特集 : World of Warcraftスターターガイド

この冬はWoWっと過ごしたい!「World of Warcraft」スターターガイド


Text by 星原昭典 

二大勢力と6種族

 プレイヤーキャラクターとして選択可能な種族は,全部で8種類。WoWの世界では「Alliance」と「Horde」という二大勢力が戦争状態にあり,すべてのプレイヤーキャラクターは,この二つのどちらかの勢力に必ず所属することになる。種族と勢力は固定されており,全8種族のうち4種族はAlliance陣営の種族,残りの4種族はHorde陣営の種族だ。

 Allianceの種族にはヒューマンをはじめとした,見た目が人間に近い種族が揃っており,一方のHorde側には,ちょっとモンスターっぽい雰囲気の種族が多い。このため,固定観念から「Alliance=善」「Horde=悪」と単純に決めつけがちだが,それは大きな誤解である。Horde側の4種族もすべて,ちゃんとした理性と社会性を持った種族である。

 種族にはそれぞれ特徴(Racial Traits)が用意されているため,種族によって「どちらかといえばメレー向き」とか,「どっちかといえばキャスター向き」というのはある。ただ,種族のちょっとした能力差が,キャラクター性能に取り返しの付かないような違いをもたらすようなことはない。選択のときには,自分が好きになれそうな種族を選ぶのが一番だ。

 

 

Alliance種族

Human(ヒューマン)

 何万年も続いているWarcraft世界の歴史の中では,むしろ若い種族である。活力にあふれ,拡張志向が強いため外交能力も高い。多方面にわたりそつのない才能を持っており,多くのクラスに就ける。

 WoWの世界のヒューマンは,この世界を我がものとしようとするデーモンの軍勢「the Burning Legion」,とくにその手下であったオークと,長きにわたる戦いを続けてきた歴史を持っている。the Burning Legionの前回の侵攻時には,その先兵であるアンデッドの軍勢に北方の王国を一つ滅ぼされてしまった。現在は残った南の王国を守り抜くために,同盟種族達と共に力を蓄えているところだ。

 

Warrior, Paladin, Rogue, Priest, Mage, Warlock

  • Perception
    20秒間,PC/NPCのステルス状態をより高い確率で見破れるようになれる
  • The Human Spirit
    Spiritの数値に5%のボーナス。HealthやManaの自然回復力が高い
  • Diplomacy
    Faction Point(他種族からの信頼)の獲得に10%のボーナス
  • Sword Specialization
    剣を扱う能力にボーナス
  • Mace Specialization
    棍棒を扱う能力にボーナス

Dwarf(ドワーフ)

 ずんぐりとした体型を持つ,筋力に優れた種族だ。身体はたいへん丈夫で,寒さへの耐性も高い。地面や鉱石に非常に関わりの深い種族で,その理由は彼らが太古に石から作り出された種族だからだと言われている。ドワーフの手による石工製品の品質の高さは有名だが,同時にドワーフは宝物に対する関心の高さでも有名である。

 ドワーフは,基本的には陽気で平和的な種族だが,ひとたび戦争が始まれば,友人のために命がけで戦う戦士となる。ヒューマンとは古くから同盟関係にあり,その一番の友ともいえる種族だ。鉱石の採掘と並んで,遺跡の発掘と研究にも非常に熱心で,世界のあちこちに発掘隊を派遣している。

 

Warrior, Paladin, Hunter, Rogue, Priest

  • Stoneform
    8秒間,「出血」「毒」「病気」状態への完全耐性が付き,さらにArmorに10%のボーナス
  • Gun Specialization
    銃器を扱う能力にボーナス
  • Frost Resistance
    フロスト系攻撃への耐性にボーナス
  • Find Treasure
    マップ上に存在する宝箱を,ほかの種族よりも上手に見つけ出せる

Gnome(ノーム)

 非常に小柄で,すばしこい種族である。頭が良くて器用なので,魔法使いとしての適性は高い。技術力にも優れており,ゲーム内のあちらこちらで見かける奇妙な機械類の半分は,ノーム達の手によるものだ。お茶目でイタズラ好きな種族でもある。

