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アナログ入力に対応するREALFORCEキーボードの試作機を,4Gamerライター陣がよってたかってテストしてみた
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印刷2016/06/29 00:00

テストレポート

アナログ入力に対応するREALFORCEキーボードの試作機を,4Gamerライター陣がよってたかってテストしてみた

COMPUTEX TAIPEI 2015の東プレブースにあったキーボード
REALFORCE
 2015年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2015で展示され,大いに話題となった,「アナログ入力が可能なREALFORCEキーボード」が,製品化に向けて歩みを進めている。
 昨年のCOMPUTEX後,東京ゲームショウ2015での展示を最後に,メーカーである東プレの動きは見えなくなってしまったと思ったら,5月20日に突然アップデート版が披露となり,年内発売も予告されたのは記憶に新しいところだ。

 広く普及しているメカニカルスイッチやメンブレンスイッチは,物理的な接点のオン/オフを利用してキー入力を受け付けるが,静電容量式のスイッチはキー押下による静電容量の変化を利用してキー入力のオン/オフ判定を行う。したがって,原理的に静電容量の変化(=キー押下量)を取り出すことが可能で,それをアナログ入力的に利用したというのが,そのコンセプトとなる新型キーボードだが,その「5月20日における展示モデル」と同じ完成度の個体が,突如として東プレから4Gamerへ送られてきたのである。

4Gamerに届いた「アナログ入力の可能なREALFORCEキーボード」。5月20日に展示されたモデルと同じ完成度の個体とのことだ
REALFORCE

本体底面を見ると,「MODEL」のところにANKBTPという型番があった
 届いた試作機の底面を見ると「ANKBTP」という仮称があった。東プレによると,これは「ANalog KeyBoard Test Product」の略だそうで,試作機感バリバリである。

 仮のものとはいえ,せっかくの名前ではあるため,本稿では以下,この仮称で呼ぶが,5月21日掲載の記事で紹介したとおり,設定用ソフト「REAL Station」も利用できるようになったということで,これはもう,試してみるほかないだろう。
 今回は,筆者(※米田 聡)をはじめとする4Gamerライター勢がよってたかって使ってみた,その結果をお届けしたい。

もともとREALFORCEの製品ボックスというのは“化粧っ気”がないのだが,今回届いたボックスはいつにも増してシンプルだった
REALFORCE REALFORCE

 なお,最初にお断りしておくと,今回入手したキーボードは,依然としてあくまでも試作機である。東プレによれば,仕様はほぼ固まったとのことだが,それでも,100%このままの仕様で発売になるとは限らないので,その点はあらかじめお断りしておきたいと思う。
 今回は,「キーボードでアナログ入力ができるようになると,ゲームプレイの何が変わりそうか」という部分を中心としたプレビューだと理解してもらえれば幸いだ。


ぱっと見は普通の日本語フルキーボードながら,キーキャップの印字が普通ではないANKBTP


REALFORCE 108UHの製品イメージ
REALFORCE
 東プレのRERALFORCEシリーズには,海外向け専用モデルや10キーパッド製品を除いても,現行キーボード製品が12モデル存在している。日本語キー配列と英語キー配列,それぞれの10キーレスモデルに,キー押下荷重の違いでバリエーションがあるわけだ。
 入手したANKBTPは,10キーを持つ日本語108キー配列仕様,かつ沈み込み荷重45gの固定型――東プレ製キーボードの一部には,場所によって押下圧を変えてキータイプしやすくしている変荷重型もある――なので,おそらくベースとなっているのは「REALFORCE 108UH」だろう。

 ただ,もちろんそのままというわけではない。
 外見上の違いは写真からも一目瞭然で,ANKBTPは,アナログ入力を活かした複数の機能を実装していることから,それに合わせた印字をキーキャップに対して行っている。目立つのはキーキャップの手前側にある文字や矢印だが,キートップ部に追加の「・」点があるのも大きな特徴だ。それぞれ何を意味しているのかは後述するが,実のところ,この部分がANKBTPのキモである。

ANKBTPを正面手前側から見たカット。赤緑青で色分けされた記号や略号がたくさんある。また,キートップ天頂部全体の3分の1くらいに「・」キーがあるのも分かるだろう
REALFORCE

REALFORCE
REALFORCE 108UHで[無変換]キーがあるところに[Topre]キーがある。[無変換]キー愛好者には悲しいお知らせかもしれない
REALFORCE
底面には,USBケーブルを左右中央のいずれからでも引き出せるよう,溝がある。滑り止めのゴムは手前2か所でしかも小さいが,本体重量が十分にあるため,打鍵中にキーボードが動いてしまうような心配は無用だ。なお,USBケーブルの全長は実測約1.9mだった
 また,それとは別に,[Space]キーの左にある[無変換]キーが「Topre」刻印入りに変わっているという違いもある。この[Topre]キーは,他社製品でよく見る[Fn]キーのように,他のキーとの同時押しで機能切り替えが可能だ。

