特集 : World of Warcraftスターターガイド

この冬はWoWっと過ごしたい!「World of Warcraft」スターターガイド


Text by 星原昭典 

PvPとバトルグラウンド

 「プレイヤー同士の戦闘」=「PvP」が,どのようにゲームに組み込まれているかは,タイトルによって大きく異なる部分である。
 WoWという作品は,はじめからPvPのことを念頭に置いて設計されている。なので,ここでは「PvPサーバー」におけるPvPのことを説明する。しかしもちろん,パブリックなエリアでいきなりほかのプレイヤーに襲われるのはイヤだという人は少なくないので,それができないサーバー(WoWでは「Normalサーバー」と呼ばれている)も用意されている。

 

フィールドでのPvP

中立勢力が支配している街は,敵味方両方のプレイヤーキャラが利用する。中立のガードの目の前でうっかり敵対PCを攻撃すると……

 WoWでは,すべてのプレイヤーは「Horde」(ホード)と「Alliance」(アライアンス)という,二大勢力のどちらかに属することになる。本作のPvPは,この勢力同士の戦いを表現したものであり,味方同士で戦うことはできない(デュエルを除く)。

 いきなり過激な部分を言えば,WoWではレベル1のプレイヤーキャラクターが,敵陣営のレベル60のプレイヤーキャラクターに為す術もなく殺される,ということが起こりうる。ただ実際には,そういうことは滅多に起こらないようになっている。

 WoWでは,すべてのフィールドゾーンに「PvP States」(PvPステータス)が設定されている。ステータスには3種類あり,すなわち「Horde Territory」(Hordeの支配地域),「Alliance Territory」(Allianceの支配地域),そして「Contested Territory」(競合エリア)である。

 

「自国の支配地域」
(HordeにとってのHorde Territory,AllianceにとってのAlliance Territory)

 適正キャラクターレベルが20くらいまでの冒険エリア(クエストなどで訪れる地域)は,ステータスが「自勢力の支配地域」に設定されている。「自勢力の支配地域」では,敵対勢力のプレイヤー側からこちらを先制攻撃することはできない。なので,そのようなエリアで冒険しているレベル20程度までのプレイヤーが,理不尽に敵に殺されることはほとんど起こらない。ただしこちらから攻撃を仕掛けた場合は,相手も反撃が可能になる。

 

「競合エリア」
(Contested Territory)

 適正キャラクターレベルが20以上の冒険エリアは,ほぼすべてが「競合エリア」,つまり常に敵に襲われる可能性のあるPvP許可エリアである。ただし,適正レベルが20〜30くらいまでの冒険エリアは,そのほとんどが「どちらかといえばHorde寄り」だったり「どちらかといえばAlliance寄り」だったりする。「どちらかといえばHorde寄り」のエリアというのは,例えばそのゾーン内には,Allianceのプレイヤーが利用できる街や前哨がなく,Allianceのプレイヤー向けのクエストも少ないので,Allianceのプレイヤーはほとんど見当たらない,というようなエリアである。
 本格的なPvPが始まるのは,レベル30以上のエリアに足を踏み入れるようになってからだ。

 AllianceのプレイヤーキャラクターとHordeのプレイヤーキャラクターの間では,会話が一切できない。個人宛メッセージは送れないし,周囲への発言は意味のない文字列に置き換えられてしまう。だから罵倒することも文句を言うこともできない。またWoWでは,敵対プレイヤーに殺されても何も失わない。アイテムを奪われるようなこともない。普通のMobに殺された場合は装備品の耐久度が下がるのだが,プレイヤーキャラクターに殺された場合は,それすらない。ただ単に,墓場の位置から幽霊状態で自分の死体の場所に走って戻るのが面倒なだけだ。

 

 

バトルグラウンド

バトルグラウンドに参加しようと,バトルマスターの周囲に集まるプレイヤーキャラ達

 「Battleground」(BG,バトルグラウンド)とは,チームによるPvP専用のインスタンスで,そこではAllianceのプレイヤーキャラクターとHordeのプレイヤーキャラクターが同じ人数同士で行う,スポーツライクなチーム戦が楽しめる。レベルもだいたい同じプレイヤーが集められるので,フィールドでのPvPに比べれば,かなりフェアな戦いが楽しめる。現在のところ,BGには4種類のゲームモードが用意されている。

 

「Warsong Gulch」

いわゆるキャプチャー・ザ・フラッグ。自陣にあるフラッグを守りつつ,敵陣のフラッグを奪い自陣まで持って帰る。三本先取した陣営が勝利

 

「Arathi Basin」

マップ上に5か所ある「資源湧出ポイント」を奪い合う。多くのポイントを確保すれば,それだけ速いペースで資源が溜まっていく。先に一定量の資源を溜めた陣営が勝利

 

「Alterac Valley」

マップ上にある敵のタワーを破壊/占領しながら,敵の本陣へと攻め上がる。本陣にいる敵の強力なNPC(General)を先に倒した陣営が勝利

 

「Arena」

少人数同士で行うシンプルなチーム戦闘。2対2,3対3,5対5の三つから好きな戦いを選べる(2006年12月実装)

 

 BGに参加する最も簡単な方法は,各種族の主要都市にいる,BG用のNPCに話しかけることだ。敵味方のBG参加希望者が揃うと,その旨を告げるウィンドウが開き,キャラクターはBGへと転送される。仲間集めもマッチメイクもシステム側で自動的に行ってくれるので,かなり気軽に参加できる。

 フィールドにおいてもBGにおいても,敵対勢力のプレイヤーキャラクターを倒すと,その数と強さなどに応じて「Honor Point」が獲得できる。BGを繰り返しプレイしていると,かなり多くのプレイヤーキャラクターを倒すことになるので,フィールドで突発的に起こるPvPだけでは,まず獲得できない量のHonorが得られる。Honorをどんどん溜めていくと勢力内での階級がアップし,そのランクに応じて,特別性能の高いアイテムを格安で購入できるようになる。また,この全体的なPvP Honor Pointを溜めることで入手できるアイテム以外に,特定のBGでがんばり続けることによって入手可能になる,高性能アイテムというものも別に存在する。そのようなアイテムを入手することを目標として,BGに足繁く通うプレイヤーは少なくない。

 

タイトル World of Warcraft
開発元 Blizzard Entertainment 発売元 Vivendi Games
発売日 2004/11/23 価格 49.99ドル
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/800MHz以上,メインメモリ:512MB以上,グラフィックスチップ:GeForce 2以上[GeForce FX 5700以上推奨],グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

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