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「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」出展作品レポート(変わったコントローラ編)。ピザを焼き,ポップコーンを頂戴し,ビールで流し込んだ末,レジェンドクリエイターと遊んだ
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印刷2026/04/08 12:00

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「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」出展作品レポート(変わったコントローラ編)。ピザを焼き,ポップコーンを頂戴し,ビールで流し込んだ末,レジェンドクリエイターと遊んだ

 インディーゲームの祭典「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」(以下,TIGS2026)が,2026年3月に東京・高円寺にある科学体験施設「IMAGINUS」(イマジナス)で開催された。

 出展作品のレポートは前後編でお届けしているが,本稿では番外編として,一風変わった操作でプレイする作品を紹介していこう。

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 2026年3月20日と21日の2日間,インディーゲームの祭典「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」が,東京・高円寺にある「杉並サイエンスラボ IMAGINUS」で開催された。今回は前編として,TIGS AWARD 2026 大賞を受賞した「CYCLIA JOURNEY」などを紹介していく。

[2026/03/27 18:43]
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 2026年3月20日と21日の2日間,インディーゲーム祭典「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026」が,東京・高円寺の科学体験施設「IMAGINUS」(イマジナス)で開催された。レポート記事の後編では,少し変わった雰囲気を持つ作品を紹介していこう。

[2026/04/02 10:00]

 インディー系のゲームの中には,操作方法やUIの標準化という“商業的正解”からは逸脱した流れも存在する。

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靴下を引っ張って飛ばすゲーム。正式タイトルは不明だった

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PS5のコントローラに取り付け可能な,バイクハンドルコントローラ「EnthuBike」外部サイト)。スタンドやジャイロなど,各種オプションを増設することでより本格的な操作感を再現。Amazonで販売中だ

 今回,会場でそれが顕著に表れていたのが「“make.ctrl.Japan”変わったコントローラーのゲームコーナー」と題した展示群だ。なかでも,東京工芸大学ゲーム学科の卒業制作が目立っていた。

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 ここまで読んで,「変わり種か,じゃあいいかな」などと思った人は待ってほしい。

 同学科で教鞭をとるのは,「忍者龍剣伝」「風のクロノア」などを手掛けた吉沢秀雄氏や,「もじぴったん」シリーズなどに関わった中村隆之氏なのだ。

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会場で遭遇した中村隆之教授

手触りだけで具材を選び,闇鍋を作る「闇鍋奉行」。完成するとAIが名前をつけてくれる
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 ワンデバイス・ワンゲーム。

 かつてアーケードで人々を魅了したエレメカや体感ゲーム,そして今はクレーンゲームなどに息づく「フィジカルな楽しさ」は,令和の学生やインディーゲーム作者にどう継承されているのだろうか。
 気になる人は,ぜひ読み進めてほしい。

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Gluttonic Pizza


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 こちらは東京工芸大学ゲーム学科の卒業制作で,展示室の奥のほうに設置されていた。にもかかわらず,部屋に入った瞬間から,筐体のデカさや暴食の魔王タベリーナの等身大ポップなどによって,ものすごい“圧”を放っていた。

 今まさに始まらんとする魔界のピザ祭。ピザにどんどん具材を乗せていき,3つくっつけて得点としたり,あるいはおジャマ具材で相手チームの具材を消したりしていく。

 2on2のチームバトルで,操作にはタッチパネルを使用する。スリング(パチンコ)のゴムを引っ張る要領で,ピザの上に具材をどんどん発射していくのだ。

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 具材を乗せることを優先したほうが勝ちやすいそうだが,おジャマ具材で相手の具材を消す(ほかの具材を食い散らかしてくれる)のも気持ちがいい。直感的な楽しさがメインだが,攻略要素も盛り込まれており,戦術性もあった。

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 プレイ中,ふとアイデアが閃いた!

 ピザチェーンなどと提携し,本作をアミューズメント施設用のピザ販売機(のミニゲーム)に応用できないだろうか。ピザのトッピングをスリングで行ったり,焼き上がりをミニゲームで遊びながら待てると,けっこう盛り上がるような気がするのだが……。さすがにダメか。

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イラストやアートワークは,東京工芸大学をこの春卒業した春乃チユ(@KMR_gachinkoi)さんによるもの。なお本人が不在だったので,プログラムを担当した鈴木十音さんが教えてくれた。美しき友情である

Fly me to the Boooom!!


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 本作は,ターンテーブル型の特殊コントローラで遊ぶ3Dアクション。主人公は,自身で設置した「爆弾」の爆風を使って加速や大ジャンプし,フィールドを縦横無尽に移動しながら華麗なアクションを決めるのだ。

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 コントローラにあるボタンを使えば,足元や,全周囲の近距離から遠距離にかけて,自在に爆弾をバラまける。爆弾の散布と起爆のタイミングをコントロールし,空中を華麗に舞えるようになるとさぞかし楽しそうだ。

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操作説明

 実際,ゲームに慣れている人にデモンストレーションをお願いすると,とんでもない勢いで空中を飛び跳ねつつ,周囲に音爆弾をバラまいて方向転換しさらに吹っ飛ぶ……という具合に,スーパープレイを披露してくれた。
 なお,フィールド上の楽器を敵から開放するたびに,BGMのパートが増えていくなど,演出面も手堅く作り込まれている。

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 吉沢秀雄教授のゼミの卒業作品ということもあり,どことなく「マイティボンジャック」のジャンプ感や浮遊感が思い浮かんだが,あくまで偶然だろう。しかしなんとも開放的で,心地よいプレイフィールだった。

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試作バージョンはスマートデバイスで操作していたとのこと。画面右にある円形のコントロール部分を,物理的に再現したらしい