 筐体が同じためか,机上を占めるサイズは455(W)×168.5(D)mmで,REALFORCE 108UHと同じ。実測重量はケーブル込みで1400g,ケーブルを重量計からどかした参考値で1350g前後というところだ。

 キートップを含まない本体の高さは,チルトスタンドを立てない状態で手前が実測約19mm,奥が同32mm。チルトスタンドを立てると,奥は同49mmにまで持ち上がる。個人的にはチルトスタンドが高すぎ,スタンドを立てると傾斜がキツくなりすぎるように思うのだが,まあ,選べることはよいことだ。

本体横から。言うまでもないと思うが,右はチルトスタンドを立てた状態である。ステップスカルプチャ仕様なのでキートップの高さは場所により異なるが,実測約7〜9mmというところだった
REALFORCE REALFORCE

[Space]キーのキーキャップを外したところ。静電容量式はスイッチボディに構造らしい構造がなく,基板上に作り込まれた電極のキー押下に伴う静電容量の変化を捉える仕組みだ。なので,オンになったときの感触はない
REALFORCE
 REALFORCEシリーズに共通する仕様だが,キースイッチの押し心地はストレート。底まで押し込むと底付きがあるが,スイッチ自体がメカニカルなものよりも静かであるため,一般的なメカニカルスイッチほど底が固くはなく,派手なタイプ音も出ない。

 キーピッチは標準の19mm,全ストローク量は4mmで,「初期設定だと」キーがオンになるアクチュエーションポイントは実測2.5mm強のところにあった。全ストロークの半分より少し深いところでオンになるわけだ。
 接点がないだけに,メカニカルスイッチのような「オンになったときの感触」の一切ないのが良くも悪くも静電容量式スイッチらしいところで,ここは好みの分かれるポイントだろう。

 なお,REALFORCEシリーズは6キーロールオーバー仕様で,それはANKBTPも同じ。同時に6キーを押下した状態から7キーめを押すと,7キーめがオンになる代わりに,6キーのうち,最初に押した1キーがオフとなる。
 ゲーマー向けのメカニカルキーボードだと,Nキーロールオーバー仕様だ当たり前だが,REALFORCE系は挙動が少し異なるので,この点は押さえておきたい。

Microsoftが公開しているWebアプリ「Keyboard Ghosting Demonstration」でキーボードの挙動を確認したところ。ここでは[E][S][D][F][G][T]という順番で押しているのだが,この状態からたとえば[R]キーを押すと,[R]キーがオンになり,代わりに[E]キーがオフとなる

 というわけで,ANKBTPの基本仕様は,一部を除いて既存のREALFORCEシリーズと大差ない。それを踏まえつつ,続く段落で「アナログ入力」周りの実装を見ていきたい。


基本はアクチュエーションポイント可変キーボード。それ以外に4つのアナログ入力対応モードを持つ


REALFORCE
 ANKBTPが“ただの”キーボードでないことは,PCに接続したとき,デバイスマネージャの「ほかのデバイス」に警告マーク付きで「REAL Station」というデバイスが現れることからも分かる。単なるREALFORCEキーボードとしてはそのままでも使えるが,専用のドライバをインストールすると,ANKBTPで次に挙げる5つの「デバイス動作モード」を切り替えて利用できるようになる。

  • キーボードモード:一般的なキーボードとして利用できるモード。ただし,アクチュエーションポイントの深さを任意に設定できる
  • マウスモード:キーボードの一部を使ってマウス操作が可能になるモード。また,メインキーを素早く押すと[Shift]キーの同時押しが付加される。慣れてくると[Shift]キーを押すことなく大文字小文字の打ち分けが可能
  • MIDI鍵盤モード:MIDI接続の鍵盤(キーボード)として利用できるモード
  • GameDモード:DirectInput対応ゲームコントローラとして機能するモード。DirectInputに対応する古いタイトル用ということになる
  • GameXモード:XInput対応ゲームコントローラとして機能するモード

※最終製品になっていないこともあって,各モードの表記は,キーボードモード/Keyboardモード,マウスモード/MOUSEモード,MIDI鍵盤モード/MIDIモード,GameDモード/gameDモード/Dinputゲームコントローラモード,GameXモード/gameXモード/Xinputゲームコントローラモードと,かなりぶれている。この点は注意しながら以下の段落を読み進めてもらえれば幸いだ。

