― 特集 ―

PCゲーム新作ガイド 2005

 

 

「Unreal Tournament 2004」「FarCry」「DOOM 3」「Half-Life 2」……。激戦区となったシューティングゲーム界の大作を挙げるまでもなく,2004年のPCゲーム市場は久々に満足度の高いものになったはずだ。MMORPGでも,「EverQuest II」「World of WarCraft」などがリリース前からファンを盛り上げていたし,「The Sims 2」「Railroad Tycoon 3」は,トップチャート上位に居座り続けた前シリーズの人気をうまく引き継いでいる。
 しかし,いつまでも昨年の余韻にひたってはいられない。この特集では,2005年にリリースされる予定のソフトの中から,現在公式に発表されているタイトル35作を,七つの分野に分けて紹介する。

 コンテンツ産業においてヒット作の続編が数多く誕生するのは,ファンへのアピールや企業側のセーフガードを考えれば,当然の流れだろう。
 しかし,今回紹介している35作の中には,完全新作がなんと18作もある。つまりちょうど半分はシリーズものではないゲームタイトルであり,その分だけ期待も高まってくる。2004年の大作群のように買っても大丈夫だろうと保証できる確率も減るものの,なかなか見応えのあるラインナップになっているといえる。

 2005年には,次世代のWindows"ロングホーン"の全貌も明らかになる。ロングホーンは2006年のリリースが予定されており,DirectX 10がオペレーションシステムとさらに密接な関係を持つようになるという。
 このロングホーンでは,各種ソフトのインストールやアップデート,ハードウェアの選択が容易になるだけでなく,Xbox 2のソフトウェア開発システムとして発表された「XNA」も実装される。これはつまり,Xbox用ソフトとPCソフトの開発環境がまったく同じになるということを示す。ゲームパッドやキーボードなどが互換性を持つこととなり,ひょっとしたら「Xbox Live!」などの企画もPC市場に持ち込まれるかもしれない。

 ただロングホーンは,PCゲーム市場にとって諸刃の剣となりかねない。数年前にはXboxに流れてしまった開発元があったし,シェーダ機能を使いこなせるようになるのに時間がかかり荒削りなソフトも多く発売されたが,2006年から数年間にかけては,また同じような状況になることが十分に予想されるわけだ。
 それだけに,2005年というのは,DirectX 8からDirectX 9へと流れてきた第二次3D世代が,残された春を楽しむ短い一時であるかもしれない。

 これから続々とリリースされる,技術的,ゲーム的にも成熟した2005年発売予定のソフトを,思う存分遊んでみようではないか。