2025年は皆さんにとってどんな年でしたか?
2026年は皆さんにとってどんな年にしたいですか?
私は来年も,このツバサでいろんな所へ飛んで行こうと思っています。
この連載も皆さんのツバサの一枚の羽根くらいになれたらうれしいです。
どうぞ来年もよろしくお願いします。来年も世界の平和が俺を守ってくれますように。
| ■■ミートたけし / 川村 竜(ベーシスト,作編曲家 ,ストリーマー)■■ ベーシストとして国内外各所でライブやコンサートで演奏活動をしつつ,配信活動も活発に行っているミートたけしこと川村 竜さん。現在は主にYouTubeチャンネル「ミートたけし-MEAT TAKESHI-」とTwitchチャンネル「ミートたけしの『太くてニューゲーム』」で,雑談配信をしたりゲーム配信をしたりと大忙しの様子です。 |
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