― 特集 ―

PCゲーム新作ガイド 2005

 

 

〜2004年に引き続き,目の離せない活気良さ〜

 2004年に次々と発売された傑作シューティングゲームをまだ遊び切れていない? いやいや,2005年だって大作や期待作が目白押しで,お年玉やボーナスを使い切るのはやめておいたほうがよさそうだ。続編ばかりでなく,新作も多いのが今年の特徴といえるだろう。


F.E.A.R.

開発元:Monolith Productions
発売元(米) / リリース時期:Vivendi Universal Games / 夏
発売元(日本):未定

 「F.E.A.R.」は,「No One Lives Forever 2」などで確実に実績を積んできたMonolith Productions社の作品ということもあり,2005年で最も期待されるFPSの一つである。独自のJupiterエンジンをアップグレードしてDirectX 9.0cに対応させ,さまざまなテクスチャ効果やバレットタイムなどの演出を搭載させている。
 本作は,すでに公開されている画像や映像でも分かるようにアクション性が非常に高く,かなり過激な描写も含まれる。画面は,銃器や弾丸の閃光に覆われ,被弾による流血や破壊されたオブジェクトで溢れかえるのだ。
 内容は映画「マトリックス」と「リング」を混ぜ合わせたような雰囲気で,政府の研究施設で確認された不審者に対応するために送り込まれた特殊部隊が,謎の壊滅的打撃を受けるという劇的なオープニングで始まることが知られている。

 


Pariah

開発元:Digital Extremes
発売元(米) / リリース時期:Groove Games / 5月3日
発売元(日本):未定

 "Unrealシリーズ"のデザインチームが贈る,初のオリジナル作品「Pariah」。環境破壊が進み,丸ごと収容所と化した地球に,落ちぶれて目的を失った軍医が墜落するというストーリーで,プレイヤーは患者である女性を引き連れながらゲームを進行しなければならない。
 Unreal 2.0世代のグラフィックスエンジンとHavok2.0物理エンジンを使っていて,巨大な刑務所ばかりでなく,森林や砂漠などのマップも用意されている。車両操作のオプションや,15種類程度の専用マップがあるなど,マルチプレイヤーモードへの最適化も期待できそうだ。また二人用の協力モード(Co-op)が計画されており,使いやすそうなマップエディタも搭載される予定。
 開発を手がけるDigital Extremes社は,過去10年にわたってUnrealのフランチャイズに携わってきたが,今回始めてのオリジナル作品ということでも注目されている。ちなみに,タイトルの発音は"パライア"である。

 


Project:Snowblind

開発元:Crystal Dynamics
発売元(米) / リリース時期:Eidos Interactive / 2月末
発売元(日本):未定

 「Project:Snowblind」は,元々「Deus Ex 2:Clan Wars」という拡張パックとして開発されていたが,その後単体でリリースされることになった。ステルスよりもアクションが重視され,さまざまな武器やガジェットを駆使して戦うことになる。時には10人以上の仲間も加わる激しいアクションがウリだ。
 政府に肉体を改造(オーギュメント)されたスーパーソルジャー,ネイサン・フロストの物語で,未来の香港を中心とした地域を舞台に,世界征服を企むヤン軍曹の部下やロボットと戦っていく。火炎放射器の電気版や,何百ものハエ型ロボットを撃ち込む武器など,ユニークな武器類も非常に魅力的。
 なお,Deus Exシリーズでお馴染みの「なんでもできる」感覚はそのままで,オートロックのドアがあればピッキングするなり爆破するなり,回り道を探したりなど,自由な行動で進んでいける。また16人までの対戦モードもある。

 


Quake IV

開発元:Raven Software
発売元(米) / リリース時期:Activision / 年内
発売元(日本):未定

 ついに「Quake IV」が登場する! 本作は,「DOOM 3」のグラフィックスエンジンを使って開発されているシリーズ最新作で,ストーリーは「Quake II」の直後から始まる。「Quake III Arena」はマルチプレイヤーモード専用だったため,シングルプレイヤー用のストーリーも用意されているQuake IIをベースにしているのである。
 宇宙が舞台ということでDOOM 3との住み分けも懸念されるところだが,本作はDOOM 3と比べてテンポの良いアクションになるようだ。プレイヤーはスペースマリーン部隊の一兵士となり,常に仲間と行動することになる。
 ストーリーの詳細は不明だが,Quake IIでボスのストロッグをやっつけた直後から始まることから,やがて到着した仲間達も加わって,そのままストロッグの本拠地へと乗り込んでいくというものになるのだろう。もちろん対戦モードも用意されていて,乗り物などを駆使した「Battlefield 1942」風の遊びが楽しめそうだ。

 


TIMESHIFT

開発元:Saber Interactive
発売元(米) / リリース時期:Atari / 年内
発売元(日本):未定

 電撃的な制作発表が行われたばかりの「TIMESHIFT」。タイトルが示唆するように,時間をコントロールできる能力を身につけたエージェントが主役のシューティングゲームで,Saber Interactive独自のゲームエンジンを使用して制作されている。
 本作では,「Max Payne」のように主人公の行動時間を含めた全体的な時間をいじれるのではなく,自分だけは通常に行動でき,例えば時間を静止させ,その間に場所を移動したりもできる。さらには時間を巻き戻すことも可能で,一つのシチュエーションでもさまざまなパターンでアクションを起したりパズルを解いたりすることになるようだ。
 敵のAIも入念に設計されていて,主人公が突然別の場所に移動していたり,破壊されたものが元に戻ったりという妙な現象にちゃんと気づき,混乱してしまうこともあるらしい。
 ゲーマーには,「Will Rock」を制作した開発チームが,どう成長したのかも期待のできるポイントだろう。

 


 2005年リリース予定のFPSはまだまだあるが,発売が延びてしまっている「S.T.A.L.K.E.R. − Shadow of Chelnobyl」もやはり要注目。さらに東欧系の,「Mortyr 2:For Ever」「Serious Sam 2」といった続報モノにも期待したい。
 そのほか,「BioShock」「Team Fortress 2」「Unreal 3」などの超目玉作も水平線上に見えている。拡張パック関連では,「DOOM 3:Resurrection of Evil」が2005年3月にはリリース予定となっているし,さらに「Half-Life 2」では女性キャラクターAlyxでプレイできる拡張パックが制作されている。

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