レビュー : ZOIDS ONLINE WARS

いよいよ本格的にスタート オープンβ&正式サービスレビュー

ZOIDS ONLINE WARS

Text by YOSHIHARA
2007年2月8日

※以下の記事は,2006年10月17日から10月25日まで行われたオープンβテスト,11月7日からスタートした正式サービスの2007年1月28日までの内容をもとに制作しています。あらかじめご了承ください。

 

 タカラトミーが運営するZOIDSのポータルサイト「ZOIDS UNIVERSE」(以下,ZU)とオンラインストラテジー「ZOIDS ONLINE WARS」(以下,ZOW)は,2006年10月17日から25日までのオープンβテストを経て,11月7日より正式サービスが行われている。
 ZOWは,タカラトミーのアクショントイ「ZOIDS」と,その世界観(惑星Ziが舞台のヘリック共和国とガイロス帝国の戦い)を題材にした,ターン制のオンラインストラテジー。本作の世界観やゲームシステムなどの概要については,第一次クローズドβテスト時のプレビュー記事を,まずは参照してほしい。
 4Gamerでは,第二次クローズドβテスト第三次クローズドβテストの模様もお伝えしてきているので,今回はオープンβテスト,そして正式サービスで加えられた仕様の変更などについてを重点的に紹介していくことにしよう。本稿を見て興味を持った人は,ZUのサイトからゲームに参加してほしい。

 

内部パーツの実装で,
ZOIDSの強化と特殊能力の発動を!

 

「特殊」コマンドの使える内部パーツを複数装備するとコマンドの選択ができるが,使えるのはどれか一つだけ

 さて,かねてより存在自体は予告されていたものの,クローズドβテストでは実装されずにいた内部パーツが,オープンβテストでようやく実装された。Eシールド,コアブースター,煙幕発生装置,光学迷彩,プロテクトアーマー,索敵レーダー,ブレードアンテナ,アルファプラグZ,ZGR-TYPEA,SBジェネレーターの10種類がそれで,Ziポイント(ゲーム内通貨。以下,ZiP)を使って購入できる。

 

 ちなみにこれら4種類のうち,すぐに役立つオススメの内部パーツはコアブースターだ。とくにヘリック共和国(以下,共和国)の場合,ゴルドスに使うのが有効だろう。これまでゴルドスは,索敵範囲こそトップクラスの広さを誇るものの,移動力が極端に低く,索敵用に使いにくかった。だが,コアブースターで移動力を増すことで,これまでよりも遠くから索敵できるようになる。索敵範囲の広がる索敵レーダー,移動力が高まるアルファプラグも同時に装備させれば,さらに敵を感知しやすくなるだろう。
 ガイロス帝国(以下,帝国)側も,モルガやレッドホーンといった移動力の低いZOIDSにコアブースターやアルファプラグを装備させると,戦いを有利に進められる。

 

 光学迷彩は,効果が持続する間は索敵を受けないため,マルチプレイではとくに有効。だが,シングルプレイ時には使いどころが難しいので,ある程度,自軍のZOIDSがレベルアップし,マルチプレイを中心に遊ぶようになってからの購入が,オススメだ。

 

防御力の低いZOIDSにはEシールドによる守りの強化もいい。EPは10消費されるが,この程度ならすぐに回復する 攻撃が命中してもこのように,ダメージが軽減される。オフにする人が多いであろう戦闘DEMOだが,たまにはこうして見てみるのもいい 光学迷彩の弱点は,アイテムとしての効果よりもその値段。300ZiPも払うくらいなら,ZOIDS本体か武装パーツに回したほうがお得感はある

 

 

ZOWに,ついにチャットが実装。
ZUのサイトもリニューアル

 

言わんとしていることは分かるが,文章だけでは厳しいというのが正直な感想。例えば「得意な方向〜」のところには,ぜひとも画像が欲しいところ

 第3次クローズドβテストのプレビューで,「チャットコンソール」という機能がZOWに実装されたと紹介したが,実装されたのがテスト終了数時間前ということもあり,十分に試せなかった。
 もちろんこの機能は,オープンβテスト,そして正式サービスでは最初から実装されている。これを使えば,一緒にマルチプレイで遊んでいるプレイヤーをフレンドリストに登録し,チャットで連絡がとれるようになる。
 ただし,このチャットコンソールは,チャット相手がログインしていて,かつエリア選択やゲームプレイをしていない“ニュートラルな状況”でないと使えない。また,ZOWそのもののプレイヤー数が多いとは言えないため,マルチプレイでフレンドリストに登録できる相手を見つけるのが難しいという人もいるだろう。
 とはいえ,これが実装されたことにより,クローズドβテスト中にZUサイト内にあった「チャット」のページが果たしていた機能を,ある程度ゲーム内のみでこなせるようになった点は,評価したい。

