かつてFPSは,ひたすら楽しく撃ちまくる「スポーツ系」と,兵士版フライトシミュレータとでもいうべき「リアル系」とで,人気を二分していたといっても過言ではなかった。だが現在「リアル系」はすっかり衰退し,リリースされる本数はゼロに限りなく近づいてしまった。もっさりリアル系を愛する世界中のソルジャー達は,欲求不満の日々を過ごすこととなったのである。
その欲求が満たされるときが,ついに来た! 「アームド アサルト 日本語マニュアル付英語版」(以下,ArmA)は,ご存じ「オペレーション フラッシュポイント」のシステムと心意気を継承した作品で,シビアな現代戦をシミュレートした待望のリアル系FPSだ。死の嵐が吹き荒れる広大な戦場の中,一兵士の非力さ,無力さを心行くまで噛み締められるFPSである。
問題は,戦場で死の嵐に翻弄されるのには,かなりの苦痛が伴うことである。分かりやすくいうと,とても難しいゲームなのだ。また本作は英語版なので,英語が苦手な人の場合,何をしていいのかサッパリ分からないという事態に陥る恐れもある。実のところ,それは戦場では命取りだ。
しかし,そんな理由で本作に挫折してしまうのは,あまりにもったいない話ではないか。そこで本連載では「キャンペーン」に焦点を当て,要所の攻略とミッションブリーフィングの要約をしていく。よって
この連載にはネタバレ情報が満載なので,ご注意いただきたい。
ArmAには歩兵用の携帯武器,一般車両や兵器などの乗り物が,それぞれ30種類以上登場する。ただ銃を撃つだけではなく,死体などからの武器の回収や乗り物の運転/操縦といった行動が可能で,またマップ内は基本的に好き勝手に移動できる。キャンペーンは20以上のミッションで構成されているが,基本的にミッション達成のための手段は問われない。つまり一本道ではなく,かなり自由度が高いゲームだ。
ぶっちゃけ,命ある限り何をしてもいい。たとえ,スマートではないイレギュラーな方法だろうと,与えられた目的さえ達成できればいいのである。自分で体を張って次々に敵を倒しても良いし,RTSのごとく部下の指揮に集中してもいい。車両を奪って戦場をフルスピードで駆け巡り,敵兵を次々に轢き殺してもいいし,爆薬を仕掛けて敵の小隊をふっ飛ばしてもいい(いずれも,そう簡単にはできないが)。
そんな中で,本連載ではあくまでオーソドックスな方法による攻略ルートを紹介していく。
なおArmAのキャンペーンでは,「AAN World News」というニュース番組のリポートを軸に物語が進行していく。攻略記事でCGムービーまで解説する必要もないとは思うが,やはり英語が苦手な人にはさっぱりストーリーが分からなくなってしまうだろうから,これもごく端的に内容を紹介することにした。
舞台となるサーラニ島。横に長い北方と,菱形の南方の陸地をつなぐ,くびれの位置に「Corazol市」が存在する
のどかなサーラニの状況を,AAN World Newsの特派員マリアンがリポートしている。大西洋に浮かぶ孤島,南北の二国はかつての緊張を忘れたかのようで,近年は平和を保っている。この平和をより永続的なものにしようと,アメリカ軍が教練活動のため南サーラニ王国軍にやってきた。
マリアンは訓練を監督しているアメリカ軍兵士に,サーラニについてのインタビューを試みる。この兵士にとってサーラニはとにかく暑いということ以外,とくに印象はないようだ。あと1週間で任務を終えて本国に帰れるため,故郷のみんなに手を振って挨拶をしている。退屈な島国での教練任務から解放されるとあって,浮き足立っているようだ。
次のミッション「Transport」で分かることだが,この兵士の名前はゴードンである。実はこのキャンペーンでは,この名前がちょっとした役目を持っている。頭の片隅にでも,この名前を覚えておくといいかもしれない。
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| あったかいし,平和だし,もうすぐ本国に帰れるしで,すっかりリラックスする米兵達。テレビのインタビューにも手を振って応える。ま,もうすぐそんな彼らも…… |
「銃声が聞こえた」という報告を受け,現場のCorazol市に急行する2台のハンヴィー。ある意味すでにゲームは始まっているのだが,びっくりするくらいの長距離を,車両の中で何もできないまま過ごすことになる。このゲームにはよくあることだ
キャンペーン最初のミッションとなるTransportだが,このミッションにはブリーフィングがない。その理由は簡単で,平和だからである。Foxrot1小隊の兵士達は退屈でしょうがなく,とっとと本国に帰りたいと思っているわけだ。ハンヴィーに乗って移動中のアメリカ兵達は,先日のAAN World Newsのことを話している。
「な〜にが地上の楽園だよ,ここに半年も滞在してからそんなこと言えってんだ」
「インタビューされていたの,第二小隊のゴードンだよな? 今頃,第二小隊の連中はカリフォルニアに帰って英雄としてもてはやされてるぜ」
「俺達にも早く帰還命令が出ないかねぇ」
「まぁ,あと1〜2週間はここに滞在するってことになってるな」
……などと愚痴まじりにしゃべっている。そこに本部(Crossroad)からの無線が入ってくる。Corazol市内で銃声が聞こえたとの報告があり,状況を調べてくれとのこと。Corazolに行き,ハンヴィーから降車するまではスクリプトによって自動進行する。
そんなわけで,「銃声」が聞こえたというCorazol市内の状況を把握するため,Foxrot1小隊が現場に急行する。隊員の中には銃声と聞いても半信半疑の者もいて,「花火でもしてんじゃないのか」という声すら聞こえてくる。とはいえ,いよいよミッションらしくなってきたではないか。
あまり迷う余地もないミッションだが,一応チェックポイントにナンバリングしてみた。新米ソルジャーは攻略に役立ててほしい
Corazol市のはずれ(1)でハンヴィーから降りたら,ここからがプレイヤーの操作となる。まずはリーダーに追従して市街中心部(2)に向かうが,すぐに小隊は何者かから奇襲を受けることになるはずだ。そう,相手は北のサーラニ民主共和国,サーラニ解放軍(SLA)ではないか! 誰だよ,「花火でもしてるんじゃねーの」とか言ってたやつは!
