〜引き続きライフ・シミュレーションの時代か〜
コンシューマ機の影響によってPCゲームの総体的な"ライト化"が進む中,レーシングやフライトなど本格的なシミュレーションゲームは停滞期を脱しきれていない。そんな情況で人気を博しているのが,「The Sims」以降の,ライフ・シミュレーションと呼ばれるサブジャンルである。
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開発元:SimBin Development Team
発売元(欧) / リリース時期:10Tacle Studios / 年内
発売元(日本):未定
FIA主催のGTユーロレーシングチャンピオンシップをテーマに,フェラーリ550,リスター・ストーム,コルベットC5-R,ポルシェ933 GT2,ロータスEliseなど52台の車をライセンスしている。
開発元の代表が元レーサーだったという経験が生かされており,カメラ視点を微妙に変化させるために座席を調節できたり,コクピット内のデザインを,チームごとに電気系統の配列まで変えたりなど,かなりマニアックな作りになっているようだ。車体は接触や衝突で受けるダメージを物理的にシミュレートしており,敵AIもパスを試みたりブロッキングしてきたりなど,かなり姑息でリアル。シングル専用なのが残念だが,レース分析ソフトとして名高いMOTECもゲームに搭載されている。
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開発元:Lionhead Studios
発売元(欧) / リリース時期:Activision / 6月
発売元(日本):未定
ゲームは1910年代から始まり,最初は小さな小屋程度しかないスタジオでサイレント映画を撮影しながら,徐々にスタッフやスタジオを拡大していくのだ。制作した映画は,ゲーム内の批評家によって時代に合わせたアクションやテーマ,キャラクターの配役などを考慮して自動採点され,それが興行成績につながってくる。
すべてのキャラクターは,与えられた仕事をこなしているか,さもなければ自由に余暇を過ごしているなど,常に何かしらの行動をとっている。そのため,同時に複数のプロジェクトを進行させることも可能だ。
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7 Sins
開発元:Monte Cristo
発売元(欧) / リリース時期:Atari / 年内
発売元(日本):未定
開発元は,最近では「Desert Rats vs. Afrika Korps」や「Medieval Lords:Build,Defend,Expand!」などを世に送り出したフランスのMonte Cristo社だ。
お膝元のヨーロッパでは早くも18禁ソフトに指定されている本作の目的は,ミッションの遂行によって自分のステータスを上げること。宗教的に人間の罪とされている傲慢,怠惰,どん欲,嫉妬,大食,淫欲,憤怒の七つのパラメータと格闘しながら,与えられた七つのミッションを次々とテンポ良くこなしていく。ゲーム中には20種類程度のミニゲームも用意されていて,ウォッカの飲み比べやトイレ掃除など,笑いの盛り込まれた内容となっている。ちょっとセクシーで,ジョークも満載の1作だ。
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開発元:Ubisoft Romania
発売元(欧) / リリース時期:Ubisoft / 3月
発売元(日本):未定
本作では,潜水艦シム史上おそらく初めて,艦内がクルー達を含めて3Dで描かれており,プレイヤーはその中を自由に歩き回れるのだ。また前作同様,すべてのクルーに替わって操作を担当することもできる。潜水艦は爆雷や砲撃でダメージを受けるので,仲間を救助したり消火活動を行う場面もありそうだ。
プレイヤーが乗船できるのはII型からXXI型までの10艦で,最終的には水中速力が水上速力を上回る(!)最新式の"エレクトリック・ボート"を体験できるのである。最近ではハードウェアの向上によって水面の動きをシミュレートしたソフトも多くなったが,潜望鏡から海面上を覗いたときのリアリティは格別なものがある。
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開発元:Maxis
発売元(米) / リリース時期:Electronic Arts / 3月
発売元(日本) / リリース時期:エレクトロニック・アーツ / 3月17日
サークル活動や,周囲を散策していて出会ったキャラクターは,操作可能なキャラクターへと設定変更することもでき,恋愛や友情関係を育んでいける。寮生活に飽きれば,アメリカ映画によく登場するフラタニティ(友愛会と訳される)に入会し,年長の立場を利用して,下級生に宿題や掃除をさせてもいい。ちなみにキャンパスには,ハッカーグループなどの秘密組織も暗躍しているらしい。
残念ながら,レーシングゲームやスポーツ系ソフトはシーズンに合わせて年末にリリースされることが多く,2005年1月現在に分かっている限りでは,シミュレーション分野は手薄になっている。
"Tycoon"や"Empire"などの名を冠したソフトはヨーロッパやバジェットソフトの開発元で大量に作られており,知らない間に発売されていたというケースも多々あるが,なんにせよ本格的なシミュレーションゲームは少なく,静かな一年になりそうだ。
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