 

 ZUのサイトにおける変化は,サイト側でサポートせざるを得なかったチャットがなくなったことだけではない。これまではずっと準備中だった「初心者向け攻略法」のページが,ついに公開されたのだ。これは,ZOIDSは好きだがストラテジーゲームのプレイ経験は少ないという人に向けた内容になっている。
 ただし,正直なところ,あまり役立つ内容とは言い難い。「ゾイドには得意な方向がある! 」「有効射程を意識すべし!」といった項目が立てられているが,画像がないのでいま一つイメージしにくい(ちなみに,ZOIDSの向きは「攻撃」をクリックする前に変更ができるようだ。それでも,どこを向けば有利なのかは分かりにくい)。
 とりわけ気になるのは,「経験値はマルチプレイで稼げ!」という項目。確かにマルチプレイは経験値を稼ぎやすい仕様になっているのだが,前回プレビューでも書いたとおり,ゲームをやりこんでいる人と,始めたばかりの人との対戦では,ZOIDSの基本能力の差が開きすぎてしまうため,一方的な展開になりがちだ。
 マルチプレイがウリのゲームではあるが,むしろ「まずはシングルプレイでZOIDSとアバターを成長させよう」とアドバイスしてくれたほうが,実際のところ初心者にとって親切ではないだろうか。

 

マルチプレイができたら,対戦相手をフレンドリストに登録しよう。数少ない同志とのつながりは多いにこしたことはない。対戦相手を探したいときは,夜間のログインをオススメしたい フレンドリストに登録した相手がログインしていても,エリア選択などをしていると会話できない

 

 

アニメファンには嬉しい,サポートパイロットの拡充

 

11月末までは,通常の半額でサポートパイロットを雇用できた。この値段が定価であっても良いような気がするのだが……

 ZOWには,テレビアニメシリーズ「ゾイド -ZOIDS-」に登場した主要なキャラクターが「サポートパイロット」として登場する。ZiPを使って3日間の期間限定で雇用するというシステムで,搭乗させるとZOIDSの性能が高くなる。たとえZOIDSのレベルが高くなっても,一般の兵士を搭乗させていると,そのZOIDSの本領は発揮できないので,少しでも倒されにくくするためには,サポートパイロットの雇用をオススメしたい。
 ただし,マルチプレイ時にはエリアオーナーがヘルパー(サポートパイロット)機能をオフにしてしまうこともある。当然,この場合はサポートパイロットを使用できないので,注意しておこう。

 

 このサポートパイロットに,正式サービスでは新メンバーが加わった。ゾイド -ZOIDS-の第24話「遠い呼び声」で初登場した,賞金稼ぎのスティンガーだ。アニメでは“釣り人”の名で恐れられた,極悪非道の賞金稼ぎで,普段はオネエ言葉だがキレると人格が豹変。ルドルフ皇太子を巡って,バンたちと何度も戦った強敵でもある。
 共和国と帝国,どちらでも雇えるが,能力的にはフィーネと同じくHPとEPが上昇するだけというもの。キャラへの思い入れと値段の安さを重視する人向けといっていいだろう。サポートパイロットは能力上昇値のレーティングが難しいのかもしれないが(このキャラはこんなに弱く/強くない! といった声は人気キャラクターほど多いだろう),人気キャラクターのさらなる追加には期待したい。

 

正式サービスで追加された,スティンガー。アニメでは皇太子ルドルフを狙う狡猾な賞金稼ぎとしてバン達の前に立ちはだかった。当時の声優は矢尾一樹 能力的には,あまりパッとしない。まあ劇中でもブレードライガーやデススティンガーに倒される役どころだったから仕方ないといったところか 共和国でも帝国でも,一般兵が乗るとこれだけ性能が低下する。高価で強力なZOIDSを購入しても,これでは宝の持ち腐れになってしまう

 

 

満を持して,アニメの主役機や新型ZOIDSがZOWに見参!

