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[NVISION 08#03]NVISIONは,誰のためのイベントか〜初日の基調講演から
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テクニカルセッションと新製品展示会,エンドユーザー向けイベントが渾然一体となった,一種独特な雰囲気を持ったこのイベント。初日のオープニングを飾る基調講演には,同社の共同創始者にして社長兼CEOであるJen-Hsun Huang(ジェンスン・フアン)氏が登壇。最新の事例を紹介しながら,「これからのビジュアルコンピューティングのあり方」を説くものとなった。
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グラフィックス性能を駆使した
次世代のネットワークや放送,UIを披露
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結論からいうと,同氏の基調講演は,1時間以上にわたった時間のほぼすべてが,「GPUがコンピューティング環境に革命をもたらす」実例の紹介に費やされた。順に紹介していこう。
●自動車メーカー向けCAD&レイトレーシングツール
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Stevenson氏は,「レンダリングモデルを実車と同じスケールで作り込むことにより,細部にわたってデザインや素材の検討をすることができるようになった」と,グラフィックス処理性能の飛躍的な向上が,自動車デザインにも革新的な進歩をもたらしたと説明する。
Lamborghiniは,100万ユーロ(約1億5700万円)という価格で,全世界限定20台しか生産されない同車の販売に,このレンダリングモデルを採用。試乗車を用意できないため,顧客の要望に合わせてボディカラーや内装をアレンジしたCGモデルを作り,そのビデオを提供することで,詳細の確認をしてもらっているのだという。
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●3Dグラフィックス&PhysXが生む次世代SNS
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「ユーザーは,より写実的で,かつ自分だけのアバターを作ることができる」として,通信インフラが整備された地域であれば,バーチャルリアリティを持つSNS世界を構築可能な時代にさしかかっていることを示唆した。また,GeForce Power Packに含まれていることからも分かるように,MStar(=Nurien Alpha v0.7 Demo)では,スカートの動きなどにPhysXによる物理シミュレーションを採用し,より自然な動きの実現を試みている。
Kim氏は「物理演算処理によって自然なキャラクター表現が可能になれば,ゲームやSNSにおけるバーチャルリアリティ環境もより親しみが湧くようになるだろう」と期待を寄せる。
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●3Dステレオスコープ版「Medusa」デモ
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「ゲームの世界がプレイヤーを取り囲むような立体映像の表現により,ゲームはさらなる進化の道をたどるだろう」(Huang氏)。
●次世代タッチディスプレイインタフェース
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同社の創設者でチーフ・サイエンティストのJeff Han(ジェフ・ハン)氏は,「ユーザーインタフェースという面では,2軸しか制御できないマウスがボトルネックになっている」として,iPhoneのように,2本の指を使ってタッチディスプレイに直接触れることにより,あらゆる操作を実現するというマルチタッチシステムを実演した。
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もちろん,このとき操作するのは指。ウインドウを指で移動させれば,地形図の描画エリアも同時に変更されるため,「いちいち場所を特定してから描画方式を切り替える」といった面倒な操作が必要なくなるというわけだ。両手の指を画面上で広げれば拡大,狭めれば縮小と,操作方法も直感的である。
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新製品や新技術に関する情報開示は一切なし
NVISIONは「産業中心」のイベントに
Huang氏の基調講演で,同社の新製品や新技術については何一つ触れられず,ひたすらビジュアルコンピューティングの可能性を説くものとなった。これは世界初の「The Great Big Visual Computing Show」と位置づけられるNVISION 08の基調講演として,ブレていないといえるが,一方,自社製品のアピールを控えてまで“お題目”を繰り返し続けた背景には,競合他社が環境整備に手間取っている間に,GPUを使った並列コンピューティングのエコシステムを構築してしまいたいという思いがあったことは想像に難くない。
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「科学演算や医療解析といった,ハイパフォーマンスコンピューティング分野の技術者や学術関係者向けにCUDAの有用性を説く」テクニカルカンファレンスにせず,4Gamer読者をはじめとした一般ユーザーにも親しみやすいような「ビジュアルコンピューティングの事例」ばかりを集めたのも,開発者のモチベーションを高め,CUDAを使った一般アプリケーションの整備を一気に推し進めたいという狙いからだろう。その意味でNVISION 08は,SIGGRAPHなどといった,学術中心のテクニカルカンファレンスでなく,産業中心のイベントといえる。
ビジュアルコンピューティング産業を中心としたイベントとして,NVISIONが今後どのように発展していくか,非常に気になるところだ。
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