― 連載 ―

The Elder Scrolls IV: Oblivion

連載第9回 トゥームのレイダー

前回までのあらすじ

ちょっとしたことから,メインクエストを続ける気をなくしたミッシェルだったが,今度は,加入した盗賊ギルド関連の任務も,なんとなく進めたくない状況になってしまった。そこで,次の目的地に行くまでの間にあるダンジョンに寄り道していたのだが,いつの間にやら,その寄り道自体が楽しくなってしまった。現実世界でいうなら,女優になるために上京したのに,バイトで始めた接客業が楽しくなっちゃって,気づいたら自分の店を持っていた,という感じである。たぶん。ともあれ,今週もまた,寄り道が続く。

ついにあの女も超えた!

 ミッシェルは絶好調である。
 目的なくそこいらのダンジョンに入り込み,襲ってくる敵を倒したり,置いてある宝物を持って帰ってきたりするだけで,結構オイシイということに気がついてからは,街とダンジョンを往復する日々が続いている。「盗賊ギルドのクエストがあるにはあるが,気が進まないから寄り道する」という当初自分で決めた動機はコロリと忘れて,もうすっかり洞窟探検に夢中である。

 

ミッシェルはあの女以上

 ところで,このゲーム世界にあるダンジョンには,洞窟や遺跡,廃鉱などといくつかの種類があり,とくに遺跡の場合は内部が墓所になっているケースが多い。そこを探険するミッシェルは,結果として“墓”の“襲撃者”になっているわけだ。4Gamerには英語圏からアクセスしている読者も少なくないと思われるので,これを英語で言い換えると,つまりミッシェルは“トゥーム”の“レイダー”なわけである。……そう,ケイト・アーチャーに続いて,ミッシェルは“あの女”をも超えた,と言い切ってしまってよさそうだ。

 

 これほどまでにアブラが乗りまくっている現在のミッシェルである。来年のE3のBethesdaブースが,ブースベイブならぬ“ミッシェルベイブ”で埋め尽くされていたとしても,それほど驚くことではないだろう。その次はきっと映画化だ。

 

 さて。インペリアルシティ(Imperial City)に少しずつ近づきながら,いくつかダンジョンを試してきたが,そろそろシティに着いてしまいそうだ。しかし,ダンジョン探索自体が面白くなってきてしまったので,すでに発見済みになっている道沿いのダンジョンを引き続き探索する。先週紹介した以外にもいくつか攻略して,数々のお宝を入手したので紹介したい。

 

 まず,Light Armor Vestという上半身装備。着るとライトアーマーのスキルが6ポイント上がるという服なのだが,この服自身はライトアーマーではないので,着用するとなると最も重要な胸部にアーマーをまとえなくなるという腹の立つ一品。なんだこりゃー!

 

 次はBase Ring of Nighteye。ある洞窟を探検中,へこんだ地形に水が溜まって池のようになっている場所を発見。その池の底をよーく見てみると,宝箱が沈んでいるのを見つけた。うっかり見過ごしてしまいそうな分かりにくい場所だ。これは良いのもが期待できそうだと,「ひょっとしてカワイイのゲット〜? \(*^。^*) / バンザーイ」とウキウキと箱を開けて出てきたのがこのリングだ。指にはめると,Nighteyeという暗闇が見通せるようになる魔法が常にかかった状態になる,割と強力なアイテム。ミッシェルはこれまで,隠密行動の妨げになりそうだという理由で,松明や明かりの魔法を使用してこなかった。しかしNighteyeであれば,目に魔法がかかるだけで表に明かりは出ないので,スニークしながらでも気兼ねなく使えそうだ。

 

 早速つけてみたところ……変わった! 確かにいままでよりも物の輪郭がハッキリと見える。これは便利そうだ。
 ……しかし,画面全体が常に真っ青になってしまう。つまりこれをズーッとはめていると,これ以降の当連載の画面写真が,ダンジョンだろうが野外だろうが,全部真っ青になってしまうということである。それは美しくない。なので筆者がプレイする場合に限り,このアイテムはあまり効果的に使えない。もうちょっとこう,全体的に視界が明るくなるみたいな効果だったらよかったのに……。

 

着てやった

 次。Fortify Fatigue Pants。武器を振るったりジャンプをしたりすると減る「Fatigue」を15ポイント上昇させてくれるズボンだが,何度も言うように,ミッシェルはライトアーマーが欲しいんであってこんな物はいらないんだ! むかついたのでさっきのLight Armor Vestと一緒に着てやった。

 