 「賢いけれども変わり者も多い」という奇妙な種族であるノームだが,昔から同盟者達,とくにドワーフとはつきあいが深く,資源を分け合い,テクノロジーの提供なども行っていた。しかしthe Burning Legionが前回侵攻してきたとき,ノーム達はなぜか同盟軍への兵力提供を拒否し,ヒューマンやドワーフを驚かせた。
 その理由は,戦争が収まってからようやく明らかになった。実はノーム達のホームタウンは,地の底に住むモンスターによる襲撃を受けていたのだ。自分達だけでこの脅威を取り除こうとしたノームだったが,結局ホームタウンは陥落し,ノームは故郷を奪われてしまった。生き残ったノームは現在,ドワーフのホームタウンに間借りして生活している。

 

Warrior, Rogue, Mage, Warlock

  • Escape Artist
    足止めや鈍足の効果からサッと抜け出すことが可能
  • Expansive Mind
    Intellectの数値に5%のボーナス。Manaの総量が多い
  • Arcane Resistance
    アルカナ系攻撃への耐性にボーナス
  • Engineering Specialization
    生産プロフェッション「Engineering」のスキルにボーナス

Night Elf(ナイトエルフ)

 1万年前,ナイトエルフ達は巨大な帝国を築いていた。しかし原初の魔法エネルギーを,まるでおもちゃのように気安く扱ったことが原因となって,この世界にデーモンの勢力 the Burning Legionを呼び込んでしまう。これをなんとか撃退したナイトエルフだったが,自分達の帝国は崩壊してしまった。そして以降,彼らは森の中へと引き込み,そこでひっそりと暮らす神秘的な種族となった。

 現在のナイトエルフは,自然を愛し,そこに溶け込むようにして生きている。破壊力のある魔法を扱うことには今でも抵抗があるようだ。体格は人間よりもやや大きい。この世界に再びやってきたthe Burning Legionに抵抗するため,ナイトエルフは初めて定命の者達と同盟を組んだが,孤独を好むやや排他的な種族なので,Alliance勢力の中では少し浮いた存在でもある。

 

Warrior, Hunter, Rogue, Priest, Druid

  • Shadowmeld
    ステルス状態になって姿を消せる。ただし移動中や戦闘中は使用できない
  • Quickness
    敵からの攻撃をDodge(回避)する確率にボーナス
  • Wisp Spirit
    死亡時に「ウィスプ状態」になれる。他種族が死亡した時の「ゴースト状態」に比べて素早く移動できる
  • Nature Resistance
    毒や病気などのネイチャー系攻撃への耐性にボーナス

 

Horde種族

Orc(オーク)

 もともとは精霊崇拝(シャーマニズム)を中心としてまとまった,平和で文化的な種族だった。しかし異世界から来た邪悪なデーモンの軍勢the Burning Legionに呪いをかけられ,デーモンがヒューマンと戦うときの手駒とされてしまっていた。長い間この呪いのもとにあったオーク達だが,ついに優秀な指導者が現れ,彼に導かれて,オーク達は呪いの頸木から脱することに成功する。自らの文化と理性を取り戻したオークは,征服のためではなく,失われてしまった誇りを取り戻すための新たな戦いを開始した。

 このようなバックグラウンドを持つWarcraft世界のオークは,荒々しさと理性を併せ持った非常に魅力的な種族として描かれている。強力なリーダーシップを発揮して,Horde陣営の中心的な役割を果たしているのは,この種族である。またオークはHonor(名誉)と武勇を非常に重んじる種族としても知られている。

 

Warrior, Hunter, Rogue, Shaman, Warlock

  • Blood Fury
    15秒間,直接攻撃力にボーナスを得る。ただし同時に25秒間,自分に対するヒーリングの効果が減少する
  • Hardiness
    スタンとノックアウトの効果を25%の確率で防ぐ
  • Command
    ペットの直接攻撃力に5%のボーナス
  • Axe Specialization
    斧を扱う能力にボーナス

Tauren(トーレン)

 大地の女神「the Earth Mother」を信仰し,自然のバランスを保つことを重要視している文化的な種族である。大柄な体躯に似合わず,その性質は穏やかで,祖先の霊をとても大切にする種族だ。トーテムポールが立ち並ぶ草地で平和に暮らしているその姿は,ネイティブアメリカンのスピリチュアルな文化を連想させる。文化的には戦士の種族というわけではないのだが,その体格を生かせば優秀なWarriorになれる。

