紹介記事
これを読めばまるっと分かる「悪魔王子と操り人形」世界観ガイド。実弥島 巧氏×尾崎ドミノ氏らが手がけるダークファンタジーADVに注目
ドリコムの新作アプリ
「悪魔王子と操り人形」（
iOS /
Android。以下，あくあや）が，2024年6月3日13：00に正式リリースされる。数々の名作を手掛けている
実弥島 巧氏がメインシナリオ，イラストレーターの
尾崎ドミノ氏がキャラクターデザインを担当する本作。美しく繊細なキャラクターたちが紡ぐ，重厚感のあるダークファンタジーADVが楽しめる。
本稿では，これさえ読めば「あくあや」の世界観や物語，登場人物たちの魅力が分かる
“世界観ガイド”をお届けしよう。
世界観や物語の序章に触れているので，まったく情報を入れたくない人は注意してほしい。
かわいい家具をデコレーションできる箱庭要素や，ワンタップでピースがさくさく消えていく爽快パズルなど，ストーリー以外にも楽しい要素がたくさん用意されている
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WORLD
祈りさえ悲劇となる世界 シャグラン
物語の舞台は，誰とはなしに“シャグラン”と呼ばれるようになった世界だ。天界には天使，地上には人間，魔界には悪魔と，異なる3つの種族が暮らしている。
3種族は，神に与えられた“叡智”を手に入れる争いを繰り広げるが，やがて世界は呪いで蝕まれてしまう。
Keyword「神」
2000年に1度代替わりし，偉大な力を世界の秩序と浄化のために使う存在。不死でも不滅でもない。
Keyword「叡智」
神の叡智を手に入れた種族は，繁栄を享受できると伝えられている。
天使の住む「聖地ジプソフィラ」
天界「聖地ジプソフィラ」に暮らす天使は，神によって最初につくられた悠久の命を持つ者だ。神の代理人を自負し，悪魔や人間を見守り，ときに介入する。しかし，世界に絶望して堕天使になってしまう者もいるようだ。
自らの体内でマナを生成できるため，糧を必要としない天使。また，自分の感情を切り離し，分身を生み出せることも特徴で，我々人間の常識を超越する存在である。
聖地ジプソフィラ
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Keyword「マナ」
シャグランの大気中に存在するエネルギーのようなもの。
人間の住む「アキレギア帝国」
地上で暮らす人間も，天使と同じく神によってつくられた存在だ。天使や悪魔に比べ，寿命が短く，肉体的にも弱いものの，知恵と技術に優れており，国を作り世代を重ねながら他種族と渡り合えるほど発展してきた。地上最大の勢力は，地上西部を中心に広大な領土を持つ軍事国家アキレギア帝国。そのほかにも，大小さまざまな国が存在する。
アキレギア帝国
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悪魔の住む「魔都ベラドンナ」
悪魔たちのいる魔界は，最果ての地下にあり，太陽が昇らない常夜の世界だ。悪魔は人間の魂から得られるマナを糧とし，地上で数々の魔災を起こしてきたことから，2種族の関係はとても悪い。
悪魔にも兄弟などの家族があり，そのつながりを大事にしているようだ。現在の魔界は，ベラドンナ家やグロリオサ家など，六魔家と呼ばれる有力な一族が仕切っている。
魔都ベラドンナ
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Keyword「魔災」
悪魔が引き起こした災害のこと。緋色の災禍やベラドンナの災禍など，過去に多くの魔災が人間界で起こっている。
悪魔王子の住む「コルチカム王国」
悪魔のなかで異端の存在なのが，地上にあるコルチカム王国に住む悪魔王子のディアだ。彼は最果ての悪魔と呼ばれ，人々に恐れられている。かつて王の一族として寵愛されていたが，ある事件で悪魔に覚醒し，愛していたはずの自国（コルチカム王国）を滅ぼした過去を持つ。なお，今は長い年月をかけ徐々に元の姿に戻ってきている。
コルチカム王国
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STORY
調律者として弔花者を見守る
