連載 : カジュアル姉さん


カジュアル姉さん

第12回:ファンタテニス

 

帰ってきたカジュアル姉さん

 

 カジュアルゲームの伝道師として,2006年秋に計11タイトルを紹介したカジュアル姉さんが,春の訪れと共に4Gamerに出戻ってくることになりました。2007年に入ってからわずか2か月とはいえ,すでに複数のカジュアルな新タイトルがオープンβテストまたは正式サービスを開始していて,今年もカジュアルゲームは豊作の予感。1タイトルでも多く,その魅力を読者にお伝えしたいところであります。もちろん八百長なし,常時本気モードで行われる編集者との,因縁の対決もお忘れなく……。

 

 

爽やかなテニスをチラリズムと共に楽しめる「ファンタテニス」

 

 さて今回紹介するのは,2006年12月21日に正式サービスを開始したオンラインテニスゲーム「ファンタテニス」である。魔法が存在する世界「ファンタランド」で行われるテニス大会では,優勝者には「何でも願いをかなえてくれる」という,実にベタだが魅力的な賞品が用意されている。腹に一物あるキャラクター達が,己のエゴと欲望を満たすために(若干語弊あり),大会優勝を目指してラケットを手に取るのである。
 要は,ドジっ子魔法少女と平凡な人間の少年が,もとの世界へ戻るためにテニスに挑む,愛と友情とチラリズムがテーマのテニスゲームだ。何せ日本版の変更点が,以前お伝えしたとおり「女の子のスカートを短くして,ときどき白いものが見えるようになっていたり,胸を大きくして揺れるようになった」なのだから。

※以下,記事中の内容は2007年2月16日現在のものです

 

 

 

ゲームモード

 

 メインメニューには「マイホーム」「マッチプレー」「バトルモン」「クエスト」「チュートリアル」といった5種類の項目があるが,実は未実装の機能が多く,現在選択できるのは「マッチプレー」と「チュートリアル」のみで,ゲームモードは普通にラリーを楽しむ「ベーシックモード」と,ガーディアンと共に魔法を駆使したルールで対戦する「バトルモード」の2種類だけ。それぞれシングルとダブルスでのプレイが可能だ。基本ルールや得点については実際のテニスと何ら変わらないが,細かいルールを知らなくてもプレイには問題ない。とにかく球を相手コート内に打ち返せばよいのだ。

 

・ベーシックモード
 攻撃/防御スキルという特殊な「スキルショット」が打てる以外は,普通のテニスと同じルールで進行するモード。前後左右に敵をゆさぶり,いかに自分のぺースに持ち込めるかが勝敗を分ける。

 

最初のうちはなかなか相手の球に追いつけず,ストレート負けすることも多かった。まずは一つの技を確実に出せるよう練習を積もう。家庭用ゲーム機のテニスゲームに比べれば操作キーは少ないので,慣れた人にはむしろ簡単かもしれない

 

・バトルモード
 必ず「ガーディアン」という不思議な生き物のサーブで始まる,バトルモード。通常のテニスのルールのほかに「体力ゲージ」があり,球を打ち返せないと体力が少しずつ減っていく。テニスのルールで負けるほかに,体力がゼロになっても負けてしまう。コース上に現れる「クリスタル」を獲得すると体力が回復するだけでなく,隕石を飛ばしたり相手キャラクターをいきなり小さくしてしまったりなどの「魔法」を発動できる。

 

ガーディアンが繰り出すサーブは,プレイヤーキャラクターのそれよりも,速くて力強い。クリスタルで取得したアイテムは,「D」ボタンで発動できる。使用するとドハデな魔法が発動する

 

試合に勝っても負けても,やたら喜怒哀楽の激しい魔法少女ルンルン。やっぱりこの娘にはスカートをはかせてあげたい!

