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インディーズゲームの小部屋:Room#20「ヒノカケラ」
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印刷2007/12/07 12:10

連載

インディーズゲームの小部屋:Room#20「ヒノカケラ」



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 個人/サークル単位で制作されたオリジナルゲームを紹介する「インディーズゲームの小部屋」。20回めとなる今回は,ゲーム制作サークルReddish Regionの「ヒノカケラ the Fragments of Innocent Sinner “Reinforced Edition”」を取り上げよう。本作は,派手な演出と多彩な攻防システムが魅力の3D対戦格闘ゲーム。3Dならではの奥行きを生かした戦闘や演出を,2D対戦格闘ゲームのようなプレイ感覚で楽しめるのが特徴だ。

 突如現れた七体の謎の存在からの攻撃により,瞬く間に灰燼と化した世界。人口の99%が失われ,生き残った人類は“七存在”を避け,世界の片隅で生きることを余儀なくされた。しかし,残された人々の中から,「魔導」を自在に操る新しい存在「異能者」が発生する。力を得た人類は,魔導の力に飲まれ「魔族」と化した人類と“七存在”から,ふたたび世界を勝ち取るための戦いを始めた。この,「封魔戦役」と呼ばれる6度にわたる戦いの終結から10年。人類と魔族との新たな戦いが始まろうとしていた……。

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 本作で最も目を引くのは,やはり3Dで表現されたグラフィックスだろう。3D対戦格闘ゲームでは,「バーチャファイター」や「鉄拳」シリーズのように,2D対戦格闘ゲームとはやや異なる操作方法が採用されているものが多く,プレイに慣れるまで少々時間がかかることがある。しかし本作では,まるで2D対戦格闘ゲームのような感覚でプレイできるというのが特徴的だ。もちろん,ただ2D対戦格闘ゲームのキャラクターを3Dに置き換えただけではなく,奥行きを生かした“軸移動”による回避や,3Dならではの演出といった要素が盛り込まれている。CPUはなかなか手強いが,技のエフェクトや演出はかなり派手めで,ただキャラクターを動かしているだけでも十分楽しめる。

 基本操作は,定番である8方向のキー入力と,弱/中/強攻撃に相当するA/B/Cの3種類の攻撃ボタン,そしてダッシュや回避,後述する“ブレイク”など,さまざまな特殊行動に使用するDボタンで行う。キー設定は任意に変更でき,キーボードでの操作も可能だが,コマンド入力の利便性を考えるとゲームパッドでのプレイがオススメだ。ちなみに,一つのキーボードでの2人対戦プレイも一応可能。一台のキーボードを2人並んで窮屈そうに叩いている様子を想像すると,何だか無性に試してみたくなるが,同時に三つ以上のキー入力を受け付けないキーボードが多いことを考えると,あまり現実的ではないだろう。

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 ゲームモードは,CPUとの連続戦を行う「Normal」,対戦相手を選択してCPUと戦う「VS Com」,プレイヤー2人で対戦する「VS Human」,練習用モードの「Training」,CPU同士の対戦を観戦する「Watch」と,必要十分。Normalモードでは,一定回数勝利するとスタッフロールが流れて終了となる。バックストーリーに関してはマニュアルに記載されているものの,現時点ではストーリーモードが実装されていないので,キャラクター個別のストーリーが一切不明なのが残念だ。しかし,12月29日から31日まで,東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット73で,ストーリーモードが追加される新バージョンの販売を行う予定とのことなので,ストーリー要素に関してはこちらを楽しみに待ちたい。

 プレイヤーが選択できるキャラクターは10人。それぞれ,「アサルト」と「テクニカル」の二つの戦闘スタイル(本作では“レインフォース”と呼ぶ)が用意されており,どちらかを選択する必要がある。マニュアルによると,アサルトは初心者向け,テクニカルは上級者向けとなっているが,主な違いはアサルト専用のガード不能技「シャッタースキル」と,テクニカル専用の特殊行動「テクニカルブレイク」「カウンターブレイク」の有無にある。

 ごく簡単に説明すると,テクニカルブレイクとは,自分の攻撃モーションを途中で強制的にキャンセルするもので,もう一方のカウンターブレイクは,自分のガード硬直を強制的にキャンセルするというもの。この“ブレイクシステム”が本作の特徴の一つで,これら以外にも状況に応じたさまざまな種類のブレイクが存在する。
 ブレイクの発動は,時間と共に徐々に増加していくブレイクゲージを消費することで行う。各種ブレイクは基本的に,自分の硬直時間を強制的にキャンセルする性質を持っており,うまく使いこなすことでコンボを伸ばせるというわけだ。またこのほかにも,攻撃することで増加するパワーゲージを消費しての,いわゆる超必殺技や,コンボゲージとパワーゲージの両方を消費して行う大技なども用意されている。

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 本作では行動の選択肢がかなり多く,すべての操作を一度に覚えようとするとなかなか大変だ。まずはTrainingモードで一通りのキャラクターに触れてみて,基本操作やゲーム全体の感じをつかんでしまうのがいいかもしれない。そのあとはお気に入りのキャラクターを選んでプレイしながら,一つ一つのシステムをじっくりと覚えていくといいだろう。
 Reddish Regionの公式サイトには,本作の紹介ムービーや対戦ムービー,4体のキャラクターが選択可能な体験版などが用意されているので,興味を持った人はまずはそちらをお試しあれ。また,本作の製品版は1575円(税込)で発売されている。

 なお,上述のように,コミックマーケット73ではストーリーモードが追加される新バージョンが販売される予定となっている。この新バージョンでは,ストーリーモードのほかに,新キャラクターの追加や,アサルトの改良なども行われるとのこと。とくにアサルトに関しては,より攻め重視の勢いある立ち回りが可能になるとのこと。新バージョンの製品版を入手する方法は,当面コミックマーケット73だけだと思われるので,当日会場に足を運ぶ予定の人は,こちらを購入するのがいいだろう。最後に,現在開発中のストーリーモードの画像を入手したので,実装を心待ちにしている人はこちらの画像を眺めながら,年末の新バージョンの登場を待ってほしい。

■Reddish Region公式サイト
http://r-region.net/

現在開発中のストーリーモード
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