ナムコ LEDZONE，谷波氏＆土屋氏に聞く「CS-NEO」のこだわりと展望

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Text by Seirou / Photograph by kiki

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4Gamer：
　先ほどプレイしてみたんですけど，PC版と比べて突き放した感がなく，ゲームにすんなり入りやすいですね。

土屋氏：

　チュートリアルは非常に短くなっています。ポップアップメニューを出すとかのインタフェースの改良も併せて，対人戦闘の面白さをダイレクトに教えていきたかったんです。トレーニングモードがあるので，CPU相手に練習できますしね。

谷波氏：
　チュートリアルのポップアップなどは，タイムリーにプレイヤーが悩んだ瞬間を判定して出したいですね。　プレイヤーの方々は，ある程度プレイして火がついたら勝手に覚えてくれるんですが，その火を付けるまでをいかに親切にするかが重要かと。

4Gamer：
　なるほど，コインシューターがあると確かにゲームセンターの機械という感じですね。

土屋氏：
　今はとにかくルールをシンプルにしないとね。Ver.1のときはVIP以外のルールはすべてチュートリアルで出していたんですよ。でもそれだと情報量が多すぎるわけです。一度にたくさんの情報量が入ってくると，知らない人には難しい。　現在実装されている「爆弾設置解除」のシナリオでは，しかるべきタイミングで「爆弾を設置してください」といったアラートとか出るんですけど，見ている人は少ないですね。でも，このシナリオでは相手を全滅させても勝ちなので，分からなくても対人戦闘そのものは楽しめる。

4Gamer：
　CSでもこのルールに人気があるのはそのあたりですね，アーケードでもその傾向は似ていますか？

土屋氏：
　そうですね，人気は高いです。みなさん飽きたらちょっとほかをやるって感じですね。

4Gamer：
　プレイヤー自身によるサーバーの選択はなくして，マッチング形式にしたと聞きましたが，これは，やはり初心者への配慮ですか？

土屋氏：
　これまではプレイヤーの人数が足りないということで，初心者でも強制的に上級者のサーバーに入れられる場合があったんですが，今は初心者サーバーを作るのに十分な人数がいるので，始めたばかりの人はそのサーバーに振り分ければ大丈夫というわけです。

4Gamer：
　となると，人数が足りない場合はどうなるのですか？

土屋氏：
　基本的にはBOTが入ります，といってもBOTが入っているからプレイヤーが入れないということはないです。極力，人対人のゲームになるように調整されています。

4Gamer：
　そういえば，CS NEOにはCo-opはありますか？

土屋氏：
　Co-opというか一応部隊戦でのCPU戦はありますが，これは対戦を待っている間に遊ぶという意味合いが強いですね。基本的にはクランマッチが面白いので，Co-op戦のようなものはないですね。

4Gamer：
　マップの数はどれくらいですか？

土屋氏：
　4マップです。今5マップ目が実装中ですので，近々公開されると思います。半年ペースで1，2個のマップを入れる予定です。とはいえ，ダメなマップは1回下げちゃうとか，改良してからまた入れるといった感じですね。今回入っているのは2年間の運営の中での評価を基に決めています。

4Gamer：
　それは実際に遊ばれている回数が多いマップをそのまま使っているということですか？

土屋氏：
　そうです。1から作ってしまうとそのバランスに保証がないので，プレイヤーのみなさんが納得できるバランスのマップを持ってきています。それをへたに直したりすると，また微妙にバランスが変わってしまいますし。　その後どうしていくかというのは問題ですね。ネットワークゲームなので，クリアとかエンディングとかはないわけで。新しいMAPを出したりするのはもちろんですし，例えば今は爆弾設置解除のルールしか入ってませんが，このほかに人質を助けたり要人を護衛したり，とルールのバリエーションを出したり，といった展開も考えています。

4Gamer：
　ああ，なるほど。最初はシンプルなルールで分かりやすくして，追加は今後順次行われるわけですね。

土屋氏：
　ええ，今回全国展開に当たり，間口を広げられるだけ広げてます。またゼロからのお客様がいらっしゃるので，ゲームシステムは絞りました。いきなりすべてを出してしまうと，情報量の多さから混乱してしまうので，一番人気があって分かりやすいものに絞って。またあまり使われないナイトビジョンや，シールドなども排除してあります。　サーバーが選択できなくなったのも，サーバーという概念がアーケードでは理解されにくかったからです。

4Gamer：
　たしかに，だしぬけにサーバーを選べといわれても分からないかもしれませんね。

土屋氏：
　全国展開するとサーバーを選ぶということがナンセンスになってしまうんですよ。といっても，友達と遊べるというのは大事な部分ですので，店内にいる友達と一緒に遊ぶ要素は残してあります。これはプレイヤー名から検索することで，同じサーバーに入るという流れになります。　MMORPGでも，今はキャラクターのオンライン/オフラインなどのステータスはログインしたときに重要な情報ですよね？　CS-NEOでも同様に友達と遊びたい人が多いです。あとチームを作るにしてもリストを見てから勧誘するとかもありますよ。

4Gamer：
　そうやって特定の人と同じサーバーに入った場合は敵対陣営でもできるのですか？

土屋氏：
　今はチームバランスの問題もあるので，一緒にできるというか……ゲームシステム上，勝っているほうにお金がいくので，オートバランスで負け越しているチームにシフトするわけです。　傭兵戦に関しては，一緒には遊べるけど，"なるべく"同じチームになれるようにという程度のバランスに設定してあります。

4Gamer：
　なるほど。たしかに友達2～3人で一緒にゲームセンターに来た人を，どうゲームに組み込んで盛り上げるかは難しそうですね。

土屋氏：
　がっちり友達と遊びたい場合は，チームを作ってチーム同士の勝敗を決めるという方法がありますね。傭兵戦は同じぐらいの強さの人とバランス良く楽しめるというコンセプトです。　友人といっても腕前が違うわけですから，例えば私が，熟練した人と遊んでも一方的にボコられて終わることになる。私は私に合った人と戦うみたいな感じですね。

4Gamer：
　腕前に応じた振り分けはどのようになされていますか？

土屋氏：
　レーティングです。そして同じ腕前の人が集まればそれによってコミュニティが発生したりもします。コアプレイヤーはコアプレイヤーでコミュニティができるし，カジュアルプレイヤーは彼らでコミュニティを作っていくと。　友人同士遊んでいて，友人が辞めていくから自分も辞めるという連鎖ではなく，遊ぶ人は遊び続けるみたいな。

4Gamer：
　アーケードゲームとしては本当にユニークな"集まり方"なので，どう展開するか面白そうですよね。