ニュース
「エバークエストII デザート オブ フレイム」の詳細が公開に
2005/10/24 00:00
 ファンタジーMMORPG「エバークエストII」(以下,EQ2)は,10月19日に,大幅アップデート"LiveUpdate14"(LU14)が実装されたばかりだ。また翌20日にはアドベンチャーパック「スプリットポゥ サガ」が発売されており,早くもギャンブルゲームのNPC前や,ノールの村など,新要素に関係する場所はかなりのにぎわいを見せている。

 さて,LU14の実装と同じ10月19日には,EQ2初の拡張パック「エバークエストII デザート オブ フレイム」(以下,DoF)の発売が,2005年12月15日に決定している。
 過去に当サイトでは,Alan Crosby(アラン・クロスビー)氏へのインタビューや,ドイツのゲームショウ"GC 2005"での取材(記事1記事2ムービー1ムービー2ムービー3),そしてアップしたプロモーションムービーなどで,DoFについて紹介してきた。とはいえ,この追加要素の多い拡張パックについて網羅的に紹介した記事はなかったので,全体像をうまくつかめていないという人もいるかもしれない。そこでここでは,スクウェア・エニックスから公開された情報をもとに,DoFの世界観や,追加されるゲームシステムなどをまとめて説明していこう。



 DoFは,アラビアンナイトをテーマにした拡張パックだ。大きな特徴としては,まず,30以上のエリアが開放されることと,キャラクターのレベルキャップが50から60に変更されることが挙げられる。
 もちろんほかにも多くの要素が追加されている。例えば,特定の壁をよじ登れる"クライミング"システムが,その一つ。そこかしこに見受けられる(グラフィックパターンが微妙に違うのですぐ分かる)"登れる壁"を登っていけば,もしかしたら新たな近道やまだ見ぬクエストなどが発見できるかもしれない。また,通常の冒険とは関係なく誰にでも(文字どおり誰でも)楽しめる,"アリーナ・チャンピオン"というミニゲーム的なPvPも用意されており,期待を集めている。これについては後述しよう。
 さらには,新しいコミュニケーション手段"ボイス・エモート"や,ギルドメンバーと持ち物を共有できる"ギルド金庫室"といった新機能も追加となる。

 DoFの舞台となるロー大陸には,"マージ・ダル"という,フリーポート,ケイノスどちらの住人も自由に出入りできる町が存在する。ロー大陸での冒険は,このマージ・ダルを中心に繰り広げられるようだ。このロー大陸のレベルレンジは,45〜60となっている。



■派閥の争いで街の情勢が変わるダイナミックなファクションシステム
 EQ2のNPCには,攻撃対象にできないものが存在したが,マージ・ダルに限り,すべてのNPCに対して攻撃できる。おそらくこれは,この街独特のファクションに関係しており,クエストの目的としてNPCを倒す場合もあるのだろう。
 マージ・ダルのすべてのNPCには,ファクション/派閥が設定されている。派閥はそれぞれ敵対しており,ファイターファクションの"The Court of the Blades"(コート・オブ・ブレード),弁護士ファクションの"The Court of Truth"(コート・オブ・トゥルース),そして商人ファクションの"The Court of the Coin"(コート・オブ・コイン)による三つ巴の争いが,街の水面下で繰り広げられているとのことだ。また,どの派閥とも対立していないアサシンやシーフの組織"The Court of Tears"(コート・オブ・ティアー)というファクションも存在する。こちらは前述の3派閥の争いから利益を得るといった派閥である。