ディアをはじめ，シャグランに暮らす3種族には，物語のプロローグですぐ出会える。
あなた（プレイヤー）は，ディアの使い魔によってさらわれ，彼らの住むコルチカム王国に連れてこられた人間だ。危うくディアの糧（人間の魂は食事）にされそうになるが，あなたにマナをつくり出せる能力があったことから，彼の所有物に認定されてしまう。
筆者個人としては，美しく，気品のある王子様の所有物というのは「悪くない……」と思ってしまったが，怒涛の展開に混乱する人もいるかもしれない。
そんな問題を解決してくれるのが，あなたの跡を追って現れたアキレギア帝国のクロードと，聖地ジプソフィラの天使，メーレだ。彼らによると，あなたは3種族で行う大事な儀式によって現れた存在で，そこにディアが使い魔を放って横やりを入れたのだという。メーレは，あなた（とシャグランについて詳しくないプレイヤー）のために，ことの始まりを説明してくれる。
シャグランには，神の叡智を宿す9つの宝珠“幼年期の憧憬（ようねんきのどうけい）”があり，それをすべて集めて神に捧げると願いが叶うと言われていた。人間界では御伽噺レベルの伝承だが，3種族は宝珠をめぐり，争っていたという。
しかし，呪いに触れると種族問わず体が消失する
“忘我の呪詛（ぼうがのじゅそ）”という大問題が起きたことで，種族間の争いは中断せざるを得なくなる。人間だけでなく，長寿の天使や悪魔でさえ，消滅させてしまう恐ろしい呪いだ。この呪詛は瞬く間に広がって，世界は滅亡の危機に陥るのだった。
Keyword「忘我の呪詛」
世界中に漂っており，触れた者は幽体と化し，やがて死滅する。
呪詛を消し去る方法は，マナを使って浄化することのみ。3種族は代表を
“叡智の御座（えいちのみくら）”に送り，神から与えられたマナを分け合うという儀式を長年続けてきた。
Keyword「叡智の御座」
祈りの森にある，神に声が届くという祭壇。
今回の儀式で，神がマナの奪い合いを避けるために遣わした“調律者”があなただ。メーレいわく“調律者”は，
“叡智の雫（えいちのしずく）”によって任意の者に浄化の力を分け与え，“弔花者（ちょうかしゃ）”にすることができるという。死者を弔うために捧げる花の名前を持つ役目に，何とも不穏な気配を感じてしまう。
Keyword「叡智の雫」
“調律者”が身に着けている香水瓶型のペンダント。浄化の力を分け与えられた者が浄化を行うと，彼らが体験した出来事や感情がエネルギーとして変換されてペンダントに戻ってくる。
そこへ悪魔一族のベラドンナ家当主，アダラも現れ，コルチカム城に3種族の代表が集結する。そんな実力者たちを前に，ディアはまったく引かず，調律者（あなた）の所有者である自分がすべてを決めると宣言，各種族に「3人ずつ力を与える」と許可を下す。幼く見えるが1000年以上生きている悪魔，決断が早く，器も大きい（そもそもあなたをさらって複雑にしたのはディアなのだが……）。
こうしてあなたは，コルチカム城で暮らしながら各陣営に出向き，12人の“弔花者”に能力を与えることになる。そのなかで，それぞれが抱える事情や種族，国家が抱える問題を知っていくのだった。
彼らのほかにも，あなたの前には
“叡智の精霊（えいちのせいれい）”を名乗る謎の存在が現れる。“叡智の精霊”はあなたに，“弔花者”を見守り，「選んでほしい」とお願いするが，何を選ぶのかは謎のままだ。呪いに包まれたシャグランを舞台に，“調律者”となったあなたと“弔花者”たちにどんな運命が待っているのか，この続きはぜひご自身の目で見届けてほしい。
Keyword「叡智の精霊」
“叡智の雫”に住む精霊。精霊と名乗るが，正体は不明だ。
CHARACTER
4つの陣営に所属する12人の弔花者
プレイヤーの役割は，コルチカム王国，アキレギア帝国，聖地ジプソフィラ，魔都ベラドンナ，4つの陣営に所属する“弔花者”たちをサポートすることだ。ここでは個性豊かで魅力的な“弔花者”たちを，陣営ごとに紹介していく。開発スタッフ陣に聞いた，各陣営の見どころも合わせて紹介しよう。
■コルチカム王国
1000年前に起こった緋色の災禍によって民は死に絶え，残された巨大な城で，ディアは長い時間を1人で過ごしていた。その後，ディアに救われて忠誠を誓った騎士のエスパダ，ある目的で訪れた人間の姫フィオーリが，この城で暮らしている。ディアの所有物となった“調律者”も，この城で一緒に暮らすことになる。
