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PCゲーム新作ガイド 2009「今年の注目作64本を一挙に紹介!」
Electronic Artsの「SPORE」は,リリース後の1週間で100万本を記録するほどヒットした。2009年だけでも4作もの拡張パックや関連ソフトが発売される予定だ。シムズシリーズのように全米ヒットチャートの上位を独占するのだろうか
アメリカのリサーチ会社NPDによると,北米における2008年のPCゲームの売り上げは,7億100万ドル(約625億円)となり,前年比で14%減った。2005年から2006年にかけては上昇していたが,ここ2年は二桁のペースでPCゲーム市場は縮小し続けている。開発費の高騰や海賊版の氾濫などを理由に,id SoftwareのJohn Carmack(ジョン・カーマック)氏がいうような,ほかのプラットフォームへの移動(Market Migration)が進んでいるのだ。PCゲームを取り巻く環境はかなり厳しくなっているように見える。
だが,NPDが出したこの数字に含まれているのは,パッケージ販売されたタイトルだけだ。PCゲームの販売形態として「Steam」や「Direct2Drive」,さらには「EA Downloader」などによるダウンロード販売が近年,急速に増えてきた。今回の数字は確かに厳しいが,ことさらに悲観する必要はない。
実際,たった一日で240万本を売った「World of Warcraft: Wrath of the Lich King」や,1週間で100万本の販売を達成した「SPORE」など,パッケージでミリオンセラーとなったタイトルを見ると,発売当初,ダウンロード販売が行われなかったものが多い。
ダウンロード販売が併せて行われた「Fallout 3」や「Left 4 Dead」などは,NPDが発表したセールスランキングの上位には顔を出していない。だが,トータルで100万本を超えている可能性が高いのは,フォーラムの活況ぶりやファンサイト数,そしてオンライン接続者の人数などからも推測できる。PCゲーム市場は,数字ほど縮小しているわけではないと思う。
今回は紹介しなかったが,「Diablo III」も2009年内発売の可能性が(ほんの)少しだけある。ただ,潤沢な予算を使って開発が進められているため,わざわざ慌てて完成させる必要はない。早く遊びたいが,納得のいくものをしっかりと作ってもらいたいところだ
さて,2009年は「StarCraft II: Wings of Liberty」や「The Sims 3」など,ミリオンセラーが確実なPCエクスクルーシブな作品がある一方,「Prototype」や「Dragon Age: Origin」など,かなりのヒットを予感させるマルチプラットフォームタイトルも少なくない。
また,「Empire: Total War」や「F.E.A.R.2: Project Origin」,そして「OPERATION FLASHPOINT 2: DRAGON RISING」のような,熱烈なファンを獲得しているシリーズの新作も見逃せないところだ。全体に,どのジャンルのゲームも成熟の度を高めつつあり,期待できそうな作品が増えてきた。
今回は,2009年にアメリカを中心にリリースされる予定のゲーム64本を,8ジャンルに分けて紹介する。2009年がゲーマーにとって豊かな年になることを祈りつつ,ぜひワクワクしながら読んでほしい。
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