Kvatchに向けて出かけるその前に,レベルアップしたほうがいいことを思い出した。このWeynon Prioryにたどり着くまでに,メジャースキルの値が合計で10以上アップしていたので,ちゃんとした寝床で眠ることでレベルアップできるのだ。
修道院内にあるベッドに照準を重ねると,普通の色で,睡眠のアイコンが表示された。つまりこのベッドでは,眠っても問題なさそうだ(※1)。
※1……本作では,犯罪にあたる行動をとろうとすると,照準部分のアイコンが赤くなる。眠る場合も,他人の家のベッドなど,寝てはいけない場所だとアイコンが赤くなるのだ。なお,犯罪であるというだけで,行為は可能。通報されて逮捕されるかもしれないが。
レベルアップ時には,好きなattribute三つを上昇させられる。そのattributeが何ポイント上昇するかは,前回のレベルアップから次のレベルアップに必要な条件が整うまでに,どんな行動をとってきたかによって変わる。今回は,コンバット系およびステルス系のスキルがよく伸びたので,StrengthやAgilityの上昇幅が大きかった。なのでそれらを素直に伸ばすことにした。
さて,起きてからなにげなく振り返ると,例の気前のいいおじさんが,いま自分が寝ていたベッドに横たわっていたのでビックリした。
これって,強制添い寝だろうか。さすがは外人だパワフルだ。馬をくれたのは,そういう下心があったってわけか。
ところが,一応調べてみた(?)が,物が盗られたり乱暴されたりした形跡はない。あたしがこんなにカワイイものだから,添い寝だけで満足してくれたのかしら。
さて,気を取り直して,Kvatchまでの道のりを地図で確認。うーん,近くはない。ていうか遠い。馬を手に入れたばかりではあるけど,今回は,Fast Travel(
※2)を使うことにした。
※2……屋外であればあっという間に長距離を移動できる機能。ゲーム内時間は相応分経過する
ローディングを経てKvatch近くの村まで来ると,いきなり顔が黄色い人が走ってきた。Wood Elfだ。白い顔のミッシェルが迎えると彼はとにかく慌てていて,「逃げろ! 逃げろ!」とまくし立てる。彼が言うには,KvatchはDaedraの軍勢に襲われたそうだ。街のすぐそばに“Oblivion”へのゲートが開いてしまい,街内はもう壊滅状態だという。
え,これって要するに,もう敵側が皇帝の隠し子の存在に気がついて,攻めてきたってことなんだろうか。それはまずい。王子を連れて帰らないとあいつら(Jauffre達)はきっとむずかる。何もくれないかもしれない。すわ一大事。
というわけで早く助けに行かないと! どこだ王子ぃ。……どうでもいいけど,なんかピンチの王子を助けに行くヒロインって,ゲームとかでよくある展開じゃないか。主にギャルが出てくるゲーム方面の話かもだけど。まぁミッシェルも負けず劣らずギャルだしね。
とにかく街門を目指して坂を上がると,なんだかあたりの雰囲気が変だ。空が赤みがかっている。登り切ったところで原因が分かった。あれだ。
あれが話に出ていたオブリビオンゲート(Oblivion Gate)だろう。あそこから魔物が出てくるらしい。その前では,街のガード達がバリケードを作って,魔物が坂下の避難キャンプに流れ出るのを防いでいるようだ。そのガード達の隊長らしき人物に話しかけられた。
「ああ,やつらに一矢報いることができたら! だが我が隊はオブリビオンゲートが閉じるまでこのバリケードを離れるわけにはいかないし……」
スゲー何かを期待されている気がするっていうか,言外にかなりのプレッシャーを感じるうえに,このすぐ後の会話選択肢に「Help」なんて項目がある。試しにクリックしてみると,やっぱりゲートの中に入って閉じてこい的な展開が待っていた。
しかしここは行かないことにする。行かないわ,あたし! 王子だけサクッと助けておじさん(馬をくれた人)にいいものをもらうわ! ほらよく見れば,ゲートの横をフフ〜ンと通り抜けて街門から中に入れそうだもの。
隊長サンにバ〜イと手を振って,キモいゲートの横を軽く素通りして,モデル歩きで門をくぐると街はかなり燃えていた。燃えているうえに家とか塔とか崩れてるし,襲撃っていうよりも爆撃を受けたみたいな有様だ。
少し先にはもう敵の姿がある。Scampとかいう使い魔っぽいやつと,小さな恐竜のようなやつ。まずはヤツラを倒すために,スニークして弓をピュッと放った。
こっちに来たら剣に持ち替えてトドメ……のはずだったのだが,逆にこちらがトドメを刺された。あれおかしいなもう1回。ピュッと放ってピュッピュー……。うーん,勝てない。
