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俺のコラボカフェ:Menu 003 「METAL GEAR SOLID」のスネークに持たせる家庭の「レーション」
こんにちは。料理の世界からゲームの世界へ潜入(スニーキングミッション)中,クッキングエンターテイナーの大西哲也です。よろしくお願いします。
さて,今回のテーマは「METAL GEAR SOLID」です。METAL GEAR SOLIDは,KONAMIから1998年に発売された,ゲーム性,ストーリー,ユーモアのどれもが高いバランスで揃った名作です。私自身が銃器やハードボイルドな世界観を好きだったこともあり,夢中でプレイしました。今でも密かにスネークのような,渋くてイケてるおじさんになりたいと思っています。
METAL GEAR SOLIDで料理といえば,やはり「レーション」でしょう。軍事作戦中に食べる携帯食料ですね。レーションと聞くと,味は二の次みたいな印象がありましたが,最近は栄養,保存性,携帯性だけではなく,隊員の精神的な癒しにもなるように味がかなり工夫されているそうです。スネークも作中でレーションを食べると,瀕死の重傷から回復するほどですから,栄養満点なのでしょう。
ということで,スネークが一気に回復するレーションとは,どんなものだったのか,私なりの解釈で作っていきます。これより作戦行動を開始する!
メニューを考えるにあたり,まずは料理人目線で「可能な限り暖かいものを食べさせたい」と考えました。冷え切った環境でも安らぎを与えたいと。十分に加熱できれば殺菌にもなりますしね。
しかし,火は雨天時などには使えませんし,光や煙で敵に発見される可能性が上がってしまいます。そこで目をつけたのが「簡易加熱剤」です。
簡易加熱剤は,少量の水を足すだけで98度もの蒸気を数十分にわたって生み出せるという優れもので,自衛隊のレーションにも使われているのだとか。まさに今回の企画にうってつけじゃありませんか。
そして,加熱に利用する容器は「シリコンスチーマー」にすることで重量を抑えます。簡易加熱剤とシリコンスチーマーのセットであれば,いろいろな料理を屋外で温め直して食べられます。災害時やキャンプ,お弁当などでも活用できそうですね。
それでは具体的なメニューを考えましょう。栄養バランスと味に優れ,ホッと心の癒しになるようなメニューは……「肉じゃが」がよいのではないかと考えました。まさに家庭の味ですね。これを食べて,家族や恋人,大切な人を思い出して生還に強い意志を持ってほしいです。まあ,スネークは日本人ではないでしょうが,私は日本の料理人として日本で戦う企業戦士の皆さんに満足してもらってこそ本望です。
材料
牛肉か豚肉 150グラム
玉ねぎ(くし切りに) 150グラム
ジャガイモ(皮をむき一口大に切る) 300グラム
にんじん(皮をむき一口大に切る) 50グラム
インゲン豆 4本
しらたき 70グラム
水 70cc
酒 40cc
しょうゆ 40cc
砂糖 30グラム
サラダ油 適量
調理開始!
できました! あとは細菌による汚染リスクを軽減するためすばやく粗熱を取って密閉袋に入れて冷却です。冷やす工程で具材に味が染みこんでいきます。そして外に行くときは,保冷剤と保冷バッグで運びましょう。
今回は仮想戦場としてお店の倉庫へ。周囲を警戒しつつ,おもむろにシリコンスチーマー,簡易加熱剤,食料をセット(肉じゃがだけでは寂しいので,おにぎりも用意しました)。そしてPALコードを入力,ではなく,少量の水を入れると……
すごい勢いで蒸気が出て加熱されていきます。約15分で加熱は完了。食料は見事に熱々です!(待たせたな)
味は申し分ありません(正直,自分でも肉じゃがってこんなにおいしかったっけ? と思ったほど)。これなら狙い通り,作戦行動中でも一時の安らぎを得られるでしょう。加熱時に音がして敵に発見されるのではないかと危惧しましたが,意外と静かです。ダンボールに隠れながらでも使えます,きっと。とはいえ,まずは家で作ってみてください(身も蓋もないですが)。
さあ,メタルギアシリーズなみに壮大なミッションに挑戦した今回の「俺のコラボカフェ」はいかがでしたでしょうか? 実際に作った人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。あわせて,感想や作って欲しいメニューなどの意見もどうぞ。
また,今回もメニューを作ってみた動画は「COCOCOROチャンネル」で公開予定ですのでそちらもお楽しみに。それでは,記事を読んでくださり,ありがとうございました。さあ,人生を楽しもう!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは,東京都,西調布にある「料理うまいBARCOCOCORO」のシェフ,またあるときは,「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……,料理を通じて多くの人を喜ばせたいと日々奮闘する,クッキングエンターテイナーだ! そんなシェフはYouTuber仲間とのお花見を記事執筆前に開催したとか。「今回のメニューがあればヒーローになれたのに」と悔やんでいるそうです。
※次回の掲載は2019年5月25日を予定しています
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