4Gamer:
新しい遊びの提供とは,一体どのようなものになるんですか?
渥美氏:
ちょっと待ってください(笑)。パッチの項目があまりにも多く,一言では表現できないので,まずは国籍から話させてください。まぁ以前からお伝えしているとおり,ヴェネツィア,ネーデルランド,そしてフランス。この3国を追加します。
ヴェネツィアに関しては,すぐ目の前が危険海域である東地中海ということで,所属プレイヤーはちょっと変わったプレイ感覚を味わえるんじゃないかなと思います。シナリオ的なテーマは,「斜陽な国を支える」といったところでしょうか。
4Gamer:
ほうほう,らしくていいですねぇ。
渥美氏:
ネーデルランドに関しては,隣国がイングランドになるので,そことどう協調しながら,あるいはどう対抗しながらプレイしていくかがポイントになると思います。ネーデルランド周辺の北海,黒海は,生産に従事している人ならご存じだと思うんですが,なかなか美味しい地域なので,新興国の割には比較的成長しやすい国家……,かもしれないですよね。シナリオのテーマは,「イスパニアとの独立抗争」といったところですかね。
フランスに関しては,本拠地のマルセイユと,ボルドーやナント,カレーといった拠点が分断された形になっているので,その辺りがゲーム展開のポイントになりそうですね。シナリオ的には,結構皆さんのイメージどおり,華麗なる貴族社会的な背景が大きく関わってくるものになります。
4Gamer:
それぞれテーマというか,ロールプレイの材料になりそうな設定があっていいですねぇ。
竹田氏:
ネーデルランドは,とにかく熱いですね。
渥美氏:
独立抗争に懸ける青年達の群像劇,みたいな。
竹田氏:
たぶん,ネーデルランドでゲームを開始したら,状況的にもかなり抑圧されることになると思うんですよ。その中でどう団結していくか。志は同じなんだけど,方法は違う,みたいな諍いがあったりして。ある意味プレイヤー間の状況にも似ているから,面白いかもしれませんね。
渥美氏:
イングランドでプレイしていた人からすれば,ネーデルランドのシナリオは「なるほど」と思えるものに仕上がっていると思います。登場人物も一部絡んでいますし,イングランドの裏シナリオ的な見方もできるでしょうね。
渥美氏:
新国籍の追加と同じくらい大きいのが,新しい町が多数追加されることでしょうね。町に関してはこちらの秘蔵のリストを見てもらったほうが早いかな(と言いながら,大航海時代の極秘情報が満載されているだろう「秘蔵のリスト」を取り出す)。
4Gamer:
おっ!これがその「秘蔵のリスト」ですね?
渥美氏:
インド,新大陸方面,アフリカ方面,黒海。そのあたりを中心に,新しい町を追加していきます。
4Gamer:
これまで何もなかったか,補給港しかなかったところに,新しい町が追加されるわけですね。補給港のくせに,やけに立派な町とかありましたけど。
渥美氏:
もう怪しさ満点でしたからね(笑)。まあ,そういうところに新しい町が入ってくると。そして当然,名産品や交易品でも,今まで見たことのないようなものが追加されます。
竹田氏:
これまでは高レベル者だけが発掘できていたような品物が,実はこの町で売っている交易品だったんですよ,みたいなものもいくつか追加しています。また,生産の材料にはなっているのに,購入できなかった物に関しても,販売されるようになりますね。もう掘ってもらわなくても材料を揃えられるようになります。
渥美氏:
もちろん,新規国の本拠地にもそれぞれ新しい交易品が追加されます。ヴェネツィアの交易品っていったらコショウですけれど,まぁ,他の国の本拠地にも面白い交易品が追加されますので。
4Gamer:
新しい交易品は,いきなり購入できちゃうんですか?
竹田氏:
どうしようかな,と思っているんですけどね。ゲームバランスにも大きく影響しちゃうところなので,今悩んでいるところです。新規国はある程度有利にしないと,従来の国に追いつけないですからねぇ。
4Gamer:
普通に考えたらあまりにも不利ですからね。
竹田氏:
新規国は,最初のうちは無税とかにしないと,多分つらすぎると思うので,期間限定とかで対応したいんですよね。
4Gamer:
町や新規国の追加でゲームバランスが変化すれば,亡命システムを利用する人も増えそうですね。亡命は,具体的にはどのような手順で行うものなんですか?
渥美氏:
条件は厳しめに設定していて,名声がかなり高くないと亡命できないようになっています。
竹田氏:
また,元々所属していた国よりも,勢力の小さい国にしか亡命できないようになっています。
4Gamer:
事実上,バランス取りの一環と言えそうですね。
竹田氏:
それもありますね。ひとまずプレイヤーの集中を避ける意味でも,この仕様で様子を見てみようかと。
4Gamer:
亡命するときに,特定のクエストをクリアしなければならない,といったような条件はないんですか?
竹田氏:
それはないんですけど,失うものもありますので。やっぱり名声に傷は付きますよね,亡命するわけだから。当然元いた国からは恨まれるようにもなりますし。
4Gamer:
なるほどなるほど,微妙な表現ですが,理解できました。
竹田氏:
かつての本拠地に近寄ったら討伐艦隊が出てきた,みたいなこともあるかもしれませんね(笑)。そういうわけなので,ある程度強い人じゃないと,亡命したはいいが,身動きがとりづらくなってしまう状況もあり得ます。
4Gamer:
これまでの話を聞いて思ったんですが,新国家に所属しても,戦闘系の人に対してのメリットはあんまりなさそうですね。
竹田氏:
大海戦イベントでも,いきなり新国家が勝つのは難しいかもしれませんが、腕の立つ軍人の方にとっては自分の力で小さな国を大きくしていく醍醐味は存分に味わえると思います。
まぁ,追い追い外交的なシステムを盛り込むことで,新国家に所属しやすい状況を作ろうとは考えています。これまでは三つ巴的な勢力バランスでしたけれど,倍の6か国になれば,勢力図がもっと複雑になってきますよね,史実を見ても分かりますけど。そういうところを,うまく表現していければいいなぁと思っています。
4Gamer:
本作をプレイしている人って,思った以上に"愛国心"の強い人が多いですからね。
渥美氏:
そうですね。それはありますね。
4Gamer:
「ごめんなさい,イングランドの人には売れません」とかいうバザール,ざらにありますからね(笑)。そういうプレイヤー達のロールプレイを盛り上げたり,モチベーションを高めたりする意味でも,外交要素は興味深い仕様になるのかも。
竹田氏:
具体的な仕様はまだ固まっていないんですけど,新国家がある程度成長してきて,どの程度の数のプレイヤーが流れるかを確認できたら,ぜひ実現したいシステムです。