4Gamerでは,これまでにも「こちら」や「こちら」で紹介してきたが,ナムコはカウンターストライク(以下,CS)のアーケード版「カウンターストライク ネオ」(以下,CS-NEO)を,全国展開すべく開発を続けてきた。
そして,いよいよ本格的な展開を目前に控えたタイミングで,第43回アミューズメントマシンショー(以下,AMショー)を迎えたのである。AMショーのナムコブースには,10台が1セットになったカウンターストライク ネオの試遊台が設置され,ブーススタッフが専用のカードの使い方や操作方法などを来場者に逐一説明しつつ,その独特の存在感を大いにアピールしていた。
PCゲームの世界的なヒットタイトルを,日本市場のあり方に応じてアミューズメントスポットで展開すべく,営々と開発が続けられてきた成果であるカウンターストライク ネオ。CSに初めて触れる人のため,各部の日本語ローカライズやポップアップヘルプ,マッチングシステムや特注品のマウスなど,独自の工夫がふんだんに盛り込まれている。
今回はそのあたりを中心として,ナムコ「LEDZONE」の土屋哲夫氏と谷波晃一郎氏にお話を伺ってみた。
4Gamer編集部(以下4Gamer):
本日はお時間を頂きありがとうございます。まずは,お二人の仕事内容を教えていただけますか?
土屋哲夫氏(以下,土屋氏):
今回全国展開にあたり,量産版が出来たので,ミッションが少し変わりました(編注
「こちら」も参照のこと)。現在は,谷波がプロデューサーとして,ソフト,ハード面といったコンテンツの開発を担当しています。私は後方支援ですね。対外折衝というか。
最近は,メディアさんやオペレーターさん(編注:アミューズメントスポットのオーナーさんなど)に説明をする毎日といったところです。これからはコンテンツを作るというだけではなく,広報活動などを中心にサポートをしていくという形ですね。
4Gamer:
なるほど,では谷波さんにお伺いしますが,現在稼働しているマシンのスペックなどを教えていただけますか?
谷波晃一郎(以下,谷波氏):
CPUにはAthlon XP,グラフィックスカードはGeForce 6800 GTを,OSにはLinuxを使用しています。
4Gamer:
Windowsではないんですね。
谷波氏:
ええ。安定性なども考えて,このスペックとOSを選択しました。
4Gamer:
OSをLinuxにした理由を,もう少し詳しく教えてください。
谷波氏:
アーケードゲームは一般家庭と違い,十数時間……場合によっては24時間CPU負荷率100%とか,可能性としてはあるわけですよね。突然ゲームが落ちちゃったとか,OSのアップデートで自分達には分からないブラックボックスの部分で不具合が出たとかでは,まともなサービスを提供できないんですよ。それとセキュリティの問題もあります。
4Gamer:
なるほど,安定性とソースコードの公開性の問題ですか。ちなみに,ライセンス料の問題とかもあったりしませんか?
谷波氏:
それも……ちょっとだけあります(笑)。
4Gamer:
では次に,マウスとキーボードについてお聞きします。現在接続されているマウスはLEDZONEにあるものと違いますが,これは?
谷波氏:
ここに接続しているマウスは,ロジクールの市販品です。本来は防犯性の高いワイヤーケーブルを採用した特注のマウスを使います。……プレイするには,邪魔だったりするんですよね,ワイヤー(笑)。
でも「普通のマウスではハサミで切られる場合もある」とオペレーターの方などから心配の声が上がったりもしますし,ナムコとしての製品クオリティの問題もあるので,店舗の客層に合わせた選択ができるようにしています。
4Gamer:
なるほど。となるとお店で使うキーボードとワイヤーケーブルのマウスはOEMというか既存製品をベースにしたものですか? それともどこかで新規に開発されたものでしょうか?
谷波氏:
マウスはオリジナルで,OEM品などではないです。キーボードのほうは1万8千円くらいする東プレの「Realforce」が原型で,キートップなどをCS用に着色してもらってるカスタム品ですね。
マウスのほうも,LEDZONEオフィシャルとして共同開発するといった話もあります。
4Gamer:
最近はゲーミングマウスなどの販売も盛んになっていますよね。FPSというジャンルではとくに重要ですし。
谷波氏:
とくにアメリカなどでは,ゲーミングマウスという市場が成立していますよね。うちでも同じように,各社さんとお話をしてこだわったマウスを設置したりしていきたいです。ちなみに現在使用しているマウスは800カウントです。最上位のスペックではありませんが,それなりにプレイのことを考えて決めてます。
4Gamer:
選択できるというのは,つまり,戦闘中にもAIで動くか,動かないかを選べるということですか?