 

発表会以来,いつになったら登場するんだとじらされてきたシールドライガーをやっと使えるようになった

 第3次クローズドβテストでは,共和国にコマンドウルフ,帝国にはレッドホーン,そして両陣営共通でグスタフが加わった。オープンβテストではZOIDSの追加はなかったが,そのぶん,正式サービス開始時には多くのZOIDSファンが待ち望んでいた機体がラインナップに加わった。共和国は「シールドライガー」と「プテラス」「ステルスバイパー」,帝国は「セイバータイガー」と「レドラー」だ。
 シールドライガーといえば,アニメ版でバンが愛用していた文字通りの主役機。そしてセイバータイガーはバンのライバルであるレイヴンが乗っていたライバル機である。値段はどちらも350ZiPと高めだが,それだけの実力を持った名機だ。アバターやサポートパイロットを乗せれば,大いに活躍できるだろう。
 シールドライガーには,2006年末からさらにパワーアップを施された「シールドライガー バンスペシャル」も登場。500ZiPと,ノーマルモデルより150ZiP高いが,これまでに登場したアニメ仕様のもの(「グスタフ ムンベイスペシャル」「コマンドウルフ アーバインスペシャル」と同様,値段に見合うだけの実力を持っている。少しでも早く自分の部隊を強化したいなら,こうしたスペシャル機を買うといいだろう。
 プテラスとレドラーはどちらも,空を飛べるZOIDS。これまでは帝国軍の「シンカー」だけが「空」の属性を持っていたが,プテラスとレドラーが登場したことで,シンカーは水中用ZOIDSという役割になった。プテラスとレドラーはどちらも移動力が高いので,主力部隊より先行して索敵する,偵察機としての活躍が期待できる。さらにプテラスとレドラーは,新しい武器として「爆撃用ボム」も搭載できるようになった。これまで水中用ZOIDSを攻撃することは,武器の種類が極端に少なくて至難の業だったが,空中用ZOIDS+爆撃用ボムの使用で,川や湖は安全地帯ではなくなった。こうした新兵器を考慮しつつ,マップに応じた編成を考えないと,シングルプレイでも苦戦するだろう。
 ステルスバイパーは,豊富な対空装備と高めの機動力,そして隠密性の高さと索敵能力の広さが特色だ。共和国軍のZOIDSは帝国軍のZOIDSに比べて,索敵能力と機動力のバランスがやや劣っていたが,このステルスバイパーの登場によってスムーズな偵察がしやすくなった。
 これまで登場してきたZOIDSで,新たな役割を持つようになったのが,グスタフだ。第3次クローズドβテストではただのZOIDSだったが,オープンβテストそして正式版からは「回復」コマンドにより,ほかのZOIDSのEPを回復できるようになった。オープンβテストから,各ZOIDSはターンごとにEPが回復するようになっているが,モルガやカノントータスなど,大量のEPを消費する武器を使うZOIDSの場合,自然回復を待っていては連射ができない。ほかのZOIDSでも,毎ターン攻撃+反撃していたらすぐガス欠になってしまう。そういうとき,グスタフが隣接して回復すれば,EPを大量に消費する強力な武器の連投がしやすい。シングルプレイでもマルチプレイでも,出撃時にはグスタフを必ず加えたいところだ。
 ちなみに帝国軍のグスタフは「高圧濃硫酸砲」を装備でき,共和国軍のものは「AZ208mm2連装ショックカノン」か「ARZ20mmビームガン」を装備できる。武装面でいうと,ARZ20mmビームガンの射程の長さは魅力的なので,共和国のグスタフのほうが使いやすいだろう。
 さらに最近は,レッドホーンの強化型「ダークホーン」やモルガ,ゴドスといった弱いZOIDSの強化型など,ZOIDSの種類にさらなるバリエーションが加わっている。これからZOWを始める人は,古参プレイヤーとのZOIDSの性能差に泣かされないよう,少しでも強い機体を備えておこう。

 

空中に浮けば,地を這うZOIDSとは異なり,岩場だろうが湖だろうがどこへでも進める。どのミッションでも,プテラスかレドラーは欠かせないだろう オープンβテストでは空を飛ぶZOIDSがいなくなり,プレイヤーの間でも「なんのための『高度』コマンドなんだ」という声もあったが,プテラスとレドラーの登場でそれも解決 ZOIDSが地上にいるのか水中にいるのか,空中にいるのかは,機体にカーソルを合わせれば分かる。ただし,移動や攻撃などのコマンドを選ぶときは確認できない

 

グスタフは隣接するZOIDSどれか一つのEPを回復できる。敵ZOIDSを攻撃したあとに回復もできるが,先に回復をしてしまうと敵を攻撃できなくなる 命中率は低いものの,水中の敵ZOIDSを攻撃できるのは大きな強みだ。オプションパーツで命中率を強化するとさらに使い勝手が増すだろう ステルスバイパーの索敵範囲。帝国軍のゲーターや共和国軍のゴルドスよりはやや狭いが,機動力の高さでカバーできる

