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[CJ 2007#30]中国版LotROのライバルは,“あの”著名欧米産タイトル
2007/07/14 20:34
 去年の10月,CDC Gamesにより「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影」(以下,LotRO)が中国でサービスされるという記事が紹介された。
 今回,ChinaJoy 2007に数タイトルを出展しているCDC Gamesのブースでは,日本でのサービス開始が予定されているSF MMORPG「EVE Online」をはじめ,「熱血江湖」「Shine Online」(邦題:ブライトキングダム オンライン),そしてオンラインFPS「Special Force」など,日本でも馴染みのあるタイトルが多く出展されている。その中に,日本で6月1日から正式サービスがスタートしたLotROの中国語版がプレイアブルで出展されていた。

 中国語版LotROは,実は6月29日にクローズドβテストが開始されたばかり。実際に運営を行う17Gameのマーケティング責任者 李翔氏に話を聞いてみたところ,今後はオープンβテストを9月か10月ごろに開始し,そこから1か月後に正式サービスを開始する予定とのことだ。日本では,CBTが約2週間,オープンβテスト開始からプレミアム先行サービスが始まるまで約2週間だったことに対して,幾分余裕をもってテストを行うようだ。なお,月額課金制になる予定で,CBT中の現在はまだ決まっていないが,中国でサービスされている「World of Warcraft」と同じくらいの金額(日本円で,800円ほど)になるだろうとのことだ。



 翻訳について話を聞いてみたところ,やはり「かなり大変」とのこと。原作があり,そして各国でローカライズされた小説版をベースにして単語単位で変更していく作業だ。システムも当然同じなので,さくらインターネット笹田社長へのインタビュー時にも聞いた大変さは,当たり前だが全世界共通というわけだ。ちなみに,以下の画像をみて分かるとおり,中国語版ではアングマールの影,トーリンの門がそれぞれこのように表示されている。アングマールの影はなんともわかりやすい。



 中国は,RvRなど対人戦が非常に人気のある国だ。LotROにも戦争が存在するが,バランスなどはまだまだこれからといった感じ。日本でも成長したプレイヤーによって徐々に開拓され始めた戦争コンテンツに対して不満の声が出始めている。本家自体が始まって2か月あまりのMMORPGなので当然なことだが,対人戦コンテンツの充実が,中国で成功の鍵を握っているのかもしれない。



 なお13日には,中国メディア向けにChinaJoy会場で記者会見が行われ,中国版LotROの公式サイトで,その質疑応答の模様が公開されている。ザッと読んでみたが,全体的には,同じ欧米のタイトルであるWoWと競争できるのか? というものなど,WoWを意識した質問が多い印象を受けた。さすがWoWのアカウント800万人の国。
 また,「(原作の)専門用語などの中国語化は順調ですか?」という質問に対しては,「ファンタジー文学の翻訳を専門にする人を招き,さらに原作の愛好者にCBTに参加してもらうことで協力を求めている」という答え。あれ? どこかで聞いたような。
 さらに「EverQuest2やDungeon&Dragons Onlineのように,(中国)国外では高い人気を持つのに,国内では気候風土になじまず苦戦している作品も多い。LotROは大丈夫なのか?」という質問に対し,「契約時にそれについては十分に考慮している。欧米ゲームが中国で低迷している原因はいくつもあり,私達は先人の経験を活かし,同じ誤ちは犯さない」と述べ,World of Warcraftの成功例を挙げ,中国のプレイヤーがすべての欧米産ゲームにそっぽを向くわけではないと説明している。
 ……うーむ。やはりどこの国でも同じようなことを気にして,同じような質問を投げるのだな,と変なところで感心してしまった。(Nobu)


ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影
■開発元:Turbine
■発売元:さくらインターネット
■発売日:2007/06/01
■価格:ダウンロード版 3000円(税込) 利用料金:1500円/1か月(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.07/20070714203423detail.html