アーケードゲームとして2006年春に登場し,現在も現役としてゲームセンターで稼働中。そして驚異の移植スピードで9月28日にPC版が発売された「式神の城III」に,体験版が登場した。製品がすでに出ているので,基本的な情報はレビュー記事などを参照してもらいつつ,現役アーケード作品をPCで思う存分楽しめるという本作の魅力をぜひこの体験版で味わってほしい。
簡単に式神の城IIIのアウトラインをまとめれば,今風の「弾は遅めで密度は濃いめ」という弾幕型の縦スクロールシューティングゲームに,分かりやすい造作のキャラクターを組み合わせ,ストーリー/演出で盛り上げているという作品だ。自機が空を飛ぶ人間であるという破天荒さはさておき,ゲーム性とキャラクターのバランスの良さを狙ったのが,初代「式神の城」から踏襲されてきた基本スタイルだ。2001年にアーケード機からスタートしたシリーズは,タイトル通り,これで3作め。
今回の体験版は序盤の1-1および1-2の2ステージだけを収録し,使用できるキャラクターは「霧島零香」「エミリオ=スタンベルク」「玖珂光太郎」の三名限定だが,二人同時プレイも可能で会話もフルボイス。また,ゲームモードについてはノーマルだけ(イージーおよびエクストリーム不可)だが,オプションの設定は全面開放されており,縦画面表示を含めた画面モードをすべて試すことができる。PC版への移植で加えられた“DIRECTOR'S MODE”と,ゲームセンター版と同じ“ARCADE MODE”との切り替えにも対応しており,コンティニュー回数までもが無制限だが,キャラとステージを自由に選べるプラクティスモードだけが禁止になっている。
ゲームは,自機を移動させつつ「ノーマルショット」「式神攻撃」「特殊攻撃」(ボム),そして「ハイテンションマックス」(HTM)という四つのアクションを駆使してプレイする。弾を撃ち,式神を使って次々と敵を破壊し,攻撃を移動操作で避けるといった,これ以上ないほどシンプルなゲーム性だ。ただし今時のシューティングにおける「スコア稼ぎ要素」として,テンションボーナスシステム(TBS)というものがシリーズ共通で採用されている。敵や敵弾に自キャラを近づけると得点に倍率がかかる,というこのスコア稼ぎシステムは,スリルと快感の綱渡りが楽しめる秀逸なギミックだ。本作では,特殊攻撃とひきかえに最高倍率を一定時間維持できるハイテンションマックスが追加されているが,プレイの基本が弾に擦り寄って敵を倒すことに変わりはない。
普段シューティングをプレイしていない人には,本作の操作が単純な割に忙しく,考える余裕を奪われてストレスがたまる典型的なゲームと映るかもしれない。しかし,体験版で遊べるのは序盤のステージに限定されていおり,そのぶん,敵の攻撃も穏やか。そのため,シューティングの醍醐味の一つである,プレイを繰り返すことによる,スコアを尺度にした「うまくなる楽しみ」を実体験するにはもってこいの内容だ。スコアアタックにより,シューティングが秘めている,奥深さや緻密さを比較的容易に実感することができるだろう。せっかくだから体験版用のスコアトライアルパスワードが出れば,面白かったのかもしれないが,それはやや過ぎた望みだろうか……。
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