4Gamer:
ラ・フロンテーラで導入される新コンテンツについては,一通り説明してもらったので,次はビジネスモデル周りのお話を聞かせてもらいたいのですが。
これは先日行われた「秘境探検レース」イベントの,スタート直前の模様。多種多様なゲーム内イベントは,大航海時代 Onlineの大きな魅力の一つである
渥美貴史氏:
これまで,ラ・フロンテーラの正式サービス開始日について,「今夏」という表現をさせてもらっていたんですが,もう少し正確にいうと,「8月下旬」になります(編集部注:7月19日に,「正式サービスは8月30日開始」とアナウンスされている)。
竹田智一氏:
ギリギリ「夏」といえる時期に,正式サービスが開始できそうです。
渥美貴史氏:
ラ・フロンテーラへの移行は,オンラインで簡単に行えます。既存のプレイヤーについては,2800円(税抜)で「『La Frontera』アップグレードチケット」を購入すれば,ラ・フロンテーラの新要素が楽しめます。
一方,新しく大航海時代 Onlineをスタートする場合,これまで通り無料体験版をダウンロードすることから始めるわけですが,4800円(税抜)で「『La Frontera』スターターチケット」を購入すれば,最初からラ・フロンテーラの状態でゲームが楽しめるうえ,30日のプレイ期間がついてきます。
4Gamer:
パッケージ版は発売されますか?
渥美貴史氏:
はい。価格は5800円で,パッケージに含まれているシリアルナンバーを適用すれば,簡単にラ・フロンテーラを遊び始められます。パッケージ特典についても期待してください。
竹田智一氏:
ラ・フロンテーラはチャプター制になっています。8月下旬にスタートするのはチャプター1ということになりますが,チャプター間の移行については,別途料金が発生することはありません。つまり,先ほどの2800円は「ラ・フロンテーラ全体の価格」であって,順次リリースされるチャプター2,チャプター3については,無料で自動更新することができます。
4Gamer:
そう考えると,かなりお買い得感のある拡張パックですね。3〜4か月単位でチャプターが一つ進んでいくとなると,ラ・フロンテーラ全体としてのプレイ期間は,どのくらいになるのでしょうか?
渥美貴史氏:
チャプター数については,今の段階では発表できません。各チャプターでどんな海域が導入されることになるのか,楽しみに待っていてほしいですね。
竹田智一氏:
ともあれ,チャプターがいくつまで進むかは分かりませんが,最後のチャプターでようやく,ラ・フロンテーラ(新天地)の全貌が見えてくると思います。
4Gamer:
ゲーム世界を俯瞰してみると,開放されていない海域が圧倒的に多いですからね。ラ・フロンテーラのコンテンツが公開されたとき,ゲーム世界の地球儀がどれくらい完成しているのか。考えるだけで,ワクワクしてきますね。
渥美貴史氏:
実は,ラ・フロンテーラのスタートと同時に,新ワールドをオープンしようと考えています。ゲーム内のパワーバランスがフラットなワールドで,新規プレイヤーの方々に楽しんでいただく,というのが新ワールドの位置づけになります。
4Gamer:
既存のプレイヤーと同時に遊び始めてしまうと,どうしてもプレイスキルや知識,キャラのスキルなどの面で差が出てしまいますからね。
渥美貴史氏:
ええ。そういった点もそうですが,既存ワールドに及ぼす影響なども考慮して,最初新ワールドでプレイできるのは,新規プレイヤーのみにしようと考えています。ちなみに「新規プレイヤー」は,アカウントが作成された日時を元に判断されるので,「既存アカウントの新キャラクター」とは意味合いが違います。
4Gamer:
一定期間が過ぎなければ,既存のプレイヤーは新ワールドでプレイできないわけですね。その制限は,具体的にどれくらいで解除される予定でしょうか。
渥美貴史氏:
制限解除までの日数については,現在検討中です。先行して新ワールドを公開し,まずは新規プレイヤーにプレイしてもらう。そしてその後,既存のプレイヤーに対する制限を解除するタイミングをもって,新ワールドの正式オープンとしようかと考えています。
4Gamer:
新規プレイヤーからすると,いきなり上級者プレイヤー達とプレイするとなると,ちょっと尻込みしてしまうところがあるでしょうからね。ある程度プレイしてもらい,ゲームに慣れてきたところで上級者達が参入してくれれば,コミュニケーションもとりやすいでしょうね。ちなみに,新ワールドの名前は決定していますか?
