企画記事
PCゲーム新作ガイド 2009「今年の注目作64本を一挙に紹介!」
ここで紹介するのは,いわゆる一般的な三人称視点のアクションゲームと考えてほしい。PCオリジナルというよりは,コンシューマ機でのリリースを念頭に置いた作品が多い。
今回紹介する9作品のうち,実に六つが,オープンエンドな世界の中で自由に活動できる「Grand Theft Auto」タイプのゲームだ。そういったゲームが,本ジャンルのメインストリームになってきたといえるだろう。
Bionic Commando
「Bionic Commando」は,1987年に発表されたアーケードゲーム「トップシークレット」ならびに,1988年にファミリーコンピュータ用のゲームとしてカプコンが開発/発売した「ヒットラーの復活」の続編だ。
主人公のNathan Spencerは,前作で帝国を倒したので英雄として迎え入れられると思いきや,無実の罪をきせられて死刑に処せられようとしていた。ところが死刑執行の当日に,大きなテロ事件が発生。アセンションシティは廃墟と化してしまったのだ。この大事件を解決すべく,Nathanは“バイオニック・コマンドー”として活躍する。
本作を特徴づけているのは,なんといってもワイヤーが飛び出すバイオニックアームの存在だろう。バイオニックアームを使えば,ビルや渓谷といった高低差のある場所を,ターザンやスパイダーマンのように移動できる。その他にも,相手や障害物にぶつけて撃破したり,持ち上げて投げつけるなどのアクションも可能。「Tom Clancy's Ghost Recon: Advanced Warfighter」で知られるGRINのDieselエンジンの能力がフルに発揮されそうだ。また,マルチプレイモードもあるので,バイオニックアームが対戦にどのように利用されるのか気になるところだ。
Ghostbusters: The Video Game
1984年代の大ヒット映画「ゴーストバスターズ」をゲーム化した「Ghostbusters: The Video Game」は,発表以来あまり情報が出ていなかったが,6月にリリースされることが決定した。
1991年11月,感謝祭で賑わうニューヨークでは,超自然現象が頻繁に目撃されていた。その対策のために,イーゴン・スペングラーやレイ・スタンツ博士は新兵器を開発し,5人の新人隊員をゴーストバスターズの新たな仲間に加えるのだ。この新人隊員の一人がプレイヤーである。
本作の脚本およびプロデュースは,シリーズの脚本を勤め,スタンツ博士役を演じたダン・エイクロイド氏が担当している。ビル・マーレーやシガニー・ウィーバーといった,映画出演者の多くが声優として参加している。ストーリーも「ゴーストバスターズ II」の2年後が描かれており,本作はまさに,シリーズの正統な続編だ。
ゲームでは,映画のようにプロトン銃を使ってゴーストを捕獲する。だが,狙いをつけるのが難しいようで,本棚やテーブルに置いてある食器などに当たってしまうと,部屋の中がハチャメチャな状態になってしまうのは映画と一緒。物理効果がふんだんに使われているのが分かる。また,協力プレイモードの実装も計画されているようだ。
The Godfather II
「The Godfather II」は,2006年に発売された「The Godfather: The Game」の続編だ。主人公(=プレイヤー)は,組織の勢力をマイアミまで広げるために仲間を率いてさまざまな悪事を働く。1950年代から1960年代にかけてのマイアミやニューヨークだけでなく,ハバナ(キューバ)も本作の舞台になるようだ。
ゲームの基本的なシステムは前作どおり。プレイヤーは敵マフィアとの戦いやビジネスオーナーへのゆすりなど,さまざまなことを行いながら,勢力を拡大していく。ただし本作では,組織内で出世していくと,特殊スキルを持った手下を7人まで雇え,それぞれ得意な悪事を働かせられるのだ。手下には爆破を得意とするDemolitionist,フェンスや鍵を破るEngineer,仲間の治療が得意なMedicなどがいるので,これらの人材をうまく活用して,効率良く勢力を拡大させるのである。
また,本作にはThe Don's Viewというフィーチャーが追加される。これは都市が3Dで表現されたもので,各施設がどの組織の支配下にあるのかなどが分かる。また,施設から得られる収入や敵勢力の人数などもリアルタイムで確認できるのだ。より大局的な視点でマフィアの運営に携わることができるだろう。
Just Cause 2
本作は,2006年にリリースされたオープンエンドのアクションゲーム「Just Cause」の続編だ。主人公であるCIA秘密諜報員のRico Rodriguezは,東南アジアにある架空の島Panauに向かい,“Baby Panay”と呼ばれる独裁者による軍事政権の転覆を扇動する。この独裁者にはRicoの昔のボスが参謀として仕えているので,彼らの関係にも焦点が当てられるようだ。
Just Cause 2では,Avalanche Engine 2.0が使用されており,前作よりもグラフィックスのクオリティが格段に向上。森や建物も非常に細かく再現されているが,とくに無精ひげや傷までが見える技術は凄い。
システム面では,数が多いばかりで単調だったサブミッションがすべてなくなり,メインストーリーが重視される。だが,飛行機から飛び降りて,着地ギリギリでパラシュートを開くといった派手なアクションと,自由度の高さは健在だ。