 

 

4人の登場キャラクター

 

 ゲームスタート時に選べるのは,少年ニキか少女ルンルンのどちらかだけで,ルーシーとダンピルは別途購入する必要がある。5番めのキャラクターはシルエットのみの公開で,公式サイトにもまだ紹介文が存在していない。長い耳と内股なあんよを見る限り,エルフっぽい女性キャラが予想されるが,詳細は不明だ。

 

●Niki(ニキ)

魔法少女ルンルンのヘタな魔法のせいで,魂だけがファンタランドに来てしまったという不幸な少年。人間界に置いてきた,体のほうがどうなってるのか心配である

●LunLun(ルンルン)

13歳の魔法使い見習いの少女。時空魔法「チャネリング」の練習中に,ニキをうっかり吸い寄せてしまった張本人。ひらひらスカート要員という,本作の重要なキャラクター

 

●Lucy(ルーシー)

女海賊(前の女性)。ルンルンに不足している,大人のセクシー要素をファンタテニスに足してくれる,やはり重要なキャラクター。日本版では胸が大きくなり,しかも揺れる

●Dhanpir(ダンピル)

人間界で一度抹殺され,ファンタランドに魂だけがたどり着いたヴァンパイア。年齢が520歳というのはちょっと若い気もするが,それよりもラケットが十字架というのは……

 

●やっぱり衣装替えが楽しい
 各キャラクターには,その背景に合った,オシャレなアバターアイテムも揃っている。中にはスピードや力といったステータス補強ができるものもあるが,はっきりいってファンタテニスのキャラクター達はかなりルックス重視で,着せ替え目的だけでもとても楽しい。張り切って衣装を購入してあげたいものだ。
 なおアイテムには,有料の「ファンタポイント」で購入するものと,ゲームプレイを通じて入手できる「ゴールド」で購入するものとがある。今のところほとんどの衣装と各キャラクターは,ゴールドで購入可能だ。

 

 

 

基本操作が覚えきれない,その多彩な動き

 

 ファンタテニスには,基本操作だけで「サーブ」「ロブ」「ストローク」「スマッシュ」「ボレー」「スライス」の6種類もある。いくら操作に必要なキーが少ないとはいえ,組み合わせを暗記したうえでさらに返球の強弱と角度を巧みに操るのは,ちょっと難しい。一通りの操作を教えてくれるチュートリアルは何度でも受けられるので,操作に自信のない(筆者のような)プレイヤーは,よくよく復習しておこう。

 

NPCルンルンのしごきは,初心者相手のチュートリアルとしては稀に見る厳しさだ。しかも「キャラクター移動」から「バトル練習まで」,全13の過程をノンストップで叩き込まれる。一度で全部覚えるのは難しいので,不安になったら何度でも受け直したい

 

●テニスコート
 以前の情報では,ファンタテニスはクエスト仕立てになっており,新しいコートでプレイするには,クエストをこなして順次ロックを解除する必要があるとのことだった。しかし現時点ではクエスト未実装のため,船の甲板から氷上まで全5種類のコートは,誰でもプレイ可能。コートの種類は見た目が変わるだけで,氷の上だとキャラクターが滑りやすいなどの特性は,まだないようだ。
 ほかのプレイヤーとのチャットだけを楽しみたい場合も,このコートがチャットルームとなり,最大16名が一つのルームに参加できる。

 

ステージ(コース)名は左から順に,「ルビニカの巣」「トゥインクルタウン」「エメラルドビーチ」「飛空挺アイオロス」「スノウムーン」

 

 

実装が待たれる「マイホーム」など新機能の数々

 

 メインメニューにアイコンだけは用意されているが,未実装の機能として「クエスト」「バトルモン」「マイホーム」の三つがある。クエストをこなすことで,特殊な衣装や新ステージがアンロックされたり,マイホームに友達を招待したりといった機能が実装されれば,ファンタテニスの楽しみ方もだいぶ広がると思われる。早い実装が望まれる機能だ。

 

 

 

対決

 久しぶりの対決ということで,ちょっと緊張気味な筆者の相手としてKawamura氏から送り込まれた刺客は,4Gamer編集部のチーフデザイナー,Gyokuro氏だ。記念すべき復活第1戦に,編集者ではなくデザイナーのGyokuro氏が選ばれた理由を問うと,「編集部きってのテニプリだから」とか。またよく考えずに適当にしゃべってますね。
 対決相手が確定したあと,まずは敵のゲームの腕前を知るべく編集部の数名に「Gyokuroさんてゲームうまいんですか?」と探りを入れてみると,「はっきりいってうまいです」「彼は真のゲーマーといえるでしょう」などと脅し文句が並ぶ……。ステータス値が上がるアバターアイテムをこっそり購入し,少しでも優位に立とうかとも考えていたのだが,「彼の腕前なら,裸のキャラクターでも圧勝でしょうね」とのこと。なんだか対決前から,ひどく気分がブルーです。

 