 以前トーレンは,ケンタウロスの軍勢に攻め込まれて,あわや滅亡かというほどの甚大な被害を受けたことがあった。そんな滅亡の危機の瀕した彼らに対して,救いの手をさしのべたのがオーク達だった。その名誉ある振る舞いに応えるため,トーレンはHorde陣営の一角に加わったのだ。

 

Warrior, Hunter, Shaman, Druid

  • War Stomp
    自分の周囲にいる最大5体の敵を2秒間スタンさせる
  • Endurance
    Healthの最大値に5%のボーナス
  • Cultivation
    生産プロフェッション「Herbalism」のスキルにボーナス
  • Nature Resistance
    毒や病気などのネイチャー系攻撃への耐性にボーナス

Troll(トロル)

 もともとは,呪術を好む野蛮で迷信深い種族である。しかし中には例外もある。ダークスピア族(Darkspear tribe)というトロルの一氏族は,旅の途中のオーク達から恩を受けたことをきっかけとして,野蛮な風習と故郷を捨てて,Horde陣営の一角に名を連ねることになった。現在ダークスピア族のトロル達は,オークのホームタウンの近くに自分らの村を作って生活している。

 集落にある,いかにも風通しの良さそうな建物や,衣服やタトゥーの意匠,まじない師の社会的地位が高いという文化などから察するに,WoWのトロルは大昔のカリブ海周辺の文化から着想を得てデザインされているようだ。なかなかマルチな才能を持った種族であり,多くのクラスに就ける。「トロルはHealthのリジェネレーションレートが高い」という,ファンタジーゲームの伝統はきっちり反映されている。

 

Warrior, Hunter, Rogue, Priest, Shaman, Mage

  • Berserking
    10秒間,攻撃速度を上昇させられる。発動時のHealthが少なければ少ないほど,攻撃速度は上昇する
  • Regeneration
    Healthの自然回復レートにボーナス。さらに戦闘中であってもHealthが若干自動回復し続ける
  • Beast Slaying
    ビースト系の敵へのダメージにボーナス
  • Throwing Specialization
    投擲武器を扱う能力にボーナス
  • Bow Specialization
    弓を扱う能力にボーナス

Undead(アンデッド)

 the Burning Legionが前回侵攻してきたとき,その先兵として使ったのは,ヒューマンやエルフの死体を利用したアンデッドの軍勢だった。その戦乱が収まったころ,アンデッドの中に自分の意識を取り戻すものが出始めた。彼らは愕然とした。アンデッドの身体に人間の心,もう自分達は心のない奴隷ではないが,かといって人間にも戻れない。ヒューマンとその同盟者は,アンデッドと見れば問答無用で襲ってくる……。そこで彼らは,女王をいただき,団結し,北方王国の廃墟を本拠として,自分達の敵に対して抵抗することを決意した。自らをForsaken(見捨てられたもの)と名乗った彼らは,手始めにHorde勢力への接触を試みた。自分らの計画にうまく利用できるかもしれないと考えて……。

 このような背景を持つアンデッドは,Horde勢力の中では少し異質な存在だ。彼らはもともと人間なので,選択可能なクラスの種類はヒューマンのそれと似ている。種族の特徴に実用性の高いものが多いので,Hordeの中では人気のある種族だ。

 

Warrior, Rogue, Priest, Mage, Warlock

  • Will of the Forsaken
    5秒間,フィアー/スリープ/チャームに対する完全耐性が付く。これを使って,それらのエフェクトを,その場で解除も可能
  • Cannibalize
    ヒューマノイド系もしくはアンデッド系の敵の死体を食べることでHealthを回復できる
  • Underwater Breathing
    水の中で通常の三倍の時間,息を止めていられる
  • Throwing Specialization
    投擲武器を扱う能力にボーナス
  • Shadow Resistance
    シャドウ系攻撃への耐性にボーナス

 

タイトル World of Warcraft
開発元 Blizzard Entertainment 発売元 Vivendi Games
発売日 2004/11/23 価格 49.99ドル
 
動作環境 OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium III/800MHz以上,メインメモリ:512MB以上,グラフィックスチップ:GeForce 2以上[GeForce FX 5700以上推奨],グラフィックスメモリ:32MB以上[64MB以上推奨]

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