敵を知り己を知り,ついでに兵器まで知っちゃうと,百戦危うからずなのである。今週は,使っているだけで楽しい未来兵器のあんなことやこんなことを,骨の髄まで叩き込んでもらおうじゃないか
未来新兵諸君! 日夜,過酷な未来の戦いをせっせとナニしているかと思うが,どうも勝てないとお悩みの新兵もさぞや多いだろう。とくに,ちょっと前はこんなじゃなかったのになあ,という雰囲気を強く感じているキミのことだ。「バトルフィールド2142」が発売された直後はいい線いってたのに,このところトホホだというわけだな,ん?
そんなイケてない未来兵士と,勝って勝ってまた勝っての未来兵士との違いは何か? それは「兵器」と「武器」である。ここでは便宜上,人が乗ったり車輪やキャタピラがついていたりする大型のものを「兵器」と,携帯可能なライフルやロケット砲を「武器」と呼ぶことにする。どちらもたったの漢字二文字なので,「個人携行用小型攻撃火器」とか「人型2足歩行戦闘用機械」などと書くより文字数が節約できるからだ。異論があるものは,あとで匿名の手紙を本職に渡すとよいだろう。冗談ですよ。
要するに,できる未来兵士は武器と兵器の扱いに慣れてきたというわけだ。最初は,離陸さえままならなかったパイロットも,戦いを繰り返すうちにピンポイントで戦車の背後に隠れた兵士にロケットをヒットさせるようになり,当初,「どーやって使うんだろ,これ?」という雰囲気の強かったバトルウォーカーも,対歩兵戦闘で侮りがたい威力を発揮するようになってきた。ゲームの基本はFPSであり,個人の技量が大きく影響するとはいえ,例えばバギーはShiftキー(デフォルト。以下同じ)でダッシュが利くとか,戦車の防御力は正面と側面で異なるとかのTipsを知っているだけで,同じくらいのスキルの敵兵に対して優位に立てるという寸法である。古いことわざにもあるように,「知識は身を助ける」というわけだ。
バトルフィールド2142に登場する兵器は,5カテゴリ10種類(タイタンを除く)だ。シリーズの伝統として,同一カテゴリであれば,両勢力で優劣がないように設計されている。つまり,できることや得意技は同じだ。とはいうものの,速度や操作性にはやはり違いがあり,それが各兵器の個性となっている。
また,これまでにも何度か言ったかと思うが,過去の現代戦をテーマにした「バトルフィールド2」に比べて歩兵の能力がかなり上がっており,前作の航空機やヘリのような強力な兵器は登場しづらい。まあ,今後出てくるであろう拡張パックだのブースターパックだのでどうなるかは分からないが,今のところ,「兵器の最大の敵は歩兵」という図式が成り立っているようにも思える。ではさっそく,それぞれの兵器について見ていこう。
従来作までは操縦の難しさ(ただ“浮かせる”だけならそれほどでもないが)で定評のあった航空機だが,さすがは未来だ,本作ではかなり飛ばしやすくなっている。両陣営,どちらの戦闘機でも同じだが,操縦手は空対空ミサイル,副操縦手は機関砲と誘導ミサイルを発射できる。
空対空ミサイルは,おおむね敵機の方向に発射するだけで自動的に命中してくれるため,ロックオンの必要はない。1回に10発の連射が可能だが,それを射ち切ると再装填に時間がかかる。空対空ミサイルの対地能力は低く,かなりの数を命中させないと地上兵器を倒せない,というような特徴がある。
副操縦手の武器の切り替えはマウスの右クリックで行い,誘導ミサイルの操作もマウスで行う。前作同様,誘導ミサイルをちゃんと当てるのは非常に難しいが,命中すればたいていの兵器を一発でしとめられるので,練習する価値はあるはずだ。ただ,前作のヘルファイアミサイルほど強力ではないような印象はある。機関砲は,かなり広い射角を持っており,それなりに強力なので,これも攻撃効果が大きい。
機体をホバリングに持っていくのは非常に簡単で,エンジンの推力を下げ切ればよいだけだ。機動は若干もっさりした感じで,あまり派手な空中戦を演じることはできない。もっとも,練習すればちゃんと宙返りもこなしてくれるが。
装甲は薄く,また速度の遅さもあって,地上攻撃にはかなり脆い。EMP攻撃で操縦不能になり,そのまま地面に激突なんてこともしょっちゅう起きる。やはり地上攻撃ではなく制空に主眼を置くべきだろう。タイタンモードでは,接近してくる敵輸送機の撃墜だけでなく,後部デッキの敵兵をホバリングしながら殲滅するといった使い道がある。
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副操縦手の放つ誘導ミサイルはほぼ一撃必殺。だが,移動する敵にうまく命中させるのは非常に難しい |
誘導ミサイルは発射ポイントも重要。操縦手と副操縦手の息が合わなければうまくいかない。白い数字は目標までの距離。 |