 Light Armor Vestは,ベストとは名ばかりの珍妙な肩当て付きブラジャーだった。パンツのほうはパンツで,こいつはパンツじゃねえスカートだ! ……男性キャラクターがはくとパンツになるのだろうか。

 

 こういう具合で防具方面ではなかなか使えるものが出ない。じゃあ武器方面はどうなのかというと,最近入手した物は……。

 

Warhammer of Strain

War Axe of Diminishing

Battle Axe of Jinxing

Revealer of Iniquity

 

といった具合でBluntな武器ばっかり。ミッシェルは剣(Blade)が得意なので,剣が欲しいのです。一つ二つは出たのですが,それらは効果がイマイチで……。おかげで未だにメインの武器は,電撃の出る短剣 Dagger of Jolts。弓にいたっては,まだ魔法のかかった逸品なんか見たこともない有様。まあまだ電撃短剣+ノーマルの弓でもそこそこ戦えてるからいいけどさ。

失われた魂を求めて

 ダンジョン内で遭遇したモンスターには,まぁ,なんとか,勝てている。一対一で戦っている限り,大抵の敵には勝てるので,ゲームセーブにそれほど神経質にならなくても良い感じ。
 ただ,強めの敵複数を同時に相手にしなくてはならない状況に追い込まれると,初戦闘では十中八九負ける。そんなときは,最近編み出した,電撃ダガーでのメッタ斬り作戦で切り抜けるのだが,そろそろソウルジェムが底をつこうとしている。

 

 マジックアイテムのチャージには,“魂”が必要だ。たまに宝箱などから,この魂が元々込められたソウルジェムが手に入るので,いままではそうやって集めたストックを使ってきたのだが,いい加減自前で用意できるようにしなくてはならない。確かブラビル(Bravil)に魔法屋があったと思うので,そこに行ってみる。

 

 ブラビルのショップに,お目当ての「Soul Trap」の呪文が売っていた。空(から)のソウルジェムに魂を封じ込めるには,あらかじめ敵にこのSoul Trapをかけておき,その効果が切れないうちに倒す必要があるのだ。

 

部屋で魔法練習

 しかしここで問題が発生。Soul Trapを唱えるのに必要なMagickaが,ミッシェルの現在のMagickaの総量よりも多いのである。
 Magickaの上限を上げるには,能力値のIntelligenceの値を上げればいい。つまり今後何回かのレベルアップ時には,上昇させるパラメータとしてIntelligenceを選択しないといかんということだ。この際,Intelligenceの値を一度に数ポイント上げられると都合がいいが,そうするには,Intelligenceに関連するスキルをこれまでより頻繁に使用していく必要がある。面倒くさい。だがこのへんが本作のゲームとして面白い部分でもある。
 Intelligenceに関連するスキルというのはAlchemy,Conjuration,Mysticismの三つだ。MysticismはちょうどSoul Trapが属している魔法のスクール(スキル)なので,これを伸ばすと良さそうだ。いまでも唱えられるこのスクールの魔法には,「Minor Life Detection」(生物を発見しやすくする呪文。同じエリアであれば,壁の向こう側にいる生き物でも,ぼんやりとした紫色の光として見える)がある。今後しばらくはこの魔法をことあるごとに,いや,必要がなくても使うようにしていれば,きっとIntelligenceは効率良く上昇していくはず。

 

 ……そして。Mysticismスキルの使用を心がけつつ二つ三つレベルアップしたところで,Magickaの上限は必要値に達した。しかし,今度はMysticismスキルの値がソウルトラップを使用できるレベルまで到達していないことが判明。またかよー!
 ええと,必要なスキル値は25,今は地道な使用の効果が出ていて,21まで上がっている。残り4くらいなら,集中的に練習すればすぐに上がりそうだ。そう思って,その場でぼんぼん唱えていたら,程なく25に達した。これでSoul Trapを唱えられる。

 

とれません

 すでに空のソウルジェムはいくつか用意してあったので,早速試してみたい。まずは練習がてら近くで適当なモンスターを探すことにした。
 確かオブリビオンへのゲートの近くには必ず数体のモンスターがいたはずなので,手近なゲートへと向かう。で,何回かやってみたが……。うーん,敵がそこそこ強いからなのか,うまくいかない。今のミッシェルだと,Soul Trapを1回唱えるだけでMagickaが一気に全部なくなってしまうので,一度外すとアウトなのである。

 

 なんだかダメだ。もっと弱くて手頃な敵がいいのだが,ウーン……と考え,そして思い至った。あれならいけそうだ。たぶん水辺にいると思うのだが……。

 