 

 

ゲームバランスはさらに改善。
短かったミサイル万能時代

 

ミサイル攻撃時などに,「殲滅」などの文字がポップアップすることがある。ランダムで発生するZOIDSの特性もしくは技能だろうが,そのあたりの説明も欲しい

 第3次クローズドβテストで多くのプレイヤーを戦慄させた「ミサイルポッド」。射程範囲内の敵ZOIDSのほぼすべてが餌食となり,しかも大砲と同じくらい大ダメージを受けるという“恐怖の兵器”だったが,オーブンβテストを経て正式サービスではその威力は大幅に減じられることになった。
 命中率がどれもかなり低下し,内部パーツによる命中率強化やZOIDSのレベルアップなしではなかなか当たらなくなった。また,当たっても与ダメージは以前よりもかなり小さい。しかも,これまでは味方ZOIDSには当たらなかったのだが,正式サービスでは敵味方問わず,攻撃範囲内のものには一律命中判定があるというものになった。マルチプレイの場合,自分のミサイルで味方ZOIDSを撃破して,余計な恨みを買うというリスクすら生じる。
 さらに,オープンβテストまでは広い攻撃範囲を誇ってきたゲーターのミサイルポッドが,レッドホーンやコマンドウルフと同じくらい狭い攻撃範囲しか持たないようになった。索敵能力と移動力の高さ,ミサイルポッドという,一度に複数の敵を相手にできる武器,これらを併せ持つゲーターの強みはまだあるものの,βテストに比べると,やや戦力的な地位は低下した。もし、ゲーターを積極的に使うのなら、オプションパーツの「ブレードアンテナ」「SBジェネレーター」などによる強化は必須だろう。

 

 ゲームバランスの大きな変更点としては,索敵時の仕様も挙げられる。βテストのたびに,索敵の重要性を増す方向で変更が加えられてきたのだが,オープンβテストからは索敵範囲外の敵ZOIDSは半透明のシルエットとして表示されることもなくなり,索敵をしないことには敵の有無すら判断できないようになった。
 しかも,たとえ索敵範囲内に近づいても,きちんと索敵しておかないと半透明のままで,攻撃しても命中しにくい。さらに,正式版でのマルチプレイ時には,音はすれどもどこを移動しているかまったく分からないというものになっている。オープンβテストまでは,完全に透明であってもZOIDSに合わせて画面がスクロールしたので,おおよその見当はつけることができたのだが……。これまで何度となく書いてきたが,索敵用のZOIDSを先行させて露払いをしないと,どう進むべきなのか,さっぱり分からないというものになっている。つまるところ,プレイヤーにはそれなりに計画性が必要になるというわけだ。
 ただし,シングルプレイではオープンβテストと同じく,画面スクロールありとなっている。これはある程度早めに敵を見つけて攻撃しないと,NPC相手ではストレスが溜まるから,という配慮だろうか。いずれにしても,索敵周りのシステムは,ほぼ完成の域に達しつつあるということなのかもしれない。

 

ミサイルポットの攻撃範囲変化を,オープンβテスト(左)と正式版(右)とで比較。1ヘックス分攻撃範囲が減っただけだが,全方位攻撃なので戦闘力は大幅にダウンしたのが分かるだろう

 

マルチプレイで手探り状態のまま索敵し,やっとレドラーを発見。画面下にも敵がいるらしいが,この段階では詳細が分からないまま シングルプレイでは敵がすぐ近くにおり,隊長機以外はこちらに向かって突き進むうえ,画面スクロールもあるので,索敵はしやすい

 

 

アイテム課金化で門戸は大きく開かれたのだが……

 

TTタイプは実戦仕様よりリミッターがかけられているというが、十分にレベルアップさせて集中攻撃をかければ互角以上に戦える

 オープンβテストでは,それなりの参加者を集められたようだが,人数が増えたためかサーバーエラーや同期通信エラーといった,クローズドβテスト時から指摘されていた問題点が続出。せっかくマルチプレイの相手を見つけられても,最後までプレイできなかったという参加者も少なくはなかったようだ。
 その後,2006年11月7日に正式サービスがスタートしたものの,入会金2100円,月額プレイ料金1050円という金額設定の高さがわざわいしたのだろうか,参加者は伸びないままとなっていた。

 

