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“指輪物語オンライン”であるLotRO,日本語版翻訳に関して
2007/04/09 19:51
チュートリアルの初っ端に登場する,あのお方。彼らの生きる世界にそのまま入れるのが,本作最大の魅力だと言ってもよいだろう
 4月24日からクローズドβテストが始まる,MMORPG「ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影」(以下LotRO)。本日さくらインターネット笹田社長と別件で談話をしているときに,日本語版について新しい情報が得られたので,ここで公開しよう。

 情報は,翻訳にまつわる話だ。DDO同様の――いや,もしかしたらそれ以上に――深くて広い世界観のため,どのような日本語訳になるのかが気になっている人も多いことだろう。「ストライダー」なのか「馳夫」なのか。「つらぬき丸」なのか「スティング」なのか。「ナズグール」なのか「ナズグル」なのか。一般プレイヤーにとっては正直ピンと来ない話題かもしれないが,コアな“指輪物語ファン”にとっては,それらをも含め,一つの大事なコンテンツなのだ。
 結論を述べると,それらはすべてトールキン財団からの翻訳指示に従っています」とのこと。原作に出てくるような名称はまだいいが,「ゲームにしか登場しないような名前――例えばアイテム名なんかがほとんど全部そうですよね――は,非常に難しいです。ここが最難関と言ってもよい」とも語っていた。なるほど,確かに参照すべき訳があるものはよいが,例えば「Elven Robe of Determination」というローブを,どのように訳せばしっくり来るのだろうか。これは,日本語訳制作スタッフが太古の昔から直面する,果てしなく難しい問題だ。
 「すべてを片仮名で通す」という決めごとで動いていたDDOと違い,パターンも多く厄介だ。さくらインターネットの手腕と決断に期待したい。
 ところで,そうとは明確に語らなかったが,指輪物語日本語訳の版元である評論社とは割と密な連携を取っていそうな雰囲気である。「日本語訳に関しては,指輪物語のファンからの声も積極的に取り込んでいきたい」とも語っていたし,より違和感のない日本語になることに期待しよう。




 ついでに余談だが,24日以降に実際にプレイすると分かるが,Nukerたるウィザードや,なんでも魔法で回復してくれるヒーラーが,このゲームにはいない。いわゆる普通のMMORPGのプレイヤーであれば,「(明確な形で)ウィザードとヒーラーがいない」という部分に果てしない違和感を覚えると思うが,これはLotROでは当たり前のこと。なぜなら,指輪物語の世界にウィザードもヒーラーもいないからだ(ガンダルフはあまりにも特殊な存在)。
 とはいえそれではゲームが成立しないので,登場させているのがLore-Master(魔法使い系)とMinstrel(ヒーラー系)というクラス。これらの名前は,原作にほんのちょっとだけ記述があるとのことで,トールキン財団からなんとかその使用許可が出たらしい。どこまでいっても,やはり「指輪物語」のMMORPGなのだ。

 4Gamerでも今後定期的に情報を掲載したいと思っているが,まずは4月24日から始まるβテストが日本での最初の“お祭り”だろう。
 筆者はすでに英語版をPre-Orderして乗り込んでいるが,素直に「日本語版が欲しい」と思った久々のタイトルだ。自分では英語に弱いつもりはないのだが,この興味深い世界観を下敷きにして延々としゃべる(TXTではあるが)NPCに付き合っていると,さすがにちょっと疲れてしまう。世界観を無駄にすまいと真剣に読むものだから,余計に厳しい。
 別記事にあるように英語版のオープンβテストは始まっているが,英語にまったくストレスがない人以外は,日本語版を待つことを真剣にお勧めしておきたい。彼ら(=NPC)が話すことを概ね理解できるのでなければ,本作の面白さは半減してしまうといっても過言ではない。さくらインターネットによる情報提供を,期待して待っておくことにしよう。(Kazuhisa)




ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影
■開発元:Turbine
■発売元:さくらインターネット
■発売日:2007/06/01
■価格:ダウンロード版 3000円(税込) 利用料金:1500円/1か月(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.04/20070409195149detail.html