プレイレポート
[プレイレポ]中世の瀉血医になって病魔と戦う。新作デッキ構築ゲーム「呪血医」は,つらい息苦しさからの“爆発的な解放”が味わえる作品だった
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中世風のデッキ構築ゲームとのことだが,戦う相手はいわゆる“敵”ではない。プレイヤーは瀉血(しゃけつ)医となり,人々を助けながら集落を蝕む病と戦うのだ。狂気に満ちたアートスタイルと,独特なゲーム性で話題を集め,Steamレビューはさっそく非常に好評(レビュー数:72件 2026年4月6日現在)となっている。
ただ,パッと見でどんなゲームなのかは少し分かりにくいかもしれない。そこで今回はアーリーアクセス版を遊んでみたレポートをお届けしていく。
病が蔓延する集落の医者となり
災いを振りまく悪霊に挑む
ゲームの舞台になるのは,中世のとある小さな村。プレイヤーは診療所で活動する外科医となって,さまざまなカードを駆使して村人たちを治療していくことになる。
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村人たちは「純潔度」と「体力」を持ち,いずれかがゼロになると死亡してしまう。診療にやってきた村人に対しては1度に3枚まで治療カードを使用できるので,カード効果を駆使して各ステータスを維持してあげよう。
カードにコストの概念はなく,ほとんどのカードは1枠に対して1枚使用できる。最初は非常に脆弱な治療法しか存在しないが,日数が進むごとに新たなカードをデッキに加えられるので,それらを使って状況を安定させるのが基本的な考え方だ。
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面白いのは,プレイヤーに対する“印象”も管理要素に含まれていること。村人たちはプレイヤーに対して「信頼」か「不信」のいずれかの態度をとり,信頼状態にある村人は診療終了後に技能を生かした協力をしてくれる(1日につき1名のみ)。
たとえば,「仕立て屋」はカードをアップグレード(効果の追加)してくれて,「骨彫師」はカードをコピーしてくれる。診療終了後に技能を使いたい村人については,積極的に信頼を得られるカードを使うべきだろう。
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このように村人を治療していけば,村を蝕む病は少しずつ収まっていくのかと思いきや,むしろ時間が経つと状況は悪化していく。
というのも,村にはゲーム開始時に設定した「悪霊」が潜んでおり,一夜ごとに村人たちの心身両面を蝕んでいるのだ。これを祓わなければ,村人をどれだけ治療しても問題の根本的な解決にはつながらない。
悪霊を祓うためには,指定された条件を達成して「血石」をすべて抽出する必要がある。村人が3人以上死亡する前に,すべての血石を抽出すれば無事ゲームクリアだ。
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血石の抽出が進むと悪霊は荒れ狂い,一晩ごとに村人たちが受ける被害がどんどん大きくなっていく。単純に純潔度や体力を低下させるだけでなく,プレイヤーへの不信感を広げたり,病気を振りまいたりして状況を複雑化させてくる。
さらに,村人が死亡したり,血石を抽出したりすると「呪い」が産み落とされる。呪いはデバフカードで,手札に持っているだけでマイナス効果を及ぼすうえに,使わなければ破棄されない。場合によっては一気に状況が悪化する可能性もあるので,村人のステータスは常に注視する必要がある。
| 村人のステータス | |
|---|---|
| 純潔度 | ゼロになると死亡する |
| 体力 | ゼロになると死亡する。最大値(100)に達するとランダムなボーナスカード(祝福)を得られる |
| 信頼/不信 | 不信状態では1回の診療で使えるカードが1枚減る。カード効果で状態を変えられる |
| 病気 | スタックする状態異常。病気の村人はスタックに応じて純潔度と体力を失う |
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また,従来のデッキ構築型カードゲームでは「カードを使い果たしたら捨て札をシャッフルしてデッキを作り直す」というルールが採用されていることが多いが,本作ではデッキの再構築は行われない。デッキと手札が尽きたら,その日の診療はおしまいだ。
カード消費自体にコストがなく,ターン開始時には上限(初期値は5枚)まで手札を補充する仕様なので,カード自体はガンガン使えるものの,景気よく使っているとすぐにデッキ切れを起こしてしまう。
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強力なカードは手札に温存して疲弊している患者に使いたいところだが,あまりカードを使わずにいると,今度はデッキからカードを引く枚数が減る。特定のカードを引き当てたければ,手札を意識的に使うのも重要だ。
診察にやってくる村人は列を作り,どの順番で,どの村人がやってくるかも事前に提示される。状況が悪い患者がいるのなら,早めに手札を回して必要なカードを探しに行く必要があるし,すでに持っているなら温存する。こういった手札管理のジレンマが,本作のゲームプレイにおけるキモの部分だ。
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「これできる?」はだいたいできる
システムを悪用して悪霊をブッ飛ばせ!