REALFORCE
 モードの切り替えは,[Topre]キーと[ESC/F1/F2/F3/F4]キーの同時押しで行える。
 ちなみに[ESC]キーと[F1]〜[F4]キーの手前側には「KB」「MOUSE」「MIDI」「gameD」「gameX」と書いてあり,それぞれ何のモードか分かるようになっているのだが,実のところこの色分けが,ANKBTPのキートップ手前側にある文字や記号の色分けと対応していたりする。

ドライバソフトウェアを導入すると,キーボードとMIDI鍵盤,マウスという3つのデバイスをデバイスマネージャから確認できた(左)。ただ,ゲームコントローラだけは,実際にモードを切り替えなるまで,デバイスマネージャに現れない。Dinput/Xinputゲームコントローラモードに切り替えると,デバイスマネージャやデバイス一覧にゲームコントローラが現れる仕様だ(右)
REALFORCE REALFORCE

 ドライバソフトウェアには,「REALStation Tool」という名前が与えられている。外観からはいかにも開発中という雰囲気が漂うが,こちらはほぼ最終のようだ。スクリーンショットを下に示したとおり,飾り気はほぼゼロである。
 画面右下にある[接続]ボタンをクリックするとキーボードから現在の設定が読み込まれて画面に反映され(たうえで[接続]ボタンが「接続中」表示に変わり),設定の変更などを行えるようになった。

右下に8個並んだボタンの左上にある[接続]ボタンを押すと,ここが「接続中」になり,設定の変更を行えるようになる
REALFORCE

マウスモードで使えるキー一式
REALFORCE
 画面例のように見た目はかなり複雑そうというか,一見しただけでは何ができるのかさっぱりわからないツールだが,入手したバージョンのREALStation Toolから行えるのは基本的に,前述したデバイス動作モード切り替えと,キーボード使用時のアクチュエーションポイントの深さ設定のみである。
 一応,各デバイス動作モードにおけるキーアサインの確認も行えるが,アサインの変更まではできない。以下,参考として,デバイス動作モードを切り替えた状態のスクリーンショットを並べてみるので,チェックしてもらえればと思う。

マウスモードのキーアサイン。カーソルキーでマウスカーソル移動,[RollUp/Down]キーでホイール回転,右[Shift]と右[Ctrl]キーが左右メインボタン,[コンテキストメニューキー](※画面上「Z+」)がセンタークリックで,右[Alt]キーはカーソル移動の高速化となる。それ以外のキーは普通のキーボードとして使える
REALFORCE
MIDI鍵盤モードのキーアサイン。全体がMIDI鍵盤化して,PC用キーボードとしての機能はなくなる。なお,ここで気づいた人もいると思うが,キートップ上の「・」は半音上げる黒鍵盤の印だったわけだ
REALFORCE
GameD(左)とGameX(右)各デバイス動作モードにおけるキーアサイン。両モードでキーアサインは変わらない。また,MIDI鍵盤モードと同じく,PC用キーボードとしては機能しなくなる仕様だ
REALFORCE REALFORCE


キーボードモードのアクチュエーションポイントの変更機能はキーごとに可能。ショートカットでの一括変更も


 各モードの使い勝手に関しては,それぞれの専門家にテストしてもらうことになっているので,本稿ではキーボードモード時のアクチュエーションポイントの深さの変更について,どういう仕組みになっているかを見ていこうと思う。
 REALStation Toolの「表示切換」で,キーボードの各キーに相当するボタン上の表示を切り替えることができるのだが,現状では入力文字(刻印)が表示される「キートップ」と,設定値が表示される「項目値」−「ON位置」しか選択できなかった。
 キーボードモード状態で「項目値」−「ON位置」に表示を切り替えると,下の画面のように現在のON位置,つまりアクチュエーションポイントの設定値がキートップに表示されるようになる。

表示切換から「項目値」−「ON位置」に表示を切り替えたところ
REALFORCE

 スクリーンショットを見ると全キーの上に「127」と表示されているが,これが標準のアクチュエーションポイント設定値である。設定可能な範囲は,最も浅い20から最も深い255までの236段階で,20に指定したときのアクチュエーションポイントは実測約1.2mm,255で全ストロークにあたる4mmとなった(※1〜19の設定も可能だが,1.2mmより短いアクチュエーションポイントにはならないようだ)。
 つまり,アクチュエーションポイントの設定範囲は2.8mmで,それを236段階,約0.012mmステップという極めて微妙な調節が可能なのである。また,最も浅い設定にしても,「触れただけで反応する」ような事態にはならない点も押さえておきたいポイントといえるだろう。