ディア（CV：小林ゆう）
悪魔に堕ち，無の永遠を生きてきた孤高の少年。わがままで気まぐれな王子様だが，1000年以上生きてきた経験から得た知識や威厳を持っている。甘いものが大好き（紹介PVはこちら）
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エスパダ（CV：古川 慎）
ディアに絶対の忠誠を誓う悪魔の騎士。かつては魔界を支配する「六魔家」の一族「ベラドンナ家」の三男として暮らしていたが，人間に捕まり，処刑されそうになったところをディアに救われる。ディアにはやや過保護で，フィオーリには口うるさい面も（紹介PVはこちら）
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フィオーリ（CV：花江夏樹）
可憐さと棘を持ち合わせている，コルチカム王国の隣国「ガランシア王国」の姫。過去の事情から悪魔を恨んでおり，とある目的のために秘密を抱えながらディアに近づき，コルチカム城に長らく居候している（紹介PVはこちら）
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画像は公式Xより
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【実弥島氏コメント】
疑似家族の関係かなと思っています。他人同士が一生懸命，家族を演じている空気感。温かいところもあれば，「あいつ何考えているか分からない」となるところもあります。
【尾崎氏コメント】
ワチャワチャしている日常と，重い本筋のストーリーのギャップを楽しんでいただきたいです。
■アキレギア帝国
強大な軍事力を持ち，それを利用して，悪魔に一方的に糧にされる勢力図を変えようとしている国家。皇族と軍部は良好な関係とはいえず，危ういバランスを保つ。皇族の家系に生まれた指揮官のクロード，若くして高い階級につく副官のエリク，悪魔さえ凌駕する剣士のオスカーが“弔花者”となった。彼らは種族を気にせず，勢力拡大のため活動している。
クロード（CV：甲斐田ゆき）
聡明な帝国軍指揮官。アキレギア皇族家の血を引いているが，帝位を継ぐ可能性は低く，大切なものを守るために軍での地位を高めている。柔和な第一印象とは裏腹に猜疑心が強く、本心は誰にも見せない（紹介PVはこちら）
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エリク（CV：島﨑信長）
若くしてクロードの部隊で副官を務める帝国軍兵士の青年。帝国内でも屈指の軍人名家出身で，家柄に頼った出世を嫌い一兵卒から始めることを望むが許されず，軍内で高い階級に就いている。実力に対して自己評価は低く，真面目ゆえに家柄で昇進していくことに思い悩む（紹介PVはこちら）
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オスカー（CV：前野智昭）
悪魔すら凌駕する，アキレギア帝国軍屈指の剣士。一兵卒から戦果を挙げてのしあがり，クロード部隊の副官になった。陽気な兄貴分として周囲に慕われるが，生い立ちや軍での経験などに複雑な過去を抱えている（紹介PVはこちら）
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【実弥島氏コメント】
アキレギア帝国の物語は，かなりシリアスだと思います。人間は，美しくも汚い生き物なので，それがギュッとつまっていて……。
【尾崎氏コメント】
そんななか，エリクの存在が光になっています。
■聖地ジプソフィラ
天界にある聖地ジプソフィラは，シャグランの中心にある祈りの森とつながっている。人間でも，かなり努力すればたどり着けるそうだ。“弔花者”となったのは，すべての愛を受け入れようとするメーレ，哀しみから逃れられないカイ，自由を謳歌するティスの3人だ。カイとティスはメーレの感情から生まれた存在で，もう1人兄弟がいるらしい。
メーレ（CV：櫻井孝宏）
