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「Radeon R7 260・250・240」レビュー。新世代Radeonの下位モデルが持つ3D性能をまとめて確認してみた
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印刷2014/01/20 14:01

レビュー

新世代Radeonの下位モデルが持つ3D性能をまとめて確認してみた

Radeon R7 260
(Radeon R7 260リファレンスカード)
Radeon R7 250
(SAPPHIRE R7 250 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST)
Radeon R7 240
(SAPPHIRE R7 240 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST)

Text by 宮崎真一


R7 260リファレンスカード
Radeon R7 200
 北米時間2013年12月17日に,AMDから,Radeon R7 200シリーズのエントリーミドルクラス市場向けモデル「Radeon R7 260」(以下,R7 260)が発表になったのを憶えているだろうか。北米市場においては,搭載グラフィックスカードのメーカー想定売価が109ドルで,1月中旬発売予定とされていたGPUだ(関連記事)。

 4Gamerでは,そんなR7 260のリファレンスカードを日本AMDから入手できた。また,2013年の時点で搭載カードが発売済みながらテストできていなかったエントリー市場向けモデル「Radeon R7 250」「Radeon R7 240」(以下順にR7 250,R7 240)搭載のSapphire Technology製カードも独自に入手したので,今回は「Radeon R7 200シリーズの下位3モデル」が持つ性能をまとめてチェックしてみたいと思う。

Radeon R7 200
R7 250搭載カード,SAPPHIRE R7 250 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST
Radeon R7 200
R7 240搭載カード,SAPPHIRE R7 240 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST


R7 260Xから演算ユニットを2基削減したR7 260

R7 250&240はHD 8000 OEMシリーズのリネームに


 いずれも発表済みではあるが,3製品のスペックをあらためて確認しておこう。

■Radeon R7 260

Radeon R7 200
2年もしくは4年周期で同じ価格帯のグラフィックスカードへ買い換えるとすると,2年前の「Radeon HD 7750」比で約57%,4年前の「ATI Radeon HD 5750」比で約106%もの性能向上がR7 260では得られるとされる
Radeon R7 200
R7 260はGeForce GTX 650シリーズキラーという位置づけ
 R7 260は,上位モデルである「Radeon R7 260X」(以下,R7 260X),そしてそのベースモデルとなる「Radeon HD 7790」(以下,HD 7790)と同じく,Bonaire(ボネア)コアを用いたGPUである。
 「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャに基づき,64基のシェーダプロセッサ「Stream Processor」(以下,SP)が1基のスカラユニットや4基のテクスチャユニット,それにL1キャッシュなどとセットになって,演算ユニット「GCN Compute Unit」を構成する点は,もちろんR7 260XやHD 7790と同じ。ただし,両製品でGCN Compute Unitの数が14基なのに対し,R7 260は12基に削減されている。シェーダプロセッサの数でいえば64×12で768基だ。
 一方のメモリ周りは上位モデルと同じで,ROPユニット数は16基(※Render Back-Endsで数えると4基),メモリインタフェースは128bitとなる。

R7 260とR7 260Xの比較
Radeon R7 200
 気になる動作クロックは,端的に述べるなら「HD 7790とほぼ同じ」。GPUコアが最大1000MHz,メモリクロックが6000MHz相当(実クロック1500MHz)というのは,基本的にHD 7790から変わっていない。R7 260XだとGPUコアが最大1100MHz,メモリが6500MHz相当(実クロック1625MHz)なので,R7 260ではいずれも90%強に抑えられた計算だ。

 なお,Bonaireコアなので,R7 260はプログラマブルサウンドエンジン「TrueAudio」を搭載。また,GCNアーキテクチャのGPUとして,AMD独自のグラフィックスAPI「Mantle」もサポートする。