アクチュエーションポイントを変更したいキーをクリックすると,設定ダイアログがポップアップする。ここで「設定値」を変更すればいい
REALFORCE
 設定値の変更方法は簡単で,たとえば[A]キーのアクチュエーションポイントを変更したいのであれば,表示切換で「項目値」−「ON位置」を選択したうえでREALStation Toolから[A]キーをクリックする。すると,次のダイアログが現れて設定が変えられるようになるので,任意の値を入力すればOKだ。
 [読込]ボタンは何らかの理由でダイアログに表示されている数字と現在設定値にズレが生じている場合に対応するためのボタンのようで,クリックするとキーボードから現在設定値が読み出されて,ダイアログの項目値にセットされる。普通は使わないボタンと考えてよさそうである。一方,[適用]は当該キーに対してのみ設定値を適用するボタン,[全キーに適用]は,文字どおりキーボード全体に対して設定値を適用するボタンとなる。

[F9][F12]キーのキーキャップ手前にある印字に共通する「ap」はそのままアクチュエーションポイント(actuation point)の略である
REALFORCE
 カスタマイズ結果は,右下にある[設定を保存]ボタンからCSVファイルとして書き出すことが,また[ファイル読込]ボタンから読み出すことが可能。
 さらに[ap *に登録]ボタンを押すと,現在の設定をキーボード側のフラッシュメモリに保存することもでき,保存すると,キーボードの[Topre]+[F12]キー操作でだけで設定を読み出せるようになっている。
 現在のところ,保存して読み出せるプロファイルは1つだけだが,製品版では,ここが複数に対応したりするのだろうか。

 また,アクチュエーションポイントのカスタマイズをクリアしたい場合や,手っ取り早く変更したい場合は,次のキーの組み合わせで,すべてのキーのアクチュエーションポイントを一度に変更することが可能だ。

  • [Topre]+[F9](apH)キー:全キーの設定を20(最も浅い設定)に一括変更
  • [Topre]+[F10](apM)キー:全キーの設定を127(デフォルト)に一括変更
  • [Topre]+[F11](apL)キー:全キーの設定を245(かなり深い設定)に一括変更

 ちなみに,REALStation toolには「項目値」のプルダウンメニューに「OFF位置」という,いかにもスイッチがオフになるリセットポイント(リセット位置)を設定できそうな選択肢もあるのだが,今回入手したANKBTPでは,この「OFF位置」自体が機能しなかった。
 アクチュエーションポイントとリセットポイントの両方をカスタマイズできれば,とことん自分好みにキーボードを設定したい派から歓迎されそうで,ここは今後の動向に期待したい。
 もっとも,カスタマイズ作業そのものがかなり難度の高いものになりそうな気もするが……。


4Gamerライター陣がそれぞれの得意ジャンルでアナログ入力対応キーボードをチェック


REALFORCE
 というわけで,ひとまずの基本仕様についてまとめてみたが,約0.012mmステップという極めて微細なステップでアクチュエーションポイントをカスタマイズできるというのは,それだけでも十分すぎるほど画期的と言っていいように思う。
 たとえば,素早く操作したいキーのアクチュエーションポイントを浅くしつつ,ゲームで操作はするが“誤爆”は避けたいキーのアクチュエーションポイントだけを深くするという具合に,ゲームタイトルごと,キーごとの設定を行える。ただLEDバックライトの色で分けるのではなく,反応するまで距離で分けて誤操作を防ぐといった,積極的なチューニングが可能になるのだ。

 現状では,REALStation Toolが分かりづらく,使いづらいという点が否めない。とくに「しんどい」と感じたのが,アクチュエーションポイントの変更を,1キー単位か全キー単位でしか行えないところである。たとえば,先に複数キーのブロックを範囲指定できるようにして,その範囲に対して設定変更できるようにしたりすると,ぐっと使いやすくなるのではなかろうか。

 また,アクチュエーションポイントの設定確認を,数字だけでなく,ボタンの色分けで行えるようにしたり,設定したアクチュエーションポイントをテストできるツールを用意したりするのも,使い勝手の向上へ寄与するように思う。設定自体も数字ではなくスライダーで行えるようになると,なおいいだろう。

 正直,REALStation Toolのデキを見る限り,このまま発売となる場合,かなりマニア向けの製品になるのではないかとも思うが,そこはそれ。以下,順に,4Gamerのライター陣から,BRZRK氏,UHAUHA氏,ハメコ。氏,榎本 涼氏に,各自の得意ジャンルでANKBTPを思う存分に使ってもらったインプレッションを,順にお届けしよう。
 果たして「アナログ入力が可能なキーボード」で何ができそうなのか。その一端を感じてもらえれば幸いだ。