Mafia II
2001年にリリースされた「Grand Theft Auto III」の大成功以降,オープンエンドな世界の中で犯罪行為を行える“クライムアクション”と呼ばれるサブジャンルが流行した。そして,「Mafia II」も同じようなコンセプトのゲームである。
Mafia IIは,1940年代のニューヨークやサンフランシスコをミックスさせたようなエンパイアシティという,架空の大都市が舞台だ。プレイヤーは,第2次世界大戦の兵役を終えたシチリア系移民Vito Scalettaとなり,チンピラから首領になるまでを体験する。
前作に引き続き,車はエンジンやタイヤ交換が必要になるといったマニアックなリアルさがある。街に行き交う人々は自分の仕事場に向かったり,ベンチに座って新聞を読んだりと,それぞれ日常生活を行っているのだ。
ちなみに前作「Mafia: City of Lost Heaven」は,車の操作感や街の雰囲気など,本家ともいえるGTA以上に評価を得た部分が少なくない。その続編なだけに期待も高まるというものだ。
Postal 3
そのゲーム性はともかく,暴力表現での話題性はピカイチのアクションシリーズ最新作の「Postal 3」が,いよいよリリースされる。ロシアのAkellaがパブリッシャであり,アメリカ国内ではダウンロード販売が中心になるという。
前作で起きた事件のあと,隣町のカタルシスへと引っ越した主人公Postal dude は,アダルトショップで清掃員という仕事を得て,普通の暮らしを営もうとする。だが,オーナーの命令で使用済みのティッシュを片付けたり,長い列に並ばされたりしてイライラを募らせてしまった結果,再び暴れ出してカタルシスの街を大混乱に陥れるのだ。
ゲームの序盤はチュートリアル的な内容になっており,ストーリーは一本道である。だが,ある程度ゲームが進むとプレイヤーは自由に行動できるようになるのだ。
使用できる武器に関しては詳しく発表されていない。だが,ライフルや火炎瓶にといったものだけでなく,タヌキを相手にぶつけるといったヘンテコな兵器もあるようだ。
PROTOTYPE
「PROTOTYPE」は,軍の特殊実験によってミュータントに変身して戦う能力を得たAlex Mercerの活躍が描かれている。本作は,ニューヨーク内を自由に移動しながら,好きなミッションをこなしていくというスタイルのゲームだ。ストーリーは,記憶を失ったアレックスが,ニューヨークの街角で目覚めるところから始まる。自分の過去を知るために行動を開始するが,やがて人間をミュータント化してしまうウイルスが蔓延して人々が暴れ出してしまう。それを鎮圧しようとする軍と,軍に追われる存在であるAlex,そしてミュータント化してしまった人々との三つ巴の戦いが始まるのだ。
Alexは,人並み外れたスピードやパワーを身につけており,ビルによじ登ってヘリコプターに飛び乗るといった曲芸的なアクションができる。また,倒した相手の容姿に化けられるので,他人に成りすまして警戒ポイントを通り抜けるといったことも可能だ。パブリッシャが代わったために発売は遅れたが,かなり期待できそうなタイトルである。
Red Faction: Guerrilla
「Red Faction」は,独自エンジンGeo-Modを利用して,地形を変形させたりガラスを割ったりという,2001年ではめずらしかった技術をゲームシステムに生かし,カルト的な人気を呼んだFPSだ。その1年後には,続編「Red Faction II」が発売された。
そんなRed Factionシリーズの最新作であるRed Faction: Guerillaは,オリジナル版開発チームがGeo-Modを改造し,地形の変形が分かりやすい三人称視点へと切り替えたのだ。
Red Faction: Guerrillaでは,前作から50年後の物語が描かれており,テラフォーミングに成功した2208年の火星が舞台。そこで労働者を解放するためのゲリラ活動を行うAlec Masonが主人公だ。
敵となるEDF(地球防衛軍)は,街や鉱山などに溢れかえっており,プレイヤーは自由に活動しながらこれと戦い,最終的に壊滅させることが目的となる。フィールドに登場するほとんどの建物を破壊でき,その物理効果や爆破シーンが見どころのゲームだ。
WHEELMAN
「WHEELMAN」は,俳優ヴィン・ディーゼル氏がモデリング,ボイスオーバーを担当しているオープンエンドなアクションゲームだ。主人公のMilo Burikは,卓越したドライビングテクニックを誇るエージェントで“ホイールマン”と呼ばれている。
WHEELMANでは,車やバイクを相手にぶつけたり,身を乗り出して発砲したりというアクションはもちろん,走行中に別の車に飛び移ることもできてしまう。また,車体を180度スピンさせて,バックで走りながら迫ってくる敵を撃つ“サイクロン”という技などもあり,かなり派手なアクションが繰り出せるのだ。もちろん車を降りての銃撃戦も可能だ。一見GTA風ではあるが,かなり派手なゲームになりそうである。
ちなみに本作はハリウッドでの映画化も決定している。発売前のゲームが映画になるという,めずらしいプロジェクトでもあるのだ。
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