「The Movies 日本語版」も,発売までとうとう残り10日を切った。そんな中,連載第7回となる今回は撮影の舞台「セット」について見ていこう。本作に登場する全44セットを,ここでは便宜上「SF」「戦争」「田舎」「西部」「郊外」「都市」「その他」の7種類に分けて紹介していく。
本作では,全撮影をスタジオのセット内で行う。撮影できる舞台は「SF」「戦争」「田舎」「西部」「郊外」「都市」に含まれる41セット,そして「その他」に含まれる「南国:ビーチ」「移動中の乗り物:車」,あとは壁紙だけを替えるという簡素な「ステージ」のみ。つまりセットにないロケーション,例えば飛行機の機内や豪華クルーズの船内だとか,ナルニア国だとか,ライ麦畑だとか,そういった舞台の映画が撮りたい場合は現在あるセットでうまくごまかすか,きっぱりあきらめるかしかない。
ほとんどのセットは時代の移り変わりと共に徐々に使えるようになっていくのだが,一部のセットは前回触れた「功労賞」を達成することで初めて使えるようになる。全セットを使えるようにするには,結構な労力が必要だ。
宇宙船の艦内を再現したセットが数種類用意されている。「宇宙戦艦の艦橋」や「通路」の三つをそれぞれ見比べてみると,このゲームの時間の移り変わりと進化について,少し分かるのではなかろうか。
未知の星を再現した「宇宙人の世界」を使えば,あるいは「スターシップ・トゥルーパーズ」のような映画を作れるかも?(衣装がないから無理かも)
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宇宙戦艦の艦橋1 |
宇宙戦艦の艦橋2 |
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宇宙戦艦の艦橋3 |
宇宙人の世界 |
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戦争映画用のセットはたったの2種類しかなく,ほかのカテゴリに比べると少々寂しい。ただし砲撃で破壊された廃墟や瓦礫が散乱する「爆破された道路」は,セット自体が巨大なので,路上から建物の中まで,それなりに豊富なシチュエーションに対応できるだろう。「プライベート・ライアン」の後半などでも見かけたような,殺伐としたいい雰囲気だ。
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戦場 |
爆破された道路 |
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田舎といっても,牧歌的な明るい農村といったイメージではなく,どちらかというとホラー映画やサスペンス映画向きの,古めかしくて不気味な雰囲気の漂うセットが多い。暗〜い映画を撮りたい人は,何かと重宝することだろう。もちろんそんな怖いセットばかりではなく,広々とした「森」「畑」は,いろいろなジャンルの映画で使えそう。
西部開拓時代を舞台にした雰囲気抜群のセットが揃っている。保安官,ガンマン,カウボーイなどを使った,派手なガンアクションの西部劇なんかにピッタリだ(まさにそういうセットだが)。見た目がまんま西部劇の「道」はともかく,ほかのセットは演出次第で,ほかのジャンルにもいろいろ使えるだろう。戦争映画でも役立ちそうな自然セット「砂漠」もある。
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牢屋 |
砂漠 |
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都会的な風景や建物が再現されたセットは,数もシチュエーションも豊富で,現代風の映画を撮るにはうってつけ。ストリートを再現した「市街地通り」をはじめ,路地裏やビルの屋上,地下鉄の駅や車内,さらにはホテルの一室まであり,クライムムービーやラブコメディ,全米が泣くヒューマンドラマなど,さまざまな映画の舞台となりうるだろう。
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オフィス |
バー |
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地下鉄の車両 |
地下鉄の駅 |
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いわゆる住宅地。賑やかな都心からは少し離れた,閑静な地区(郊外)にありそうな建物が揃っている。「リビング」や「バスルーム」のセットは,ヒューマンドラマからラブコメ,サスペンスまで,何にでも活躍してくれるだろう。「学校の図書館」「学校の廊下」があるので,学園モノもバッチリだ。……できれば教室も欲しかったところだが。
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ダイナー |
バスルーム |
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トロピカルムード漂う「南国:ビーチ」と,車を運転中のシーン(風景が流れる)を演出するのに便利な「移動中の乗り物:車」。どちらもバリエーションがなく,限定的なシーンでしか使えなさそうなので,「その他」にまとめた。また,一番最初に作れるセットである,舞台のみの「ステージ」は,壁紙を替えることで雰囲気を変えられるが,……当然,安っぽい。
今回はセットに焦点を当ててみたが,思い浮かべている映画が撮れそうなセットはあっただろうか? 「このセットを使って,こんな映画を撮ってみたい」などとワクワクしていただけたら,幸いである。
ご存じのとおり,本作の映画は各セットに用意される「シーン」を組み合わせて作っていく。「シーン」とは,カメラアングル,俳優の演技や動きなどがパターン化されたもので,セットごとに用意されたシーンは数十から数百も用意されている。セットによっては350種類以上のシーンを選択できるのだ。連載第3回,第4回のオリジナル映画作成などで触れてきたシーンは,ほんのごく一部に過ぎない。
というわけで,次回はどうやら最終回。映画撮影で最も重要といえる「シーン」を紹介する予定だ。かなりの数になるので「全部紹介!」というのは難しいが,できるだけ多くの面白そうなシーンを紹介していく予定なので,最後までお楽しみに。