戦争反対! 平和賛成! と叫んでみたところで,銃を持った侵略者がいる以上,銃を持って守るべきものを守らなければならない。……そんな現実に立ち向かう,悲しい兵士達の戦いを描いたリアルFPS「アームド アサルト」(以下,ArmA)。
何の楽しみもない島国に教練活動にやってきて,さんざん退屈な思いをしたあげく島に最後まで取り残され,嫌気が差していたところに隣国の軍隊が戦争を仕掛けてくるという,まさに踏んだり蹴ったりなアメリカ軍の兵士達。もはや「早く帰りてぇ〜」どころの話ではないのである。
6月10日に始まった,SLA(北サーラニ解放軍)による南サーラニ王国への侵略。破竹の勢いを見せるSLA軍は,まだ侵攻から2日目だというのに島の3分の2を制圧してしまった。わずかに残留していたアメリカ軍は,多くの死傷者を出し,残存する兵士達もみな疲弊している。アメリカ軍の増援部隊が到着するまで,なんとしても持ちこたえなければならないのだが,増援部隊の到着はまだかァー! ……って,まだ2日しか経ってないのよね。
※マップ上の番号は,本文中の番号(1)〜(5)と対応しています
我々は無線で敵の情報を傍受した。SLAの高級司令官がVallejo近くのVidaホテルに護送され,そこで我々に対する次なる攻撃の戦術を練ることになっている。きみの任務はホテル周辺にある護衛キャンプをやり過ごし,ホテルを観察できる位置に潜伏することだ。司令官が到着したら,彼をそのままホテルへ入らせろ。彼がホテルに入る前に射撃を行えば,生きて撤収地点に戻れる可能性はなくなるだろう。司令官の部屋は建物の北側に位置しているので,最良の射撃位置に身を置き,SLAのクズ野郎が窓越しに見えるかバルコニーに出るかしたときに射殺し,そして撤収場所に逃走せよ。すべての行動を細心の注意を払って行うべし。……さもなくば事態はただちに深刻な状況に向かうことになるだろう。
作戦目標
- 任務をValle Azulの近くから開始する
- ホテルに接近するにも隠密行動をせよ
- 敵の司令官の到着を待て
- 司令官を部屋で射殺せよ
- 撤収場所に向かえ
ミッションは(1)の地点からスタートする。武器はスナイパーライフルのM24のみだ。敵司令官の暗殺任務であるがゆえ,狙撃を成功させるまで敵に発見されることは許されない。手持ちの双眼鏡で周囲を見渡し,安全を確認しながら目的地に向かおう。注意しながら進んでいると,(2)の地点に護衛キャンプを発見できるはずだ。ここで見つかるとやっかいなので,山肌を舐めるようにして進もう。ホテルが見えたら,いよいよ狙撃位置を探ることになる。ここでも双眼鏡でよく周囲を観察すること。この時点で(3)の位置にもキャンプが発見できるだろう。ホテル屋上にはヘリがいるし,さらに四隅にはマシンガンが設置されている。下を見れば多くの兵士がうろついており,ホテルは厳重な警備が敷かれているのが分かる。
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マップの(2)と(3)の位置に,それぞれ敵のキャンプがある。いつもなら先に片付けるところだが,今回はそっとしておこう |
ターゲットがいるビルの屋上には,マシンガンとヘリが待機している。銃座はともかく,攻撃ヘリは勘弁してほしいなぁ
差し当たりやっかいなのは,やはり屋上にある銃架に設置されたマシンガンとヘリだ。ヘリは発進までに時間がかかるだろうが,銃架に設置されたマシンガンはスナイパーライフル並みの命中精度があり,直接攻撃されるマシンガンの数はできる限り少ないほうがいい。この記事では(4)の位置で狙撃を行うことにした。ここからなら,大きな岩に隠れられるので,直接攻撃できる銃架は1〜2台のはずだ。
しばらく待っていると,Uazで司令官が護送されてくる。司令官が最上階の部屋に上がって,バルコニーに出るのを待とう。司令官はバルコニーでしばし景観を眺めている様子なので,このときが狙撃のチャンスだ。必ずヘッドショットで仕留めよう。そしてすぐさま銃口を屋上に向け,銃架のマシンガン兵を射殺すれば,逃げる間際に背中を撃ち抜かれることもないだろう。
あとは撤収場所(5)に向かうだけだ。ホテル屋上にいたヘリが追ってくるが,さほど攻撃命中率が高いわけではないので,撃たれそうだと思ったらジグザグに走れば被弾せずに目的地に着けるだろう。またどういう理由か,このミッションのヘリは山肌に激突して自滅するというパターンが多かったので,ヘリはあまり気にしなくていいかもしれない。むしろ(2)のキャンプにいた兵士に気をつけたほうがいいだろう。なんとか振り切って撤収場所(5)に到着できればミッション終了だ。
