Text by Kazuhisa / Photo by kiki

会田氏:
そういえばずいぶんプレイしていただけていると聞きましたが。
4Gamer:
とりあえずEurosでやってます。生産が好きなので,戦闘ほとんどしないで,交易と生産ばかりですけど。コアタイムのリスボンとかロンドンとかエラい混んでますよね。
渥美氏:
お,Eurosなんですね。どこもほとんど差はないんですけど,あれでも,あそこが一番空いているんですよ。
松原氏:
多い順に,Noto,Zephy,Eurosの順かな,今。
4Gamer:
そういえばEurosだけ「やや混雑」だったりすることもありますね。
渥美氏:
でも,おかげさまでどのワールドも盛況なので,とくに大海戦とか芋洗い状態になっちゃって申し訳なくて……。
4Gamer:
ビジネス的にもだいぶ調子良いと聞いてますよ。
渥美氏:
いま(編注:2004年4月11日時点)3万7000人くらいですね。
4Gamer:
順調ですねぇ。
松原氏:
おかげさまで。グラフを見るのが最近の毎日の楽しみです。
渥美氏:
正式サービス開始時に3万1000人くらいだったんですよ。そこから6000人くらい増えてますね。1か月くらいで6000人なので,まぁ順調かな。ダウンロードしてくださる人も,いまでも一日1000人くらいいますし。
松原氏:
その1000名の方が,大体2週間後(編注:体験期間が2週間)に2割くらいは残ってくれてる感じですかねえ。
 | | 今でこそ初期開始組は世界各国に散っているが,始まった当初は,リスボンやロンドンなどの首都は大混雑。オープン開始間もないころの,リスボン交易所前。交易所のNPCがクリックできないこともしばしば…… |
4Gamer:
残存率20%って妙に高くないですか。
渥美氏:
いや,もうちょっと高い数字ですよ,今は。25%越えていますね。
4Gamer:
サーバーとかきつくないんですか?
松原氏:
ハードウェア的には全然問題ありませんね。CPU Busy率とか注意してますが。いまのところはもうちょっと大丈夫だと思います。
まぁでもビジネス的なものや,ユーザーさんのことを考えた場合には,「次はいつにしようかな」と考えなきゃいけないな,と。ずっと3ワールドというわけにもいきませんしね。
4Gamer:
結構混んでますよね,大きい街はいつ行っても。負荷も高そう。
松原氏:
一番負荷かかってたのは,プレオープンのときだったかな。
渥美氏:
"ピークの同時接続数"という意味だと,確かにプレオープンのときですね。正式サービスが始まってからも,そんなに落ち込んではいないんですけどね……。10%くらいかな,減った数字は。
4Gamer:
オープンβから製品版に移行したときに,明らかに「人が減ったなぁ」と思わないMMOは久々ですよ。
松原氏:
プレオープンのときにかなりパツパツの状態でやってて,「追加しようかどうしようか」ってずいぶん悩んでたんですよ。でも正式サービスのときに人が減るのは分かってるし当たり前なので,それが怖かったんですよね。
ビジネス的に,というよりは,プレイヤーが面白くないですよね,人が拡散して少なくなっちゃって。それを避けたかったので,ハードウェアにがんばってもらいました。
4Gamer:
そういう意味ではちょうどいい感じなんですかね,今。
松原氏:
ええ。プレオープンのときは,毎日毎日「追加しなきゃダメかな」「平気かな」とかやってましたよ,みんなで。
竹田氏:
しかも真夜中に(笑)。
4Gamer:
スタンバイはしてあって,火を入れるだけなんですよね?
松原氏:
ええ,もちろん。で,真夜中に様子みながらみんなでチャットしながら集まって。この同時接続数なら大丈夫かなぁ,とか。
 | | こちらはほぼ同じ時期でのロンドン。鉱物系資源の豊富な北欧は,大砲などのバザールがとても盛ん。他国より安い価格で大砲が出回っていて,ポルトガル育ちの筆者もたびたび買い物のために訪れている |
4Gamer:
でもかなり優秀なコアエンジンだと思います,これ。
松原氏:
ありがとうございます。サーバーとして作りが非常に安定してますね。助かってます。プレオープンの混んでるときでさえ安定してましたし。大海戦は,まぁ,あの……。
渥美氏:
まぁあれは負荷とは別のサーバー側の不具合でしたし……。
松原氏:
そうだね。性能不足で落ちたわけじゃなかったんですけど,タイミングが悪くて。我々も一瞬「性能の問題か?」と思ったんですけど,実際は違ったんですよ。ちなみに当たり前ですが,もう直しました。
4Gamer:
あぁ,あれは単なる不具合だったんですか。
松原氏:
ええ。タイミングがタイミングなので「不安定なサーバー」という印象を持たれたかもしれませんけど,実際は違います。プレオープン以前から結構キッチリ作ってきましたし。同時接続数なんかも……どれくらいいくんだっけ,今。
渥美氏:
1ワールドあたり7000人ですね。
4Gamer:
結構いきますねぇ。そういえば,ゾーニングでサーバー変わるタイミングも結構スムースで好きですよ。ちっとも待たされた感がないというか。
松原氏:
ええ。まぁ信Onも同じものなんですけど,データベースサーバーの作りとかが全然違うので,一概に「同じもの」とはいえませんけどね。1キャラクターが持つ情報量とか。それもあって,信Onは5000人同時接続可,というスペックになってます。
松原氏:
開発側から言うとね,ぜひシームレスでいきたかったんですけどね。
竹田氏:
ええ,本当は。
松原氏:
できる範囲で安定してて,って考えていっていまの形に落ち着いたんですよね。
竹田氏:
もっと本当言うと,街の中と海さえシームレスにしたいって要望もあったんですけどね。さすがに難しかったです。
4Gamer:
それできてたらすごいですねぇ。港に座って釣りして,行き交う船を眺めるだけでも楽しそうだ。
竹田氏:
でも船のサイズとの対比とか考えると,ちょっと無理かなぁ。サイズをリアルに全部合わせたりすると,たぶん航海にとんでもない時間が(笑)。
4Gamer:
あぁ,"時間がなくても遊べる"コンセプトが破綻しちゃいますね。
竹田氏:
バッチリ破綻しますね。誰も遊んでくれなさそう。
 | | 大海戦での一こま。さすがに強烈なラグで船の"ワープ"も激しく,悪条件に見舞われることもあったが,それをものともせずに楽しむプレイヤー達が印象的。砲弾や修理資材を配る船,それを沈めようとする船,敵軍ど真ん中を突っ切ってガレー船で肉弾戦を挑む船……みなそれぞれに楽しそうだ |
4Gamer:
船といえば,あの船,なんだか異様に細かい見えないところまで描いてませんか?
竹田氏:
う。
4Gamer:
角度によって,船の中が輪切り状態で見えるんですけど,樽とかロープとかわざわざ配置してありますよね。あれっていつか将来的に使われるデータなんですか?
渥美氏:
ほら突つかれた(笑)。
竹田氏:
そういうわけじゃないんですけど……。
4Gamer:
いやいや。すごい期待しちゃいますよ,あれ。中に人が乗ってて動いててもおかしくないくらい描いてあるし(笑)。
竹田氏:
最初はもうちょっとのっぺりしてたんですよ,船も。でもおっしゃるように角度とかで輪切りに見えちゃうこともあるし,そのときに空洞じゃあんまりだろう,ということで,最後の最後に描き込みしたんですよ。……ってでも確かに,あれ見ると使われそうな誤解を与えるかも。
4Gamer:
妄想たくましくなりますよ,あの描き込み具合。"きっと何かできるんだ"って。
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