武装したSLA,しかも装甲車や戦車までいる。予想をはるかに超えた規模のSLA軍との交戦状態になり,十分な備えもないまま仲間達はバタバタと倒れていくことに。さっそくKIA(戦死)したい人以外は,姿勢を低く保ち,被弾の確率を下げつつ移動しよう。チャンスがあれば応戦してもいいが,このミッションでの目的は,とにもかくにも「生き延びること」にある。
敵の主力戦車,T-72までもがCorazol市内に! こ,これは本格的な侵攻作戦だ。ちなみにこのミッションで,ここまで戦車の近くまで接近することは普通ない。ママー!
敵部隊にはBMPやT-72までおり,小隊が乗ってきたハンヴィーはなすすべもなく破壊されてしまう。近くにいると巻き添えを食ってしまう恐れがあるので,ハンヴィーとは距離を置くように。しばらくするとリーダーから一時退却の命令が出るので,指定のポイント(3)に移動する。ここでも迫り来るSLA兵に銃撃される恐れがあるので,常に姿勢を低くして襲撃に備えたい。
押し寄せるSLA軍に対抗する手段がないため,Crossroadから撤退命令が出る。サーラニ王立陸軍(RACS)のM113が指定された場所(4)に回収に来てくれるので,それに乗り込んでOrtego方面に退避すればミッション終了となる。初っ端から,なんともみじめなミッションだ。
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| 最後はひたすら走って逃げるという,最高かっこいい展開が待ち受けている。まぁ,「その場で敵を撃退しろ」と言われるよりはマシだと思って,一生懸命走ろう |
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| 本作の魅力は,ある程度自由に振る舞える点。敵兵の死体からRPGを奪い取って,戦車や歩兵戦闘車にたった一人で戦いを挑んでもいいのだ。まあ,たぶん死ぬけど |

AAN美人リポーターのマリアンも,その下膨れな顔には決して出さないが,「こんなことなら来るんじゃなかった」と心底思っているに違いない。サーラニ島は戦場となったのだ
Corazol市で起きた突然の事件について,マリアンがリポートしている。Corazol市が大規模な攻撃を受け,占領されたことを告げる。公式な情報は得られていないが,明らかにサーラニ民主共和国による南サーラニ王国への武力侵攻である,と伝えている。
ここまではミッションというより,キャンペーン全体のオープニングと思っていいだろう。実際,ゲームシステムさえ理解していれば,普通に遊ぶ限り「Transport」がクリアできないということは,ないだろう。撤退が性に合わないという人は,敵の侵攻に一人で立ち向かってもいいのだが,ほかの隊員はみんなM113の合流地点でイライラしながら待っているはずので,まあほどほどに。
以上のような流れで,Carazol市での出来事をきっかけに,南北両国がアメリカも巻き込んで戦争状態に突入する。「Breaking News」が終わると,初めて戦略マップが登場し,本格的なミッションが始まることになる。そんなわけで攻略も,次回から本格的な内容となっていくのでお楽しみに。今後は1回につき攻略マップを1面,つまりメインミッション一つとサブミッション二つずつを攻略していく予定だ。
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ArmAでは非常に多くの武器が用意されているが,その中でも多くの兵科で基本装備となるのが「アサルトライフル」だ。ArmAをプレイするうえで,最も身近で頼りになる装備である。今回はArmAに登場する各軍に,標準で用意されているアサルトライフルについて解説しよう。ちなみにArmAに登場する銃は,「基本の銃器名+アクセサリ名」という形(例:「M4A1 M203 ACOG」なら,M4A1ライフル+M203グレネードランチャー+4倍率スコープ)で表記されている。そのアクセサリについても簡単な解説をしておいたので,参考にしてもらいたい。

