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サバンナの風を感じながらただシャッターを切る。野生動物撮影シム「Seclusa」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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ここに来た目的は戦いでも冒険でもない。カメラを構え,その瞬間を静かに切り取ること,ただそれだけだ。
本日は,Studio Nienteが手掛ける「Seclusa」を紹介しよう。本作は東アフリカの自然保護区にあるサファリロッジを舞台にした,野生動物撮影シミュレーターだ。
プレイヤーは野生動物カメラマンとしてロッジに滞在し,展望ポイント(アウトルック)から通り過ぎる動物たちを撮影していく。
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このゲームの特徴は,プレイヤーが動物を追いかけるのではなく,決まった観測ポイントに腰を落ち着けて,やってくる動物をじっくり待つスタイルにある。
ゾウ・キリン・シマウマなどが画面内に現れたら,対象をクリックしてドローンカメラに切り替え,ズームや構図を調整しながらシャッターを切る。操作はポイント&クリックで完結しており,シビアなアクションや失敗の恐怖は徹底的に排除されている。
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撮影で得た経験値はレベルアップに使われ,新しいロケーションや動物の種類,カメラ装備などが順に開放されていく。
また,写真ジョブ(ジョブボード形式の依頼)やデイリータスクをこなすことでクレジットを稼ぎ,カメラのアップグレードやロッジの設備拡充に充てることもできる。
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進行が進むと,時間帯や天候を自由に調整できる「フォトサンドボックス」が解放され,朝焼けや雨天といった好みのコンディションで撮影を組めるようになる。
ロッジの中ではジグソーパズルを遊んだり,猫を撫でたり,植物に水をやったりと,のんびりした時間を過ごすこともできる。
待つことが,そのまま遊びになる設計
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展望ポイントに座り,ラジオをつけてただ景色を眺めているだけでも,経験値バーはゆっくりと積み上がっていく。撮影に集中してがっつり経験値を稼いでもいいし,BGMと環境音を流しながら画面を眺めるだけでも進行する。「何かをしなければならない」というプレッシャーが存在しない設計が,このゲームの根底にある。
各動物に用意されたレア個体
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ゾウやキリンといった動物には,それぞれレアな個体が存在する。図鑑(コンペンディウム)やコレクションカードとあわせて,少しずつ記録を埋めていく楽しみが用意されているわけだ。こうした一期一会の出会いが,次のセッションに向かう小さな理由になる。
サンドボックスとしての後半の広がり
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ゲームが進み時間・天候の調整機能が解放されると,遊び方の重心が変わってくる。「理想の光の中で撮りたい」という目的のために条件を整え,納得のいく一枚を追い求める,撮影スタジオのような使い方ができるようになる。レベル上げを目標にしていた序盤から,「どんな写真を撮るか」を考える段階へと,自然に移行していく構造になっているわけだ。
「Seclusa」は,忙しいゲームに疲れた人が手を伸ばすような作品だ。シャッターを切るか,ただ眺めるか,その2つしかない行動の幅が,むしろ心地よい。
東アフリカの景色と動物たちのビジュアルはとにかく穏やかで,BGMと環境音が流れるロッジ空間は,画面の前に座るだけで気持ちが落ち着く。
ゴールを急がず,積み上がっていくものを少しずつ楽しみたいプレイヤーに,素直に勧められる一本だ。
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Seclusa
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