「こちら」および「こちら」で報告した,「グラナド・エスパダ」のファンカンファレンス「X-meeting」は,16時に終了した。そして,一部の来場者によって行われたオフ会が始まったのは,19時半頃。つまり,3時間以上もの間隔があったわけだが,編集部はその間,秋葉原でボーッと時間を潰していたわけではない。実はその間,忙しいキム・ハッキュ氏に時間を作ってもらい,いろいろと話を聞いていたのである。
といっても,「こちら」や「こちら」,そして「こちら」など,氏にはこれまでに何度も話を聞いている。そこで今回は,X-meetingだけでは細かいところまで分からなかった,第二次βテストに絞って,その詳細を伺ってきた。

ご存じ,キム・ハッキュ氏(右)。「ラグナロクオンライン」の開発者として,世界的な有名人である。以前のインタビューでお伝えした氏のラーメン好きは相変わらずのようで,このインタビューが終わってからファン主催のオフ会に乱入するまでのわずかな時間に「九州じゃんがら」へ行った模様。しかも全部入りで替え玉。ちなみに左は,通訳をしていただいたHUEのソ・ジョンソブ氏
4Gamer編集部(以下4Gamer):
こんにちは,ご無沙汰しています。最近はどんなゲームで遊んでます?
キム・ハッキュ氏:
どうもこんにちは。最近だと,「Battlefield 2」を結構遊んでいますね。日本のゲームなら,「真・三國無双3 ハイパー」かな。ただBattlefield 2といっても,もっぱらシングルプレイなんですよ。というのも,今自宅にインターネット接続環境がなくて。
4Gamer:
え,インターネット接続環境がない? それはまたどうして。
キム・ハッキュ氏:
ちょうど引っ越ししたばかりなんです。それで,いっそのこともうネットは自宅では使わないようにしようかと思って。というのも,自宅でインターネットを使うと,時間がどんどん削られるじゃないですか(笑)。
4Gamer:
Webメディアとしては賛成しづらいですが(笑),確かにそういう部分はありますね。
キム・ハッキュ氏:
あはは,すみません。ともあれ今は,時間がたっぷりできました。ついでに言うと,煙草をやめ,コーラも飲まなくなり,肉もあまり食べなくなったんですよ。
4Gamer:
どおりで元気そうに見えるわけだ。以前よりだいぶ調子良さそうですもんね。
……あまり時間もないですし,今日はテーマを絞って順番に聞いていきますね。今回は第二次βテストを中心に話を聞いていくつもりですが,その前に,第一次βテストについて軽く振り返っておきたいと思います。日韓の両方のβテストを終えて,どうでした?
キム・ハッキュ氏:
実に有意義なテストとなりました。テストに関していろいろと報告してくれる"良いテスター"には,次回以降の参加権を与えるなどと発表していたこともあってか,本当にたくさんの意見をもらえましたし。
4Gamer:
どういう意見がとくに参考になりましたか?

ファイター(男性)
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IMAGE ILLUSTRATION:TOMOMI KOBAYASHI
キム・ハッキュ氏:
数として一番多かったのは,インタフェースに関してです。本作は,RPGでありながら,RTS的な要素を採り入れたシステムとなっています。最初は「ラグナロクオンライン」と似たようなものを考えていたのに,徐々にRTS的な部分を入れていったため,インタフェースに無理が出ちゃったんですよね。
そこでそのあたりは,Enterチャットを採用するなど,第二次βテストに向けて改善しています。全体的にRTSのようなインタフェースとなりますし,AI自体も改善しましたね。
4Gamer:
私自身も,プレイしてインタフェース部分が気になっていたので,改善は大歓迎です。一応確認ですが,Enterチャットを採用したということは,これまでAltキーと一緒に押す必要があったキーを,単体で押すことでコマンドを発動できるんですよね?
キム・ハッキュ氏:
ええ,そのとおりです。Altキーを使う場合など,複数のキーを同時に押す場合,画面から一度目を離す必要がありました。ピアニストでもなければ,離れた場所にある複数のキーを押すのは,結構大変ですからね。しかしそのたびに目をキーボードに移していては,ゲームとしては流れが悪くなる。
最新のバージョンでは,目を画面から離さずにプレイできるように,極力手を動かさなくていいキー配置にしてあります。またショートカット自体を設定できるようにしていますよ。
4Gamer:
お,コンフィグレートもできるんですね。私自身はキーボード派なので,それは嬉しいです。
でもライトユーザーの中には,あまりショートカットは使わず,画面上にボタンを並べて,それをクリックすることでほとんどのコマンドを出す人がいるじゃないですか。そういった人のために,各種インタフェースを画面に出せるようにはなりませんか?
キム・ハッキュ氏:
画面上に,何もかもを入れることはないと考えています。ただ,ウィンドウとかアイコンが小さすぎるという意見があったので,それは今直しています。
4Gamer:
改善されたというAIについても,聞かせてください。確かにPrimeroでは,3人のキャラクターのうち,操作していない二人の動きに気になることがありました。ほかのコマンダー(プレイヤー)のキャラクターが戦っているモンスターに対して,勝手に攻撃してしまったりとか……。そのあたりも含めて改善されたんでしょうか?
キム・ハッキュ氏:
一人を選択したとき,残りの二人の動きをどうすべきか,というのは,日韓どちらのテストでもいろんな意見をもらいました。一人を選択したときに,残りの二人は自動で動かないでほしいという意見もありましたが,そうしてしまうと,フィールド移動時に困りますよね。リーダーのあとをついてこさせる必要があります。しかし常にAIで動いていることに対して,不満も出ていた。ここは少し悩んだ部分ですね。
だから,"改善"というと少し違うかもしれません。AIとしては,そう悪いデキというわけではないと思っていますし。ただ,選択できるようにすべきでしたし,今はその方向で準備中です。
4Gamer:
選択できるというのは,つまり,戦闘中にもAIで動くか,動かないかを選べるということですか?
キム・ハッキュ氏:
ええ,それ自体をプレイヤー自身が選べます。AIで動くにしても,そのAIのパターンを切り替えられます。簡単にいえば,"プレイヤーが望んでいない動きをしないように",自由に切り替えられるようにしているんですよ。
4Gamer:
なるほど,それは嬉しいですね。