悪霊の血石をすべて抽出すると,村はその脅威から解放されてゲームクリアとなる。初めて悪霊を攻略すると「メタ血石」が出力され,それを消費することで新悪霊,新難度をアンロックできる仕組みだ。
悪霊と難度にはカードとメカニズムが紐付いており,アンロックに合わせて新要素が登場する。新要素は基本的にプレイヤーに有利な内容になっているので,どんどん新しい要素をアンロックしていくのがいいだろう。
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ここからは,ある程度遊んでみて感じたプレイフィールを,ちょっとした攻略要素を含めつつお届けしていく。自分で遊び方を確かめたい人や,ネタバレが気になる人は注意してほしい。
本作の手触りはかなり息苦しい。治療した村人にデバフが降り注ぎ,それをちまちまと治療していくのは,まるで掘った穴を片っ端から埋められているような感覚だ。ある意味で,この体験は本作の陰鬱な雰囲気に合致している。
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ただ,ちょっとしたきっかけで一気に状況が改善されることがある。というのも,本作は基本的に“ズル”を咎めない仕様であり,プレイヤーのひらめきをだいたいそのまま運用できるように作られているのだ。
たとえば,治療で村人の体力が100(上限)に達すると,「祝福」と呼ばれる強力な使い切りカードを獲得できる。このシステムを見た多くのカードゲーマーは「デメリットカードで体力を減らして,もう一度体力を100にしたらどうなるの?」と考えるはずだ。
結論から言うと,ちゃんと祝福をもう1枚もらえる。通常こういう場合,通常,この種のゲームでは「1日1回まで」「1人1枚まで」といった制限が設けられるものだが,本作にはそれがない。しっかりコンボを決めれば,手札に複数枚の祝福がひしめく状態も普通に発生する。
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祝福は使わず保持すれば,次の日に持ち越せる。さすがにコピーはできないが,大量に保持して一気に投入することも可能だ。
ゲーム全体の数値設定を見る限り,どうも本作はこうした挙動を前提にバランスが組み立てられているようだ。となると,一気に話が変わってくる。
悪霊は血石を抽出されると怒り出すので,条件が整ったら一気に複数の血石を抽出するのが効率がいい。穴を掘っては埋められる流れを繰り返しつつ,大逆転の手段をデッキに積み上げていくのが基本的な考え方だ。前半戦で抑圧されるぶん,成功した際の爽快感は相当なものである。
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そういったゲーム性であるため,重要なカードがまったく出ないまま日数を重ねてしまうこともある。
特に高難度モードでは,最初に得る報酬と初期手札次第では,なすすべなく村人が死んでいってしまうことも少なくない。逆に,安定した状態になり,“あとは勝つだけ”の状況がそこそこ長く続く場合があるのも困りどころだ。
現時点では実装されているカードと悪霊自体が少なく,結果として勝ち筋として使えるコンボや仕様が限られているのが原因の1つだと思われる。その点については,正式リリース時の追加要素に期待したい。
ゲーム自体の挙動についてはややぎこちない部分もあり,特に手札が飽和した状態でのカード選択はかなり厳しい。
極端な挙動を戦略に組み込む前提で設計されているゲームだと思うので,そのあたりについても改善を期待するところだ。
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良くも悪くも,同ジャンルの別タイトルにはない強烈な個性をもった作品となっている。アーリーアクセス期間中の調整と追加要素で,本作ならではの“尖った”要素をしっかりと洗練させられれば,名作になる可能性が感じられた。
現時点ではややボリュームが少ない感覚は否めないが,やりごたえ自体は十分にあるので,世界設定やプレイフィールに魅力を感じたら遊んでみてほしい。ぜひ,自分なりの“ズル”を探し出して,悪霊に叩きつけよう。
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呪血医 - この記事のURL:
















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