BRZRK

テスト使用タイトル/ソフト:バトルフィールド4,バトルフィールド ハードライン,DOOM,オーバーウォッチ,World of Warships,Fruityloops(※オーバーウォッチはオープンβテスト)


 ANKBTPのキースイッチはアナログ的な入力を行えるわけだが,それは,FPSにおいて何をもたらすのか。米田氏が指摘しているとおり,公式な設定範囲は20〜255だが,今回はREALStation Toolから,見た目に分かりやすく「1」と「255」を選択して,設定値によるアクチュエーションポイントの違いを確認してみよう。

筆者がゲーム中に使うことのないキーは,できる限り反応しづらくなるよう,設置値を255にまで上げた。一方,そのほかのキーを「1」としたのは,「最も短い設定が20」というのが個人的にどうも気持ち悪かったので,見た目だけでも最小にしようとした結果である
REALFORCE

 ここでは,デバイス動作モード切換を「Keyboard」に設定のうえ,表示切替を「項目値」「ON位置」「Keyboard」として,[Space]キーの設定を1と255の両方に指定し,「Quake III Arena」でその挙動を見てみることにした。その結果が下に示した2本のムービーだ。見比べてもらえれば,違いは一目瞭然ではないかと思う。


 これを踏まえたうえで,筆者が主にプレイしているFPSやTPSといったアクション系タイトルでどう活かせるかというと,現時点での結論としては,「少しでも早く入力を成立させるため,ストロークが短くて済むようにする」が正解だ。
 というのも,一般的なキーボードはスイッチが入力されるまでキーを押し込まなければならないが,ANKBTPの場合,設定値を小さくすればするほど,わずかな押し込みでゲーム上に入力を反映させることができるからだ。同時に,ゲーム中で使うことがないキー,具体的には[Windows][無変換][変換][ひらがな/カタカナ]キーなどは設定値を最大まで上げることで,“誤爆”の危険を下げることもできる。

REALFORCE
REALFORCE
 FPSの話をすると,「出会い頭に立ち回りで敵の攻撃を回避できるか」が勝負の分け目となることがある。若いころは状況判断だけでなく,反応速度で対応することもできたのだが,さすがに年齢を重ねた今だと鈍っていることもあり,指先への伝達速度が低下して撃ち負けやすくなっている。ほんとに老化って怖いね。
 そこで,年齢による入力遅延を少しでもカバーするために,ストロークを短めにすることで,押し込みきらずとも入力が成立するようにしたわけだ。

 最初こそいろいろ弄ったものの,筆者の場合は最終的に,テストした全タイトルで同じ設定を行うことになった。すると確かに反応速度はカバーできる。現状,リセットポイントの設定は行えないが,それもできるようになると,よりよくなるのではなかろうか。
 もっとも,肝心の腕前でスコスコにされるケースが目立ち自己嫌悪に陥ったりしたが。うわーん。

 ゲーム以外の用途では……ということで,専門家(=榎本氏)とは別の視点で試してみようと,たまの暇つぶしというか気分転換で弄っている音楽制作ソフトの「Fruityloops」で,MIDI鍵盤モードも使ってみたが,微妙な鍵盤の押し具合が見事に再現されていて,ちょっと驚いた。実際に使っているところをムービーにまとめてみたので,こちらもぜひチェックしてほしい。


 筆者はMIDIキーボードを持ってはいるものの,卓上のスペースに余裕がないため,普段は押し入れにしまい込んでいる。それだけに,「Fruityloopsを使うためだけにMIDIキーボードを引っ張り出す」のがたいそう面倒だったので,ANKBTPのMIDI鍵盤モードはかなり嬉しい。本物のMIDIキーボードと比べるとANKBTPのキーはストロークが短いのでピーキーだったり,そもそも本格的に楽曲制作している人がMIDIキーボードを押し入れにしまい込むケースは皆無だと思うが,筆者のような立場からすると,このMIDI鍵盤モードは正直,大歓迎だ。

 東プレのキーボードとして,従来製品とそう変わらない価格で出てくるなら,購入の選択肢には十分なるだろう。現時点でもそこまでのデキにはあると思う。


UHAUHA

テスト使用タイトル/ソフト:Project CARS


 クルマ系タイトルでは,ロングコーナーにおいて同じ舵角を維持し続けたり,車の挙動を感じながらアクセルを踏み込み,タイヤがロックするかどうかギリギリのところでブレーキを踏み込んだりといったアナログ入力を多用する。とくにシミュレータ要素が強くなってくると,アナログコントローラ付きゲームパッドでもプレイは厳しくなり,直感的な操作が可能なステアリングコントローラが必須となるわけで,キーボードでクルマ系ゲームをプレイするなんてのは,ほぼ死に絶えた文化だと言えるだろう。

