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これぞMad Catzアケコンの集大成。新製品「TE2」レビュー
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印刷2014/09/02 00:00

レビュー

これぞMad Catzアケコンの集大成。トーナメントプレイヤー特化の新作アーケードスティック

Ultra Street Fighter IV Arcade FightStick Tournament Edition 2

Text by アール

Ultra Street Fighter IV Arcade FightStick Tournament Edition 2(日本語製品名:ウルトラストリートファイターIV アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2)
メーカー:Mad Catz Interactive
問い合わせ先:製品サポートページ
価格:2万1384円(税込)
画像集#001のサムネイル/これぞMad Catzアケコンの集大成。新製品「TE2」レビュー
 2014年8月7日,Mad Catzから「Ultra Street Fighter IV Arcade FightStick Tournament Edition 2」(日本語製品名:ウルトラストリートファイターIV アーケード ファイトスティック トーナメント エディション 2,以下 TE2)が発売された。PlayStation 4(以下,PS4)とPlayStation 3(以下,PS3)の両ハードに対応する「MCS-FS-USF4-TE2」と,Xbox 360対応の「MCX-FS-USF4-TE2」の2バージョンがラインナップされており(※Xbox One対応モデルは9月4日発売予定),価格はともに2万1384円(税込)だ。

 マイナーバージョンアップ続きだったMad Catzのアーケードスティックとしては,久しぶりの大型モデルチェンジということもあり,先のEvolution 2014でも多くのトッププレイヤー達が使用していた本製品。この夏に発売された新作格闘ゲームと合わせてどのようなプレイフィールが得られるか気になっている人も多いはずだ。

 4Gamerでは,2013年9月に掲載した記事で,TE2のXbox One プロトタイプ版について詳しく紹介しているものの,あれから1年。当然のことながら,最終製品版では仕様変更された部分も少なくないので,今回は,国内販売が始まっているPS4&PS3両対応版とXbox 360対応版のインプレッションをお届けしてみたい。

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細かな違いは後述するが,2製品の簡単な見分け方は側面の色だ。PS4&PS3対応のMCS-FS-USF4-TE2は青く,Xbox 360対応のMCX-FS-USF4-TE2は赤い
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Mad Catz公式サイト



トーナメントを勝ち抜くため,練りに練られたガチ仕様


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 まずは本体の仕様から見ていこう。公称サイズは約403(W)×295(D)×124(H)mm,公称重量は約3.34kgで,Mac Catzの従来製品「Arcade FightStick: Tournament Edition」(以下,初代TE)の同405(W)×295(D)×119(H)mm,2.9kgと比べて,大きさや重さに大きな変化はない。レバーとボタンに三和電子製のレバーとボタンを採用するのも初代TEと同じだ。ボタンレイアウトは,タイトーの汎用アーケード筐体「VEWLIX」準拠で,最近のアーケードスティック製品として,ごく一般的なものといえる。

 [Start/Options]ボタンと[Select/Share]ボタンが筐体奥の背面側に配置されており,対戦中に誤爆しにくい配慮がなされているのも初代TE譲り。ただこれは「あえて押しづらい位置に配置してある」ということでもある。Mad Catz製品では定番のボタン配置だが,人によって好みが分かれるだろう。

多くの海外トーナメントでは,試合中に誤ってスタートボタンなどを押してしまった場合,その試合は負け扱いになってしまう。そうしたトラブルを防ぐために[Start/Options]ボタンと[Select/Share]ボタンは背面に配置されている。本体側のボタン表記はすべて大文字だが,仕様書によれば本稿で使っている表記が正しいようだ
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滑り止めシートに被われた筐体底面。実のところ,ゴム足もないというのは今回が初めてだ
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 筐体底面は滑り止め用シートがほぼ全面を覆う仕様だ。「ゴムシートが貼られている」というのはこれが初めてではなく,Mad Catz製アーケードスティック「TEKKEN TAG TOURNAMENT 2 Arcade FightStick TE S+」(日本語製品名:鉄拳タッグトーナメント2 アーケード ファイトスティック トーナメントエディション S+)が初めてだったが,そのときはゴム足が用意されていたのに対し,今回はゴム足もないのが大きな特徴となる。
 膝置きでプレイするときも,この滑り止めシートが良いクッションとなってくれるので,長時間プレイする膝置きプレイヤーにとってもポイントは高い。机に置いたときの安定性も高く,総じてプレイしやすい印象である。
 