渥美貴史氏:
新ワールドの名前は,「ボレアス」(Boreas)になります。既存の3ワールドはそれぞれ,ギリシャ神話に登場する風の神の名を冠しているのですが,ボレアスは北風の神に当たります。
4Gamer:
ボレアスのオープンをもって,風神4種が揃ったわけですね。次に新ワールドがオープンする場合,どのようなワールド名が付けられるのか,微妙に気になりますね。
渥美貴史氏:
さらに次のワールドがオープンできるよう,これからもどんどん大航海時代 Onlineを盛り上げていきたいところです。ちなみに,かつてβ期間中でプレイを中断してしまった人も「新規プレイヤー」という位置づけなので,ボレアスワールドを最初から楽しめるようにしようと考えています。
4Gamer:
βテストの頃と,ラ・フロンテーラ導入後では,ゲーム内コンテンツの充実度に雲泥の差がありますからね。
竹田智一氏:
ええ。まったく別のゲームといえるくらいにパワーアップしていると断言できます。大航海時代 Onlineの現在を知ってもらうために,新規プレイヤーのためのウェルカムキャンペーンだけでなく,元プレイヤーに対するカムバックキャンペーンなども企画したいところです。
4Gamer:
戦闘重視のMMORPGに食傷気味だというオンラインゲームファンには,ぜひ一度プレイしてもらいたいですよね,本当に。それでは,そろそろ時間のようなので,最後に一言ずつお願いします。
渥美貴史氏:
ラ・フロンテーラには,プレイヤーからの要望に応える形で,新しい要素を大量に盛り込みました。新ワールド“ボレアス”も同時にオープンします。これまで大航海時代 Onlineを楽しんできた人も,そうでない人も,8月下旬の正式オープンを楽しみにしていてください。
竹田智一氏:
極端に言ってしまえば,大航海時代 Onlineは,ある意味ラ・フロンテーラからが本番なのかもしれません。チャプター制の導入により,「次はどの海域が開放されるんだろう」という,大航海時代 Online本来のワクワク感が,定期的に楽しめるようになります。これまで以上に楽しくプレイしてもらえるよう,これからもがんばっていくので,ぜひ期待してください。
新海域やアイテム面の追加に留まらず,生産システムや陸上戦システムなどの大がかりなリファインまで行われる「大航海時代 Online 〜La Frontera〜」。竹田氏の「ラ・フロンテーラからが本番」との言葉からは,8月下旬にリリースとなる同拡張パックへの,強い自信がうかがえるし,新規プレイヤーを意識した渥美氏の発言からも,「大航海時代 Onlineは,初心者にも自信を持ってオススメできる作品」だという自負が感じられる。
実際にインタビューを行った筆者としても,ラ・フロンテーラの導入によるコンテンツの拡充は,非常に魅力的に感じられた。かつて本作のβテストが行われていた頃,日本では「戦闘重視のクリックゲー」が流行しており,目指している方向性が異なる本作も,同じ土俵で評価されてしまっていた印象がある。しかし現在,乱発された「戦闘重視のクリックゲー」に食傷気味だというオンラインゲーマーが増えてきていることも事実。そうした流行面での追い風を受けつつ,この夏,同作は第二の船出を向かえる。
MMORPGファンにとって今年の夏は,大航海時代 Onlineという希有なシステムを持つMMORPGを再評価するときなのかもしれない。