REALFORCE
 では,GameXモードを持つANKBTPは,新しい「キーボードでプレイするクルマ系ゲーム体験」をもたらしてくれるのだろうか。筆者にとっても数十年ぶりとなる,キーボードを使ってのプレイを,PC版「Project CARS」で行ってみたい。
 当然のことながら,最も気になるのは,オン/オフのデジタル入力となる一般的なキーボードと,ANKBTPのGameXモードで,どれだけプレイ感が異なるかだ。なので今回はRealStation Toolから標準のキーボードモードを選択した場合と,Xbox One/360 Controller互換のゲームパッドとして利用できるGameXモードをプレイして比較することになる。

 ちなみにProject CARSのコントローラ設定は,ANKBTPのキーボードモード時に「Keyboard」,GameXモード時に「Custom Controller」から行っている。Project CARSの場合,コントローラとしてゲームパッドを選択した場合,ゲームパッド上の操作系を自由に割り当てられることから,今回はアクセルを[W]キー,ブレーキを[s]キー,左右ステアリングを[;/] ]キーに割り当て,そのうえでGameXモード時と同じ割り当てをキーボードモードでも行うこととした。

ANKBTPをGameXモードに切り換えたうえで,Project CARSから「Custom Controller」を選択すると,GameXモードとしてのキー割り当てが行える
REALFORCE REALFORCE
ちなみにこちらがキーボード設定時のキーアサインだ
REALFORCE REALFORCE

 というわけで下に示したのは,GameXモードで,単独走行してみたときのムービーだ。「キーを押せばアクセル全開,キーを離せばアクセルオフ」といった,0か1かのデジタル入力の挙動ではなく,アクセルハーフや一定の踏み込み量が反映された挙動なのが分かるだろう。
 ただ,キーのストロークが短いため,かなり慎重な操作が求められる印象だ。Project CARSのコントローラ設定からデッドゾーンや感度を試行錯誤してみたが,効果らしい効果はほとんど得られなかった。


 さて,それを踏まえつつ,実際にキーボードモードとGameXモードで走りを比較してみよう。
 今回は,コースを「Watkins Glen International」,クルマは「McLaren 12C GT3」で固定。McLaren 12C GT3はどちらかというとアクセルハーフなどの操作が行いにくいクルマなのだが,試したところ,ステアリング制御はむしろ行いやすかったため,チョイスした次第だ。

 その結果は,下に2つのムービーとしてまとめたので,ぜひチェックしてみてほしい。ぱっと見だと違いは分かりづらいかもしれないが,コーナーリングやコーナーからの立ち上がりで比べると,けっこう目立った違いが生じているのに気づいてもらえると思う。


 キーボードモードでは,当たり前だが,アクセルやブレーキはキーを押せば全開,離せば全閉になってしまうため,オーバースピードでコーナーに入るようなシーンでのコントロールが難しい。しかし,GameXモードではコーナー立ち上がりで早めにアクセルを開けてライバルに並ぶこともできる。この違いは大きい。

REALFORCE
 また,前車の突然の失速で唐突に避けなければならない状況やラフなハンドル操作などで挙動を乱した場合のリカバリーは,キーボードモードでは停車するくらいまで速度を落とさないとスピンしてしまうことが多々あるが,GameXモードでは比較的リカバリーしやすい印象だ。どちらのモードもできるだけ上位を目指して走ったが,順位にも表れているとおり,プレイのしやすさは明らかにGameXモードのほうが勝っている。
 ANKBTPのキーストロークはステアリングコントローラやゲームパッドのアナログトリガーと比べると確かに短いものの,アナログ的に入力が認識されるため,精密なアクセルハーフなど使わなくてもアナログ動作の恩恵を受けられる。これがコントロールのしやすさ(=プレイのしやすさ)につながっているのではかろうか。

 今回例に挙げたコースやクルマ以外も取っ替え引っ替えしながら,走り込んでみたが,キーボードでここまでドライブシムをプレイできるというのは,やはり衝撃的だ。
 現実問題として,「ステアリングコントローラはともかく,ゲーマーならアナログ入力対応のゲームパッドは持っているだろう」という話ではあるので,ANKBTPのアナログ操作をゲームで活かせる局面というのは限られると思うが,ちょっと走ってみたい的なニーズには,十分以上に応えられると思う。


