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[GC 2005#43]DAoC新拡張パック「Darkness Rising」は10月リリース,日本版も年内に&Matt Firorミニインタビュー
2005/08/22 05:43
 GC 2005は現地時間8月18日から行われているが,来場者の数がピークに達するのは,やはり週末となる20日(土),21日(日)の両日である。来場者がドッと増える8月20日,「Dark Age of Camelot」(邦題 ダーク・エイジ・オブ・キャメロット。以下,DAoC)をドイツで運営するFlashpointのブースで,同作の最新拡張パック「Darkness Rising」についての発表が行われた。

 実はドイツはヨーロッパにおける最大のMMORPG大国で,DAoCも人気作の一つに挙げられる。そのため,あまり広いとはいえないFlashpointのブース内はそのとき,みっちりと埋まった現役プレイヤーと思われる多くの来場者達の熱気で充満していた。その来場者達の熱い(暑い?)視線を一身に浴びていたのは,DAoCの開発元Mythic EntertainmentのVice President of Development,お馴染みMatt Firor氏だ。

左:これは,前日19日の同ブース。このときは比較的穏やか 中央:壇上で「Darkness Rising」の特徴を語るMatt Firor氏 右:発表会直後の同ブース。しばらくこの周辺は,確実にほかの場所より気温が高かったと思う


同ブースにあったバインド・ストーン。GC 2005の取材はなかなかハードで,この石を見た瞬間,「あぁ,これで死んでも大丈夫だ」と一瞬思ってしまった自分にビックリ
 AoE3もそうだしBlack&White2もそうだったのだが,DAoCもまずは"基本的な発表"に終始していた。内容としては既報(「こちら」の記事を参照)のとおりだが,かいつまんで説明しておこう。
 Darkness Risingを導入することで,新たな武器(Champion Weapon)や能力(Champion Levelによるボーナスなど)を得られるようになったり,また"色"や"武器"のカスタマイズをより楽しめるようになったり,世界をより速く移動できるようになったり(新しい馬と,そのカスタマイズを指している)する。
 見た目も幾分綺麗になったように感じるが,エンジン自体は「Catacombs」のままとのこと。Matt氏の言葉を借りれば,この拡張パックでは,「やれること,行ける場所,戦えるモンスター,そして褒賞」が追加されるとのことだ。また具体的には説明されなかったが,先に導入予定の新ゾーン「Agramon」と共に,他国の攻略や,革命を防ぐことに関する要素が追加になるようだ。Champion's QuestやChampion Levelなど,新たな用語もたくさん出てきており,どうやらこの拡張パックは,今後のDAoCの進化における,ベースとなりそうである。

 この場で,Darkness Risingの具体的なサービススケジュールが明らかになった。これまで年内と聞いていたが,開発は順調のようで,10月中にもリリースするとのことだ。



Matt氏は,発表会直後という一番疲れているだろうときにもかかわらず,嫌な顔一つせず,質問に答えてくれた
 さて,発表会自体は以上だが,4Gamerとしては,日本語版についても聞いておきたいところ。そこで,恐縮しつつも壇上から降りたばかりのMatt氏を捕まえて,簡単に話を聞いてきた。時間もなく,ごく簡単なことしか聞けなかったが,日本におけるスケジュールも聞けたので,ぜひ目を通してほしい。

■プロデューサー自らが語る,DAoC-Jの状況

4Gamer:
 お疲れのところすみません。噂どおりドイツでも凄い人気ですね。

Matt氏:
 どうも,こんにちは。ええ,ドイツのファンもなかなか元気があっていいね。

4Gamer:
 日本も負けていられませんね。そうそう,Darkness Risingは10月リリース予定とのことでしたが,日本ではどうなんでしょう?

Matt氏:
 ローカライズは,数週間あれば十分のはずだ。だからそう……リリースは欧米の数週間後と考えてもらっていいよ。

4Gamer:
 ということは,年内?

Matt氏:
 うん,そうだね。知ってのとおりMysthicには翻訳のための日本人スタッフがいるから,ローカライズにはさほど苦労しないんだ。

4Gamer:
 頼もしい限りですね。そういえば日本語版のサービス開始から半年以上が経ちますが,状況はいかがでしょう?

Matt氏:
 今は,1000人が同時にアクセスできるサーバー一つにちょうど収まっている感じ。大きなコミュニティではないものの,十分な数のプレイヤーを獲得していて,順調といえるだろうね。新規課金者も着実に増えてるので安心してるよ(笑)。



■飽くなき進化を続けていくDAoC

4Gamer:
 最初のリリースからずいぶん経つDAoCですが,今度の拡張パックで,また大きく進化しているようですね。DAoCの進化は,今後もずっと続くと考えていいのでしょうか。

Matt氏:
 そこにプレイヤーがいる限り,また,新たなプレイヤーを獲得するためにも,拡張パックは今後もリリースしていくつもりだ。前に……E3のときだっけな,そのときにも話したように,拡張パックはおおむね1年強(14か月程度)のサイクルを目安に,リリースしていこうと思っている。
 プレイヤー達は毎月お金を支払ってくれているわけだから,我々もそれに応えられるよう,努力を続けていくつもりだよ。

4Gamer:
 今回のDarkness Risingは,ハイレベルキャラクターを対象として拡張パックといえますよね。次の拡張パックも同じでしょうか?

Matt氏:
 いや,拡張パックは,ハイレベル向けと入門レベル向けを,交互に出しているんだ。前回(Catacombs)が入門レベル向けだったから,今回はハイレベルがターゲットというわけ。だから次は,また入門レベルに的を絞ったものを出すよ。
 ちなみに,もちろん全キャラクターの平均レベルはどんどん上がっているけど,Catacombsで,そのパーティに合わせて難度を調節する"インスタンスダンジョン"などを盛り込んだこともあって,新しいプレイヤーを取り込むことにも成功している。

4Gamer:
 なるほど。ということは,この先も当分は,DAoCは安泰のようですね。

Matt氏:
 もちろん。さっきも言ったけど,プレイヤーがいる限り,続けていくよ。

4Gamer:
 分かりました,期待していますね。ありがとうございました。

Matt氏:
 ああ,僕自身も期待している。またよろしくね。



 ハイレベル向けの拡張パックといえば,「Trials of Atlantis」(ToA)で,アーティファクトやマスターレベルなどが導入されたことを思い出す。これはコアプレイヤーであっても,膨大な時間を費やさなければ攻略できない,かなり厳しい拡張パックだった。
 このToAについては,多くのプレイヤーから意見が寄せられたそうだ。その結果,アメリカでは新サーバーとして,Non ToAサーバーが導入され,なんとそれが大当たり。現在,一番といっていいほどの人気を獲得している。

 さて,今回のDarkness Risingである。Champion Levelという言葉が出てきたため,ToAのマスターレベルを思い出して,ぞっとした人もいるんじゃないだろうか。しかしMatt氏の話しぶりから察するに,Darkness Risingはハイレベル向けではありながらも,ToAほどヘビーな内容にはならないのではないだろうか。
 そのあたり,どのようなアプローチを見せてくれるのか,長年の運営で培われたMythicの手腕に期待したい。(Iwahama)


Dark Age of Camelot:Darkness Rising
■開発元:Mythic Entertainment
■発売元:Mythic Entertainment
■発売日:2005/10/11
■価格:19.99ドル
→公式サイトは「こちら」
ダーク・エイジ・オブ・キャメロット
■開発元:EA Mythic
■発売元:Mythic Entertainment
■発売日:2005/01/31
■価格:30日1500円,90日4200円(すべて非課税)など
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.08/20050822054331detail.html