■Radeon R7 250

R7 250 GPU。ダイサイズはデジタルノギスによる実測で8.79×9.21mmだった
Radeon R7 200
 R7 250は,その型番からも想像できるように,R7 260の下位に置かれるGPUだ。ただし,「Radeon HD 7770」「Radeon HD 7750」「Radeon HD 7730」(以下順にHD 7770,HD 7750,HD 7730)で採用される「Cape Verde」(ケープヴェルデ)コアをベースにしたリフレッシュ(≒リネーム)モデルかというと話はそう単純ではなく,その正体は,AMDのOEMとなるPCメーカー向け専用モデルとなる「Radeon HD 8670 OEM」,GPUコアでいえば「Oland」(オーランド)のリフレッシュモデルだったりする。付け加えるなら,OlandコアのGPUが自作PC市場へ登場するのはこれが初めてだ。

Radeon R7 200
ATI Radeon HD 5770」相当の性能を89ドル未満で……というのが,R7 250のテーマ
Radeon R7 200
R7 260の主なスペック。メモリクロックは「4.6Gbps」(=4600MHz相当)となっている
 そんなR7 250は,GCNアーキテクチャに基づいて6基のGCN Compute Unitを搭載するGPUである。シェーダプロセッサ数でいえば384基だ。ROP数は8基と上位モデル比で半減した一方,メモリインタフェースはR7 260と同じく128bitで,メモリは容量1GBのGDDR5もしくは同2GBのDDR3が組み合わせられる。4Gamerで今回入手したのはGDDR5版である。
 動作クロックはGPUコアが最大1050MHz,メモリクロックがGDDR5版では4600MHz相当(実クロック1150MHz)。AMDのWebサイトにはGDDR5版のメモリバス帯域幅が72GB/sとあり,そこから逆算するとクロックは4500MHz相当になるのだが,発表時の資料には4600MHz相当とあり,リファレンス仕様のカードとして入手した「SAPPHIRE R7 250 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST」(以下,SAPPHIRE R7 250)でも4600MHz相当だったので,4500MHz相当というのが誤記だと思われる。ちなみにDDR3版だとメモリクロックは1800MHz相当(実クロック900MHz)だ。

 なお,HD 8670 OEMの「Board Power」は75Wとされていたが,R7 250の公称典型消費電力(「Typical Board Power」)は65Wと異なっている。表現が異なるので,省電力化が図られたか否かは分からないものの,念のため付記しておきたい。
 TrueAudioは非搭載。GCNアーキテクチャのGPUなので,Mantleはもちろんサポートしている。


■Radeon R7 240

Radeon R7 200
R7 240 GPU。外観はR7 250と同じに見える
Radeon R7 200
R7 240の主なスペック
 発表時点におけるRadeon R7 200シリーズの最下位に位置づけられるのがR7 240で,これはOlandコアのR7 250をベースに,GCN Compute Unitの数を5基へと削り,動作クロックも引き下げたものという理解でいい。Radeon HD 8000 OEMシリーズに演算ユニット数が5基のラインナップは存在しないため,Radeon R7 200シリーズで新規に用意されたGPUということになる。

 その動作クロックはGPUコアが最大780MHz。メモリクロックはR7 250と同じだが,GPUの最大クロックが約74%に引き下げられたこともあって,公称典型消費電力は30Wとかなり低くなっている。

 表1は,ここまでにその名を挙げたGPUと,競合製品「GeForce GTX 650 Ti」(以下,GTX 650 Ti),「GeForce GTX 650」(以下,GTX 650),GDDR5メモリと組み合わせた「GeForce GT 640」(以下,GT 640 GDDR5),Keplerコアを採用した「GeForce GT 630」(以下,GTX 630 Kepler)ともども,その主なスペックをまとめたものになる。

※そのまま掲載すると横に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
Radeon R7 200


R7 260リファレンスカードはR7 260Xとほぼ同じ

SapphireのR7 250とR7 240はカード長実測151mm


 続いて,入手したカードを順に見ていこう。例によって日本AMDから「GPUクーラー取り外し不可」のお達しが出ているため,R7 260リファレンスカードのGPUクーラーは取り外せない。その点はご了承を。


■R7 260リファレンスカード

Radeon R7 200
 カード長は実測約171mm(※突起部除く)で,同174mmのR7 260Xリファレンスカードとほぼ同じ長さと述べていいだろう。80mm角相当のファンを搭載した2スロット仕様のGPUクーラーを搭載する点も含め,外観は非常によく似ている。基板背面を見る限り,電源のフェーズ数もR7 260Xと同じく4+1(もしくは3+1)のようである。

