4Gamer:
傾奇者をはじめとする今回の追加要素を見ていると,全体的にキャッチーですよね。見た目のインパクトを重視しているというか。
松原氏:
「飛龍の章」がシステムを重視した作りだったので,今回は間口を広げることを意識していますね。
4Gamer:
「新参者ゾーン」の追加というのも,その一つですね。
松原氏:
新しく参加する人に対してもっとハードルを下げよう,もっと入りやすくしようと思い,新参者ゾーンを用意しました。MMO初心者が陥りやすい「何やっていいか分からない」という状況をなくして,どうやって遊んでいいかをより分かりやすく提示したかったんです。
4Gamer:
ただ,信長の野望 Onlineはもともと,新規プレイヤーに対して結構やさしいと思うんですよ。世の中には,いくらでも初心者に対して不親切なゲームがありますしね。どうしてまた,わざわざ一つのゾーンを作ってまで,チュートリアルをさらに充実させたのでしょうか?
松原氏:
今まで,信長の野望 Onlineなどのオンラインゲームをプレイされる方って,多少なりともどこかでオンラインゲームのプレイ経験がある人か,あるいは,ある程度の難しさは分かっていて,そこからさらに吸収しようという前向きなマインドを持った方が多かったと思うんです。
しかし信長の野望 Onlineのサービスインから3年が経って,オンラインゲームもより身近なものになりました。そうなるともっともっとカジュアルな方が入ってくると思うんですよね。そういった方達に本作を広めるためには,より入りやすくしていくことが大事だろうと考えています。
4Gamer:
なるほど,確かにここ1年でもずいぶん状況が変わっていますからね。では,この「新参者ゾーン」というのは,具体的にはどんなゾーンなんでしょうか?
山中氏:
まぁ簡単に言えば,クエストを次々こなすと,自然にレベルが上がっていくゾーンですね。
松原氏:
どこの国にもつながっていないので,合戦とかはありません。新しいキャラを作ると,みんなそこに行くんですよ。
4Gamer:
一応確認ですが,傾奇者以外の職業でも,新規に作れば新参者ゾーンから始まるわけですよね。
山中氏:
ええ,そうです。
4Gamer:
では,破天の章を導入していないプレイヤーが新規キャラクターを作成した場合はどうなりますか?
松原氏:
破天の章の発売以降なら,同様に新参者ゾーンから始まりますね。もちろん,傾奇者のキャラクターを作成できないなどの制限はありますが。
4Gamer:
このゾーンには,どれくらいのレベルまでいられるんでしょうか。
山中氏:
いつでも出られますし,いつまでもいられるのですが,レベル20〜25で成長速度が下がってくるので,そのあたりが限界といってもいいでしょうね。
4Gamer:
あ,でもそんなに長くいられるんですね。かなり広いんですか?
山中氏:
街があってフィールドがあって,さらにダンジョンが数個あります。
松原氏:
信長の野望 Onlineでできる,ほとんどのことをここで体験できるように作っています。生産関連もですね。寄合所もすべてありますし。
4Gamer:
勢力に仕官できるのは新参者ゾーンを出るときですから,勢力に関係すること以外はほぼすべてできるって感じですね。
この新参者ゾーンに用意されたクエストは,すべて新しいものでしょうか?
山中氏:
はい,新しく作りました。かなりの数を用意していまして,レベル10台中盤くらいまでは,連鎖していくクエストを続けるだけでレベルアップできますよ。
4Gamer:
それはつまり,ソロでもクリアできるクエストが多いということでしょうか。これまでに比べて,ある程度まではソロでもキャラクターを育てることができるとか?
松原氏:
そうですね。逆に,徒党でのプレイを楽しみたい人は,早めに新参者ゾーンから出てしまっても,まったく構いません。
4Gamer:
なるほど,分かりました。続いて“新ダンジョン”について聞いていきます。
発表会で流されたムービーに出てきたモンスターが,従来の和風の雰囲気からは少し外れ,西洋のドラゴンのような姿だったのが気になったのですが。
松原氏:
あ,私もそう思ってるんですが,いままでとちょっと違いますよね。キングギドラ的な(笑)。ほかにもチラホラ,南蛮風なデザインのモンスターがいますよ。
4Gamer:
そのあたりも,傾奇者的な破天荒さをテーマにした今回の拡張パックらしい部分といえるかもしれませんね。
ところでこの“新ダンジョン”は「侵攻攻略方式」とのことですが,つまり,星野山方式ですか?
山中氏:
ええ,同じ仕組みですね。ボスを倒すごとに先に進めるようになっています。
松原氏:
飛龍の章のときに追加されたイザナミ系のダンジョンと違って,徒党ごとにダンジョンが用意されるインスタンスシステムですので,上級者用のコンテンツにもかかわらず“待ち”が発生しない。それが大きな特徴です。高レベルのユーザーさんがせっかくやろうとしているのに取り合いになる,というのを回避できると思います。
4Gamer:
高レベルキャラクター向けとのことですが,具体的にはどれくらいのレベルで挑戦できますか?
