ナムコ LEDZONE,谷波氏&土屋氏に聞く「CS-NEO」のこだわりと展望

Text by Seirou / Photograph by kiki 

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新しい習慣を作る,その架け橋をまずはCS-NEOで

4Gamer
 今回,全国展開するにあたり,まずは9店舗に設置されていますよね。この9店舗はどのようにして決まったのですか?

土屋氏

 基本的に我々のセクションでは,お店の展開はやらないんですよ。ですので,ナムコの店舗にも他社の場合と同じように,「扱っていただけませんか?」ということから始まります。
 ただし蒲田にあるLEDZONEは本当に特殊で,ここでは運営のノウハウなどを含め,製品開発とお店の運営を一体として扱っています。実際,お客様が「これはバランスが悪いんじゃないの?」とか,「ここはこういう仕様のほうがいいんじゃないか?」といった意見を下さるので,それらを受けて仕様を決めていていたりもしますね。
 従来のアーケード業界では,お店はお店,開発は開発だったところを,あえて一緒にやっているし,これまで(開発部署のある)蒲田にしかお店がなかったので,お客様の声がダイレクトに開発に伝わってたんですよね。全国展開しても蒲田での運営は続くので,ここで出てきた意見は引き続き取り入れていこうと思っています。
 扱いたい方はどなたでもやってくださいといっても,インストラクターを付けたりするところまでは,なかなかできませんね。10台くらいだと我々の求めている運営はなかなかできません。ああ,そうそう,オープンしたばかりの京都の店舗には,40台設置されるのと,スタッフが入るのでLEDZONEという名前が付いてますよ。

4Gamer
 ある種の自社内営業もするわけですね。台数だけ聞くとすごい数ですが,1セットの価格はおいくらなのでしょうか?

土屋氏
 オープンプライスで実売1千万円弱です。それが今後出荷されていきますので,9店舗以外にも増えていきます。

4Gamer
 具体的にいつ頃ですか?

土屋氏
 秋……今秋かなぁ。秋にこれの量産版が出荷されるので,とにかく今はファンの人数を増やして,対戦を盛り上げていきたい。アーケードゲームとして普及させるためには,とにかく市場に出ないとだめですから。

4Gamer
 もう少し具体的な数はお聞きできますか? 当面の目標とか?

土屋氏
 数は出せません。目標としては,LEDZONEの1000店開設を数年以内に実現したいです。実は,当面の数字をほかのメディアさんで言ったら怒られてしまいました(笑)。

4Gamer
 なるほど,具体的なお話が聞けないのは残念ですが,すでにある程度の目算があるということですね。

土屋氏
 我々がやっていることは,対戦ゲームのためのインフラ作りですが,インフラという言葉はあえて使わず,分かりやすいCSから始めてみたわけです。別にはじめからCSありきだったわけではなく,ネットワークで対戦できるものが作りたかった。
 実際,開発を始めた頃は「ファイナルファンタジーXI」などもまだなく,「ウルティマオンライン」があるくらいでした。当時,ネットワークゲームはPCの市場でしか成立していませんでしたが,今ではプレイステーション2も,そして次世代機もネットに対応していってますしね。

4Gamer
 となると,当然ながら現在のハードウェアに違うゲームを,という考えもありますよね。そろそろ新しい展開があるということですか?

土屋氏
 ええ,ありえます。

4Gamer
 おぉ,では具体的な話とか?

土屋氏
 それはいえません。でも谷波が作ってますよ。

4Gamer
 う〜ん,そこをぜひ知りたいところなんですけどね(笑)。次の機会にでもぜひ教えてください。

子供にはPCもコンシューマ機も等価
土屋氏
 話は変わりますが,実は私は家で,長男&次男 vs. 私&強いBotでCounter-Strikeの対戦をしているのですが……。

4Gamer
 勝率はいかがですが?


土屋氏
 ぜんぜん勝てないですね(笑)。
 台湾に行って分かったんですが,小学生でも「Age of Empires」を遊んでいます。だから環境さえあれば,日本の子供もPCで遊ぶと思うんですよ。残念なことにPC自体が日本では遊びの道具としてあまり使われていないので,だったらゲームセンターにあれば,遊びたい人が集まっている場だし,分かってもらえるだろうと。
 うちの子にとっては,ゲームボーイもPCもプレイステーション2もシームレスなんですよね。

4Gamer
 それが本来の形なのかもしれませんね。

土屋氏
 ええ,なので自分の家を見ていると自信が持てます。間に入っている親……買い与える側が,そういう発想になっていないだけで,子供は別に区別などしていないなと。

4Gamer
 そういう意味では,CS-NEOがPC的なゲームの突破口になってくれると非常に面白いですね。

土屋氏
 実際,うちは教育に取り入れてますからね。ローマ字だけを見てチャットさせるとか(笑)。

4Gamer
 英才教育ですか(笑)。それでは最後に,読者に一言お願いします。

土屋氏
 いつも応援ありがとうございます。うちはPCのメーカーではないですが,4Gamerの読者さんには,よく遊びに来ていただいてます。すばらしいPCゲームも今後発信していければいいなと思いますし,いろいろ考えてますんで今後もよろしくお願いします。

4Gamer
 本日はどうもありがとうございました。



というわけで,カウンターストライク ネオの筐体は,"ゲーセンに出張したPC"なのである。
 コンシューマ機のコントローラやアーケードゲーム筐体のレバーとボタンが根付いた日本で,あえてキーボードとマウスというインタフェースを使うこだわりや,ハードルの高い印象を受けるCounter-Strikeというタイトルを,親切なチュートリアルやゲームシステムの簡略化などで入り込みやすくしてある点は,良い意味でナムコらしい職人魂を見せつけられた。
 FPSをそれほど遊ばない筆者でも,実際にカウンターストライク ネオをプレイしてみて素直に面白いと感じたし,蒲田に遊びに行ってみたいと思ってしまったくらいだ。

 熟練したFPSプレイヤーもFPSをあまり遊ばない人も,もし興味を持ったら,LEDZONEの公式サイト「こちら」から最寄りの店舗を探して,ぜひ遊んでみてほしい。

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タイトル カウンターストライク ネオ
開発元 ナムコ LEDZONE 発売元 ナムコ
発売日 2005/秋 価格 N/A
 
動作環境 アーケード専用

(C)NAMCO LTD. and Valve Corporation All rights reserved.Counter-Strike NEO,and the Counter-Strike NEO logo are trademarks and/or registered trademarks of Valve Corporation.