「GROUND ZERO」の文字が岩に書かれており,爆心地であることを示す
今度はイチガヤの紹介へと移ろう。これまで本連載で紹介してきたフィールドは,瓦礫と化しつつも人工物の痕跡が残っていたが,このイチガヤは人の作ったものが何も残されていない。
というのも,東京を廃墟へと変えた,トール神によるICBM攻撃の爆心地がイチガヤなのである。フィールドの中央は火山のようになっており,草木の一本も生えていない。また,あちこちに溶岩が流れ出す地点があり,核攻撃の強烈さを印象づける,そんな場所だ。
登場する敵もかなり厄介かつ強いものが揃っているので,低レベルキャラが足を踏み入れると危険なこと間違いなし。シブヤの魔階セルタワーなどで十分にレベルを上げてから臨んだほうがいいだろう。
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イチガヤのフィールドに人工物の影はない。あるのは黒い岩肌と,赤く流れ落ちる溶岩,そして敵の影だけだ |
イチガヤフィールドは,敵悪魔のレベルは高いが,特殊攻撃をしてくる敵は少ない。経験値稼ぎに適した場所である |
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また,このイチガヤには「旧イチガヤ駐屯地」なるプライベートダンジョンが存在する。こちらはこれまで紹介してきた,スギナミ魔階坑道(銅),シブヤの魔階セルタワー(銅),そしてシンジュクドックとはケタ違いの難度となる。
ちなみに筆者は,レベル18,レベル20の二人パーティで挑戦したが,それでもツラかった。何がツラいのかというと,ダンジョンに登場するキリンがやたらと強いんである。
射撃や魔法による攻撃がほぼ無効化され,しかも放っておくと体力を回復する。そんなキリンが各部屋に3〜5体,しかもアクティブで登場するんだから,レベル20に満たないガンナーでは正直しんどい。
だが,そんなことでくじけていては,ゲームライターの名がすたる。おまんまの食い上げである。倒されては復活,倒されては復活を繰り返し,なんとかB1Fを踏破した。
階下に移動したら,聞き慣れた音楽が。あれ,これってボス部屋じゃない? 途中でエレベータがあったけど,B3F〜B5Fだったから,そっちの深層部にボスがいると思っていたのに。
とりあえず,ボス部屋の前にいる「研究所の見張り」に話しかけると,「修正ファイル」を当てるか聞いてきた。……どうやらこれ,魔階セルタワーの魔除け祈願システムみたいに,特定の敵悪魔を出現させないためのものらしい。キリンの相手をするのもいやだったし,とりあえず,ものは試しと玉砕覚悟で乗り込んでいったら……本当に玉砕した。もう笑うしかないくらい強かった。
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旧イチガヤ駐屯地への入口は,フィールドの南西にある。入口自体が小さいので,見落とさないように |
旧イチガヤ駐屯地の内部は,グレーで統一された,施設っぽいダンジョンとなっている |
駐屯地内部には,宝箱が出現するスイッチやエレベーターなど,近代的な仕掛けも備え付けられている |
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旧イチガヤ駐屯地内で最もプレイヤーを苦しめる存在,キリン。黄色いボディと青のたてがみが特徴的な憎いヤツだ |
3種類の修正ファイルを,ボス部屋の扉の前に立つ女性に渡せば,渡した分だけザコ敵の数が減る |
ボスはキクリヒメ。可愛い見た目に反して,えげつない攻撃をしてくる |
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旧イチガヤ駐屯地には,銀プレートも存在するが,こちらはさらに高レベル向けで,パーティを組んでいることが必須条件となる。結局,レベルがある程度上がるまで旧イチガヤ駐屯地に足を踏み入れないでおこうと誓うに至った。もうしばらくは,魔階セルタワーが筆者の主戦場となりそうである。
さて,最終回となった今回の記事はいかがだっただろうか。少しでも読者の皆さんのプレイの指針になったり,心の励みになったのなら幸いなのだが。そういえば先日,本連載の第3回を読み,エンジェルのエロさに魅了されて本作を遊び始めたというプレイヤーを見つけた。もうなんというか,こちらの思うツボ……いやいや,嬉しい限りである。
それはさておき。今回は連載の最終回,せっかくなので話をちょっと真面目な方向へシフトさせよう。筆者はこの連載記事を書くにあたり,2か月近く本作品に触れてきたが,この原稿を書き終えた段階で思ったのが,本作が「非常に強い可能性を感じるMMORPG」だということだ。
正直,まだまだ粗はある。「ここをブラッシュアップすれば,もっと良くなるのになぁ」と思う箇所だって山ほどある。だがそれは逆にいうと,根幹のシステムがしっかりしているからこそ,細かいところが目に付くのだ。
ということで,筆者はこの連載が終わっても,しばらく本作品で遊んでいようかと思う。記事作成という前提だったので,一般プレイヤーとパーティを組んでプレイする機会はなかなか持てなかったが,これからはパーティに積極的に参加してみたい。あと,ターラカも仲魔にしたいし。
最後に,本連載を読んでくれたすべての読者に感謝。そして,あなたと悪魔が紡ぐこれからの冒険が,楽しく充実したものであるよう祈りつつ,筆を置きたいと思う。