山中氏:
それも星野山と同じくらいです。
4Gamer:
これって攻略に数十人のプレイヤーが必要だったりしますか?
山中氏:
いえ,そういうものではありません。1徒党専用のダンジョンですので。
4Gamer:
ああ,そうでした。すでにある程度の強さになっている徒党が,その腕試しの場としてよいダンジョン,という感じですね。期待しています。
では次の要素,“楽市楽座”についてですが,つまりこれ,自分でお店を開けるんですよね。
松原氏:
武家屋敷を持っていることが条件です。売るだけでなくて希望品の買い取りも可能です。
4Gamer:
売られていたり,買い取り希望が出ていたりするものは,ブラウザのようなもので検索できるというお話でしたね。具体的には,どのように検索するのでしょう?
松原氏:
町ごとに,専用のNPCがいるんですよ。彼ら経由で,検索できます。
4Gamer:
それって,その町限定の検索ですか? それともサーバー全体の中から検索できるのでしょうか。
山中氏:
サーバー全体から検索できますよ。
4Gamer:
おお,それは便利ですね。ただ,売買時にはその店にジャンプできるという話でしたが,そうなるとワープしてしまいませんか?
山中氏:
いや,売買が終了すると,元の場所に戻ってくる形になっています。なのでその点は問題ないですね。
4Gamer:
なるほど,そういうことですか。ともあれ,新しいシステムによって,対人の売買がずいぶん変わりそうですね。今までは,自分のキャラクターに持たせて,値段を付けて,両替前でお客さんを待つ,というのが基本だったわけですが。
松原氏:
はい。「オフラインでも売り買いができるようにしてほしい」という要望も強く,今回導入することにしました。ただ,両替商前の人だかりというのは,ある意味信長の野望 Onlineの風物詩だったので,それは続けたいですね。売り子のシステムが無くなるわけではないので,うまく住み分けができるようになってくれれば,面白いでしょうね。
4Gamer:
そういえば,今回モバイルサービスについても発表されましたが,それを使ってお店の状況を確認できたりするんでしょうか?
山中氏:
モバイルサービスの開始当初にはできませんが,将来的にはできるようにしたいですね。
4Gamer:
せっかくオフラインで売り買いできるんだから,ゲーム外からでも確認できるといいですよね。期待しています。
さて,次の質問です。武家屋敷にはインタラクションが可能な家具も追加されるということですが,具体的にはどのようなものでしょうか。
山中氏:
音が出たり動いたりする家具とか,メッセージが残せる机などを考えています。
4Gamer:
つまりそれって,やってきたお客さんを楽しませたり,お客さんとコミュニケーションをとったりするための仕掛け,ですか?
山中氏:
はい,そうです。
4Gamer:
なるほど,飾り付け甲斐がありますね。せっかくお店を構えられるようになったわけですし。
続いて“宝玉”ですが,これは基本的にドロップ品なんですか?
山中氏:
ドロップ品を材料にして作る,というパターンが一番多いです。ドロップ品に別のドロップ品をくっつけて性能を決めていく形になります。また,宝玉はどの職業でも作成できます。
4Gamer:
なるほど,では,アイテムを組み合わせるタイプの宝玉作りは傾奇者でなくてもできるんですか?
山中氏:
はい,できます。傾奇者の場合は,ドロップ品を手に入れなくても生産品として作ることが可能なんですよ。
松原氏:
そのあたりのバランスはいま調整しているところです。
4Gamer:
分かりました。では,この宝玉によるパワーアップ効果にはどのようなものがあるのか,教えてください。
山中氏:
付与石とはまた別の方向のパワーアップを用意します。術耐性が上がるとか,マイナス効果の持続時間が短くなるとか,これまでにあったものとは違った強化ですね。さらに複数の宝玉が「共晶」して別の効果を発揮したりもします。
4Gamer:
共晶といっても,一つの装備品にそんなにたくさんの宝玉を付けられるわけじゃないですよね。最大三つの組み合わせという感じでしょうか。
山中氏:
一つの装備品には宝玉を二つしか付けられませんが,共晶は同じ装備品に取り付けた宝玉同士だけではなく,全身で判定するんですよ。だから,かなり複雑な組み合わせもありますよ。また,共晶した場合も,本来の効果は付与されたままであるうえ,共晶自体の重複も可能なので,可能な限りたくさん共晶させたほうがお得ですね。
4Gamer:
なるほどなるほど,そういうシステムだったんですね。
宝玉は以前からあったアイテムにも付けられるんですか?
山中氏:
付けられます。
4Gamer:
一度付けた宝玉の取り外しはできますか? あるいは,新しいのを付けるために砕いてしまうとか。
山中氏:
どちらもできません。ただその代わり,付ける前に,どういった効果になるのかあらかじめ分かるようになっていますよ。それが分からないとかなりギャンブルっぽくなってしまいますからね。
付加される効果はアイテム詳細から分かります。共晶して生まれる効果もそこで事前に分かります。