ハメコ。

テスト使用タイトル/ソフト:MELTY BLOOD Actress Again Current Code,Vanguard Princess,ウルトラストリートファイターIV,ストリートファイターV,RWBY Grimm Eclipse,東方紺珠伝


 本稿の序盤で説明があるとおり,GameDモードはDirectInput,GameXモードはXInputにそれぞれ対応する動作モードだが,GameXモードのみ,[B]キーに[Xboxガイド]ボタンが割り振られているという違いはあるものの,それ以外のキー割り当ては共通だ。

 GameDおよびGameXモードの割り当ては,緑色で書かれたキーキャップ手前側の印字で確認できる。
 矢印キーは3セットあるが,[W/A/S/D]キーは左アナログスティック,[T/F/G/H]キーはD-Pad,[@/;/:/]]キーが右アナログスティックという配置。左右[Shift]キーはそれぞれのスティック押し込みに対応しており,[変換/Space]キーは[RB/LB]ボタン,[C/ひらがなカタカナ]キーは[RT]トリガー,[Topre/.]キーは[LT]トリガーとなる。[RT/LT]がキーボードの左右に1セットずつ用意されるため,アナログスティックの操作をしていないほうの手で押下しやすいのはいい。

メインキーボード部を手前から見たカット。緑色で書かれたキーキャップ手前側の印字に注目してほしい
REALFORCE

 というわけで,まず「使えたかどうか」の話を済ませておきたい。今回テストしたタイトルでの互換性検証結果は以下のとおりだ。

  • MELTY BLOOD Actress Again Current Code:GameD,GameXとも操作可能
  • Vanguard Princess:GameD,GameXとも操作可能
  • ウルトラストリートファイターIV:GameD,GameXとも操作可能
  • ストリートファイターV:XInputに対応しているはずだが,GameXモードでは操作不可能。DirectInput非対応なので,GameDモードはもちろん利用不可
  • RWBY Grimm Eclipse:GameDで操作可能。XInputにも対応しているはずだが,GameXモードでは左アナログスティック入力のみ可能という,不思議な結果となった
  • 東方紺珠伝:GameD,GameXとも操作可能

 最近のSteam系アクションタイトルはDirectInputとXInputの両方に対応しているので,おおむねどちらでも大丈夫……と言いたかったが,ストリートファイターVとRWBY Grimm Eclipseではマトモに操作できなかった。前者はDirectInput非対応なので,現状は「ANKBTPのゲームパッドモードでは操作不能」ということになる。

格闘ゲームでも,4ボタン操作のMELTY BLOOD Actress Again Current Codeは,まだなんとかなった
REALFORCE
 では,問題なく操作できたタイトルにおけるプレイ感はどうかだが,今回テストしたタイトルはアナログ入力を活用する機会がほとんどないため,基本的には「キーボードでそのまま操作しているだけ」という感じである。
 そして,そうであるがゆえに,主要ボタンである[X/Y/A/B][LT/RT][LB/RB]の配置が固定されている点がかなり気になった。たとえば,4ボタン格闘ゲームであるSteam版MELTY BLOOD Actress Again Current Codeはまだプレイしやすいのだが,基本操作で6ボタンを使う必要のあるウルトラストリートファイターIVだと,[LT]が[.]キー,[RT]が[ひらがなカタカナ]キーにそれぞれ配置されているため,「まあ,なんとか操作できる」というレベルに達することすら難しいという印象だ。
 また,[A/B/X/Y]ボタンの[Y]だけ別の列にあるというのも,アクションゲームの操作体系からすれば少々押しにくい。

 そんなわけで,「わざわざGameDモードやGameXモードを使うくらいなら,キーボードモードのまま,ゲーム内のキーカスタマイズを使うほうがマシ」という結論になってしまった。REAL Station上でGameD&GameXモードのキーバインド設定ができるようになれば,この評価も変わってくると思うので,製品化に向け,東プレ側の決断に期待したいと思う。


榎本 涼

テスト使用タイトル/ソフト:Cubase 8


 筆者はゲームではなくMIDI鍵盤モードをテストした。テストにあたっては担当編集から「ほかのライターさんがゲームに振っているので,『分かっている人向け』の紹介を行えばよい」という依頼を受けているため,専門用語の解説は行わない。この点はあらかじめお断りしておきたい。

REALFORCE
ANKBTPのデバイスドライバをインストールすると,Windowsのデバイスマネージャに「Realforce MIDI」がリストアップされる
REALFORCE
ドライバのインストール後,システムを再起動すると,Cubase 8の「デバイス設定」→「MIDI」にRealforce MIDIが追加され,ANKBTPのMIDI鍵盤モードをCubase 8から利用可能になる
 さて,今回のテストでは64bit版Windows 10環境で「Cubase 8」を用いた。入出力に用いるサウンドデバイスはPCIサウンドカード+I/O仕様となるRMEの「Hammerfall DSP Multiface」だ。

