連載
インディーズゲームの小部屋:Room#231「アルフール小国物語 −エルグス侵攻戦争−」
日本中が盛り上がった金環日食も,目が覚めたときには終わっていた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第231回は,あやえも研究所の「アルフール小国物語 −エルグス侵攻戦争−」を紹介する。本作は,敵国に捕らわれ,奴隷として護送中に脱走した姉弟が,2人で力を合わせて故郷を目指すFPS。UDK(Unreal Development Kit)を使用して写実的に描かれた風景と,アニメ的なキャラクターの取り合わせが目を引く作品だ。とりあえず,次回の金環日食は筆者の起きてる時間にお願いします。
帝国歴312年,ディオニウス歴1048年。その初夏,隣国のエルグス自治領は,突如としてアルフール小国への侵攻を開始。戦火は瞬く間に広がり,アルフールで捕らえられた力なき住民は,奴隷として次々とエルグスへと護送されていった。レオンとシャルナワーゼの姉弟も同様に捕らわれ,奴隷として護送されることに。しかし,その途中で事故が起き,2人は逃げ出すことに成功する。敵国の真っ只中で,2人は故郷に戻ることを決意。銃を手に取り,アルフールの国境を目指す……。
上述したように,本作の大きな特徴としてまず挙げられるのは,Epic Gamesが開発したUDKを用いて制作されていること。ご存じのとおり,UDKは「Gears of War」シリーズや「BioShock」シリーズといった数多くのゲームで採用されているゲームエンジン,Unreal Engine 3を使ったゲームを制作できる開発ツールだ。海外のインディーズゲームで広く利用され,国内でもUDKで開発中のタイトルがいくつかあるが,筆者が知る限り,国内でUDKを使って完成したインディーズ作品はこれが初ではないかと思う。
スクリーンショットからお分かりのとおり,いかにもUnreal Engine 3らしい写実的な風景の中を,アニメ的なキャラクターが駆け回るというミスマッチが,本作ならではの雰囲気を生み出している。キャラクターの操作方法は,W/A/S/Dで移動(Shiftキーを押しながらだとダッシュ),Spaceバーでジャンプ,マウスによる照準と射撃といった具合に,一般的なFPSと同じ方式が採用されており,一度でもFPSをプレイしたことがあれば操作に戸惑うことはないだろう。
レオン |
シャルナワーゼ |
ジェバ |
エメ |
一方で,本作の特徴的なゲームシステムとなっているのが,各ステージの開始時にレオンとシャルナワーゼの2人から操作キャラクターを選べること。レオンは体力が高い代わりに移動やリロード速度が遅く,シャルナワーゼは逆に,体力が低い代わりに移動とリロード速度が速いという特徴を持っている。選択されなかったキャラクターはCPUが操作し,2人でステージを攻略していくことになる。ちなみに筆者は姉のシャルナワーゼ派だが,よく考えたら本作はFPSなので,シャルナワーゼを選ぶと自分の姿が見えなくなってしまうのだった。あれっ?
公式サイトでは,そんな本作の体験版が公開されているほか,製品パッケージ版は1575円,ダウンロード版は1050円(共に税込)で発売中。UDKで制作された国産FPSは非常に珍しい存在ともいえるので,その出来栄えが気になる人は,まずは体験版からお試しあれ。
■あやえも研究所公式サイト
http://ayaemo.skr.jp/- この記事のURL:
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