後半の主力は,ゲーム中最高峰の近接ユニット「ドッペルゾルドナー」がお勧め。非常に強力なユニットだが,やや打たれ弱く,コストパフォーマンスは低め。無理な突撃はさせず,大事に扱いたい
現バージョンにおけるドイツは,序盤から終盤にかけて,とくに強いという時間帯がないのがつらいところ。現在主流であるIIの時代における戦いも,どちらかといえば,弱い部類だといえる。ただドイツには,どんなカードを使っても「ウーラン」がおまけで送られてくるという国家特性がある。内政カードを使いながらも攻守に使える騎兵を得られるというのは,序盤の大きなメリットだが,それでも「IIの時代で有利」といえるほどではない。
ドイツの戦略は,ウーランを使って敵の内政を荒らして回り,早めのIII入りを目指すというものが主流。ほかの選択肢として,「ドッペルゾルドナー」を使って敵の内政地に急襲を仕掛けるといった戦術もあるが,IIの時代におけるドッペルゾルドナーは,コストの割に扱いづらい要素が多く,正面決戦時には無用の長物になりかねないため,これは奇策の範疇を出ないだろう。
IIIの時代に入れば,大砲はもちろん,強力な「戦闘馬車」などを生産できるようになるほか,カード「ジャーマンタウンの農民」を使うことで内政の強化も可能になる。IIの時代と比べて,ドイツの特色を出しやすい時間帯だ。とくに「ジャーマンタウンの農民」は,入植者の馬車を「粉引き所」で生産できるようになるという,ドイツの中盤以降を支える重要なカード。入植者の馬車は,コストこそ高いものの,通常の入植者の倍の資源収集速度を誇る優秀なユニットだ。また入植者とは別枠で人口がカウントされるため,通常の上限である入植者100人を超えて内政力を高められる点が素晴らしい。
入植者の馬車は,最大で20体まで生産できるので,つまりは入植者40人分の経済力をさらに上乗せできる。ただ人口コストが2とやや重く,その分だけ軍事ユニットを一度に揃えられる数が減ってしまうなど,諸刃の剣である側面も否定できない。
ドイツは,最終的な内政力自体は間違いなく最高クラスなのだが,そこに行き着くまでの時間が長いのが大きな弱点。入植者の馬車にしても,生産するためにはIIIの時代でカードを一枚使い,さらにそこから生産していって初めて効果が生まれるなど,何をするにもワンテンポ遅れた展開になりがちなのは,速攻全盛の現在においては苦しいところである。
ただ,ひとたび内政が完成してしまえば,強力な陸軍を編成して敵を一気に蹂躙できる。とくに,十分に強化した後半のドッペルゾルドナーは非常に強力で,攻城能力も高いため,次々と敵陣を更地にしていける。ドイツの後半は,ウーランや戦闘馬車といった選択肢もあるが,オランダの長槍兵などが流行っている現状では,ドッペルゾルドナーを主力に切り替えていくのが無難な選択肢だ。