連載 : カジュアル姉さん リターンズ


カジュアル姉さん リターンズ

第13回:ミラクルサマナー キュイ

 

 連載復帰後,「ファンタテニス」で鮮やかに勝利を収めた姉さんが今回挑むのは,(個人的に最も苦手とする)アクション+シューティング要素がみっちり詰まった「ミラクルサマナー キュイ 〜黄昏のルビーと秘密の約束〜」(以下,キュイ)だ。タイトルが「サマナー」(召喚士)だけに,プレイヤーキャラクター達は全員,王宮魔法学院で学ぶ召喚士であり魔法使いという設定。自分の召喚獣に騎乗し,魔法を駆使して戦うのだ。

 

 対決に備えてキュイをじっくり遊んでみたのだが,レベル1〜6ぐらいまでは,驚くほどサクサク上がるうえに,ゲーム内通貨「ルビー」も2万ルビー程度なら数試合でたまっていく。キュイを始めたばかりの初心者でも,中級クラスの召喚獣スクロールならすぐに購入できるようになるので,さまざまな召喚獣や装備品を遠慮なく試せるのは楽しい。
 「スキル」や「コンボ」といった要素もあるが,これらがうまく使えなくても,ひたすら乱打しているだけで勝てることもあり,アクションやFPSライクなゲームは敬遠してきたという人こそ,ぜひ遊んでみてほしい。チュートリアルが単なる操作キー説明ではなく,ムービー形式で,しかもプレイヤー視点で動きを実際に見せてくれるのも初心者には嬉しいシステムだ。ただ1点残念なのは,各操作の説明がスキップできないこと。復習したい内容が一か所だけなのに,最初から全部通してムービーを見なければならないのは,ちょっと苦痛だったりもする。

 

 

 

キュートでパワフルな「召喚獣」を乗りこなせ

 

 キュイの対戦は,「闘技場」のさまざまなステージで,それぞれが自分の召喚獣に騎乗して戦う。召喚獣は「スクロール」と呼ばれるカードの中に収められており,手持ちのスクロールから1枚選んで召喚するのだ。
 召喚獣には攻撃力/防御力やHPといったパラメータがあり,戦いの主役はプレイヤーキャラクターではなく,あくまで召喚獣達だ。また召喚獣は「属性」や「特殊スキル」を持つほか,苦手なマップでは移動しづらくなるなど,それぞれに特徴がある。公式サイトで全召喚獣の特徴をチェックできるので,自分の戦闘スタイルに合うものを研究して見つけよう。
 召喚獣は「親密度」を上げることで3段階に進化し,同じ召喚獣でも見た目や能力値を上昇させていけるので,共に戦うパートナーとして育てる楽しみもあるのだ。

 

 「キュイ商店」のスクロール購入画面は,「パピー」「ワイルド」「ビースト」「マスター」「ロード」の五つのカテゴリに分かれており,現時点で「マスター」と「ロード」には購入可能なスクロールが存在しない(今後追加されていくのだろう)。カテゴリ名からは順に強くなっていくイメージだが,使い方やマップとの相性によってはパピークラスでも十分戦える。
 最初にもらえる「カーバンクル」は何度でも永久に使えるが,ほかの召喚獣はスクロール右上に手持ちの枚数が表示されていて,1回召喚するごとに減っていくので注意。ちなみに販売時は10枚1セットである。

 

●召喚獣の能力
属性:風・火・水・土・聖・闇
能力値:攻撃・防御・HP・移動速度・連射能力・射程距離
スキル:召喚獣ごとに異なるスキル
特性:標準型・防御型・スピード型など

 

 

キャラクター

 

 プレイヤーキャラクターは,新規登録時には「フード」「コニー」「マノ」「バイオレット」の4人から一人を選択。そのほか「シックリー」「クッキー」「ダイス」「バド」の4人がキュイ商店で販売されている。実はこの8人のキャラクターにも,地味ではあるがそれぞれ特性があるのだ。筆者が選んだバイオレットの場合,敵からの攻撃を常に10減少。マノならば騎乗した召喚獣のHPが自動的に最大100増加,シックリーは属性による追加攻撃を50%減少させる,といった能力を備えている。各キャラクターは1万〜1万5000ルビーで購入できるので,召喚獣だけではなく,こちらも何人か試してみることをおすすめする。

 

「フード」

「コニー」

「マノ」

「バイオレット」

「クッキー」

「シックリー」

「バド」

「ダイス」

 

 

ゲームモード

 

 キュイで遊べるゲームモードには,自分以外はすべて敵となる「個人戦」,最大4対4で戦う「チーム戦」,そしてまったくルールの違う「魔法カード戦」の3種類が用意されている。まずはシューティングの腕前を競う基本モード,個人/チーム戦の内容から解説しよう。

 