手前のザコにさえ勝てないのだから,深部へ向かっての攻略は難しいと考えるのが妥当。うーん,ダメだこりゃ。ま,Fast Travelでここまで来ちゃっているから,レベルは未だに2だしね。メインストーリーを進めるにしても,たまには寄り道をするなりして,レベルを上げておくべきだな,きっと。
というわけで,手近な頼まれごとを何か引き受けるとするか。手近な仕事,手近な仕事……。
「エヘッ戻って来ちゃったっ ☆ミ」と隊長のところへ引き返し,オブリビオンゲートを閉じる仕事を引き受けると告げる。
だいじょうぶ,怒られない。閉じるための具体的な方法は謎なので,中に入って自分で見つけろみたいなことらしい。そんな無茶苦茶な。しかしこっちには,シングルRPGならではの奥義「ロード」もあるので,ここは試しに行ってみることに。
そんなわけで,ビカビカと光るいかにも恐ろしげなポータルに踏み込んでみた。
中に入るとそこは地獄なのかなんなのか,とにかくそういうたぐいの異世界になっていた。見れば誰かが交戦中。先にポータルに入っていた,ガードの先遣隊のメンバーのようだ。Scampを協力して倒すと,事情をしゃべり出す。
先遣隊は待ち伏せにあってほぼ壊滅。一人大きな塔に連れて行かれた隊員がいるので,助けてほしいとのこと。ウン分かったよ。こんな(肩幅広いけど)か弱い女性にお願いするようなことじゃない気もするけど,こっちもレベルを上げたいところだし,まぁ,見かけたら,ね。
その大きな塔というのは,たぶん奥のほうに見えるアレなのだが,通じる橋が壊れているので回り込まないとたどり着けない。敵を倒しつつゆっくりと前進を開始。さっき負かされた街中の敵どもは,数体を同時に相手にしていたのでつらかったが,こっちは敵の密度があまり高くないので,一対一で戦える。これなら回復しながら進むことが可能だ。
敵を倒しながら,時間をかけておどろおどろしい風景の中を進んでいき,なんとか塔の前まで到着した。ドアから内部に侵入。中の構造は入り組んでいるが,クエストの目的地を示すマーカーとマップを見ながら進めば迷うことはなさそうだ。
塔内の敵としては,使い魔とミニ恐竜に加えて,DremoraというNPCがいる。このDremoraには,鎧を着込んだファイタータイプのほか,使い魔を召喚するキャスター型も存在するようだ。
しかしこいつ,いつどこで会っても,怒った顔をしている。本当に常に怒っているのか,そういう顔なのかは不明。前者だとしたら,一体全体,何をそんなに怒っているのだか。そんな顔じゃ,誰も近寄って来ないと思うけどなぁ。
塔内部の戦闘で困るのは,狭く入り組んでいて見通しが利かないので,遠くから敵を見つけてスニークアタックを撃ち込むという得意の戦法が使えない場合が多いこと。いくらスニークモードに入っていても,曲がり角などでばったりエンカウントしたときなどは,さすがに向こうに見つかってしまう。だから自然と剣を使った接近戦が多くなるのだ。
ジリジリとしばらく進んでいった先で,檻に入れられている上半身裸のおじさんを発見した。この人が,例の助けてほしい隊員だろう。見張り番らしき敵を倒して話しかけたら,オブリビオンゲートを閉じる方法を教えてくれた。塔の最上階にあるSigil Stoneという石をどうにかすればいいらしい。どうにかというのがよく分からないけど,まぁ行けばなんとかなるだろう。どうもありがとう。英語版のMMORPGをやってる日本の人っぽく言うのならば「Thanks Info.」。
せっかくなので,おじさん助けてあげるよ。さぞかし喜んでもらえるかと思いきや,「おれに構うな,早く行け!」と怒鳴られた。うーん,なんで怒られているんだろう。しかしまぁ,確かにこの檻を開ける方法はないみたいだ。モーそんなに言うなら置いてっちゃうぜ。
さらなる上部を目指して塔を登る。下層のものよりも手ごわくなった(気がする)敵を倒しながら進んでいくと,ついにそれらしい場所に出た。火柱の上にドッヂボールくらいの大きさの石が浮かんでいる。これがSigil Stoneだ。
とても熱そうだが手を伸ばして取り上げると,あたり一面が炎に包まれた。まぶしい! っと目を閉じると,次の瞬間にはオブリビオンゲートのあった場所,Kvatchの街の門の前に立っていた。
うん,つらすぎるわけでも簡単すぎるわけでもない,いい冒険でした。……しかし,さっき助け損なった怒っていたおじさん,どうなったんだろう?
ええと,まぁ隊長さんのところに帰ろうかね。(つづく)