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見た感じ,敵司令官も悩みは多そうだ。ラクにしてやろう |
※マップ上の番号は,本文中の番号(1)〜(3)と対応しています
SLAの軍勢が首都Paraiso市の間近に迫っている。奴らはCorintoを占領し,冷酷にも,家屋の明け渡しを拒否した多数の市民を殺害した。敵は我々の兵士が不足していることを知っており,反撃してくるのではなくなんらかの作戦を企てていると予測している。だからこそ奴らの裏をかいてやるのだ。きみは特殊工作部隊Foxtrotの一員としてCorintoに北方から攻撃する。二つめのチームBravoが町の西側に待機しており,そちら側からも攻撃を加える予定だ。
FoxtrotとBravoは町で合流することになる。町にいるすべての敵を確実に殺害し,敵が逃亡を図った場合も決して逃がしてはならない。我々が恐れを知らず,戦いの準備ができていることを奴らに示すのだ。すべてのSLAのクソ野郎どもを射殺,町を奪還し,侵入ポイント付近で待っているハンヴィーに戻れ。きみ達はParaisoに戻ることになる。敵の増援部隊が迫っているようなので,行動は迅速に行え。
作戦目標
- エリア内の敵歩兵を殲滅せよ
- 侵入地点に向かい,ハンヴィーに乗り込め
このミッションの目標は,4人編成のFoxtrot分隊の一員として,Corintoを占拠しているSLAを殲滅することだ。(1)の地点でハンヴィーから降りた状態でスタートする。リーダーの指示に従って南にある町(2)に向かうわけだが,敵の数が多いので素早く敵を射殺する必要がある。じっくりと狙いを定めてなどいたら,どんどん敵が回りこんでくる羽目になり非常に危険だ。北方面からBravoチームが戦っているが,プレイヤーのFoxtrotチームの戦果が悪いとBravoの被害も大きくなり,最悪の場合,Bravoが全滅して合流できない場合もある。また,SLA軍兵士の数が減ってくると,数名が南西方向に逃げ出す場合がある。このミッションの目的はSLA兵全員の射殺なので,取り逃がさないよう気をつけたい。
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最近,一人で働かされる任務が多かった気がするが,このミッションには仲間がいる。やったー。亡くなった仲間からは弾薬を拝借しよう |
ある程度敵を倒したら,(3)の位置でBravoと合流することになる。BravoがFoxtrotに編入されるため安心しがちだが,さらに(2)の場所に敵が押し寄せてくる。これをすべて射殺し,ハンヴィーの待つ(1)に戻ればミッション終了だ。ArmAのキャンペーンにしてはとくに悩むところがなく,まさに射撃の腕の見せどころ,といった感じのミッションである。
※マップ上の番号は,本文中の番号(1)〜(5)と対応しています
予想どおり,SLAは夜間に勢力を北方に押し進めようとしている。奴らの部隊は,戦車を除きほとんどの兵士は暗視装備を持ち合わせていない。よって敵が夜間に大規模な活動をするのは,我々にとってはむしろ絶好のチャンスとなる。
作戦目標
- Gulan近くの基地から,TOWミサイルランチャーを搭載したハンヴィーに乗って発進し,砲撃要請をせよ
- 東に向かい,姿勢を低く保ち,SLAの攻撃を阻止せよ。戦車に対してはTOWランチャーを使用するべし
- 敵の攻撃を阻止できたら,ほかの隊員達と合流せよ
- RACSの支援部隊と共に敵の基地を攻撃,破壊せよ
TOW搭載のハンヴィー。戦車より強いなどと思わないように
この夜間ミッションでは,6人編成のFoxtrot小隊のリーダーとなる。ミッションが始まるのはSomato南西にある基地(1)だ。基地には3台のハンヴィーがあり,1台はマシンガン装備,少し離れた場所にある2台はTOW(対戦車ミサイル)を装備している。TOW付きハンヴィーに乗るように指示があったが,これだけでは敵の歩兵に対抗できないため,3台のハンヴィーに2名ずつ乗り込むことにした。
(3)の地点にいる敵は形勢不利になると撤退する