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7人乗りの輸送機で,両陣営とも操縦手は無武装,2番席,3番席が機関砲,4番席以降は「自分の持ってる兵器を使え」という感じ。4番席以降はむき出しのため,対空兵器でダメージを受けることがある。個人的には,EU軍のUD-12の方が操縦しやすい(視界が広いようだ)が,これは好みの問題である。
戦闘機と違って簡単にホバリングできず,離着陸にはちょっと練習が必要になる。タイタンモードではリスポーンポイントとなり,輸送機を敵タイタンのデッキに置いておくだけで味方が次々に出現できるため,輸送機パイロットを目指す新兵諸君にとって着陸のスキルは必須だろう。また,後部座席から飛び出すと自動的にポッド射出になり,着地の際にパラシュートを開く必要はない。
タイタンへの上陸,拠点/サイロの素早い制圧などに活躍するが,戦闘機ほどではないにしろやはり防弾能力は低く,脆い印象を受ける。
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ヘボいパイロットの操縦する戦闘機など,輸送機の機関銃の餌食にしてやろう。射角も広めなので,使いやすい |
地上のバトルウォーカーを撃ちまくってみる。バトルウォーカーは対空能力が高いので,ホントは危険 |
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EU軍とPAC軍でまったく操作感覚が異なるのが戦車だ。EU軍のA-8 TIGERはキャタピラ駆動の戦車らしい戦車だが,PAC軍のTYPE 32 NEKOMATA(ちょっと変な名前だ)はホバーで移動する。どちらも操縦手は主砲を操作し,機銃の発射は2番席が行うことになる。従来作と異なり,操縦手で右クリックするとズームになるので,必要以上にびっくりしないように。
TYPE 32とA-8と,どちらが有用なのかについては議論の分かれるところだ。TYPE 32には砲塔がなく,車体を移動する目標に照準を合わせるのだが,ホバー移動ということで慣性がつき,氷の上をツルツル滑っているような感じを受ける。だが,左右へのスライド移動という戦車には不可能な機動が可能で,慣れれば,目標の周囲を回りながら主砲の向きを目標に固定し続けるといったトリッキーな動きがとれる。ホバー移動のため,多少の障害物なら乗り越えられるが,上り坂に弱いという問題もある。
主砲の性能はどちらもほぼ同じだが,TYPE 32の主砲は対空能力が高い。また,2番席の機関砲は対地だけでなく対空にもかなりの威力を発揮する。どちらも水上浮航能力はなく,ホバーだから水の上だって平気だろうと思って失敗した本官のような人は気をつけよう。耐久力はA-8のほうが高いようだが,側面および後面に被弾すると大きなダメージを受けてしまう。
ズーム機能の追加からも分かるように,なるべく乱戦を避け,ある程度距離をとったアウトレンジ攻撃を主任務にするのがいいだろう。ハイテク兵器百花繚乱の22世紀でも,戦車はやはり陸戦の王者なのである。
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EU軍の戦車はキャタピラ駆動の伝統と格式にあふれるタイプ。副操縦手のターレットは360度回転できる |
主砲の破壊力も大きい。バトルウォーカーと正面衝突して打ち負けないのは戦車だけだ……。ありゃ,負けそう |
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輸送機と並んでタイタンモードでのリスポーンポイントとなるため,戦略的価値の高い6人乗りの車両。さらには,3番席以降からからポッドを射出でき,これによって敵タイタンに乗り込んだり,敵部隊の背後に落下したりできる。
武装は,2番席を除く全席に機関銃が装備されており,操縦手は副武装としてEMPグレネードを発射できる。2番席の武装は3連のグレネードで,目標に当てるのはなかなか難しいが,面制圧の効果がある。一団になった歩兵に向けて放てば,破片効果を期待できるが,乱戦に撃ち込むと味方を倒してしまう可能性も高い。ちょっと扱いが難しい武器だ。
対歩兵では高い効果を発揮するが,戦車やバトルウォーカーに対してはほとんど無力。したがって,こうした敵にはEMPグレネードで麻痺させて逃げるか,あるいは歩兵が降車して爆薬を仕掛けるという手段が有効となる。対弾能力は比較的高い印象だ。
例によって,輸送系はあまり人気のないアイテムだが,本作のAPCは多目的に使用することが可能で,今後,面白い使い方が研究されていくと思われる。
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APCの操縦手は,機関砲とEMPグレネードを扱う。歩兵に対する効果はあるが,重装甲の相手には歯が立たない |
