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アクションRPG「ルニア戦記」オープンβテストプレイレポート
2007/08/06 20:30
 ネクソンジャパンが7月19日にオープンβテストを開始した「ルニア戦記」は,アクション性とストーリー性をウリにしたMORPGだ。「紹介記事」での説明に付け加える形で,この記事では実際のプレイに即して,その概要と魅力をお伝えしていく。
 ただしPvPモードについては,実装されてはいるものの,プレイヤー同士が活発に参加するための環境がまだ十分でないようなので,今回は見送った。

■3人の登場人物の一人として物語に参加

 プレイヤーが最初になすべきはキャラクター選択だ。このゲームでプレイヤーは,設定された登場人物の役を演ずる形なので,“キャラクターメイキング”はない。
 現在プレイヤーが選択できるのは「騎士」のジーク「魔術師」のダイン「僧侶」のエイルの三人。詳しいキャラクターの特性については,以前掲載した紹介記事を参照してほしい。

キャラクター達の得手不得手ははっきりしている。特性に合わせた立ち回りを覚えよう


○広場

ログインすると,プレイヤーキャラクターは「広場」に降り立つことになる。広場はほかのプレイヤーと交流できるパーシステント・ゾーン(MMO的な空間)だ。また,プレイヤーにとっての活動拠点でもある。広場には武器屋,銀行,鍛冶屋などのNPCが配置されており,それらを利用して各ステージの攻略に備えるのだ。

 冒険の戦利品を広場に持ち帰り,広場でまた準備を整える。特定の条件を満たすことで報酬がもらえるクエストも多数用意されており,それらを事前に請け負ってから冒険に出るなど,このあたりの感覚はMMORPGと同様である。

広場はプレイヤー同士が繋がる空間だ。プレイヤー間のアイテム取引なども行われている


○ステージ展開

ステージ選択ウインドウ
 「ルニア戦記」のメインストーリーは,各ステージを順にクリアすることで進行していく。北にある広場の出口まで行くか,画面右下の「ステージ入場」ボタンを押せば,舞台となるローデシア大陸の地図が呼び出され,行けるステージは明るく,行けないステージは暗く地図上に表示される。
 最初は行けないステージでも,ステージを順にクリアしていけばいずれ行けるようになる。地図上から移動可能なステージを選択すると,「クイックスタート」「非公開で作成」の二つの選択肢が出てくる。広場以外の空間は必要に応じて生成されるインスタンス・ゾーン(MO的な空間)であるため,どちらかを選んだ時点でステージが生成される。
 「クイックスタート」は,すでに誰かが作成した入場制限がないステージへの入場,あるいは入場制限がないステージの生成を意味する。それに対して「非公開で作成」は,入場のための条件を設けたプライベートステージを新しく生成するという意味である。いずれも,一つのステージに入場できる人数は四人までだ。

左:条件を満たすことで入場できる特殊ステージ。設置されたNPCからクエストを請け負うことで,ルニア戦記の背景世界をより詳しく理解できる
右:騎士団の訓練場ではカカシ相手にコンボの練習が行える


■「アクション」と胸を張って言えるオンラインゲーム

シネマのワンシーン
 まずは「非公開で作成」を選び,ステージに入っておおまかなテイストを確認してみよう。
 ステージに入ると,「シネマ」が始まる。これは2Dのキャラクターイラストと会話だけで進む,いわばアニメと漫画の中間のようなもので,登場人物がテンポよく掛け合いをしながら,ストーリーが進行していく。
 シネマが終わるとゲーム本編だ。プレイ内容はといえば,本当にアクションゲームと称するにふさわしいものである。妙なクセはなく,キーでダイレクトにキャラクターを動かせる。プレイヤーの操作に対するキャラクターのレスポンスにストレスを感じることはなく,まさに思い通りに動いてくれる。

バリエーション豊かなモンスター,ステージに仕掛けられたさまざまな工夫,待ち受けるボス,プレイしていて「またこれか……」と思うことがないというのは結構すごい


 「歩く」「ダッシュ」「通常攻撃」「追い討ち」「攻撃スキル」「アイテムの使用」「回復補助スキル」。これらの行動を組み合わせてステージ内で立ち回りを演ずる。ダッシュを用いてのスキルキャンセルや連続攻撃の派生なども考えると,さらに行動のバリエーションは増える。
 と,書くとなんだか複雑なゲームに感じられるかもしれないが,キャラクターの操作は「移動」「攻撃」「回復補助」のたった3種類。操作に慣れるまでに,さほど時間はかからない。慣れてしまえば,あとはステージを気持ち良く駆け抜けるだけだ。通常攻撃と攻撃スキル,ダッシュをタイミングよくつなげ,敵の攻撃をかわしつつコンボを決めていく,などといったことも自然とできるようになるだろう。

 ステージの進行は,モンスターを倒しながら奥へと突き進んでいくシンプルな形。トラップ回避,オブジェクトの破壊,NPCの護衛など,さまざまな仕掛けをかいくぐり,モンスターをなぎ倒していくと,最後にボスが待ち受けている。
 ステージの雰囲気,プレイ感覚は聖剣伝説シリーズ,イースシリーズなどにどこか通じるものがある。

コンボの連続写真


■戦闘の合間にコミュニケーションがとれるタイミングが

広場で呼び出せるパーティリストを使って協力者を募集するのも手
 ゲームの流れをつかんだところで,次は見知らぬプレイヤーとの協力プレイに挑む。
 広場に戻り,挑戦するステージを全体チャットで告げて協力者を募るという,MMOではお決まりの方法もあるが,本作の「クイックスタート」という便利なシステムを利用しない手はない。
 「クイックスタート」については先述したが,あらためて簡単にいえば「協力者自動検索システム」だ。同じステージに挑戦するプレイヤー同士をスムースに合流させてくれる。自分から協力者の募集などを呼びかけるのが苦手だったり,少し距離を置いてほかのプレイヤーと接したい人にとって,こういったシステムが用意されているのは非常にありがたいことだろう。
 もちろん,そこから先どうするかは各プレイヤー次第だが,きっかけを容易に与えてくれるという意味では,積極的につながりを求めるプレイヤーにとっても悪い話ではない。

