撃って撃って撃たれて撃って。直径わずか5〜6mmの小口径超高速弾で貴重な命の奪い合いをする，過酷で儚い現代戦をシミュレートしたFPS「アームド アサルト 日本語マニュアル付英語版」（以下，ArmA）。
北のサーラニ解放軍（SLA）による突然の侵攻を受け，Corazol市が制圧されてしまった南サーラニ王国。かつて「地上の楽園」と称えられたサーラニ島は，地獄の戦場と化してしまった。残留しているわずかなアメリカ軍と，ちょっと頼りないRACS軍とで力を合わせ，なんとかCorazol市の奪還しようではないか。……というのが，今回紹介するミッションの大雑把な目的である。
三つのアイコンのうち，「○」のものがメインミッション，「◇」の二つが予備ミッションだ
ここで初めて「戦略マップ」が登場し，いよいよ本格的なミッションが課せられることとなる。戦略マップには大まかな勢力分布が表示されている。その中に，一つのメインミッションと，それに付随する二つの予備ミッションが存在する。
予備ミッションはスルーしてもよく，メインミッションをクリアすればキャンペーンは先に進む。とはいえ予備ミッションをクリアすれば，メインミッションの状況に良い変化を与える（逆にクリアしないとメインミッションの難度が上がる）はずなので，基本的には積極的に遂行していこう。
このミッションは，貯水塔の上ですべて遂行される。高所恐怖症にはツラい
SLAが新たな部隊を戦場へと輸送している。道路近くの潜伏地点で待ち伏せ，敵が目的地に着く前にできる限りスナイパーライフルで倒せ。
ハンヴィー（1）から降りたら，貯水塔（2）を目指して走ろう。貯水塔のはしごを登り切ると，CGムービーが表示され，仲間の米兵が道路（3）に爆薬を仕掛けていることが分かる。はしごを登り切ってもCGムービーが表示されない場合は，自分の行動が遅れているということだ。戦場では迅速に行動しなければならない。
貯水塔の上で狙撃しやすい位置を探し，伏せて狙撃の準備に入る。まもなくSLA軍のジープ車両を先頭に，兵員輸送トラックがやってくるだろう。やがてジープが仕掛けられた爆薬で吹っ飛び，後続のトラックは停止，何事だとばかりに大量の兵士が降りてくる。こいつらを次々に狙撃していけばいいのだ。
ここで重要なことは，一つの目標に時間を費やしすぎないということだ。弾が当たらないからといって，一つの目標に集中していると，ほかの兵士がどんどん近づいてくる。できれば敵の狙撃兵を優先して倒したいところだが，遠すぎて難しい場合は，最も近い兵士や，こちらに発砲している兵士を先に倒していこう。
ちなみに，このミッションで使用するMk12 SPRという狙撃銃のスコープは，最大で10倍率まで拡大できる。遠くの敵を狙撃する場合，スコープを覗き込んで，さらにマウスの右ボタンをホールドすることで最大倍率となるので活用しよう。
ある程度の敵を倒すと，指定された地点で待っているハンヴィーに戻って撤収するよう指示が入る。この命令を聞いても，敵が見当たらないことを確認するまでは立ち上がらないように。周囲を十分に見渡し，安全が確認できたら，あとは下に降りてハンヴィー（4）と合流し，撤収すればミッションは成功となる。
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| たった一人で敵の一部隊を壊滅させようという，軍部にとっては笑いの止まらないであろう任務だ。敵の撃ち漏らしがないか不安で仕方がないが，任務達成すれば自動的にミッションがアップデートされるので，ハンヴィーの元へ |
※マップ上の番号は，本文中の番号(1)〜(5)と対応しています
敵の軍隊がCorazol市の近くで部隊の再編を行っている。きみの主たる任務は，「Camp ONE」にある装甲車両をすべて破壊することだ。幸いなことに，ここはさほど厳重な警備がなされてはいない。だがきみの存在が発見されれば，あっという間に敵の増援部隊が駆けつけることだろう。よって，できる限り迅速に任務を遂行できる方法を試み，その場を離れなければならない。もし続行可能であれば，二次目標である極秘文書の探索を行ってもらいたい。その文書は「Camp TWO」のどこかで見つかるはずである。弾薬が尽きた場合，弾薬は，敵兵が警備する小さなキャンプが各所にいくつか散らばっているので，そこを探すといいだろう。