GPUクーラーは,おそらくR7 260Xリファレンスカードに搭載されていたものと同じだ。CrossFire用のブリッジコネクタが1系統分用意されているが,CrossFire動作にブリッジケーブルは不要とのこと
Radeon R7 200 Radeon R7 200

 PCI Express補助電源コネクタは6ピン×1。GPUクーラーの隙間から覗き込んでみると,エルピーダメモリ製のGDDR5メモリを搭載するのが見て取れた。

Radeon R7 200
カードを側面から覗き込んだところ。GPUクーラーはオーソドックスな吹き付け式だ
Radeon R7 200
外部出力インタフェースはDual-Link DVI-D,HDMI,DisplayPort各1となっていた


■SAPPHIRE R7 250 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST

Radeon R7 200
 R7 250搭載カードとして店頭で購入してきたSAPPHIRE R7 250のカード長は実測約151mm(※突起部除く)と,R7 260リファレンスカードよりさらに短い。2スロット仕様で,80mm角相当のファンが搭載されたGPUクーラーを採用するのは変わらないが,クーラーが基板を覆う面積も若干狭めである。

補助電源コネクタを持たないSAPPHIRE R7 250。GPUクーラーもR7 260と比べると若干小さめだ。長い製品名からある程度想像できるように,外部出力インタフェースはSingle-Link DVI-D×1,HDMI×1,アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1となっている
Radeon R7 200 Radeon R7 200

GPUクーラーを取り外したところ
Radeon R7 200
 GPUクーラーの取り外しはメーカー保証外の行為であり,外した時点でメーカー保証は失効する。この点をお断わりしたうえで,R7 250カードの基板を確認すべくクーラーを外してみると,電源部が2+1フェーズ構成のようであることと,エルピーダメモリ製のGDDR5メモリチップ「W2032BBBG-6A-F」(6.0Gbps品)の4枚でグラフィックスメモリ容量1GBを実現していることが分かる。
 前段で触れたように,SAPPHIRE R7 250はリファレンス仕様の動作クロック設定がなされているので,メモリチップの仕様的にはかなりのマージンが設けられている計算になるわけだ。

基板に寄ったところ(左)と,搭載されるGDDR5メモリチップ(右)
Radeon R7 200 Radeon R7 200


■SAPPHIRE R7 240 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST

Radeon R7 200
 最後にSAPPHIRE R7 240 1G GDDR5 PCI-E HDMI/DVI-D/VGA WITH BOOST(以下,SAPPHIRE R7 240)だが,結論から先に述べると,基板はSAPPHIRE R7 250と同じ。搭載するメモリチップがエルピーダメモリの6.0Gbps品である点や,電源フェーズ数が2+1仕様である点も変わりない。ただし,電源部の部材は削られていた。
 また,これは写真を見れば一目瞭然ながら,GPUクーラーは1スロット仕様の小型タイプに換装されており,全体としてエントリークラスのグラフィックスカードらしい佇まいになっている。

“SAPPHIRE R7 250のGPUクーラーを取り付けるためのスペース確保ガイド”的なシルク印刷まで同じSAPPHIRE R7 240。違いは部材の規模とGPUクーラーくらいだ
Radeon R7 200 Radeon R7 200
GPUクーラーを外したところ(左)と,搭載されるW2032BBBG-6A-F型番のメモリチップ(右)
Radeon R7 200 Radeon R7 200


従来製品や競合製品と比較

全12製品のテストで立ち位置を明確に


Radeon R7 200
 3基のGPU,3枚のグラフィックスカードに関する説明が長くなったが,テスト環境のセットアップに入ろう。
 今回,比較対象としては,先の表1でその名を挙げたGPUを用意した。R7 260の上位モデルであるR7 260Xや,Radeon HD 7700シリーズの4モデル,そしてGTX 650 Ti以下のGeForce GTX 600シリーズである。そのほかテスト環境は表2のとおりだ。
 用意したグラフィックスカードのうち,HD 7790搭載カードとして利用したSapphire Technologyの「SAPPHIRE HD7790 1G GDDR5 PCI-E DL-DVI-I+DL-DVI-D/HDMI/DP DUAL-X OC VERSION」と,GTX 650 Ti搭載カードのPalit Microsystems「NE5X65T01301-1071F」は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられたクロックアップモデルであるため,MSIのオーバークロックツールである「Afterbuner」(Version 2.3.1)を用いて,リファレンスレベルにまで下げて利用することにした。