熾天使の「愛」の感情から生まれた天界の権天使。世界を統治する十二天使の1人でもある。神から与えられた「世界の秩序を整える」という使命を持ち，悪魔や人間を統率しようとする。自身の生み出した「息子たち」には「母」として異常なまでに別格の愛を注ぎ込む（紹介PVはこちら）
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カイ（CV：豊永利行）
メーレの「哀しみ」の感情から生み出された天使。ものに対する執着心，さわり心地に安心するという理由から，ぬいぐるみを数多く自分の手で作り，集めている。劣等感が強く，常にマイナスにとらえるネガティブな性格だが，意外に毒舌で，怒らせるとかなり怖い（紹介PVはこちら）
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ティス（CV：西山宏太朗）
メーレの「楽しみ」の感情から生み出された天使。陽気な性格でいつも明るい笑顔をまとい，常に面白そうなことを探求している。己の欲望に忠実な，快楽至上主義者。好奇心優先で危険を顧みずに行動するため，トラブルに巻き込まれやすい（紹介PVはこちら）
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【実弥島氏コメント】
天使の誕生の経緯を考えると，家族のような関係なのですが，それぞれが独立している家庭のイメージです。元は同じ存在だったのに，相互理解ができない。あまり生活感がなく，あまり踏み込みすぎない距離感。そんな関係なのに，メーレは踏み込んでいきたいタイプなんですよね（笑）。
■魔都ベラドンナ
悪魔の一族，ベラドンナ家が掌握している都市で，美しいが，策謀と裏切りが渦巻く危険なところ。ベラドンナ家当主のアダラ，怪しい研究に勤しむローゼ，天界から逃れた堕天使のヴァニスが“弔花者”となった。アダラは悪魔による世界統治を目指しており，それに手を貸す2人も，恐怖で他者を支配する危険な部分がある。
アダラ（CV：諏訪部順一）
魔界を統治する悪魔の一族ベラドンナ家の現当主。現魔王はアダラの父だが，能力やカリスマ性から，次代の魔王として期待されている。「六魔家」での最高勢力の地位を守り続けるために行動しており，人間や天使を嫌い，悪魔による世界支配を目論む（紹介PVはこちら）
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ローゼ（CV：河西健吾）
魂を乱獲し，人間界を脅かす狂気の魔女。ベラドンナ家の次男の立場を利用し，天才魔導研究者として，怪しい研究をしている。痛覚が鈍く，肉体的にも精神的にも痛みがわからないため，相手を傷つけることにも傷つくことにも無頓着。妙な愛嬌と魅惑的な振る舞いで，熱狂的な崇拝者を生み出している（紹介PVはこちら）
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ヴァニス（CV：逢坂良太）
ベラドンナ家に住み着いた堕天使。元はメーレが最初に自身から切り離した「憤怒」の感情から生まれた元天使だった。相手の懐に入るのがうまく，巧みな言葉で人々を魅了し，自らの立場を確立している。軟派に見えるが，非常に怜悧な知恵者でなかなか本心を掴ませない（紹介PVはこちら）
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【実弥島氏コメント】
ほかのどの陣営よりも，私たちが思う家族の関係に近いです。お父さんがいて，お母さんがいて，ではなく，そこに帰れば温かい居場所があるという意味の家族。アダラにとって，堕天使のヴァニスは家出少年を住まわせている感じなのかもしれませんね。
それぞれの陣営間や，“弔花者”同士の穏やかとは言いかねる複雑な関係も物語の見どころだ。本作では，キャラクター同士の関係性がうかがえる会話やイベントもたっぷり用意されているので楽しみにしてほしい。
「悪魔王子と操り人形」は，2024年6月3日13：00に配信予定だ。現在，登録者数に応じて豪華報酬がもらえる事前登録キャンペーンも開催されているので，気になる人は登録しておこう。なお，4Gamerでは各陣営のキャラクターのことがより分かる特集記事を掲載予定なので，お楽しみに。
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