●個人/チーム戦

 対戦開始と同時に,まずは召喚獣を呼び出し「E」キーで騎乗。移動操作はW/A/S/Dで行い,Spaceバーでジャンプできる。ただしキュイではなぜか「S」キーでの後退速度が,とんでもなく遅い。可能な限り後退は避け,マウスで背後に向きを変えてから移動するのが得策だ。あとは画面中央の照準に敵を合わせて,左クリックで魔法攻撃。1回撃つごとにMPが減るのでむやみに連打せず,相手の攻撃をよけつつ確実にしとめるべし。
 HPがゼロになると,その場で再び召喚獣の選択画面が表示される。もちろん召喚獣の変更も可能だ。気をつけたいのは,一度倒されて再度召喚している真っ最中でも,敵はすぐそばまで接近できること。復活と同時に集中攻撃やコンボを食らうと,反撃も難しくなる。復活後は数秒の無敵タイムを設けるか,スタート地点にお互いを戻す,といった配慮が欲しいかも。
 制限時間内なら何度でも復活し,最終的に倒した回数などの総合得点で順位が決まる。

 

 

 先ほど「乱打してるだけでも勝てることもある」と書いたが,確実に勝つには,やはりコンボの習得が必須。MPが満タンの状態で敵をターゲットし,右クリックを押すとコンボが発動。表示されるマウスの絵柄に合わせてタイミングよく右クリック,左クリックを連打するとコンボ攻撃による大ダメージが与えられるのだ。成功すれば20回前後の連続ヒットを与え,一気に敵のHPを削れる。
 連打がうまくできない〜というプレイヤーでも大丈夫。ルーム内には「コンボ練習」ボタンがあり,何度でも練習可能だ。最低でも10回以上の連続ヒットが出せるよう,指を鍛えておこう。このほか,スキルの発動やマップ上で取ったアイテムを使うには,マウスホイールまたはShiftキーでの切り替えが必要となる。

 

コンボ攻撃を食らい,空高く舞い上がっている瞬間。うまい人になると,ゲーム中に3回前後のコンボを成功させてくるので,あっというまに決着がつく こちらはコンボ中の画面だ。MPを溜めるべく逃げ回っている最中に倒されることも多く,発動のタイミングがなかなか難しい。成功させたときは気分爽快! スキルは右クリックで発動。最大3回まで連続使用できる。相手を固めて動けなくしたり,毒を食らわしたりなど,召喚獣ごとに持っているスキルが異なる

 

 勝利すると「WINNER」の文字と共に,裏返しのスクロールが5枚出てきて,1枚選んで獲得できる。ルビーや経験値を余分にもらえたり,ペットとの親密度が上がるエサだったり,ときには「ガーゴイル」などのちょっと強い召喚獣スクロールが手に入ったりと,ワクワクする瞬間だ。「ハズレ」を引いてしまうと,本当にガッカリする……。

 

普段の行いが悪かったのか,とにかくハズレを引く確率の高いこと高いこと。ガーゴイルを逃したときは,本気で悔しがって机を殴打したりと,子供っぽさ全開でプレイ

 

●魔法カード戦
 まるで「別のゲーム」と言ってもいい,シューティングの腕前はまったくいらないモードが,1対1で行われる「魔法カード戦」だ。お互いにまず,召喚獣を3体指定してゲームスタート。操作はとくに必要なく,勝手に攻撃し合う。プレイヤーに要求されるのは,ランダムに出てくる「魔法カード」の選択と,使うタイミングを計る頭脳プレイだけだ。
 カードには「攻撃」「補助」「能力上昇」といった五つの異なる効果があり,さらに必要消費CPが設定されている。回復したいのに攻撃カードばかりが出てきたり,水属性の召喚獣に乗っているが火属性を強めるカードが出ている場合には,CP50を消費してカードシャッフルも可能。召喚獣が3体ともやられてしまうとゲーム終了となる。勝つと相手のカードがもらえるわけでもなく,運任せの要素も強いモードなので,ちょっとした息抜き程度に遊ぶにはよいかも。

 

 

 

マップ

 

・PORT DEEP BLUE ・FORGOTTEN HILL ・CUI STADIUM
・SNOW HILL ・SATANIAN ROCK ・ELVE'S LAKE
マップ内は移動可能な場所が少なく,見た目より狭い。飛行可能な召喚獣の場合,高い場所で待ち伏せ&狙い撃ちも可能だ。高低差が激しい,水辺が多いなど,各マップの特色は早めにつかんでおこう

 

 

お買物

 

 キュイ商店で購入できるものには,召喚スクロールのほかにも,マイルームを飾る「ルーム飾り」や,魔法装備「スタッフ」「バッグ」などがある。魔法装備は,召喚獣の属性を合わせると,攻撃力や防御力がアップしたり,最大HPを増やすなどさまざまな効果を持っている。今のところ,おしゃれ目的というよりは実用性重視のアイテムがメインとなっている。

 

 

 