 用いたグラフィックスドライバは,Radeonが「Catalyst 13.12」で,GeFroceが「GeForce 332.21 Driver」。いずれもテスト開始時の最新版となる。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
Radeon R7 200

Radeon R7 200
 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション15.0準拠だ。主役の3製品がエントリーミドルクラスかそれ以下の市場を対象としたものであり,また,R7 260が「1920×1080ドットで最新世代の3Dゲームタイトルをプレイ可能」と位置づけられることから,解像度は1600×900ドットと1920×1080ドットの2パターンとする。
 同じ理由で,テスト設定は,「エントリー設定」が用意されているものはそちらを優先し,そうでないものは「標準設定」かそれに準じるものが基本線となるが,「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,SKyrim)と「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)は,ゲーム側の描画負荷が相応に低めであることから,前者ではエントリー設定と標準設定の両方,後者では「標準品質(デスクトップPC)」に加えて「最高品質」でのテストも行う。

 なお,これはGPUレビューにおける共通設定だが,「Core i7-4770K」の自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,テスト状況によって挙動が変わる可能性を排除すべく,マザーボードのUEFI(≒BIOS)から無効化している。


R7 260のポテンシャルはR7 260Xの約90%か

R7 250はHD 7750,R7 240はHD 7730のやや下


 性能検証グラフは,主役の3製品を一番上にまとめたうえで,残りはRadeonGeForceのモデルナンバー順としているが,グラフ画像をクリックすると,「3DMark」(Version 1.2.250)は「Fire Strike」,ゲームアプリケーションベンチマークは1920×1080ドットのスコア順で並び変えたものを表示するようにしてあると紹介しつつ,順にテスト結果を見ていこう。

 グラフ1は3DMarkの総合スコアをまとめたものだ。3DMarkはRadeonシリーズが高いスコアを発揮する傾向にあるテストだが,R7 260もその例に漏れず,GTX 650 Tiに対して62〜77%程度の大差を付けている。
 Radeon同士の比較だと,R7 260のスコアはR7 260X比で78〜90%程度。Extremeプリセットでスコア差が大きく開いているのは,グラフィックスメモリバス帯域幅(≒メモリクロック)以上に,1GBか2GBというグラフィックスメモリ容量が“効いている”ためだろう。

 R7 250はR7 260比で60〜62%程度と,スコアを大きく落とす。HD 7750に対しても91〜98%程度だが,GTX 650とはほぼ互角だった。
 R7 240はそんなR7 250のさらに68〜71%程度。対HD 7730では79〜87%程度,対GT 640 GDDR5では73〜89%程度だ。

Radeon R7 200

 続いて「Battlefield 4」(以下,BF4)のテスト結果がグラフ2である。BF4はRadeonへの最適化が進んでいることもあって,R7 260XとHD 7790,R7 260がトップ集団を形成しているのが分かる。R7 260のスコアはR7 260X比で90〜91%と,3DMarkにおけるFire Strikeの結果と同じ。極端にメモリ負荷の高いタイトルでなければ,この程度のスコアは出せるということなのだと思われる。GTX 650 Tiに対して19〜20%高いスコアを示している点も押さえておきたい。
 R7 250がHD 7750,R7 240がHD 7730より1段下にあるのも3DMarkと同じ。ただし,R7 250はGTX 650に対して約11%高いスコアを示し,R7 240はGTX 640 GDDR5のスコア差を縮めるなど,競合との比較では3DMark以上にRadeonが優勢だ。

Radeon R7 200

 しかし,グラフ3にまとめた「Crysis 3」では,異なる傾向が見える。R7 260のスコアがR7 260Xの90〜91%程度であるなど,Radeon同士での比較では3DMarkやBF4とおおむね変わっていないものの,ここではGeForce勢がスコアを伸ばしており,R7 260はGTX 650 Tiの約89%,R7 250はGTX 650の81〜82%程度,R7 240はGT 640 GDDR5の88〜89%程度に留まるのだ。