まずは基地を出て,(2)の地点に向かうと1回目のオートセーブがある。(3)の位置に数台の装甲車とT-72,歩兵小隊がいるのだが,ここは突っ込むことは避けて,200mほど離れたところから機銃でほかの小隊の加勢をする程度にしておきたい。この軍勢をある程度片付けると敵は撤退を開始する。この時点で本部(Crossroad)から無線があり,次の目的地(4)に移動して待機するよう指示される。
待ち伏せのマナーとして,車両のライトは消しておこう
(4)の位置でしばらく待機していると,南方から敵軍が接近してくるとの無線が入る。TOW付きハンヴィーの準備をして待ち伏せしよう。ハンヴィーのライトが点灯していると待ち伏せにならないので,ほかのハンヴィーに「Combat Mode」→「Danger」の指示を出して,ライトを消灯させる。やがて敵の装甲車が数台と歩兵数名がやってくるはずなので,装甲車にはTOWを,歩兵には機銃を使って殲滅しよう。
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TOWでBMP-2を粉砕! この後のために,敵兵士からスナイパーライフルを奪っておくといいかも |
以上が終わると,いよいよ敵の前線基地に向かうことになる。敵がいないか気をつけながら道なりに進み,(5)の位置で待機だ。ここからは敵の前線基地が見えるはず。ほかの小隊(Echo, Golf)が追いつくと,Foxtrotのリーダーであるプレイヤーが自動的に砲撃要請をすることになる。激しい砲撃により敵の基地が壊滅状態になるが,この時点ではまだ歩兵が多数生き残っているはずなので,残りの敵を離れた位置からマシンガンで片付けてしまおう。あまり近づきすぎると蜂の巣にされる危険がある。ある程度敵が片付いたら,あとは基地に入れば制圧したことになり,自動的にミッションは終了となる。
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砲撃要請によって,敵の前線基地に壊滅的な打撃を与えられる。最後のとどめは自分らで刺そう |
「この紛争の2日目に突入した,サーラニ島からの続報が入っています。SLA――サーラニ解放軍ですが――の最新の攻撃は,昨夜アメリカ軍によって退けられました。南方の前線は現在Somato市の南で沈静化していると見られます。アメリカ軍の増援部隊がサーラニ島に向かっていることが確認されており,まもなく現地に到着することでしょう。特派員のマリアン・クアントは,状況はいまだ緊張状態にあるものの,現在は小康状態にあると報告しています。こちらの地図をご覧になって分かるように,アメリカ軍は南からの攻撃に対処するため,Somatoの近くに部隊を駐留させました」
……と,地図にズームアップしたとたんに速報が入ったらしく,画面はサーラニ島の特派員マリアンからの中継に切り替わる。
「おはようエド,こちらはマリアン・クアントです。Paraisoのすぐ北にある海岸から生中継でお届けします。ここにいる王国軍にインタビューをしている最中,沖合からの攻撃を受けました。SLAは海岸線に砲撃を加えており,先頭の上陸艇が海岸に近づいているのが見て取れます。北の海岸で今まさに新しい戦線が開かれた模様です!」
「それはアメリカ軍の援軍が到着する前に首都を制圧しようとする,SLAの最後の試みなのでしょうか?」
「ええ,そのようですエド。現在,王国軍がCorazolから延びる狭い海岸線道路を防衛していますが,この攻撃はその場所を脅かし,SLAの戦車が首都へまっすぐ向かえる道を開くためのものでしょう。首都と空港が占領されてしまえば,アメリカ軍は南サーラニを見捨てて一斉に撤退する可能性が十分にあります。私達はこの事態のすべてを映像に……」
映像が乱れたかと思うと,中継が途絶えてしまう。サーラニ島の滝川クリステルことマリアンの運命やいかに?
ここで突然の爆音と共に映像が途切れてしまう。「マリアン? マリアン,聞こえますか?」という,キャスターの叫びにも似た呼びかけが虚しく響く。マリアンはいったいどうなってしまったのか……。
Somatoの防衛に成功しただけでなく,敵の前線基地を壊滅させるという,キャンペーン始まって以来の大戦果をあげた今回のミッション。アメリカ軍の増援部隊の到着も近いことだし,一気にアメリカ軍,RACSの合同軍が巻き返しを果たせるかが見ものだ。しかし,これまでに払ってきた代償もまた大きい。すでにアメリカ軍もRACS軍も疲弊し,増援部隊の到着まで持ちこたえられるかすら危うい状況だ。まだまだ油断はできないのである……ということで次回に続く。