対決

 今週はAOGCの多忙な時期ということもあり,「今週はちょっと……」「麻生さんなんかに付き合っている時間がなくて」などと,なかなか対決相手が決まらない中,担当編集Kawamura氏の粘り強い交渉の結果,犠牲となったのは(山)氏だ。
 取材現場で何度かお会いしたことのある(山)氏の印象は,4Gamer編集部にはもったいない(?)ほどの,温和で気さくな常識人。とくに因縁も恨みもなく,これでは勝負に気合が入らないなぁ……と実は思っていた。ところが,対決の日取りを決めるべく連絡を取ってみると「対決は明日の午前11時でお願いします」などと言い出すではないか! 毎日午前6時に就寝する生活サイクルの筆者にとって,午前11時などは真夜中もいいところ。真剣勝負どころか,起床できるかどうかも怪しい時間帯だ。
 せめて昼以降にと懇願してはみるものの,(山)氏は「午前中のほうが脳は活発」などと言い張り,結局そのまま押し切られてしまった。明らかにこちらに不利な時間帯を指定するとは,なんて卑怯な作戦だろう。許せない。これはもう,召喚獣から叩き落してあげないと!(編注:対決当日は見事に寝過ごし,午後2時に勝負が開始された……)。

 

麻生ちはや
まったり育成ゲームを愛する,スローライフ派ゲームライター。今年に入ってからの最も激しい運動は「連載の対決」らしく,マウスを持つ手が大変な筋肉痛らしい

(山)
パパさん編集者。笑顔のさわやかな普通の人に見えるが,机には子供の写真と並べて「Duke Nukem 3D」のブロマイドを飾っているなど,やっぱりどこかしら問題はありそう

 

 

 キャラクターのレベルは6まで上がり,すでにスクロール購入に十分なルビーが溜まっていた筆者は,対決に備えて召喚獣のチョイスを練りに練っていた。コンボやスキルはヘタだが,ものすごい勢いの乱打だけで敵のHPを削るのが得意という自分の腕前を考慮し,移動速度は多少遅くとも,攻撃力が高い召喚獣「デストラカン」「クレンシャ」「ラミア」を購入。さらにレベル2武器「スクリームスタッフ」,召喚獣のHPが400増える「医療カバン」を装備した。

 ルームに入室してきた(山)氏はレベル3。どうやらそれなりに練習を積んできたようだ。「SATANIAN ROCK」で始まった1回戦,こちらはラミアを召喚してのスタート。動きは少々遅いが攻撃力の高いラミアで,左右へ小刻みに動きながらジャンプを繰り返し,(山)氏の攻撃をかわす。敵も障害物や段差を利用しながらこちらに詰め寄り,鋭い一撃を出してくるのだが,勝敗を決めたのはやはりコンボであった。練習量が足りない(山)氏はコンボの出し方がいまいち把握できておらず,連打が成功しない。そうとなれば,右手が麻痺するほどコンボの練習を積んだ筆者の敵ではない! コンボを2回成功させてきっちり勝たせていただいた。
 さて,これまで筆者が「3本勝負ですよね」と口にするのは,常に自分が負けているときのみ。一戦目で勝った場合には,そのまま勝ち逃げするのが常套手段である。しかし(山)氏はこの敗北がよほど悔しかったとみえ,「いつもは2回も3回も対決してますよね。これで終りとか言わないでしょう麻生さん」と挑発を繰り返すではないか。もう,しょうがないなぁ……などと言いながらも,2戦めには魔法カード戦を選ぶ自分の腹黒さ。

 

 

 魔法カード戦は,1月14日のオープンβテストで急に実装された新モードで,チュートリアルでもまったく説明されない。一度覚えてしまえばルールはシンプルそのものだが,公式サイトの解説ページを読まないでいきなり挑むと,何が起こっているのかちょっと理解しづらいところがある。オタオタする(山)氏を相手に,己の召喚獣の属性まで把握しきっている筆者は,カードを巧みにシャッフルしつつ,攻撃カードを次々選択。3体の召喚獣をたちまち叩きのめして,こちらも文句なしの圧勝で終わった。

 

 

 こうしてキュイ対戦は,(またも姑息な手で)気持ちよくストレート勝ちしたわけだが,過去の勝率を振り返ると怖いぐらいの順調さだ。この先,何か悪いことが,身に降りかからないといいのだけれど。

 

 

 

■■麻生ちはや(ライター・お姉さん)■■
このコーナーは,主にお姉さんが「対決」でコテンパンにボロ負けするのを見て,皆であっはっはあっはっはと笑う記事であることを,読者の皆さんもとっくに承知のはずだろう。ところが一名,その程度のことをちっとも理解していない人がいるのだ。ほかならぬ,お姉さん本人である。「どうしても勝ちたいんです!」などと公私混同なことを言い,このところ姑息な手で勝利をもぎ取っているが,迷惑千万。コーナーの企画趣旨というものを尊重していただきたい。
タイトル ミラクルサマナー キュイ 〜黄昏のルビーと秘密の約束〜
開発元 Yolim Communication 発売元 ゲームオン
発売日 2007/春 価格 基本プレイ料金無料(アイテム課金制)
 
動作環境 N/A

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http://www.4gamer.net/weekly/casualgame/013/casualgame_013.shtml