Radeon R7 200

 グラフ4の「BioShock Infinite」でもその傾向は変わらない。BioShock Infinite自体は,Radeonへの最適化がなされたタイトルなのだが,R7 260はGTX 650 Tiの94〜95%程度,R7 250はGTX 650の85〜86%程度,R7 240はGTX 640 GDDR5の89〜91%程度となった。
 なお,ここでもRadeon同士の力関係に大きな変化はない。R7 260のスコアはR7 260X比で約90%。R7 250はHD 7750,R7 240はHD 7730よりそれぞれ数%低いレベルにある。

Radeon R7 200

 Bethesda Softworks公式の高解像度テクスチャパッチを導入することでグラフィックスメモリ周りの負荷を高めてある「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)。そのスコアをグラフ5,6で見てみると,R7 260がその高いメモリクロックによる広帯域幅を活かし,GTX 650 Tiに3〜6%のスコア差を付けた。Crysis 3とBioShock InfiniteでGTX 650に軽く1割以上のスコア差を付けられていたR7 250も,ここでは89%〜95%程度にまで持ち直している。
 「R7 240もメモリバス帯域幅ではGT 640 GDDR5を大きく上回っているのに,そのスコア傾向は上位モデルと異なるではないか」という指摘はもっともだが,R7 240の場合は,テクスチャフィルタリング性能をはじめとするGPU側の地力が足りていない可能性が高い。

Radeon R7 200
Radeon R7 200

 グラフ7,8は新生FFXIVベンチ キャラ編の結果だが,R7 260はR7 260Xの92〜95%程度,GTX 650 Tiの93〜98%程度というスコアを示した。最高品質でGTX 650 Tiとのスコア差を縮めているのはグラフィックスメモリ帯域幅効果だろう。1600×900ドットで「非常に快適」な水準である7000まであと一歩に迫り,実フレームレートでも平均57.9fpsを示している点は注目しておきたい。
 R7 250は標準品質(デスクトップPC)の1600×900ドットで「非常に快適」な水準入り。R7 240は同条件でワンランク下の「とても快適」になった。R7 250は最高品質の1600×900ドットでも平均37.4fpsを示している。

Radeon R7 200
Radeon R7 200

 「GRID 2」のスコアをまとめたグラフ9だと,R7 260のスコアはまずまず良好。GTX 650 Tiに対して3〜6%程度のスコア差を付けている。
 一方,R7 250はやはりGTX 650に届いておらず,R7 240もGT 630 Keplerを超えるのがやっと。GT 640 GDDR5には大きく離されてしまった。

Radeon R7 200


R7 260の消費電力は従来製品よりやや高め

R7 250はHD 7750と,R7 240はHD 7730とほぼ同じ


 本稿の序盤で示した表1にもあるとおり,R7 260の公称典型消費電力は95Wと,HD 7790の同85Wより10W高い。また,R7 250も同65WとHD 7750より10W高いが,実際の消費電力はどうなっているのか。また,公称典型消費電力が30WとされるR7 240の実測値も気になるところだ。
 そこで今回も,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を比較してみたい。テストにあたっては,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている。

 その結果はグラフ10のとおりだ。
 アイドル時のスコアはほとんどが75W前後で揃っており,大きな差はない。GT 640 GDDR5とGT 630 Keplerが若干低めだが,ディスプレイ出力が無効になる「ロングアイドルモード」に待機電力を大きく引き下げる「AMD ZeroCore Power Technology」が有効になると,R7 260は71W,R7 250は71W,R7 240は70Wにまでそれぞれ下がったので,アイドル時における,Radeon R7シリーズの不利はない。
 各アプリケーション実行時だと,R7 260はHD 7790を5〜9W上回るという,ほぼスペックどおりの結果となった。一方,R7 250はHD 7750とほぼ変わらず,R7 240もHD 7730とほぼ同じだ。全体として,消費電力あたりの性能は,Radeon HD 7700シリーズ比で若干下がったという解釈でいいだろう。

