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悪意のあるアプリからユーザーを守る,Google Playの取り組みとは? 「Google Play 2019年の取り組みに関する説明会」レポート
この説明会ではGoogle Play UX プロダクトマネジメント ヴァイス プレジデントのティアン・リム氏が登壇し,Google Playの安全性やデベロッパへのサポートなどさまざまな取り組みを解説。本稿にて,その内容を紹介していこう。
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最優先はユーザーの信頼と安全性
ティアン・リム氏は,消費者が信用していないアプリはインストールされないと前置きをし,Google Playではユーザーの信頼と安全性を最優先に考えて行動していると述べる。続けて実際にどのような取り組みをしているのかを,3つの項目に分けて解説した。
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「Protections」の項目で語られたのは,配信されているアプリの検出能力について。Google Playでは専任のエンジニアたちがポリシーをアップデートしており,毎日500億を超えるアプリをスキャンして悪質/有害な挙動がないかをチェックしているそうだ。2018年には潜在的に有害なアプリの影響を受けたのはたったの0.08%と,被害を最小限に食い止めている。また,Google Play以外でインストールされるアプリについても対策を講じているという。
2019年はさらに検出能力を高め,配信済みのアプリの改編や悪質なコンテンツ,不正な広告などもチェック体制を強化。ユーザーがインストールできる環境になる前に,悪質なアプリは差し止められている。人気アプリのなりすましなど,誤認ダウンロードを誘うアプリも対策済みだという。
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不正返金やギフトカードに対する専門の対策チームも作るほど体制を強化している現状だが,ティアン・リム氏は「脅威も常に進化しているため,まだまだできることはある」と語る。
厳重な監視を続けている一例として,悪質なSDK(ソフト開発に必要なツールセット)についても紹介があった。最初は問題がなく見えるSDKを多くのデベロッパが使用すると,あとから個人情報を抜き取るような動きを見せることがあるそうだ。実際に,Google Play側で対抗措置を取ったSDKの数は20万以上もあるという。
巧妙な手口を使う悪質なSDKについては監視を続けるとともに,デベロッパが安全なSDKを選べるようなサポートをすることで対策を講じているとのこと。
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続いて紹介された「Policies」。アプリの方針については2つのアップデートを実施したという。今年実施したポリシーの更新により,「SNS,通話履歴へのアクセス権限は必ず必要なものについてのみ許可」と,「子供向けアプリは適切なコンテンツだけが表示されるように対策」することを各アプリに求める方針を採用。
結果的に個人情報の流出を防ぐユーザーの安全性向上や,子供が利用するアプリ内での不適切な広告の表示などを防げるようになっている。これらの変更はデベロッパにも実施のプロセスを詳細に共有することで,変更が必要なアプリも更新がしやすくなっているようだ。
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最後に,「Review Process」の項目ではアプリの管理体制が紹介された。
Google Playでは毎日新規のデベロッパアカウントが作成されるが,そのほとんどは悪意あるアプリの公開を狙っているという。また,一度削除されたアプリの再公開を狙うアカウントも多いのだそうだ。そういったアプリが再公開されないように幅広く検証して管理しているとのこと。
監視方法は,機械と人力の二重チェック。日々何万というアプリの配信や更新がある中,機械を使ってテストと分析をし,さらに人によるチェックも実施しているという。
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二重チェックにより品質基準を高く保ち,なりすましや改変と言った悪意あるアプリの配信をユーザーの目に届く前に差し止めるGoogle Playの数々の施策。2018年には悪意あるアプリの申請却下数が55%,アプリの停止件数は66%増加したという。増え続ける悪意あるアプリの攻撃からユーザーの安全性を守り,将来的には悪意あるアプリが入り込まないようにしたいとティアン・リム氏は今後の展望を語ってくれた。
また,デベロッパのフィードバックを受けながら利便性を上げることにも意欲的なようだ。Google PlayではPLAYTIMEやマンガ,アプリDayなどのイベントを開催し,今後もデベロッパと直接意見を交換する機会を設けるという。
ティアン・リム氏は最後に「デベロッパとともに成長していきたい」とコメントし,説明会を締めくくった。
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「Google Play」
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