 さらに背面には,ベルト取り付け用の金具が用意されているのも面白い。トーナメントに参加する場合など,可搬性が重視される利用シーンを重視する海外メーカーならではの仕様といえるだろう。後述する天面開閉機構と合わせれば,中にちょっとものを入れて持ち運ぶといったカバンのような使い方も,不可能ではなさそうだ。

アケコンにベルトを付ければカバンのように持ち運べるという発想は北米メーカーならではといえるだろう。工夫次第で何か面白い使い方ができるかも……
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 PS4&PS3両対応版の天面上部のコントロールパネル部には,左から[PS]ボタン,「PS3/PS4」スイッチ,[コントロールスティック機能切替]ボタンと,[ロック/アンロック]ボタンが用意されている。一方,Xbox 360板の天面上部のコントロールパネル部には[Xboxガイド]ボタンがあるのみと,非常にシンプルだ。

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PS4&PS3版のコントロールパネル。ボタンが3つとスイッチが1つ用意されている
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こちらはXbox 360版のコントロールパネル部。[Xboxガイド]ボタンがあるのみだ

コントロールパネル部はシンプルなXbox 360版だが,PS3版にはない特徴としては,本体手前左側の側面にヘッドセット端子を持つ点が挙げられる
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 それ以外のボタンを順に説明すると,まず「PS3/PS4」スイッチは,文字どおり,PS3とPS4のどちらに接続して使うかを決めるためのものだ。ゲーム機本体との接続前に,スイッチを切り替えておく必要があるので,使う前には注意してほしい。
 続いて[コントロールスティック機能切替]ボタンは,レバーにどの入力を割り当てるかを変更するためのものだ。選択肢は左アナログスティックと右アナログスティック,D-Padの3つで,ボタンを押すごとに切り替わる。
 [ロック/アンロック]ボタンは[Start/Options]ボタンと[Select/Share]ボタン,[PS]ボタン,そして[コントロールスティック機能切替]ボタンの有効/無効を切り替えるためのものだ。いわゆる誤爆防止用のボタンということになる。

 なお,初代TEなどこれまでのMad Catz製アーケードスティックに意されていた連射機能は,TE2ではPS4&PS3両対応版,Xbox 360版ともに削除されている。

 そして,そんなTE2における最大の特徴といえるのが,筐体前面に用意された[Mad Catz]ボタンだ。これは内部への容易なアクセスを可能にする天面開閉機構のロックを解除するためのもので,押下によりロックを外した後,天面部分を手前から持ち上げるだけで,レバーやボタンのメンテナンスが可能となる。

向かって手前側の側面中央に置かれた,光る爪ロゴ部分がボタンになっており,これを押すと天板のロックが外れる
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 アーケードスティックの開閉機構といえば,RazerのXbox 360用アーケードスティック「Razer Atrox」(以下,Atrox)で採用されたものを覚えている人も多いだろうがTE2にはAtroxにあった天面を支える“つっかえ棒”がないのが特徴だ。とはいえ,ヒンジ部は「ノートPCなどで使われる機構がそのまま用いられている」(Mad Catz)とのことで,中途半端な角度でも固定できるため扱いやすい。

天面を開いたところ
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 内部に目を移すと,まず目に付くのが底面左側に用意された内部収納用のコンパートメントだ。ここには,付属の専用工具が収納されているほか,交換用のボタン2個(※別売)が収納できるようになっている。

TE2本体内部,向かって左側に用意されたコンパートメント。付属の工具が収められているほか,別売の交換用ボタン2個が収納できる。写真は別途用意した交換用ボタンを収納してみたところ
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付属の工具
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 工具は,Mad Catzの名入りグリップと,両端にそれぞれ,マイナスドライバー機能と六角レンチ機能を持つ金具のセットで,切り替えて利用できるタイプだ。また,本体向かって右側のコンパートメントには,ゲーム機との接続用となるUSBケーブルが収納されている。

 本体内部,向かって右側にもコンパートメントがあるが,こちらにはゲーム機との接続に使う専用USBケーブルが収納されている。
 なお,専用USBケーブルとTE2をつなぐ接続インタフェースには,Mad Catz製ゲームパッド「MLG Pro Circuit Controller」と同じような,手回し式のロック機能が備えられており,プレイ中に外れてしまう心配は無用だ。