※そのまま掲載すると縦に長くなりすぎるため,簡略版を掲載しました。グラフ画像をクリックすると完全版を表示します
Radeon R7 200

 アイドル時に加えて,3DMarkの30分間連続実行時を「高負荷時」とし,TechPowerUp製のGPU情報表示ツール「GPU-Z」(Version 0.7.4)から各GPUの温度を追った結果がグラフ11となる。なお,テストを開始したタイミングの都合により,GPU-Zは最新バージョンの0.7.5ではなく,0.7.4で統一していることをあらかじめお断りしておきたい。
 テスト時の室温は24℃。テストシステムはPCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いてテストを行っている。

 当然のことながら,グラフィックスカードごとにGPUクーラーもファン回転数の制御方法もバラバラなので,厳密な横並び比較にはまったく適していない。なのでここではR7 260とR7 250,R7 240のGPU温度がどの程度なのかを把握するに留めるが,いずれも高負荷時で60℃前後と,エントリーミドルクラス以下のGPUとして標準的なスコアに収まった。R7 240の温度が若干高めなのは,小型クーラーの回転数を抑えて,静音性を重視しているのだろう。

Radeon R7 200

 実際,筆者の主観であることを断ってから続けると,2スロット仕様のクーラーを搭載するR7 260やR7 250だけでなく,R7 240の動作音も静かな印象だ。使用中に,ファンの動作音が気になることはまずないと思われる。


下位ラインナップが揃ったことは歓迎

あとはMantle待ちか


Radeon R7 200
 以上のテストから,R7 260はHD 7790より若干下の3D性能を持ち,GTX 650 Tiとは勝ったり負けたりというGPUだとまとめられよう。エントリーミドルクラス市場向けやそれ以下の市場向けGPUだと,「上位モデルのGPUから削られている要素」の違いによって,ゲームタイトルごとに得手不得手の大きな違いが生じやすい。そのため,競合製品に対して勝ったり負けたりというのはよくあることだが,ざっくり“丸める”なら,GTX 650 Tiと同程度の性能を持つGPUであると述べていいのではなかろうか。
 北米市場における搭載グラフィックスカードのメーカー想定売価が139ドルとなっているR7 260Xが日本だと1万6000〜1万8000円程度(※2014年1月20日現在)なので,GTX 650 Tiカードと同じくらいの1万3000〜1万4000円程度といった価格帯で国内販売が始まるなら,1万円台前半で買える新たなグラフィックスカードとして面白い選択肢になると思われる。

 続いて,2014年1月20日時点における搭載グラフィックスカードの実勢価格が8500〜1万円程度の(GDDR5メモリ搭載版)R7 250だが,その実力はHD 7750やGTX 650に若干届かない程度。それでいて,消費電力はHD 7750より高く,しかもGTX 650カードの実勢価格は1万〜1万1000円程度なので,選択肢としてはやや微妙か。

 最後に(GDDR5メモリ搭載版)R7 240はHD 7730に若干届かない3D性能で,GT 630 KeplerとGT 640 GDDR5の間という位置付けと判断してよさそうだ。ただし,消費電力はGT 640 GDDR5より高く,実勢価格も1万円前後(※2014年1万円前後)なので,こちらも分の悪い戦いを強いられることになりそうである。

 ただ,Radeon HD 7000シリーズではおざなりだった下位ラインナップが,R7 260やR7 250,R7 240の登場によって,Radeon R7 200シリーズでしっかり揃った点は歓迎すべきだろう。とくに,Radeon HD 6000シリーズ以前のRadeonだと,「下位モデルは古い世代のGPUを流用」というのがまかり通っていたのに対し,Radeon R7 200シリーズであれば,どれを購入しても最新世代のGCNアーキテクチャベースだ。これは大きい。

 Catalyst側のサポートが予告されたMantleが無事に立ち上がってくれば,BF4における優位性はさらに向上するはず。なるべく低コストで,3Dゲームがそこそこ動く環境を手に入れたいとき,今回の3製品,とくにR7 260は考慮に値するGPUだといえる。

AMDのRadeon R7 200シリーズ製品情報ページ(英語)

  • 関連タイトル:

    Radeon R7 200

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