麻生ちはや
前回の連載中はあまりの負けっぷりに,行く先々で「あの対決は本気で勝負してるんですか」などと疑われる始末。今回は連載が終わるまでに1勝くらいはしたいのですが

Gyokuro
4Gamer編集部のチーフデザイナーで,ニックネームは「チーフ」。趣味はスノボと欧州サッカー観戦という,あまりゲーム編集部には似つかわしくない,普通の青年である

 

 

 編集部の王子様ことGyokuro氏は,少年キャラクターNikiの姿で,颯爽と対戦ルームに登場。事前にチュートリアルも済ませているあたり,ゲーム慣れした余裕を感じさせ,いかにも強敵のオーラを漂わせているではないか。実は筆者は学生時代,これでもテニススクールに通っていたのだが,いまだにテニスの得点ルールがまったく理解できていない。15点,30点の次がなぜ40点なのか? デュースとかラブとか,もっと分かりやすい言葉に改善すべきだと思う。

 

コートは南の島「Nest of Rubycrab」,つまりカニの巣で,最初の試合が行われた。ネットを挟んで,お互いライバル心をむき出しにしているように見えるのは,決して気のせいではない

 1回戦はとりあえずGyokuro氏の実力を知るべく,ベーシックモードで挑戦してみることにした。こちらは連載が決まってから丸々1週間,猛練習を積み,さらにレベルも実はちょっぴり上げてある。しかし事前情報のとおり,Gyokuro氏は確かにうまい。チュートリアルを済ませたあとは,一度もファンタテニスをプレイしていないというのは嘘としか思えないほど,サーブをきっちり決め,ボレーやスマッシュでこちらに揺さぶりをかけてくる。こちらも必死にラインぎりぎりに打ち込むのだが,右へ左へと翻弄されて負けてしまった。

 

力強いサーブを決めたかっこいい瞬間なのだが,この後綺麗に打ち返されてしまった。センスの違いを思い知らされる 負けるたびにラケットを放り投げ,号泣するルンルンの姿。カニに脚を挟まれてるから泣いてるわけじゃありません

 

 二回戦は魔法などのトリッキーなルールが加わる,「バトルモード」で試合を挑む。操作自体がうまくても,このバトルモードにはきっと不慣れなはず……と読んでの作戦だ。
 狙いどおり,Gyokuro氏はバトルモードの存在すら知らなかったようで,アイテムの使い方も分かっていない様子。テニスゲームの腕前では相変わらず負けているが,魔法でGyokuro氏の体力を削り,バトルモード特有のルールで筆者が勝利をもぎ取った。
 どうしても勝ちたかったので,3回戦もバトルモードでそのまま試合を続行。予想外の展開に編集部は騒然となり,試合中なのに筆者のPCのメッセンジャーに「チーフにもっと優しくしてあげてください」「原稿まだですか」「連載は無期延期となりました」などと妨害工作のメッセージが届く……ひどい。しかし妨害にもめげず,チーフに隕石や雷の魔法を当てまくり,テニスのルールやスキルとはまったく無関係なところで勝利を獲得。いやぁ,幸先よいスタートだなあ。

 

こちらのガーディアンがサーブを出すタイミングを狙って,相手をミニミニサイズに変えてしまう魔法を発動。体力を見ると,お互い減りまくっているのが分かる サーブをミスって,体力が20減った瞬間のGyokuro氏。ここまで追い詰めれば,あと一息だ。コート上のノミのような生物は,Gyokuro氏が出したお邪魔アイテム

 

 

 

■■麻生ちはや(ライター・お姉さん)■■
「いつか復活させる」とは言われていたものの,まさか3か月で復活するとは思ってもみなかったカジュアル姉さん。恒例の対決希望者を姉さんに聞いてみたところ,「ライターの星原氏」を指名してきた。詳しくは教えてくれないが,何やら因縁があるようである。実現すれば初のライター対決となるが,果たしてあの,表に出たがらない星原氏が参戦してくれるかどうか……。目下交渉中なので,皆さんもお楽しみに。
タイトル ファンタテニス
開発元 NPICSoft 発売元 ソリッドネットワークス
発売日 2006/12/21 価格 基本プレイ料金無料(アイテム課金制)
 
動作環境 N/A

COPYRIGHT(C)2006 NPICSOFT CO., LTD.(C)2006 SOLID NETWORKS INC.
Published and Distributed in Japan by SOLID NETWORKS INC.


【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/weekly/casualgame/012/casualgame_012.shtml