 正直,テストの前は「MIDIレイテンシがメタメタではないのか」と不安だったのだが,テストしてみると,MIDI鍵盤モードにおけるレイテンシは,一般的なUSB接続のMIDI鍵盤と比べてまったく遜色ないと分かった。よい意味で期待を裏切られた印象だ。
 もちろん,PC用キーボードであるがゆえに,押し込んでからアクチュエーションポイントに達するまでの時間が多少なりともかかるので,人によってはそれをレイテンシと感じるかもしれないが,浅く押下したときの反応は,普通のMIDI機器とほとんど同じである。
 試しにレイテンシが一番シビアなドラム演奏も行ってみたが,サウンドデバイスにレイテンシがない限り,まったくストレスなくMIDIトリガーを行えた。

 ANKBTPのMIDI鍵盤モードが持つ,「キーの押し込み方によってベロシティが変わる」特性も,昔あったようなベロシティ一定の安物MIDI鍵盤チックではない。キーを軽く叩くと低いベロシティ,強く叩くと高いベロシティでMIDI音源がトリガーされる。
 モジュレーションやピッチベンドも,キーを押し込む深さによって変調の深さを変えられるので,うまく操ると一般的なMIDI鍵盤のモジュレーションやピッチベンドコントローラともひと味違う操作ができて面白い。ピッチベンドなどは,うまく操作すればリボンコントローラのような動きを再現可能。サスティーンもキーボードで音階を弾きながら[Space]バーを押さえるだけだ。


 というわけで,ANKBTPのMIDI鍵盤モードは,キワモノでもちょっとしたオモチャでもないと断言できる。MIDI鍵盤に慣れている筆者のようなユーザーでも,ちょっとした打ち込みやちょっとした音色確認を,PCのキーボードだけで行えるところが「実用的」だ。
 あるいは,鍵盤以外の楽器奏者や,DTMから入門し,鍵盤はあまり得意ではないというユーザーだと(切替なしで最大2オクターブ強という制約が問題でなければ),案外,ANKBTPだけで完結できてしまうのではないか,という気すらする。ひょっとすると,非鍵盤ユーザーのほうが上手に,または面白く使いこなせる気もした。

Macの場合,ANKBTPは汎用ドライバで利用できるため,別途,デバイスドライバを導入する必要はない。MacにつなぐだけでMIDI入力デバイスとして利用できるようになる。「システム環境設定」−「ユーティリティ」−「AUDIO/MIDI設定」を起動してMIDI機器のタブを開くと,「REAL Station RealForce MIDI」がデバイスとして登録されているのが分かるだろう。右のスクリーンショットは,スタンドアロンで起動したコルグ製ソフトウェアシンセサイザ「Polysix」の環境設定で,実際のMIDIアプリから使用可能になっているのが確認できる
REALFORCE REALFORCE

 なお,MIDI鍵盤モードでは,[Fn]+[F5/F6]キーで,1オクターブ上げる/下げるの設定が可能だ,こちらも使い方次第では便利だろう。[Fn]+[F7/F8]キーは試した限り,挙動がよく分からなかったが,どうやらベロシティカーブを変更して,[F7]キーでリミットをきつく,[F8]キーでリミットを緩くする機能のようだ。

[F5/F6]キーのキーキャップ手前にある印字は「INC」「DEC」,[F7/F8]キーのほうは「V+」「V−」だ(左)。[Fn]+[F9] (apH)キーは半音高い音に移調(トランスポーズ),[Fn]+[F10](apM)キーは半音低い音に移調。[Fn]+F11(apL)キーは,本文で触れた[Fn]+[F5/F6]キーが2オクターブの鍵盤両方を1オクターブ移調するのに対し,2オクターブに見立てた鍵盤の内手前の鍵盤のみ上に1オクターブ上に移調し,逆に[Fn]+[F12](ap*)は手前の鍵盤のみ下に1オクターブ移調する。[Windows](P+)キーは音程を上げるピッチベンド,左[Alt] (PITCH−)キーは音程を下げるピッチベンドだ。[Space](SUSTAIN)にはサスティーンペダル,[変換](MOD)にモジュレーションホイールの機能がそれぞれ割り当てられており,いずれも演奏しながら押すことで機能を有効化できる
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 最後に一点だけ。ここまで多機能なのだから,あと1つ,プログラムチェンジ(+1/−1)があればなお良かったと思う。


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