本体内部,向かって右側のコンパートメントに収納されている接続ケーブル(左)と,TE2側のケーブル接続インタフェース(右)
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ここまで紹介してきたボタンと工具,ケーブルを取り出してみたところ
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 内部へアクセスしやすいということで,当然気になるのは三和電子製レバーとボタンへのアクセス周りだと思うが,配線は,束ねられたうえで角形コネクタでコントロール基板に接続されており,着脱も簡単だ。ただし,コントロール基板はブラックボックス化されているので,自己責任で大規模な改造を行うとかでない限り,このコネクタを外す必要はないだろう。

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ブラックボックス化されたコントロール基板に接続された配線
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ケーブル色とボタンの対応を示すガイドも,筐体内に用意されている。ボタンの換装時などは便利そうだ(※この写真はXbox 360版のもの)

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付属のマイナスドライバーを使えば,レバーボールの締め直しも簡単だ。とっさのメンテナンスが可能なのは,まさに「かゆい所に手が届く」仕様と言えるだろう。なお,プロトタイプ版にあった端子部を被うクリアカバーは,製品版では廃されていた
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ボタンやレバーへの配線は,すべてファストン端子接続となっている。従来はラジオペンチなどを使わなければ外しにくかったが,端子の中程に用意されたでっぱりを押すことで,容易に着脱可能になった。クイックディスコネクト(通称,QDC)という機能だとか


まさにMad Catzの集大成といえる性能。静音化も簡単!


 ここまでTE2の細かい仕様について見てきたが,実際の操作感はどうなのだろうか。筆者が使ってみた感覚では,これまで使っていた初代TEや「Arcade FightStick PRO」と何も変わらない。そういう意味において,あまり新鮮味はないといえるが,「いつもどおり」がいかに大切かは,格闘ゲームプレイヤーなら分かってもらえることと思う。

 ちなみに先のEvolution 2014では,筆者はこのTE2を使用して試合に臨んだのだが,試合前にMad Catzスタッフに三和電子製の静音ボタン「OBSFS-30」への換装をお願いしてみたところ,ものの15分で静音化が完了してしまったのには驚かされた。もちろん慣れたスタッフの手によるものとはいえ,これほど簡単に換装ができてしまうのは,TE2が持つメンテナンス性の高さゆえだろう。

 ところで,これはそのときではなく,後から気づいたのだが,TE2のボタンは,標準で「ボタンにワッシャをかませてから天板に填め込む」仕様になっている。どうやら,着脱のしやすさ向上とゴミ詰まりの防止,サビによってボタンが抜けなくなるのを防止する効果があるようだ。
 ただし,この仕様を採用するため,ワッシャをなくしてしまうとボタンを固定できなくなってしまうので,その点は要注意。

TE2ではボタン1つ1つにクリア素材のワッシャが付いている(左)。右はボタンからワッシャを取り外したところ
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 というわけで,プレイヤー視点でのTE2レビューをお届けしてきたわけだが,いかだっただろうか。個人的にはひいき目なしに,向こう数年は戦える製品に仕上がっていると感じられた。トーナメントに参加するガチプレイヤーにはもちろんだが,さまざまなカスタマイズが可能なことから,後々のステップアップを考えている初級者,中級者にもオススメしたいアーケードスティックと言える。最初から静音仕様のアケコンを購入するのももちろん悪くはないが,少しずつ好みのアーケードスティックに育てていくというのも,楽しみ方の1つとしてありなのではないかと思う。

 強いて欠点を挙げるなら,それは価格が2万1384円(税込)と決して安価ではないことになるだろうが,長く使える製品であることを考えれば,他社製品と比べても高すぎるというわけでもない。これからアーケードスティックを新調し,本気で使っていきたいと考えている人にオススメしたい製品だ。

付属の工具1つで,ほとんどの作業が行えてしまうのも魅力の1つ。ラジオペンチに半田ごてと,大がかりな準備が必要だった一昔前とは隔世の感がある
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 ところで,Mad Catzの公式facebookでは,TE2のフェイスプレート(天板)を自作するためのカスタム用ブランクテンプレートが配布中だ。TE2の天面は,天板の上にアクリル版を被せた状態になっているので,この隙間に挟みこむシートを自作することで,オリジナルなデザインのアーケードスティックを作ることができる。我こそはという人は,チャレンジしてみてはどうだろうか。

天面裏のネジを六角レンチで回し,レバーボールを取り外せば,アクリル板を筐体から分離させられる。ボタンを外さずに済むのは実にありがたい
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Mad Catz公式サイト

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