 結果,2006年12月22日には入会金および月額プレイ料金無料のアイテム課金制へ移行。プレイ開始時に,「トレーナータイプ」のZOIDSが最初から付与され,すぐにプレイできるようになった。これに伴い,これまでに登場していたZOIDSは「実戦仕様」という扱いになり,ZUで購入したZiPとの交換により手に入れられる課金アイテムになった。
 何はともあれ、とりあえず会員登録さえしておけば、いつでもZOWを遊べるようになったことは確かである。タカラトミーとしてはかなり苦しい判断だったろうが,わずかな期間でビジネスモデルの変更に踏み切ったこと,そしてそれにより門戸が大きく開かれたことは評価に値する。
 また,以前からプレビュー記事で言及してきた,プレイヤー同士のコミュニケーションに関する問題は,2006年11月に開設された「ZOIDSコミュニティゾーン」とZUのリンクによってある程度,解決の目処は立ったようだ。ZOIDSコミュニティゾーンは,ZOWプレイヤーの場というよりも,ZOIDSファン全体の交流の場ではあるが,ZOWでマルチプレイをしたいときの待ち合わせ場所としての機能に期待が持てる。
 ちなみにトレーナータイプのZOIDSは武器の追加ができず,ステータスにもリミッターがかかっているものの,オプションパーツで性能を強化し,シングルプレイなどで経験値を稼いでおけば,実戦仕様のZOIDSと対等に戦える。ただし,今後,新たに追加されるであろう,さらに強力なZOIDSが相手だと苦戦は必至。やり込みたい人はやはり,ZiPを購入して実戦仕様のものを揃えたほうが良さそうだ。

 

 マルチプレイ時には敵の動きが完全に見えなくなった索敵システム,水中のZOIDSを攻撃できる武器の追加,空を飛べるZOIDSの登場などにより,本作はゲームとして一応完成したといっても良さそうだ。今後はZOIDSやアイテム,ミッションの追加などをメインにアップデートが行われることだろう。
 例えば,新型のZOIDSの追加は,熱心なZOIDSファンならば本作で遊んでいなくても気になるものだ。ただ,ここのところ追加されているのは,既存のZOIDSの色/パラメータ違いバージョンがほとんど。ゲームバランスの面の課題も多いことと思われるが,やはり「ゴジュラス」「セイスモサウルス」「ウルトラザウルス」「デスザウラー」といった,人気大型ZOIDSの早期投入を期待したい。

 

 なお現在,ZUでは限定版ZOIDS「シールドライガー コマンダー仕様」の販売予約が受け付けられている。これの販売は,ZiPを使って行われるため,購入希望者はまずZUへの会員登録が必要になる。
 入会金や月額プレイ料金が無料になっているため,限定版ZOIDS欲しさにZUへ会員登録をする人もいるはず。こうした人達がZOWに目を向け,遊びたくなるような仕掛けも用意してほしいものである。

 

 

 正直なところ,ZOIDSをよく知らないストラテジーゲームファンに対し,本作をオススメする気にはなれない。先ほど「ゲームとして一応完成した」と述べたが,これはあくまで,「企画されていたことのほとんどが,とりあえず盛り込まれた」という意味に過ぎず,2006〜2007年の新作として考えた場合,ゲームシステム,グラフィックス共に古くささを感じてしまうのは事実(そこに魅力を感じる人もいるだろうが)。βテストを重ねるごとにだいぶこなれてきてはいるものの,随所に改善の余地は大いに残されているのも確かだ。
 そういう意味で本作は,お気に入りのZOIDSを使い,ZOIDSの世界観の中で敵対する国家と戦えること,そして対戦相手がNPCではなくネットワークの向こう側にいるプレイヤーであることに魅力を感じられる人を対象としたものであると言っても,間違いではないだろう。

 

ゲーム中,画面左にある自分のダイアログをクリックすると,自軍の状態を確認できる エリアオーナーとしての設定はこのように変更された。少しでも軽くしたいならDEMOはオフにすべし ZOWの動作確認用テストプログラムも配布されている。PCのスペックに不安がある人は,これを事前に使用しておこう

 

タイトル ZOIDS ONLINE WARS
開発元 翔泳社 発売元 タカラトミー
発売日 2006/11/07 価格 N/A
 
動作環境 対応OS:Windows 2000/XP(+DirectX 9.0b以降),Penrium 4 1.3GHz以上[Pentium 4 1.7GHz以上推奨],メモリ512MB以上,グラフィックスメモリ32MB以上[64MB以上推奨],HDD空き容量:2GB[2.5GB以上推奨]

(C)1983-2006 TOMY (C)ShoPro・TV Tokyo
ZOIDS is a trademark of TOMY Company, Ltd. and used under license.

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http://www.4gamer.net/review/zow/zow.shtml