面倒な仕掛けや強力なボスが用意された難しいステージは力を合わせて突破しよう


ステージクリア後はキャンプファイヤーで一時休憩。ゆっくり語らうもよし,次のステージへと進むもよし
 せっかくプレイヤー同士が協力するのだから,ステージ攻略はみんなで賑やかに楽しみたい。しかし,アクションゲームの操作というものはなかなか忙しいのである。クリックタイプのMMORPGなどでは,モンスターと戦いながらチャットすることも,慣れればそれほど難しくないが,アクションゲームではそうはいかない。それは「ルニア戦記」でも同じことだ。
 しかし「ルニア戦記」では,ステージ展開に“緩急”があって,クエスト中でもチャットのタイミングが確保されている。

 緩急の大前提となるのは,敵の出現ポイントがしっかりと決められていることだ。難しい場面では忙しくなるものの,気を抜けるところではチャットもできるのだ。一歩立ち止まればチャットが楽しめ,文字を打っている間に敵に袋叩きにされることはない。

 続々と出現する敵と必死で戦い続け,会話をする余裕もないまま先へ先へと進み続けるゲームと,難所を抜けたあと,一言,二言の言葉を交わしてから先へ進めるゲームとでは,コミュニーケーション性だけではなく,ゲームのリズムもかなり違ってくる。
 ゲームをやっていて,難所やボスに挑む前の静けさが「さぁ,これからだ……」と心を奮い立たせたり,逆に恐怖と緊張感をかき立てられたりすることはないだろうか? プレイヤーの心を揺さぶる“緩急”が,「ルニア戦記」にはある。そして,その“緩い”部分が作り出す“間”が,ほかのプレイヤーと心を通わせるための“余裕”を生み出している。



■キャラクターの育成,レアな装備の蒐集・強化

スキルレベルを上げると,性能がどう変化するのか確認できる
 「ルニア戦記」にはレベル,スキル,装備の概念が存在するものの,個々のステージにおけるアクションゲームとしてのバランスを崩すほど,それらが強く影響するわけではない。プレイヤーの腕前こそが主役であり,レベルやスキル,装備はあくまでスパイス的なものだ。

 レベルについては,とくに説明する必要はないだろう。モンスターを倒し,クエストをこなし,経験値が溜まればレベルが上がる。
 スキルはレベルが上昇したときに手に入れられるスキルポイントで習得,強化していく。アクティブスキルとパッシブスキルがあり,どのスキルを伸ばしていくかの選択はプレイヤーの自由だが,個々のスキルに習得,強化できるレベルが設定されている。同じスキルでもレベルの違いで使い勝手が大きく変わるのは面白い。

 装備は広場にある武器屋でも購入できるが,モンスターが落とす宝箱から入手することのほうが多いだろう。目当てのものかどうかは別として,宝箱の中に装備が入っている確率は高い。また,各ステージのボスを倒すと入手できる宝箱の中には,そのボスの名を冠する装備が必ず入っている。
 装備を入手する機会も多いが,その種類も多い。さらにあらかじめステータスが強化されている装備なども存在し,同じ名前の装備であっても性能が微妙に異なることもある。もちろん,装備を身につければグラフィックスに反映される。性能を捨てて見た目に走るのもアリだ。次々と手に入る装備を比較し,身につける装備を選んでいくのは地味に楽しい。

左:「未鑑定」の状態の装備は「鑑定」を行うことで性能を引き上げられる。ただし引き下がることもある
中央:「強化」に成功すれば,装備の性能を引き上げられる。しかし,失敗すると……
右:持ち物の所持枠,倉庫枠はかなり少ない。8月3日に導入された「インベントリかばん」を活用しよう


■アクションゲームゆえの宿命をどう克服するか
 傾向として,アクションゲームのプレイ時間は,RPGのプレイ時間より短い。これはどうしようもないことである。モンスター,仕掛け,ボス……どれほど考え尽くされたステージでも,攻略にかかる時間というのは,それほど長いものではない。仮に長かったとしても,今度はそれが楽しいかどうかが問題になるだろう。
 では現状である程度やり込んだとして,コンテンツが瞬く間に消費し尽くされてしまうかといえば,そんなことはない。オープンβテストという段階で考えれば,十分な充実度だ。
 先行してサービスが行われている韓国版「ルニア戦記」ですでに実装されている,新キャラクター,新エピソード,さらに高い難度のステージといった要素が今後加わっていくことを考えれば,コンテンツ不足を心配する必要は,当面ないだろう。
 また,すでに実装されているPvPシステムが活発化していけば,プレイの幅は大きく広がっていく。そのためにも,プレイヤーが参加しやすいようにシステムの整備をお願いしたい。

 「ルニア戦記」は,アクションゲームとして確かな魅力を備えている。しかしオンラインゲームの宿命として,プレイヤーの数が,ゲームそれ自体の完成度と無関係に作品の成否を決めてしまうなんてことも起こりうる。コンテンツの充実と同時に,今後は運営側での仕掛け要素にも期待したいところだ。(Yatagarasu)


ルニア戦記
■開発元:Allm
■発売元:ネクソンジャパン
■発売日:2007/08/22
■価格:基本プレイ無料/アイテム課金
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070806203041detail.html