先に言ってしまうと，このミッションはかなり難度が高い。なんせ担当編集者のKawamura氏も「クリアできない」と泣きのメールを送ってきたくらいだ。運の要素もあるように思える。ここでは筆者がクリアした方法を掲載するが，もっとスマートな方法もあるかもしれないので，ぜひ色々と試してみてほしい。
スタート地点のボート。こいつが途中で敵に沈められると，帰りがやっかいなことになる
ミッションが開始されるのは海辺（1）である。まずは海岸線を伝って「Camp ONE」に向かい，キャンプ近くの小高い丘（2）に登ろう。敵に見つからないようにキャンプを観察すると，装甲車両は4台あり，歩哨数人がその周囲の警戒に当たっているのが分かるだろう。手持ちの武器で装甲車両を破壊できそうなものは，爆薬（Satchel Chages）が一つと，M136ランチャーが3発である。つまり近づけそうな1台に爆薬を仕掛け，あとは対戦車砲で片付けろってことだろうか？
歩哨の動きなどを観察していると分かるが，どうやらこっそり近づけそうなのは，向かって左端のSilkaしかなさそうだ。まずはキャンプに向かって左側の斜面に行き，（3）の位置を見るとバリケードの近くに見張りの兵が一人いるはずだ。かなり見づらいが，双眼鏡なども駆使して探し出そう。歩哨がターゲットに近づいていない隙に，こいつを片付けてしまおう。うまく狙撃できたら，バリケードに向かって降りる。次に匍匐前進でこっそりSilka後部に近づき，爆薬をセットしよう。セットが終わったら，歩哨の動きに注意しながら丘の上に戻るべし。
いよいよM136ランチャーで，残る3台を破壊だ。しかしランチャーを発射すれば自分の居場所が露見することになるので，できれば車両を破壊するついでに，一人でも歩哨を吹っ飛ばしてしまいたい。歩哨が右端の装甲車両に近づいたときに1発目のランチャーを発射。破壊できたかは確認せず，すぐに後退し，先ほど仕掛けた爆薬でSilkaを爆破する。残りの2台もヒット＆アウェイの要領で破壊しよう。これでMission Updateと表示され，主目的が達成できたことが分かるはずだ。長居は無用なので，全速力で撤収地点に戻ろう。
これが「Camp TWO」だ。といっても暗くて分からないかもしれないが，ヘリが目印
以上でこのミッションは一応のクリアとなる。しかしミッション完全クリアのため，二次目的の極秘文書を発見するところまでいこう。
「Camp ONE」が襲撃されたことで，SLAのヘリが上空を飛び回っている。ヘリが近づいてきても，伏せていれば発見されない。また「Camp ONE」の兵士が追いかけてきているはずなので，チャンスがあれば倒したほうがいいだろう。最悪の場合，ボートを発見されて破壊されてしまう恐れがある。ボートが破壊された場合は，「Camp TWO」にあるヘリを奪って帰還することになってしまう。
さて次の目標に向かおうにも，装甲車両を破壊するための兵器を持っていたので，ライフルの弾薬がさほど多くない。これでは心細いので，まずは弾薬補充のためマップに「Ammo Camps」と表示されている場所（4）に向かおう。ここは警備が薄いので，素早く全員（といっても三人程度）を射殺し，弾薬を補充したら，ブッシュに紛れながら「Camp TWO」（5）を目指す。ところどころに小さなキャンプがあるので，見つからないように行動しなければならない。こうした小キャンプは火を焚いているので，何らかの明かりが見えたら近づかないほうが無難だ。もっとも，これらのキャンプは警備が厳重ではないので，殲滅していくという手もある（この場合，帰り道も安全だ）。
「Camp ONE」の襲撃後，敵のヘリが上空でこちらを探し始める。戦ってもあまり勝ち目はないので，見つかりそうになったら伏せよう
うまく「Camp TWO」に近づけたら，双眼鏡でよく観察しておこう。キャンプ周囲に数台のマシンガンが備え付けてあるので，まずはここから攻める。次に，キャンプに小隊がいるはずなので，これらを全員射殺する必要がある。これがうまくいったら，ヘリの近くにあるテントに行ってみよう。どうやらここに極秘文書があったようで，二次目的が達成となる。敵の残党に気をつけながら撤収地点に戻り，ボートに乗り込めばミッションの完全クリアとなる。
北からの攻撃を撃退し，RACS軍（コードネーム Marble）と合流してCorazol市を奪還する。
作戦目標
- ・配置された場所を保守し，敵の攻撃を打破する
- ・敵をCorazol市まで撤退させる
- ・市の支配権を掌握する
戦わずに伏せていれば，味方が頑張ってなんとかしてくれるかもしれないが，そんなチキンでは正直困る
