― 特集 ―
大航海時代 Online,その過去と未来

Text by Kazuhisa / Photo by kiki 

 

 


4Gamer
 しかし洋服はデザインもさることながら,試着がいいですよね。結構斬新なシステムではないかと思うんですが。アレのせいなのか着るアイテムが多いせいなのか,女性でプレイしてる人はみんなまず新しい街に着いたら道具屋をチェックするっていう。

これがNPC商人で行える「試着」機能(真ん中下のボタン参照)。試着ボタンを押すと,購入予定のアイテムを実際に身につけて具合を確認できる。早くバザールにも試着機能が欲しい……と書いたら,いきなり4月27日のパッチで実装された。記事が後手に回るという恥ずかしい事態に
竹田氏
 普通そうじゃないですか? 服売ってたら「やたっ」って。

4Gamer
 え。先に交易所を探す私がおかしいんですかね……。というか,最初にあの案を出した人はどなたですか?

渥美氏
 あれはCGディレクターだったかな?

竹田氏
 そうです。プログラマーからすると非難ごうごうなんですけど(笑)。一見簡単そうですが,実は面倒なんですよ,あの処理。

4Gamer
 今までに例がないんだから,やっぱり面倒なんでしょうねぇ。試着さえできないものにはバツが着いてて,あれがまた余計に。

松原氏
 というと?

4Gamer
 まったく見えないと面白くもなんともないんですけどね。存在も分からないし。見えてるけど着られないっていうのが,なんだかそそられますよね。次はあれを! っていう。

渥美氏
 バザールで試着できないのを改善してほしいっていう要望は多いですね(編注:これまた4月27日のパッチで実装済)。

4Gamer
 すごく同意できます。

渥美氏
 なんとかしたいな,と思ってるんですけどなかなか難しく。

会田氏:
 露天には更衣室がないっていうことで一つ。

胡椒やらレアアイテムやら高レベルの生産物やら,すっかり高価な売りアイテムも目立ち始めた本作。このあとどんな要素が入って,どんなシステムに変わって,どんなゲームに仕上がっていくのか。一人のプレイヤーとして期待していきたい
松原氏
 なるほど。

渥美氏
 それは言えますね。

4Gamer
 いや,納得しないでくださいよ。でも何気なく描き込みがすごいですよね,どの服も。あれは女性が……?

竹田氏
 ええ,そうです。飾り物とか洋服とか,ほとんど女性デザイナーですね。色も変えられるようにしてありますしね。

4Gamer
 やはりそうなんですか。あの仕事の細かさと凝りようは……と思ったんですが。風合いとか小道具とか。

竹田氏
 街歩いてても,コーディネートがビシッと決まった人とか,なんかどうでもいい適当な格好で歩いてる人とかいて,二極端で面白いですね。嗜好の違いというか。

4Gamer
 決めようと思ったらかなり凝れますしね,これ。って,すいません,いつの間にか2時間30分も経ってました。

松原氏
 もう外暗いですよ(笑)。

4Gamer
 インタビューのはずだったのに,どうしてこんなに座談会風になっちゃったんだろう。まぁこれはこれでいいですが。

渥美氏
 まとまるんですか?

4Gamer
 うーん,自信ないな……。では最後に締めで,お三方から読者に向けて何かメッセージをお願いします。「大航海時代はここを見てくれ!」というアピールポイントとか。

渥美氏
 みんなが気持ちよくプレイできることを目指してます。お金儲けるのも比較的楽ですし,レベル成長も早いですし。それであるがゆえに,一部のプレイヤーが"やり尽くした"状態になるのが早いかもしれません。
 それに対して私達ができることは,やはり新しい要素ことを足していくことです。そこで楽なほうにいくなら,ゲームの難度を締め付けるのがいいと思うんですよ。なかなか進まなくすれば寿命も延びますし。でも,そういうことはしたくない。新しい楽しみや遊び方を足していくことに全力を尽くしていきます。今後ともぜひ大航海時代をよろしくお願いします。

松原氏
 全部言われたな(笑)。このゲームは,戦うだけじゃない,どの職業で遊んでも楽しい,そういうオンラインゲームということで受け入れられてるんだと思います。このウリを損なわないように,ブレーキをかけることなく,みなが気持ちよく楽しめる順風満帆で航海してるし,ぜひこの流れは続けていきたいですね。これをどうキープして,どう発展させていくのか,それが我々の課題だと思います。がんばります。

竹田氏
 いまだに手探りをしている部分があるんですよ,いっぱい。本当にこれでよかったのかな,とか。でもね,自分で遊んでて楽しいというのが,もっとも誇れるところかな,と思ってます。自分で面白くもないものを"仕事"で作るんじゃなくて。
 このゲームって確かにソロで遊べるようには作ったんですけど,ホントにソロで遊んでる人が多いですよね。でもせっかくのオンラインゲーム,それじゃもったいないし。もっと気軽に誰かとしゃべってプレイして友達になれるようなものを,今後システムとして実装していきたいな,と思ってます。人としゃべること自体が,ゲームを続けることのモチベーションになるでしょうし,そういう部分も,もっと広げていきたいです。

4Gamer
 キレイに締めていただいて嬉しいです。今日は長々とありがとうございました。

―――2005年4月11日。コーエー本社にて。



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