M4は,歩兵の機動性の確保のため,M16A2の全長を短くして軽量化したもの。このような,全長を短くした小銃をカービン銃ともいう。銃身が短いため取り回しがきき,市街戦や特殊任務での使用に向いている。世界中の多くの軍隊で採用されており,非常にポピュラーな銃である。M4はセミオート(※引き金を引くと1発射出される)とバースト(引き金を引くと3発射出される)で使用可能で,M4A1はバーストがフルオート(引き金を引くと連射される)に変更されたモデル。
アクセサリ:M203,ACOG,Aimpoint,CompM2,QDS
M4,M4A1用のアクセサリはArmAでも多く登場し,一部はM16Aでも使用可能だ。M203(またはGLと表記されることもある)はアルミ製の40mmグレネードランチャーで,射程は150m程度(ArmAではそれ以上飛んでる気がする……)。ArmAでは榴弾のほか,白/赤/緑/黄の照明弾も用意されている。
AimpointとComp M2はどちらも同じ照準器で,Aimpoint社が開発したダットサイト(無倍率のスコープ)だ。ダットサイトは,単純なアイアンサイト(照星と照門)の代わりに使用するもので,照準内に表示される光の点を目標に合わせて使用する。銃身やマズルフラッシュによって視界が遮られることなく目標を狙えるという点で有効だ。
ACOGは,Trijicon社が開発した4倍率の光学スコープで,中〜長距離の目標を狙撃するのに適している。
QDSはM4A1の銃口に装着するサプレッサー(サイレンサー,消音器)で,射撃時の発射音を低減するために使用する。

- M16A2
- M16A4
- G36
- G36K
- G36C
アメリカ軍が1965年のベトナム戦争時に採用したM16は,それまでM14などで使用していた7.62mm弾に代わって5.56×45�价討鮑陵僂掘ぞ�口径アサルトライフルの先駆けとなった銃だ。小口径化に伴い持ち運べる弾数が増加し,発射時の衝撃も小さくなるなどさまざまな利点があった。RACSが使用するM16A2は,貫通力を高めるためのM855スチール芯弾(口径は同じ)を採用するなど,M16に改良を加えたものだ。なおパッチ1.04以降で,アメリカ軍にM16A4が追加されている。M16A2,A4共にセミ/バーストでの使用が可能。
アクセサリについては,M4を参照のこと。
G36はドイツH&K社のアサルトライフルで,5.56×45�价討鮖藩僂垢襦I現爐�3.5倍のスコープと無倍率のダットサイトという,2段の光学照準器が装備されている。ただしArmAではどのモデルも3.5倍のスコープしか使えないようだ。砂塵や水に強く,過酷な条件下での信頼性が高い。G36KはG36の銃身を短くしたモデルで,G36Cはそれをさらに短くした,最もコンパクトなモデルである。いずれもセミ/バースト/フルオートで使用可能。

南のRACSが西側寄りの装備なのに対して,SLAは明らかに東寄りの装備だ。カラシニコフ銃と呼ばれる,ソ連生まれのAK-47のファミリーは,世界中で最も多く生産され,非常に多くのバリエーションがあるアサルトライフル。初期に生産されたAK-47は7.62×39mm弾を使用するため,殺傷能力は高いものの発射時の反動が大きく,長距離射撃での精度は比較的低いものだった。命中精度よりも“確実に動作すること”を念頭に開発されており,その信頼性の高さが売りである。温度変化による金属の変形や砂塵の浸入,あるいは粗雑な部品を組み込んでも動作するため,熱帯雨林や砂漠地帯など,過酷な使用条件下での信頼性が高く,製造コストも安い。そのため世界中でライセンス品や密造品が生産されている。日本では不完全ながらオウム真理教が製造したことでも話題になった。
ArmAにも登場するAK-74は,それまでの基幹小銃だったAK-47に代わってソ連軍に制式採用された,5.45×39�价討鮖藩僂垢襯▲汽襯肇薀ぅ侫襦�M16ファミリーに倣って口径を小さくしたことで,発射時の反動が小さくなり命中精度が上がる,発射初速が速いので貫通力が増す,射程距離が伸びるなどの恩恵を得た。これに加えて,マズルサプレッサーが大型化されているので,より発射時の反動が小さくなっている。
AKS-74Uは銃床が折りたためるAKS-74の銃身を,さらに短くしたもの。AKS-74UNは,AKS-74Uに暗視スコープを装着できるようにしたものだ。アクセサリのPBS-4は,サプレッサーである。