連載
インディーズゲームの小部屋:Room#27「むかしむかしあるところにとてつもなく仲の悪いツインテールの姉妹姫様がいらっしゃいましたとさ」

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昔々あるところに,たいそう仲の悪い双子のお姫様がいた。しかし家来達は皆,二人は本当は,お互いを思いやっていることを知っていた。そしてある日,一人の魔法使いがお城にやってきてこう言った。
「どんな願いでも叶えてあげましょう。ただし,二人で一つだけ」
二人とも相手の願いごとを叶えてあげようと譲り合うものの,お互い一歩も譲らずついには大ゲンカに発展。惜しくも負けてしまった妹姫は,腹立ち紛れに叫んだ。
「ツインテールなんて,この地上から消えてしまえばいい!」
次の瞬間,つむじ風が巻き起こり,妹姫が気づいたときには国中の人々の姿が消えていた。そう,この国の国民は妹姫を除き全員ツインテールだったのだ。こうして王国が滅びてから2年,王国を見下ろす丘の上に,力を生み出すガントレットを身にまとい,ツインテールをたなびかせた妹姫の姿があった……。
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……って,まだ終わりじゃなかった。気を取り直して,まずは本作の操作方法から紹介しよう。キャラクターの操作は,方向キーでの移動のほか,ジャンプおよび,足元にあるものを持ち上げる/持ち上げたものを投げるための二つのボタンで行う。国が滅びてしまってからは,この地はモンスターやらポニーテールの女の子やらに支配されてしまったらしく,こやつらに地中から引っこ抜いたツインテールの国民をぶつけてやっつけるのだ。毎回例えが古くて申し訳ないが,「夢工場ドキドキパニック」のようなものだと思えばいいだろう。それにしても,助けるはずの国民を敵にぶつけるとは,なかなかシュールな設定だ。とはいえ引っこ抜かれた国民は,敵にぶつけようとぶつけまいと助けたことになり,ステージクリア時にボーナススコアが加算されるので,その点については深く追究しないのが大人というものだ(?)。
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放り投げられるのは,国民ばかりではない。ジャンプなどで敵の頭の上に乗っかると,自分よりもはるかに大きい相手であっても持ち上げて投げ飛ばせるのだ。また敵の攻撃(弾)であっても,上に乗っかることができれば同様に持ち上げて投げられる。割となんでもかんでも投げられるのが本作の面白いところで,倒した敵が落とした武器なども拾ってぶん投げてしまえる。敵の攻撃を相手に投げ返すというテクニックは,地面に生えている(と言っていいのか分からないが)国民が不足しがちなボス戦では必須となるので,覚えておきたい。
また,持ち上げたものを放り投げるときに,ボタンを押しっぱなしにして力を溜めると,「チャージ投げ」になるというのも重要なポイント。チャージ投げは威力がアップするほか,投げたものによってさまざまな効果が現れる。例えば,青い髪の国民をチャージ投げすると,通常では届かない高さにジャンプでき,赤い髪の国民だと,高速で真横に移動するといった具合だ。後半のステージでは,チャージ投げによる移動を要求される場面が多々あるので,一見すると先に進めないように思える場面では,手近なものをチャージ投げしてみよう。
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こんな風に,目に付いたものをちぎっては投げして進んでいくわけだが,あちこちに隠しアイテムが置いてあるなど,ステージにはさまざまな仕掛けが用意され,変化に富んでいて楽しい。ステージの最後にはボス(たいていは姉姫だ)が登場し,これを倒せば次のステージへと進める。この姉は,控えめに言っても本気で妹を亡きものにしようとしているとしか思えない攻撃を繰り出してくるうえ,ゲーム終盤になるにつれ,どんどんエスカレートしていくという困り者だ。果たして妹は素直に姉にゴメンナサイを言えるのか,そして魔法使いを見つけ出し,自分のせいで地中に埋もれてしまった国民を元に戻せるのかは,ゲームをプレイしてのお楽しみだ。
このほかにも,どこかで見たような双子がゲストキャラとして登場したり(しかもこれが強い),エンディングの曲を歌っているのが,科学の限界を超えてやって来た話題のボーカリストだったりと,インディーズゲームらしい遊び心に満ちた作品だ。アクションゲーム好きな人には文句なくお勧めできるゲームなので,興味を持った人は大雪戦の公式サイトから,ステージ2までプレイできる体験版をダウンロードしてみよう。体験版ダウンロードのリンクは,作品紹介ページではなく,トップページの下のほうにあるのでご注意を。また製品版は,1260円(税込)で発売中。体験版をプレイして気に入った人は,公式サイトで取り扱いショップを確認のうえ,購入を検討してみよう。
■大雪戦公式サイト
http://www.daisessen.com/![]() |
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