 冒険者がロー大陸に向かうために最初に足を運ぶ船着き場には,(Tearsを除く)それぞれの派閥に属する勧誘員が待機している。プレイヤーは,いずれかの派閥に協力することで,その派閥独自のクエストを受けられるようになるなど,さまざまな恩恵を受けることができる。
 また当然のことだが,特定の派閥と仲良くなるにつれ,ほかの派閥との友好度は下がる。ときには,街の中で襲われる危険もあるようだ。また,前述のとおり街の中のNPCはすべて攻撃可能であり,一人で立ち向かっても数秒で倒されてしまうようなEpicクラスのNPCが徘徊しているケースもあるという。敵対勢力が幅を利かせているエリアでの一人歩きは,たとえ街の中であれ,危険が伴うわけである。
 いつも一緒にパーティを組むプレイヤーやギルドメンバーなどがいるなら,なるべく同じ派閥にしたほうがよさそうだ。
 またそれぞれの派閥は"塔"(Tower)を持っており,NPCガードによって守られている。各派閥への貢献度は,クエストやタスクをこなす以外に,この,敵対勢力のNPCガードを倒すことでも上げられる。また,塔を警護するNPCガードの7〜8割を倒せば,その塔が自勢力のものになる。

 こういったプレイヤー達の行動によって,ファクションの力関係はダイナミックに変わっていく。この力関係は,街のあちこちに揚げられたバナー(旗)の数で,分かるようになっている。例えば,Sebilisサーバーでは"The Court of the Blades"の旗が多く,Vekserサーバーでは"The Court of the Coin"の旗が多い,などのように,サーバーごとの特色も出てくるだろう。
 勢力の力関係は,街で受けられるサービスや,NPCのスポーンなどにも影響してくる。受けられるクエストが変化する場合もあるとのことだ。また,自勢力が強くなることで,派閥員のみが入れるインスタンスダンジョンが開放されるという。



■レベルなどの制限なく誰でも楽しめるアリーナ・チャンピオン
 LU13で実装されたデュエル(決闘)を利用すれば,1対1のPvPを楽しめるが,レベルやクラス,そして装備の違いなどで,公平な状態で戦うのは難しいのが実情だ。また今のところ,チーム戦のシステムは用意されていない。
 DoFの魅力の一つであるアリーナ・チャンピオンは,これらを解消すべく導入されたシステムで,キャラクターレベルを問わず,誰でも,またチームでもPvPを楽しめる仕様になっている。

 アリーナ・チャンピオンでは,通常プレイしているキャラクターか,チャンピオン(アリーナでキャラクターが変身するモンスター)のどちらかで戦うことができる。チャンピオンは,基本的にはすべての種類が同程度の強さに設定されているので,プレイヤーキャラクターのレベルなどに関係なく,比較的フェアな状態で対戦できるわけだ。
 なおアリーナ・チャンピオンで勝利を重ねることで,"攻撃主体" "回復主体"など,さまざまな特徴を持つ新たなチャンピオンが使用可能になっていく。そのほかにも特定のクエストや,強大なモンスターを倒すことで得られるチャンピオンもあるようだ。


 アリーナのゲームルールは,制限時間内で倒したキャラクターの数を競う"デスマッチ",エリア内に落ちている旗を自陣に持ち帰り,その数を競う"キャプチャー・ザ・フラッグ",味方陣地にある像を守りつつ,敵の像の破壊を目指す"デストロイ・ジ・アイドル"の三つが存在する。
 なおアリーナ・チャンピオンは,その勝敗によってファクションが変動したり,所持金が増えたりといった,ゲーム本編に関係するメリット/デメリットは一切ない。とはいえ,その成績は残るようになっており,EverQuest II Playersで,その成績を見られる。スポーツ的にPvPを楽しむといいだろう。

 今回は,DoFの追加要素に絞って紹介したが,多くのプレイヤーが気になっているだろう日本語訳の進行具合などについては,またあらためて記事にするつもりなので,お楽しみに。(Seirou)


エバークエストII デザート オブ フレイム
■開発元:Sony Online Entertainment
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2005/12/15
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」
EverQuest II
■開発元:Sony Online Entertainment
■発売元:Sony Online Entertainment
■発売日:2005/06/16
■価格:オープンプライス,月額1480円(税別)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.10/20051024000001detail.html