このミッションでは，プレイヤーはリーダーではなく，マシンガン兵で始まる。ミッションは（1）の地点からスタートする。まずは北（Corazol方面）から押し寄せる敵軍を食い止めなければならない。リーダーの指示に従って行動しよう（2）。敵がある程度近づくまで引きつける作戦のようなので，すぐには発砲しないように。リーダーの「ALL UNITS OPEN FIRE! LET THEM HAVE IT!」という言葉を聞いたら攻撃開始だ。
しかしいくら倒しても，次から次へと怒涛のごとく押し寄せるSLA軍には，辟易することだろう。まもなく本部（Crossroad）から無線で，Marble（RACS軍）に甚大な被害が発生し，SLA軍の前線を突破できなかったことが告げられる。最初に与えられた目標は達成できなかったことになるが，どうやらこれは不可抗力のようである。
しばらくすると別の部隊Echo Oneから，「敵に包囲されそうだから応援に来てくれ」との連絡が入る。ここでトラックに乗り込み，Ortego市に向かうことに。そして「できる限り長く敵のOrtego市内への侵攻を阻止する」という，新しい目標が与えられる。
Ortego市に到着してトラックを降り，リーダーに着いていくと砂丘のような荒れた場所（3）に出る。ここで敵と遭遇するので，土塁に身を隠しながら戦おう。武器コンテナにさまざまな武器が収納されているので，武器を好きなものに変更してもよい。筆者はスナイパーライフルと対戦車ロケット砲を選んだ。
さらに東に移動して，側面から侵攻してくる敵を排除するといった目標も与えられる。何とか踏ん張って，砂丘に展開している敵をすべて排除したら，Dolores市で再編成を行うように指示が与えられる。近く（4）にトラックが来ているはずなので，それに乗り込むとミッションクリアとなる。
よーし，いったん引いて体勢を立て直すのだ。ようするに，また敗走である
ミッション「Beaten Dog」では，結果的にCorazol市を奪還するどころか，隣のOrtego市までもが敵の手中に落ちてしまう。もはや抜き差しならぬ状況に追い込まれてしまったようだ。ひょっとするとクリアできる目標もあるのかもしれないが，基本的にはまたも敗走ミッションのようだ。ストーリーの進行上，どうしても失敗となるミッションがあるのは「オペレーション フラッシュポイント」の頃からの伝統である。とにもかくにも，このミッションではOrtego南東の敵を排除し，生き延びることがクリアの条件だ。
AAN Networkの中継で，マリアンが指揮官のアームストロング大尉にインタビューをしている。大尉からは，今回の侵攻についてサーラニ民主共和国がいまだ公式声明を出していないこと，南サーラニ王国の国王ジョセフIII世が国際的な支援を要請したことなどが語られる。
アメリカがこの紛争に介入しているのは，その要請に応じてのことかとリポーターに聞かれ，さらに大尉は続ける。
「アメリカ軍と南サーラニ軍の双方に死傷者が出て，さらに市民の死者はおびただしい数にのぼろうとしている。ご存じのように，我々はこの国を侵略から守るためではなく，違う任務のためにここへやってきたのです。教練活動に従事した米軍部隊のほとんどは，すでに数日前に島を去っています。我々がさらに数日残留して現在ここにいるというのは，ただの偶然なのです」
軍事評論家は島を防衛するにはあまりに兵力が少ないと訴えているが，支援部隊はあるのか，とマリアンが問いただす。大尉は「その質問にはお答えできないが，現在我々が完全に戦局を統制していると断言しますよ」と返す。しかしマリアンの「でも増援部隊は要請しますよね？」という質問には「すでに答えている。どうもありがとう。あなた方は今すぐここを離れたほうがいい。SLA軍がいつやってくるか分からないぞ」と，インタビューを打ち切り，すたすたと去っていってしまった。もはや苛立ちが隠せないようである。
ここで，本日午後に撮影したという映像に切り替わり，マリアンが続けてレポートする。
「敵は重装備で，かつ非常に統制が取れているようです。午後になってアメリカ軍とRACSによる合同の反撃は失敗に終わり，アメリカ軍はDoloresへの撤退を余儀なくされた模様です。しかし今なお勇敢なアメリカ軍とRACSが，SLA軍の大規模な侵攻を阻止しようと奮闘しています。今後も可能な限り戦場付近の様子をお伝えしたいと思います……幸運をお祈りください。サーラニの戦場より，AAN Networkのマリアン・クアントがお送りしました」