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クールかつチャーミングな主人公。あの系譜かも? と思うとさらに情緒が揺さぶられる

パクパクれ!NO MORE お菓子泥棒 4DX


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 タイトルからして「NO MORE 映画泥棒」のパロディで映画ファンをクスリとさせてくれる。しかも,ほかの客のポップコーンを「ガサガサ,ガサガサ」と探って盗み食いするというゲーム内容で,(いい意味で)ヒドい。

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 左右のお客がこちらを見ていないスキに,ポップコーンの入ったバレル(容器)をガサガサし続けるとスコアを獲得できる。そのシュールかつ刹那的な佇まいは,「メイド イン ワリオ」シリーズに収録されていても違和感がなさそう。

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 なおタイトルにある「4DX」の意味は不明だ。しかし視覚だけでなく,触覚や,ガサガサまさぐる音,時間を伴った駆け引きで楽しませてくれる体験は,立派に「4DX」している……と筆者は思った。

ビールの達人


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 ピザを焼き,爆弾で熱くなり,ポップコーンをほおばりまくったら,お次はビールの出番であろう。これはもう必然だ。
 次に紹介するのは,改造された本物のビールサーバーと,画面付きのジョッキ型コントローラで遊ぶ“ビール注ぎ”ゲーム。これもまた東京工芸大学ゲーム学科の卒業制作である。

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坂井田竜生さんの作品

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コントローラになぜかフサフサした毛が生えていたが,おそらく3Dプリンタで形成した際の「バリ」だろう

 コントローラの位置や傾きに合わせて,画面の中にリアルタイムでビールが注がれていく様子がなんとも楽しい。注ぎ終えたら,泡と液体の比率が3:7の黄金比になっているか,ジョッキがちゃんと満たされているかなどで評価が決まる。

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 しかしこのジョッキ型コントローラ,飲むフリをしたらちゃんとビールが無くなる判定になるのだろうか? 現場で試すのを忘れてしまったのが悔やまれる。

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ニアピンGO カスタムクラブバージョン


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 make.ctrl.Japanにおいて,もっともオトナな空気を漂わせていたのが「ニアピンGO」(外部サイト)だ。
 昨年の東京ゲームショウで行われた,インディーゲームコンテスト「SENSE OF WONDER NIGHT 2025」の準グランプリを受賞している作品なので,ご存知の人もいるだろう。

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 本作は,「街そのものをゴルフコースに変えてしまう」をコンセプトにした,Apple Watch専用の位置情報連動型ゴルフゲーム。
 現在地を中心に仮想のコースが生成されるので,Apple Watchを装着した腕を実際にスイングしてショット! ボールが飛んだら,落下地点まで移動して次のショットを行うのだ。

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残り距離から判断して,クラブも選べる

 本来は腕につけたままプレイするそうなのだが,TIGS2026の会場では,おもちゃのゴルフクラブにApple Watchを装着した状態で展示されており,そのままの状態でプレイできた。

 ここまでピザにポップコーン,ビールまで楽しんでしまった以上,ゴルフとウォーキングで健康にも気遣うのがオトナというもの。取材当日は少し涼し気な気温であったが,けっこう汗をかく運動量であった。

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Hand Heads じゃんけん鬼 2vs2対戦ゲーム


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 「じゃんけん」と「鬼ごっこ」。今さらルールを説明するまでもないこの2つの遊びを,2vs.2のチーム戦として再構築した作品だ。

 プレイは非常にシンプル。たとえば自分がグーであれば,チョキの相手を追いかけて捕まえるか,パーの相手から逃げることになる。
 アイテムを取って「手」を変えない限り,ジャンケンの3すくみには抗えないが,ジャンケンの手で負けていたとしても,捕まらなければ大丈夫でもある。

 直感的だが,ゲームとしての構造は極めて論理的。ゆえに本作は,ゲームデザインの「教科書」として,研修用途にも使われているという。

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 会場では,ゲーム開発者やメディア関係者と思しき人たちが入れ替わり立ち代わりプレイし,巨大な手の頭をしたキャラクターを必死に操作していた。

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 しかし,なぜこれが「変わったコントローラ」のコーナーに展示されているのか。

 画面横に設置された装置には,思わせぶりな「ツマミ」が並んでいる。ここまで本作を説明してくれた中村隆之教授がツマミを回すと,キャラクターの移動速度やカメラの画角がリアルタイムで変化していった。
 つまり,プログラムを一行も書き換えることなく,その場で「ゲームバランス」をコントロールできるわけだ。教授いわく「これもまた,コントローラのひとつです」とのこと。

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 ……なんとなく,いや完全に教授に煙に巻かれたような気もするが,そんなことは些細な話。本作を中村教授と一緒にプレイするという,貴重すぎる機会を得られたのだから。

 ゲーム開発において,操作系やUIの標準化は,プレイヤーの学習コストを下げる商業的な正解であることは間違いない。
 だが,格闘ゲームにおけるレバーレスタイプのコントローラや,タッチパネルやマウス機能を採用した任天堂の家庭用ゲーム機などを見るに,必ずしもそれは必須条件ではないことも分かる。

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「チョークの協奏」は,黒板消しを叩くタイミングや叩く強さ・速さが反映されるなど,かなり凝った仕組みのリズムゲームだった

 情報やトレンドに流されることなく,独自の体験を追求する。そして「ひと目で興味を引かれ,触って面白い」という最初の入口を大切にする。──そんな実直な開発スタイルが,いいゲーム作りにつながることを,筆者はもうすこしだけ信じたい。

「“make.ctrl.Japan”変わったコントローラーのゲームコーナー」で触れた作品群は,そんな思いをより強くさせてくれた。

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