 いた。こいつなら短剣の一振りで倒せる。動きも緩慢で当てやすい。
 やってみたら,やはり難なく魂のキャプチャーに成功した。カニから得られる魂はソウルレベルが低い(=アイテムのチャージ回復量が少ない)のだが,いまはこれでも十分役立つ。コツも分かってきたので,今後はダンジョンの内部などでもキャプチャーできるようになるだろう。

たまには世界に貢献してみる

 かくして,魔法のかかった武器を自分でチャージできるようになったミッシェルは,さらに調子に乗って,数々のダンジョンの奥へと潜っていった。「インペリアルシティまでの道沿いにある,発見済みのダンジョンだけを見ていく」はずだったが,今ではほとんどを制覇してしまっており,新たな盗掘現場を探してわざわざ森の中へ分け入っていく有様だ。
 しかし,さらに行く場所に困ってきたので,今度はいままでなんだか面倒くさそうなので避けていた,オブリビオンゲートに向かうことにした。

 

 はるか昔。確か連載第3回くらいにも出てきたこのゲート。くぐると,オブリビオンという場所だ。本作のサブタイトルにもなっているオブリビオン(Oblivion)とは,この世界における“異界”というか“魔界”というか“地獄”というか,そのようなものだ。そこに通じるゲートが世界各地に開いて,こちらの世界に魔物がやってきてしまって大変だ! というのが,一応本作のバックグラウンドにはある。

 

 そんな背景もあってか,やはりゲートの内部は洞窟や遺跡のダンジョンよりも広くて,敵も強めである気がする。罠なども仕掛けられており,とくに地雷は強力で何度も死にかけ……否,何度も死んだ。
 だがその分,出てくるお宝の数も多いように感じられる。

 

ぐったりしたオッサン

 とにかくアイテムを見逃すまいと,オブリビオンで,とある塔に入った。最上部まで上ってみると,どこかで見たようなオリが宙づりにされているのを発見。中にはぐったりしたオッサンが入っているのが見える。生きているのか死んでいるのかいまいち分からない。

 

 まあできれば助けたい。横にあるスイッチが,たぶんオリをなんとかする装置なので,それを触ってみる。

 

落ちるオッサン

 あっ,しまった,底が開くようになっていたのか! でも見回してもここ以外にスイッチはないんだから,これはしょうがない。オッサンはかなりの距離を落下していった。この高さでは望みは薄そうだが,降りて様子を見に行こう。お,見えてきた。あれ,なんだか……

 

刺さったオッサン

 

 こ,これは……。高さとかそういう問題ではなかった。そして今は,生きているのか死んでいるのかはっきり分かる。ひょっとしたら引導を渡してしまったのはミッシェルかもしれないが,やめよう,過ぎたことを悔やむのは。このように,予想外におもし……違う違う,恐ろしいことが起こる場所。それがオブリビオンなのだ。

 

 

今週のお姿

魔法のかかったローブなんかも手に入れたので着てみる。そこそこ似合っている。ファイティングポーズはやめたほうがいいと思うが,このメニュー画面ではやめさせることができない。レベルは割と上がった。

 

■■星原昭典/ライター■■
ミッシェルは今週も,クエストを放り出してあてのない旅を続けている。そこで星原氏に,自身の旅の記憶について聞いてみたら,「私が旅好きなわけがないではないですか」と怒られた。怒りながら,「MMORPGでちょっと遠出したくらいでもう満足します」と言うのだから,なんていうか,重傷である。氏は,「どこかに行くのなら,ポーンと海を越えてアメリカとかイギリスとかエジプトとか,そういうところには興味があります」と続けるが,4Gamerの仕事で,アメリカやドイツに行ったじゃないか。ゲームショウ会場とホテルの部屋以外の場所に行かなかったり,寝ずに原稿書かされたり,3分の2の確率で,足を引きずって帰国したりするようなものは,“旅”に入らないと言うのだろうか。実に心外である。
タイトル The Elder Scrolls IV: Oblivion
開発元 Bethesda Softworks(ZeniMax Media) 発売元 2K Games(Take-Two Interactive Software)
発売日 2006/03/20 価格 49.99ドル
 
動作環境 OS:Windows XP(+DirectX 9.0c以上),CPU:Pentium 4/2GHz以上[Pentium 4/3GHz以上推奨],メインメモリ:512MB以上[1GB以上推奨],グラフィックスチップ:GeForce FXまたはRadeon 9000以上[GeForce 6800またはRadeon X800以上推奨],グラフィックスメモリ:128MB以上,HDD空き容量:4.6GB以上

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