2番席は3連のグレネードを発射する。なかなか当たってくれないし,再装填に時間がかかるので,ちょっと使いにくい |
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バトルフィールド2142を象徴する兵器と言える2足歩行の戦闘機械。乗員は2名で,操縦手は大口径の機関銃とロケットを,副操縦手は機銃と対空EMPを発射できる。そのため対歩兵,対車両,そして対空にと多目的に威力を発揮してくれる。陸上においては,戦車と並ぶ強力兵器だろう。少なくとも,敵歩兵を「踏みつぶせる」のはバトルウォーカーだけである。
問題は,移動がかなりゆっくりめなことと,車高(というか身長というか)が非常に高く,そのため発見されやすいことだ。もっとも,バギーと同様にShiftキー押下によってダッシュをかけられるし,2足歩行なので,ある程度の障害をまたぎ越えたり,浅い川をノーダメージで移動できたりする。その場での旋回が可能なので,トリッキーな移動で砲撃やミサイル攻撃をかわすことも容易だ。砲は360度旋回できるため,真後ろを攻撃しながらまっしぐらに逃げるといった楽しい場面が見られることもある。
さらには,Zキーでかがめるので,高い位置から見えない敵の歩兵は,かがんで攻撃しよう。
装甲はかなり固めで,基本的に歩兵の携行兵器では歯が立たないが,EU軍,PAC軍とも「急所」があり,そこを対戦車ミサイルなどで攻撃されると一発なのだ。それがどこだかは,ここでは秘密。たぶん,ご存じの人はかなり多いと思いますけどね。いずれにしろ,このバトルウォーカーを使いこなした側がかなり有利になることは間違いない。
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バトルウォーカーの攻撃力は非常に高い。移動速度が遅いことを気にしなければ,地上を制圧するにはもってこいだ |
これはPAC軍のバトルウォーカーの2番席。EMPグレネードは航空機に対しても有効だ。周囲の監視を怠ってはいけない |
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見ればすぐに分かるが,つまりは無装甲の4輪車で,3人乗り。武装は2番席の機銃一丁で,これは360度の旋回が可能。Shiftキーでダッシュでき,最高速度はかなりのものなので,拠点およびサイロに駆け込んで占領,という使われ方が一番多い。機銃の使い勝手がいいので,固定銃座として拠点を防御する光景もよく見られるが,工兵のロケット攻撃でもやられてしまうため,一か所でがんばっているのはあまりよくない。
いずれにしろ,そのスピードを生かした使用法が求められる。轢殺とかかね?
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EU軍とPAC軍では,車体の大きさがわずかに違う程度で機能は同じ。スピード命で戦場を駆けめぐるのだ |
対空能力はあまり高くないが,反動が少なく撃ちやすい機関銃を2番席に搭載している。歩兵相手には十分だ |
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各カテゴリの概略は分かってもらえちゃったかと思うが,ここから先,例えば「EU軍とPAC軍の同一カテゴリ兵器間の微妙な違い」などは,各自,実戦で体感するのがよかろう。習うより慣れろ,である。また,得意な兵器を一つ作っておくこともスキルアップの役に立つ。飛行機ならオレが,バギーの機銃なら任せておけ,という具合に,一つ得手な兵器があれば,ゲームもぐっと楽しくなることだろう。ついでながら,全カテゴリ共通の補足を以下に書いておいたので,読み終わったら解散してよし! 気をつけ!
●Xキー
敵の攻撃を受けたとき,Xキーを押して“アクティブ・ディフェンス”を有効にできる。これは,一定時間シールドが張られ,ダメージを軽減するという機能だ。利いているのかいないのか,ちょっと分からないときがあるが,まあ,気は心だ。
●全員乗せること
どんな兵器でもそうだが,乗せられるゆとりがある場合,乗せること。副操縦士のいない戦闘機や,一人で動かしているバトルウォーカーなどの戦闘力は,通常の半分以下と考えてさしつかえない。「友達いないんですよ……」という本職のような人でも,一度ぐらいは乗車要請を出してみることだ。
●突撃アタック
事の是非についてはいささか議論が残るようだが,輸送機などによるKAMIKAZEアタックはかなりの戦場で見られる。拠点を防御している味方が強力なバトルウォーカーに苦戦しているようなとき,確かに手っ取り早い方法だろう。とくにタイタンモードの輸送機はリスポーンのタイミングがとても早いようだし。個人的にはどうかな? とは思うが,今後,戦術として確立していくのかもしれない。